中山七里のレビュー一覧

  • セイレーンの懺悔

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    中山七里は「デミスの剣」で誤認逮捕・冤罪を書いたが、本作ではマスコミによる「誤報」がテーマだ。
    「テミスの剣」では過ちを犯した刑事と判事は生涯重い十字架を背負っていく決断をする。ところがマスコミは誤報に関しては謝罪もせず、責任者ではなく現場のクビが飛ぶだけでとても内容に見合った罰を受けているとは思えない。

    私個人はマスコミは一部の人を除いてクズ揃いだと思っている。大衆の野次馬根性を満たすために手段もモラルも問わない取材をしておきながら、自分たちがクズだと自覚していればまだしも、「報道の自由」「大衆の知る権利」「社会の木鐸」などと声高に叫び正当化する姿を見ると反吐が出る。殺害された被害者家族に

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    2024年05月15日
  • ヒポクラテスの試練

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    シリーズ3作目。
    真琴はますます頼り甲斐がある、そして教授のやり方を受け継いでいて図太くなっていてよい。
    しかし、この事件…胸糞悪いですなぁ…。思わずクソ!と吐き捨てたいくらい笑

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    2024年05月15日
  • 静おばあちゃんにおまかせ

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    これは、表紙から騙された。もう少しほんわかした事件をイメージしていたんだが…良い意味で裏切られた。高円寺静という名前に聞き覚えがあって、調べたらテミスの剣の裁判官とわかり鳥肌。そういえば冤罪の話で、おばあちゃんが後悔している判決がこれのことか。と繋がった。テミスの剣の再読をすることにする。

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    2024年05月12日
  • 笑え、シャイロック

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    ベニスの商人シャイロックを唱えてタイトルが付けられた。銀行の渉外部という債権回収という大変な部署である。そこに優秀な上司が居て、一緒に仕事をしていく途中で殺されてしまう。その後を継いで回収困難な案件を次々とアイデアで回収していく様が面白い。そして、最後には殺された真実が明らかになり、異名として「シャイロック結城」として渉外部のエースとなっていった。

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    2024年05月12日
  • さよならドビュッシー 前奏曲

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    ネタバレ

    さよならドビュッシーに登場する香月玄太郎が主人公の短編集
    最終話の「要介護探偵の挨拶」では岬洋介との出会いも描かれている

    玄太郎氏は 強情で歯に衣を着せぬ言動が目立つ
    しかし、愛情があるという点ではいかにも昭和的
    「不適切にもほどがある」と相通ずる点があり気持ち良い作品に仕上がっている

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    2024年05月12日
  • どこかでベートーヴェン

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    このシリーズを読むとクラシックに興味が湧く。
    とにかく演奏シーンの熱量が凄まじく、実際どんな曲なのか聴いてみたくなる。
    曲を知ることによって、より小説の世界に浸れるような気がする。
    ああホント影響受け過ぎだな。
    ストーリー自体はなかなか残酷。
    どれだけ努力しようと天才には追いつけない。
    これを10代に突きつけるとは手厳しい。
    確かにミステリーしてるけど、今回は青春小説に近い気がした。

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    2024年05月12日
  • 死にゆく者の祈り(新潮文庫)

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    さすがにもう間に合わないよ、って思ってからの怒涛の展開にびっくり。
    帯に「死刑執行直前からの大どんでん返し!」とあったが、ここまで直前とは。
    ラストがちょっと強引だったけど、教誨師の目線で刑務所や死刑囚の様子を知ることができてすごく興味深かった。

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    2024年05月11日
  • 絡新婦の糸―警視庁サイバー犯罪対策課―

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    ミステリー仕立てで、SNSのネガティブな部分を描く。
    ミステリーとしての評価は分からないけど、SNSあるあるで一気読み。SNSとうまく付き合えるようになるには、あと何年かかるのだろう。何年か後に、この作品が「何書いてんだ?」と読者から思われるといいけど。

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    2024年05月09日
  • おやすみラフマニノフ

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    岬先生、この度もパーフェクトマン。
    1日密着してみたい。

    ベートーヴェン 皇帝
    パガニーニ ラ・カンパネラ
           24のカプリース

    メンデルスゾーン チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲
    ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2.4番

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    2024年05月08日
  • 禁断の罠

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    読んで良かった。アンソロジーだから、読んだことのない作家の作品も気軽に読めるし、と手を出してほんとに良かった。
    どれも、趣向が違うし、雰囲気もそれぞれだけど、とっても面白い。
    トリックの面白さというより、人の面白さ。
    しばらくしたら、また読もう。

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    2024年05月06日
  • 死にゆく者の祈り(新潮文庫)

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    教誨師

    確定死刑囚が執行の直前、接することのできる人のなかで、刑務官や立ち会いの検事でもない唯一の「民間人」が教誨師だ。
    教誨師は、牧師や神父、僧侶などの宗教人で、それぞれの宗派の教えに基づき、刑務所や拘置所などの被収容者に対する心のケアを行う。

    何か、凄い仕事。
    基本、宗教の人がするらしいけど、死刑囚の心のケアって…

    この作品では、浄土真宗本願寺派のお坊さんが、教誨師。そして、主人公!
    今回の担当は…大学の友人と気づく…
    それも命の恩人。
    もう、宗教家とかいう以前に人としてキツい。
    何か、冤罪の可能性が出て来て、もう、お坊さんやなく、命の恩人を助ける為に、活動し続ける。
    そら、仏の教え

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    2024年05月06日
  • ラスプーチンの庭 刑事犬養隼人

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    ネタバレ

    導入部分の回想シーンが結末にそう繋がってくるのか〜と思いました。途中からぐーちゃんの正体については検討がついていましたが、ゆーちゃんについては何となくでした。それにしても織田さんが被害者だったとは‥‥姉妹の復讐の仕方については、他の患者さんを巻き込む点に於いて個人的には納得しかねますが、でも、幼い姉妹の視点から考えてみれば、これもあり得ることなのかと。それにしても犬養シリーズも安定の面白さがありますね。個人的には御子柴礼司シリーズが、シリーズものとしては特に好きです。

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    2024年05月05日
  • 死にゆく者の祈り(新潮文庫)

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    苦しい。
    冒頭から苦しすぎる。

    教誨師と死刑囚の話であるがゆえ、死刑執行も描かれている。
    もちろん死刑囚となるのだから、それ相当の悪事を働いたことに間違いないのだが、それでも辛い。
    死を目前にした囚人に念仏をどれだけ唱えても何の意味も価値もない。


    宗教に対して知識も信仰もないのだけども
    「どんな悩みでも解放してやれば一部分となりとも抜けていく。あとは自力で解決するか、時間の経過もともに忘却するのを待つか二つに一つ。」と。
    私の悩みも解放して時間の経過を待つばかりか。

    主人公の顕真は自力で解決していく。
    刑務所で出会った囚人はかつて命がけで助けてくれた友人。
    命がけで助けてくれるような人

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    2024年05月03日
  • 騒がしい楽園

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    『闘う君の唄を』に続く、シリーズ第二弾。
    都内の幼稚園に赴任して来た神尾 舞子。

    しかし、そこでは、様々な問題に加え、小動物の惨殺事件が起きていた。やがて、...事態は最悪の方向へ。

    正義感の強い舞子と、どこか達観とした皮肉屋の池波の名コンビが、謎の解明に挑みます。

    やがて明らかとなる真相とは?
    最後のどんでん返しは、さすが中山七里氏ですね。

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    2024年05月03日
  • 禁断の罠

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    6人のミステリ作家のアンソロジー。
    どれも面白かったけど、ワタシにとってお初の中山七里さんの話が後引く面白さ。シリーズモノの一編だけど、違和感なく読めて、シリーズを最初から読みたくなった。
    なんか豪華な一冊でした。

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    2024年04月28日
  • 静おばあちゃんと要介護探偵

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    まだまだ数少ない女性判事として活躍し、80歳を超えた今も講演会やオブザーバーとして忙しくしている高遠寺静は、ある時車椅子の破天荒おじいちゃん香月玄太郎に出会い、彼の周りで怒る事件に巻き込まれつつ、2人で解決していく。

    静さんが、嫌味を言いながらも正義を持って破天荒おじいちゃんに協力してあげるのが微笑ましかった笑

    破天荒だけど筋は通っている香月さんも好きだ。
    有川浩の『三匹のおっさん』が好きな人はこの本も楽しめると思う。

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    2024年04月27日
  • 笑え、シャイロック

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    面白かった。

    ああいう無茶苦茶な要望にどう対処するか、三方良しの解決作が面白い。
    結城の成長も良いね。

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    2024年04月27日
  • 合唱 岬洋介の帰還

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    中山七里ワールドのオールスターが勢揃い。もうそれだけで嬉しい。いろんなシリーズを読んできたからこそ楽しめる。そしてもっと読みたい気持ちにさせられる。中山先生、うまいなぁ。
    御子柴先生が岬洋介のことを“真摯で老獪”と言ってたけど、まさに!って思った。

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    2024年04月26日
  • 静おばあちゃんと要介護探偵

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    ⭐︎4.1
    墓参りを兼ねて、帰省の予定を立ていて、感想のUPが遅れた。
    楽しませていただきました。平成の水戸黄門、これぞ勧善懲悪。
    爺さんの台詞かなり心に刺さるものがある。
    シリーズの続くものかたりも楽しみだ。

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    2024年04月24日
  • 絡新婦の糸―警視庁サイバー犯罪対策課―

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    社会派ミステリー。
    中盤からは、誰が犯人か、ドキドキしながら読みましたが、読み終わってみると、犯人探しより、ラーメン店の夫婦、アイドルグループの一員、新聞販売店店主、旅館の女将、といった登場人物たちの心情や状況描写がよかったな、と思いました。

    ネット利用はほどほどにしたい。


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    2024年04月22日