中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ蒲生美智留の入れ替わりトリックにまたも騙されてしまった。あかり、どっから出てきた?と謎多き人物だっただけに、見破れなかったのが悔しい。
嗜虐心ってなんだろう?と調べてみたら、他者に対して苦痛を与えることに喜びを感じる心理状態のこと。嗜虐心には、他者の苦痛を見ることで自己の優越感を満たすという側面があると書かれていました。
おぉ、これはまさに美智留にぴったりな心の状態ではないか。美しさも、1/fゆらぎのある声も、相手のこころを思いのままに操る話術も総動員して、他人を陥れていく。陥れることで、自分の優越感を満たしているということなのでしょう。
相手を思いのままに行動させてしまうのは、ふたたび -
Posted by ブクログ
中山七里『祝祭のハングマン』文春文庫。
世の中には悪事を働きながらも警察にも捕まらず、のうのうと暮らしている奴らが多数居る。政治家の連中からして、国民の生活を蔑ろにし、裏金や賄賂を集め、税金で夜な夜な美食を堪能しているのだから腹立たしい限りだ。
本作は、そんな警察に捕まらずに悪事を働く奴らに正義の鉄槌を下す私刑執行人、ハングマンを描いているのだが、どうにも爽快感に欠ける。
一つには私刑執行人が超人的な能力を持っている訳でもなく、私刑執行も大胆さに欠ける点がスッキリしない。
二つ目には私刑の対象となる悪人がごくごく普通に居そうな奴らである点が、共感出来ないのだ。
三つ目は3人もの同じ会