江國香織のレビュー一覧
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猫のダルシーが「あたし」だけの目線で綴る一生の物語。
もしダルシーが自分で文字を書いたなら、自叙伝と言うことになるのだろうか、などと思ってしまった。
帯についていた謳い文句とは違う印象を受けた。愛がどうのこうのというより、全身全霊をかけて生きた1匹の猫の物語だった。
「寝る前に読むと穏やかな気持ちになれそうだ」と思ったのだけれど、途中で止めることができずに最後まで読んでしまった。
ひとしきり涙を溢れさせた後、当初のねらい通りに暖かな気持ちで眠りにつくことができた。
翻訳物は読むのに少しだけ苦労するものも多いけれど、江國香織さんの訳はとても猫らしく、自然な感じがする。
とくに「My human」を飼い主なんていう野暮な言葉を使わず「私の人間」と直訳してあるところもダルシーらしさを表していて良かった。 -
Posted by ブクログ
森見登美彦訳『竹取物語』
川上弘美訳『伊勢物語』
中島京子訳『堤中納言物語』
堀江敏幸訳『土左日記』
江國香織訳『更級日記』
こんな、宝石の詰め合わせがあって良いのか⁈
発刊を待ちわびていたし、読むのもドキドキ。
それぞれに訳者の持ち味があって、とにかくすごい。
きちんと全文収録されているのも、嬉しい。
中でも、川上弘美の『伊勢物語』は鳥肌モノ。
歌物語の真骨頂というか、とにかく、和歌の訳し方が素敵すぎる。
言葉の数を少なくしながらも、今の感覚を添えてくれて、色っぽいし切なくなりました。
お気に入りは二段。
起きもせず寝もせで夜を明かしては春のものとてながめ暮らしつ
起きるでもなく
ねむるでもなく
夜は明けてゆく
春の長雨がふっている
わたくしはただ見ている
そして三十段。
逢ふことは玉の緒ばかり思ほえてつらき心の長く見ゆらむ
逢うのは
一瞬
恨みは
永遠
更に月報の小川洋子が、この川上弘美訳を上手く伝えてくれているので必見。
そうそう!ですよね!ってなりました。
あとは堀江敏幸の『土左日記』も、すごく考えられていて、参考文献を見ても納得のラインナップで、仕事の仕方に尊敬を覚える。
江國香織の『更級日記』は、とにかく可愛い。そうして、姉や父の描写を通した家族としての作者がよく描かれていて楽しかった。
紀貫之ではないけれど、言葉について、とても考えさせられる一冊だった。
私たちは、その息吹に今尚こんなに鮮やかに触れられる。 -
Posted by ブクログ
名だたる有名作家七人♪
気になる作家さんあり、そして装丁が素敵だったので購入しました〜♡
「ウッドペッカー荘事件」 ★★★伊坂幸太郎
ラストにちょっとしたドンデン返しありの伊坂さんらしい小洒落たミステリー
「二つの宇宙」 ★★江國香織
おばあちゃんを恋しく思う大学生の話…
ん〜よくわからない笑
「真実のトランク」 ★★★★★宮部みゆき
不思議なトランクにまつわるホラー味のあるミステリー?やっぱり宮部みゆきは面白い♪
これが読みたくて購入しました♡
「きっとあの日の光と同じ」 ★★★★★町田そのこ
コンビニ兄弟ファンが泣いて喜ぶ短編♡
青春♡そしてキュン♡
「無明」 ★★★★★米澤穂信
新宿の地下通路の雑踏で白昼我が子の首を絞める母親…逮捕され赤ちゃんは無事だったものの…
やっぱり米澤さんは短編のクオリティがヤバい
そしてめちゃくちゃ切ない
「見越しの松」 ★★★★梨木香歩
向かいの家の解体で無くなった立派な松の木
新しく建てられた住宅は何かがおかしい…
なるほど梨木香歩さんらしい不思議系
「伝説の季節」 ★★★恩田陸
六番目の小夜子読んでないからなぁ…
なんだかよくわからない笑
恩田陸さんはやっぱりあわないかもしれない
読み終えるのに時間かかりましたが笑
短編7作品は新潮社からの夏のプレゼント♡
やっぱり好きな作家さんは期待を裏切らない面白さで満足です:.゚٩(๑˘ω˘๑)۶:.。♡︎
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Posted by ブクログ
7名の作家が描く、“夏”をテーマにした短編小説のアンソロジー。ちなみに全編文庫書き下ろしとのこと。
一作一作が短いので、普段小説を読まない人でも読みやすいと思う。
内容は多種多様で、ミステリーものもあれば青春ものもあるなど幅広い。ファンタジーもの(私はそう捉えた)まで取り揃える。
それぞれガラリと性格が違うストーリーなので、どの小説が刺さるか、これも人によってガラリと変わるだろう。
私は、町田そのこさんの『きっとあの日の光と同じ』が好みだった。青春というものに異様に弱いのだ。
この話に出てくる「すれ違い」や「遠回り」は非常にリアル。
意地になってしまったこと、気づけなかったこと、言い出せなかったこと、タイミングを見つけられなかったこと……枚挙にいとまがないほどの「すれ違い」や「遠回り」を人は積み重ね、時に人生の色調が変わっていくのだ、と感慨深く思った。
この作者さんは名前だけは知っているが、一度もその作品を読んだことがなかったので、他の作品も読んでみたいと興味を持った。
こうした“新たな出会い”があるから、アンソロジーは良い。
伊坂幸太郎さんの『ウッドペッカー荘事件』と米澤穂信さんの『無明』には少しゾッとした。
社会で近い未来、いや、既に起こっているであろう難しい問題を突きつけられた感覚だった。