江國香織のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
作品紹介・あらすじ
谷川俊太郎、江國香織、川上弘美、角田光代らによる、佐野洋子『100万回生きたねこ』への、13人の作家によるトリビュート短篇集
江國香織「生きる気まんまんだった女の子の話」
岩瀬成子「竹」
くどうなおこ「インタビューあんたねこ」
井上荒野「ある古本屋の妻の話」
角田光代「おかあさんのところにやってきた猫」
町田康「百万円もらった男」
今江祥智「三月十三日の夜」
唯野未歩子「あにいもうと」
山田詠美「100万回殺したいハニー、スウィート ダーリン」
綿矢りさ「黒ねこ」
川上弘美「幕間」
広瀬弦「博士とねこ」
谷川俊太郎「虎白カップル譚」
*****
佐野洋子「100万回生きたねこ」を読んだ作家・詩人たちによるトリビュート集。
惹かれる作品(江國香織、井上荒野、町田康、今江祥智、川上弘美など)もあれば、そう感じない作品もある。一体どうやってあの「100万回生きたねこ」からこのような作品が生まれたのか、一読ではわからないものもある。「ねこ」がまったく登場しない作品もある。「100万回生きたねこ」というテーマがありながら、内容に一貫性はなく、トリビュート集らしい幅広さがある。
「ねこ」が登場しないので、これは「100万回生きたねこ」とは関係ない作品だ、というレビューもあったけれど、僕はそうは思わない。「100万回生きたねこ」はけっして「ねこ」だけの話ではない、と思っているから。また「100万回生きたねこ」を読んだ人は本書を読まないほうがいい、というレビューもあった。確かに「100万回生きたねこ」の読後感の感動からほど遠い作品も収まっているので、そのレビューにもある意味では賛成できる。ただ「100万回生きたねこ」を読んだことによって、こんなにも幅広いリアクションが誕生した、ということも事実なので、僕は「100万回生きたねこ」を読んだ人にこそ本書を読んでほしい、と思ったりもしている。「ああ、読んで失敗した」と思われても責任は取れないけれど。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】
江國香織「コインランドリーの夜」
金原ひとみ「ラストサパーフォーエバー」
角田光代「最後の鰻」
寺地はるな「小曾根幸子の送別会」
原田ひ香「最後に、何を食べたの?」
藤野千夜「もうひとりのねえちゃん」
井上荒野「本当の話」
人生の最後に何を食べるか? をテーマにした、アンソロジー。
「コインランドリーの夜」の弥生子、「小曾根幸子の送別会」の小曾根幸子の生き様は小気味よい。
「最後の鰻」は仲の良い家族の空気が伝わってきてほのぼのとする。
「ラストサパー…」と「もうひとりの…」は年代こそ違うが、シスターフッドのよさをしみじみと感じる。
「最後に、…」は嫌な話にならなくてよかった。
「本当の話」は夫に先立たれた妻の寂しさが身に迫る。
粒ぞろいのアンソロジー。 -
Posted by ブクログ
いろいろな作家さんの話が読めるので、短編集はさくさく読めてしまいます。今回は、『最後の晩餐』をテーマに7編が収録されていました。『最後の晩餐』というと、イメージとしては悲しかったり、切なかったりというマイナスな感情が先にたっていたけれど、どの話も前向きな話で自分の『最後の晩餐』についても考えてみたくなった。
どの作家さんの話も好きだったけど、個人的には金原ひとみさんの話が好きでした。コンプラが叫ばれる社会でこんな集まりがあって、ひたすら高カロリーな物を食べまくる…素敵な最後の晩餐だなぁと羨ましくなった。ちょっと学生時代を思い出した。
井上荒野さんの「本当の話」も心がじんわり温かくなる素敵な話でした。 -
Posted by ブクログ
猫好きさんからお借りしました。
挿絵はかわいらしいですが、最初の方は物語にあまり入り込めず、随分長くお借りしてしまいました。
私は、猫と一緒に暮らした経験はありませんが、経験者によると、猫は本当に人間をしもべと思っているらしい(笑)。
どうして、介助犬や盲導犬はいるのに、介助猫や盲導猫はいないのか、という話を知人としたところですが、犬と違って猫は、人間のために何かしてあげようと性質ではないからだろうかと。それでも、本書を読むと、存在しているだけで猫って素晴らしいと思わざるをえません。
ダルシーは、たくさん辛い経験をしますが、誇り高く、亡くなるまで「あたしの人間」を愛します。
愛するペットとお別れした経験がある方なら、涙なしでは読めないだろうと思います。
私が愛する人、私を愛してくれる人を大切にしていこうと改めて思わせてくれる、素敵な物語でした。 -
Posted by ブクログ
江國香織さん訳、高野文子さんの挿絵による
メーテルリンクの『青い鳥』。
子供の時分に絵本で読んだことがあるけど、
お話としてしっかり読んだのは初めて。
流石、読み継がれる名作とあって、哲学的で、
大人が読んでも(イヤ、色々な経験を経た
大人だからこそ)心に響くお話しだった。
幸せとは、あなたが気づかないだけで、
あなたの身の回りに幸せが沢山溢れていますよ
というメッセージが込められている。
目には見えないものを見る、感じる大切さ。
印象的だったのは、真夜中の墓地と未来の王国。
真夜中の墓地、死者やゾンビが出てくるのかと
恐る恐る(ワクワク)期待していたが、
現れたのは思いもしない光景だった。
(これはこれで、そうきたかと思いました。)
未来の王国では、〈時の審査〉を経て、決められた
運命をたずさえて、地球への船に乗り生まれて
くる未来の青い子供たち。
読んでいて思い出したのは、ピクサーのアニメ
映画『ソウルフルワールド』のソウル(魂)たち。当時映画を観た時は、斬新なアイデアに驚いた
覚えがあるが、青い姿や決められた運命など、
設定がとても似ていて、『青い鳥』のオマージュ
だったのだなと思った。
-
Posted by ブクログ
有名な古典で名前は知っていましたが、読むのは初めて。物語好きな女の子の旅と好きな物語を存分に読む生活が描かれていると思っていましたが、半分も当たりませんでした。そもそも日記と言いながら老境に入ってからの回想録。だから、当然、最後は作者が老いてからの話。夫を病気で亡くして、こんなことになるのはまだ若かった頃の自分の心掛けがよくなかったから、と後悔する場面など、ちょっと身につまされました。
途中、都に戻ってからの日々のちょっとした出来事の表現や人とのやりとりが、みんな和歌でなされています。この頃のコミュニケーションが和歌で成り立っていたことが改めて実感できたのも面白かったです。
最後に、江國香織さんの現代語訳がとても読みやすかったです。