江國香織のレビュー一覧
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竹取物語・伊勢物語・堤中納言物語・土佐日記・更科日記
どれも学校で古典や歴史で学んだ物語ですが、一度も
読んだことがありませんでした。(絵本とかあらすじみたい
なものを除いて)
初めて読みましたが、現代と異なって違和感のある部分
もありますし、想いのほか現代でも共感できる部分も
多く面白く読めました。現代訳が秀逸であったことも
要因だろうと思います。
中でも、伊勢物語の和歌と話しの内容の奥深さ。単なる
恋愛だけではなく人とのつながりを大事にしてきた文化
が垣間見える部分。
堤中納言物語の短編小説のような、また現代でも共感できる
家族や仲間での何気ないやり取りの記載。
土佐日記の紀行文としての情 -
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猫目線で描かれる猫ちゃん小説。
ダルシーという名の猫が飼い主である“あたしの人間”
と出会い、暮らす日々を描いている。
ダルシーは作家ディー・レディーの飼い猫の名前で、作家のダルシーへの思いが詰まっている。
猫目線の猫ちゃん小説は数あるが、この本が他と異なるところは、あくまでも猫の暮らしを描いていることだ。
猫ちゃん小説の多くは、猫の目を通して人間の姿の滑稽さや愚かさを描いているが、この本ではあくまで猫のダルシーが主役、主猫公なのだ。
そのため、“あたしの人間”が元気がないとか笑っているといったことは書かれているが、自分が直接関与していなければ、何故元気がないのか、何故笑っているのかには興 -
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森見さんの話が聞きたくて講演会に行って、欲しくなって買った本。森見登美彦さんの「竹取物語」は、確かに森見さんらしい。ファンタジーで、竹林が出てきて、美女も出てきて、そして男たちが片想いをする。川上弘美さんの「伊勢物語」は、授業でやった文章が出てきて懐かしい。在原業平すごい笑 中島京子さんの「堤中納言物語」は、歌の訳も三十一文字にしているのがすごい。こんなに楽しい物語だったんだと驚き。堀江敏幸さんの「土左日記」は、ひらがなで訳して貫之の考えを示すという独特の訳。江國香織さんの「更級日記」は、これも授業でやった文章が懐かしい。歌の訳など工夫されているのが伝わってきました。
古典文学のエキスパートで -
Posted by ブクログ
平安時代の文学を初めて読みました。
遠い昔のことのように感じていたけれど、本を読むことが好きな少女がいたこと、神頼みをすること、恋をすること、富士山が心に残ること、神頼みをすること、夢占いがあったこと、今と変わらないことがたくさんあるのだと感じました。
一方で、今は東海道新幹線で簡単に往来できてしまう距離を移動することが、この頃はどれだけ難しいことかも伝わってきました。
江國香織さんの訳のおかげで、和歌が理解しやすいことは大変ありがたかったです。
百人一首をある程度覚えているのですが、これまで意味を調べようと思ったことがなかったので、ああ、この言葉はそういう意味なのか、と知ることができ勉強