江國香織のレビュー一覧
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菅原孝標娘の生涯はそこそこ波乱万丈なのに、本人はまったくそう思っていないようで「都会の女子たちはあんなにキラキラした人生を送っているのになんでわたしったらこんなにさえない人生なのかしら」ってぶつぶつ言いながらブログを書いてるオタク女子のにおいがする。
孝標娘の夢見る理想の生活は「見目麗しきやんごとなき殿方にどこかの山里にてひっそりと囲われて、紅葉や月などをみて過ごし、その人からの四季折々織の歌をしたためたお手紙などを心待ちにして過ごす日々。年に1度は会いに来てくれるとうれしいな」みたいな感じでなかなかメルヘンの世界の住人。
江國香織の現代語訳によってモノクロの写真にうっすらカラー加工を施したような鮮やかさが生まれた更級物語。
古典が身近に感じられていいなって思えた一冊。 -
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ご存知の通り、『100万回生きたねこ』(1977)は、佐野洋子さんの絵本です。最後に主人公の猫が死ぬのに、心からよかったーと思える、不思議でとっても深いお話でした。少し哲学的で、大人の方が響くかもしれませんね。本書は、この名著に捧げる13名の錚々たる作家諸氏のアンソロジーです。
最近読んだ町田康さん、谷川俊太郎さんも書かれていて…、あ、谷川さんは佐野洋子さんと(短期間)ご結婚されていたんですね。また書き下ろしの広瀬弦さんは佐野洋子さんの息子さん!
なんと不思議な巡り合わせです。当然ながら、全編とも名作絵本への愛と敬意が根底にあり、様々な視点で読ませてくれました。
各話の冒頭には、作家さんがそれぞれ原典の絵本への想いを綴ることから始まっています。
オマージュ作品とは言うものの、短編小説だけでなく詩もあり、また原典のとの絡め方も、かなり直接的だったり着想のみでまるで別作品だったり、多種多様でした。
でも、猫、愛、生と死、側にいる人との心の揺れ動きと変化、時間の経過等々、滋味あふれ深く考えさせられる一冊でした。
初出は、「小説現代」2014年10月〜12月の12篇に書き下ろし1篇
※自分のための『100万回生きたねこ』のあらすじ
(ネタバレ、になるのかな?)
主人公の猫は、100万回生まれかわり様々な飼い主のもとで死に泣き悲しまれますが、猫が好きなのは自分だけで、何度も生き返るので死ぬ事も恐れていません。
ある時、猫は誰の猫でもない野良猫になり、100万回生きた事を自慢します。すり寄ってくる猫の中で、唯一関心を示さないメスの白猫がいて、気になり始め、ただ白猫のそばにいたいと思うのでした。
猫は白猫と一緒になり沢山子猫に恵まれ、猫も自分より白猫や子猫達の方が好きになります。やがて子猫達も育ち猫の元を去り、白猫も年老いて、ある日猫の傍で静かに動かなくなります。
猫は生まれて初めて泣き、動かなくなった白猫を抱えて100万回も泣き続け、ある日のお昼に猫は泣き止みました。そして猫も白猫の隣で静かに動かなくなり、もう決して生き返りませんでした。 -
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佐野洋子さんの『100万回生きたねこ』。インパクトの強い緑色の瞳をしたオスのトラ猫が表紙の絵本です。おそらく子どもの頃にも読んだことがあったと思うんですが内容はほとんど記憶になく、大人になって改めて読んでグッときました。
1977年に発売されて以来、今なお多くの人に読まれ続けている大ロングセラーであるこの絵本への、13人の作家によるトリビュート短篇集です。
佐野洋子さんの息子さんで絵本作家の広瀬弦さんや元旦那さまの谷川俊太郎さんも執筆されています。結構著名な作家陣ばかりですが、私は読むのは初めましてな作家さんが多かったですね。
どういうこと?と理解が追いつかないお話もあれば、ちょっと不思議なお話もあり、せつなかったりしんどかったりおもしろかったりこわかったり、猫がまったく出てこなかったり、13人それぞれ個性豊かなお話でした。ただ、私が期待していたものとはどれも「なんか違った」なぁ、という感じ。
でも江國香織さん、角田光代さん、山田詠美さんのお話がおもしろかったかな。 -
Posted by ブクログ
現代的で読みやすく、千年前とは思えない
ある一人の女性の人生の踵を細やかに
刻んだ日記である。
少女時代の旅の描写は京への憧れと不安
旅の道中の珍しいその土地の話し、旅の中
で印象に残った風景を目に映したまま
自然と描写している。
その当時は大変な旅だと思うが少女時代の思い出
として輝く様な旅であった事が分かる。
源氏物語に憧れ、横になって夢中に読む
姿も微笑ましい。
神仏にこの時代の人々は心の拠り所や
願望を心から願い信じて居たのだろう。
ちゃんと拝まなかった事を時々に反省
している所もある。
自然が日々の生活を彩り日本の四季が
新ためて美しいと感じさせる。