桐野夏生のレビュー一覧

  • エロスの記憶 文藝春秋「オール讀物」官能的コレクション2014

    購入済み

    女性にオススメ

    初めてこういった分野に足を
    踏み入れてみました。
    内容は総じてソフトな印象で
    幸いでしたね。ノーマルな志
    向の?女性向けの一冊だと思
    います。

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    2021年02月26日
  • アンボス・ムンドス ふたつの世界

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    最初の短編を読んで、こういう感じあんまり好きじゃないかも、と思ったけど、読んでいくうちに、どんどん引き込まれていった。全体的に暗い、人間の憎悪とか嫉妬とかそういうテーマの話。読み返したくなるような話ではないけど、娯楽としては面白かった。表題にもなってる「アンボス・ムンドス」がいちばん好き。先生の気持ちわかる。実際自分が教員のとき、11歳の女の子、こわかった。これも実際の事件(事故)がモデルだとしたらその話も気になる。

    0
    2021年02月22日
  • 奴隷小説

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    私は今、日本にいて、この時代に生きているだけで、奴隷みたいな生活をしている人は、今も世界のあちこちにいるんだろうな。日常生活に感謝です。

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    2021年02月16日
  • デンジャラス

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    谷崎潤一郎の「細雪」を久しぶりに読みたくなりました。雪子の結婚が決まったのに下痢が続く、という中途半端な終わりと言えなくもないラストでしたが、まるでその続きを読んでいるような気分になりました。ところどころに桐野調を感じさせながら、結構谷崎潤一郎に寄せている作品だなと思います。あくまでもフィクションという位置付けで読みましたが、実際彼とその周りが物語の通りなら、谷崎も含めみんな生きにくい人生だったんじゃないかなと思います。
    あと「細雪」の登場人物である貞之助兄さんがやたら良い人だったのはこういうことかと納得しました。自分がモデルだからなのね。基本的に小説はそこにある物語が全てで、筆者の背景とか人

    0
    2021年02月07日
  • グロテスク 下

    購入済み

    複雑

    面白さ、切なさ、悲しさ、怖さ。
    共感、理解、納得。またその真逆。
    ただただ必死に読んだ。
    スッキリは何一つしないけど、やはり納得。
    色々なモノに憤りを感じながらも、やっぱり切ない。
    そんな複雑な思いになる。

    0
    2021年01月30日
  • 優しいおとな

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    近未来の小説なので挿画・挿絵にスカイエマさんを選択されたであろう事は想像しましたが、今までの作品とはあまりにも違うので驚きでした。

    内容は近未来の渋谷でしたたかに生き抜くホームレスの少年・イオンを中心に物語は展開して行きます。

    地下のシーンが多いので脳内映像だけで息苦しくなる様な展開です。

    それでも文章も丁寧で想定もわかりやすいので飽きる事無く読み進める事が出来ました。

    本著は好き嫌いに分かれるかと思いますが桐野さんの新たな一面を発見出来る作品となっています。

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    2021年01月25日
  • 柔らかな頬 下

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    子供の誘拐事件。この小説はミステリーと言えばそうであるが、救いのない、出口の見えない暗闇を彷徨い続けるかのような展開。
    誘拐された子供を探し続ける母親、自分の死期を自覚しつつ一緒に探す元刑事。
    決して読後感いいものでないが、この心理描写は見事であり、最後まで引き込まれた。

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    2021年01月14日
  • 柔らかな頬 上

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    直木賞受賞作。暗い過去をもち、浮気をしているとき、娘が行方不明になり、罪悪感をもちかながら、娘を探し続けるカスミ。
    元刑事で余命宣告されている内海と娘を探しはじめる。
    引き込まれる展開。面白い。

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    2021年01月13日
  • 奴隷小説

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     2006年から2014年に書かれた作品を集め、2017年に単行本化された短編小説集。
    「奴隷小説」というタイトルが不思議と全編に結び付いている。特に巻頭の「雀」「泥」や最後の「山羊の目は空を青く映すか」は奴隷化された存在をめぐる寓話的な物語だ。
     この社会にあって、女性や経済的弱者は奴隷として扱われているようなものであり、それに対する怒りや悲哀を、桐野夏生さんは常々意識しているのだろう。
     個々の短編小説は、一般的な短編小説作法の基準から言うとやはり「オチがない」「唐突に中途半端に終わる」感じがあって、型にはまった書法を嫌う桐野さんが短編を書くとこうなってしまうのかな、と思う。少ない紙数では

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    2020年12月25日
  • 優しいおとな

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     2010年単行本化、桐野夏生さんの長編小説。
     今回は、面白く通読できるものの、桐野さんの作品としては幾らか物足りないものを感じた。たぶんその理由は次のような点だ。

    (1)主人公はじめ主な人物は少年であり、いつもの「女性の視点」がほぼ無かった。
    (2)小説ならではの心理描写はさほど優れず、プロットと行動・会話ばかりが浮上して、ジュブナイル風の平易な物語となっていた。
    (3)社会システムや理不尽な「周囲の人びと」への怒りがあまり表面化されないのが、いつもの桐野作品と異なり、苦痛が控えめだった。
    (4)桐野作品がしばしば体現する小説的形式の破綻が無く、「ふつう」に感じられてしまった。

     20

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    2020年12月20日
  • 奴隷小説

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    『奴隷』ばかりの短編集。

    最初の方は、分かりやすく女性が奴隷、という環境。
    閉鎖的な村、攫われた女子高生。
    夢のために、と頑張る子供の母親の話もありましたが
    妹の言葉が、もっともです。
    そこまで金をつぎ込ませるという事は
    そこまでせねばならない素材というのもあるし
    いつまでも頼ればいい、というぬるま湯現象も。

    奴隷、といわれて想像するものが出た、と思ったら
    次は人生だったり、女性相手に、であったり。
    ひたすらに、がむしゃらに。
    そのために頑張る奴隷、でした。

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    2020年11月17日
  • 新装版 顔に降りかかる雨

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    謎解き、人間関係、苦悩、愛憎のバランスが良い作品。
    ドイツのネオナチまで手を伸ばして謎に絡めているが、綿密な下調べがされており、トンデモ感なく読めた。
    ドラマチックかつ、キャラの立つ登場人物たちがいるので、映像化されたときの情景を思い浮かべることができた。
    頭をからっぽにして、楽しめる作品。

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    2020年11月03日
  • 奴隷小説

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    久し振りの桐野作品! タイトル通りの社会構造を浮き彫りにする短編7編。「雀」「泥」「告白」「山羊の目は空を青く映すか」あたりがお気に入り。特に「雀」の世界観は、理不尽で重層的な支配構造を描いており、気持ち悪くなりながらも頁を捲る手が止まらなかった。

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    2020年10月01日
  • 新装版 顔に降りかかる雨

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    1993年度の江戸川乱歩賞受賞作。もう23年も前。探偵の娘のミロが友人の失踪をその友人の恋人と共に行方を追うのだが、その2人が惹かれ合ったのには少し嫌な気分にさせられた。後半部分はなかなか面白かったので、この次のシリーズも読んでみようと思う。

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    2020年08月26日
  • 緑の毒

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    金と権利という自由を手に入れても尚満ち足りない気持ちを埋めるための行動は酷い。被害者を軽んじる、従業員や患者への上から目線は、医者という職業が悪い方向へ育ててしまったのかも。

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    2020年08月16日
  • バラカ 下

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    ネタバレ

    上巻が終わって、止まらず下巻に行ったのに、
    急に時間軸が変わってて、ちょっと拍子抜けした。

    でも、バラカの不幸はどこまでも続く。
    読んでるうちに、
    あー!そいつも悪いヤツか…となっていくので
    誰が出てきても、
    そいつもダメなんじゃないの!!
    イヤイヤ、ソイツ信じちゃダメだろ!と、
    そういう意味でハラハラしてた。

    でも、最後イマイチ、伏線回収については消化不良感あり。
    あんなに丁寧に描いてきたのに、結局父娘は再会しなかったかんかーい!と思った。

    まぁ。
    最後は、やっと穏やかな日常を取り戻せたようで良かった。
    でも、戸籍とかないのにどーしたんだろうねー。

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    2020年07月26日
  • 緑の毒

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    開業医の川辺は、勤務医の内科医である妻に嫉妬心を抱いていた。
    患者からも院内からも人気があり、同じ病院の医者と不倫関係にある妻に。
    川辺は、鬱憤に耐えきれず、犯罪を重ねてしまう。それは、連続レイプ。

    川辺、そのクリニックで働く看護師、川辺の妻カオル、川辺に苦しめられた被害者の女性達、川辺の同期。様々な目線を通して、一連の事件が追われていく。

    夢中になって読んでしまった。

    この物語の特徴は、ヒーロー的存在の探偵役を立てていないことだ。

    川辺なる「犯人」を追うべく、様々な登場人物たちが、少しずつヒントを探り出してかき集めていく。その過程に惹きつけられる。

    また、特

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    2020年07月26日
  • 水の眠り 灰の夢

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    以前、ミステリをむさぼるように読んでいた時期に買った一冊。久しぶりに引っ張り出して読んでみた。桐野夏生は他にも何冊か読んでいて、この本よりもOUTの方が(その特異性ゆえに)印象に残っていたが、実際に起こった未解決事件を題材にしつつも、独自の人物像を作り上げ、ストーリーが作られていくプロセスには、共通する人間観察力みたいなものを感じた。一つの事象や言葉などから妄想を広げて、自分だけのキャラクターを作っていく作業って、きっと面白いだろうなぁと思う。

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    2020年07月18日
  • バラカ 下

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    ネタバレ


    面白かったのは間違いない。読み始めたら止まらなくなり、「バラカ」という1人の少女の数奇な人生を、並走するように猛スピードで読みきった。

    だが。ちょっと風呂敷広げ過ぎと言うか情報量多過ぎと言うか……。

    上巻では、キャリアと財力を手にした四十路過ぎの独身キャリアウーマン2人が、それに飽き足らずドバイの人身売買組織から幼女を購入。その前に現れた元カレの悪魔のような策略により二人の運命が狂いだす。こういう女のルサンチマンを書かせるとホント筆者は上手くて、こっちはその醜悪さに閉口しつつも目が離せなくなる。

    並行して綴られるのは出稼ぎで来日した日系ブラジル人の一家の日常だ。やがて失踪した妻と子を探

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    2020年07月12日
  • ポリティコン 下

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    ネタバレ

    理想の農村を作った人の血を引く男と脱北者を援助し行方不明となった母親を持つ娘が主人公の話。全般的に重苦しい雰囲気だが、人生を生き抜く力のようなものを感じる。

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    2020年06月15日