桐野夏生のレビュー一覧

  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    あまり歌詞リンクしている感じはしなかった気がする(あまりユーミン詳しくないのもあるかもだけど)

    綿矢りささんの青春のリグレットは綿谷さんらしいぶっとんで振り切った感じの主人公で面白かったし、歌詞と相まって忘れられない恋がある人には刺さると思う。
    「尽くされるより尽くす方が好き、自分が心から愛せる相手と一緒になることん夢見ていた20代のころ」

    春よ、来い
    「合コンが苦手じゃない男や女ってあんがい少ないんだよ」合コンって結局、互いを値踏みしてアピールする競技でしょうそんなのが好きな人間ってスポ根マンガに出てくるようなタイプの人間だけだから。

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    2023年05月31日
  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2

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    コロナ禍をテーマにした、識者たちの短いインタビュー記事が集められたものだが、人間の生死について、人間どうしの関係性について、また経済について(これに関しては私自身の基礎知識がなく、よくわからなかったが…)など、コロナ禍に限らず、人間社会が抱える普遍的で本質的な事柄が多岐にわたって言及されていた。
    色々なるほどと思う言葉に出会ったが、特に、世界的な傾向にある「分断」が抱える問題について、アメリカ人経済学者の言葉が腑に落ちた。彼は、それは誰か一人の責任ではなく「差異を超えて互いに話し合うことを妨げている深い分断そのもの」が問題であると語った。特定の人物に責任を転嫁させるような報道に違和感があったが

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    2023年05月26日
  • 柔らかな頬 下

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    家族と別れ、長女を探すためだけに進む。

    余命短い元刑事と探し続け、上巻と違って
    関係者の心情が出てきて、長女の行方が…でした。
    夢や想像も出てきたりするので、うっかりと
    これが本当か、と思ってしまいます。

    ひとつだけ、想像通りな着地点でした。
    そこだけが、やたらに現実的でした。

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    2023年05月19日
  • だから荒野

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    最初は家族の身勝手さに腹が立ってしょうがなかったが、思い切って長崎への逃避行を決めたり旦那への軽い仕返し(車を奪ってゴルフバックを売るところ)などは痛快だった。
    家族といえども相手のことを尊重する気持ちを忘れてはいけないなと改めて感じさせられた。

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    2023年05月01日
  • 夜の谷を行く

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    元連合赤軍メンバーの女性を主人公としたお話。リアリティーがあり引き込まれるが途中から飽きてきて流し読みとなってしまった。

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    2023年04月29日
  • グロテスク 上

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    主人公ユリコミチル和恵4人の女がそれぞれに歪んでおりひたすら陰鬱に悪意に満ちた告白が続く。
    これが人間だなという圧倒的な心理描写とそれゆえに立場が似ていたり似たような経験してるとめちゃくちゃ引き摺り込まれてめっちゃ落ち込む。
    迫力も精緻さも間違いなく一級品なんだがそれ故にメンタルへの負荷がすごいので⭐︎5にできなかった……

    和恵の壊れ方がかなり生々しくて元になった事件の人はどうだったんだろうなと考えたりするし、それを狙った本なんだと思う。

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    2023年04月22日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ユーミンを聴きながら読む、曲を小説に合わせて読むのは初めての体験。音からも世界の広がりが感じられて面白かった。

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    2023年04月03日
  • ハピネス

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    主人公が好きになれなくてたぶんこの中だといぶママの話を読みたかった。続編はネタバレだけ見て読まないかな。

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    2023年03月28日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ユーミンの名曲と作家が紡ぐ6編のストーリー。

    ○あの日にかえりたい〜小池真理子
     ちょっとした嘘で気まずくなった友、苦い思い出。
    ○DESTINY〜桐野夏生
     規則正しい生活の中に運命の人だと感じた出会い。
    ○夕涼み〜江國香織
     老女たちの沈黙の中に見えてくる感情。
    ○青春のリグレット〜綿矢りさ
     身勝手な主人公はどうするのだろう。
    ○冬の終わり〜柚木麻子
     女たちの感情のやりとりがあるある。
    ○春よ、来い〜川上弘美
     願いを叶える能力があれば、どう使うのか。
     きっと春は来る…という結末。

    ユーミンの歌は、どことなく哀愁があって心にじんわり沁みてくる。
    それに合わせて物語もありふれた日常

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    2023年03月24日
  • 夜また夜の深い夜

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    多彩な引出しを持つ桐野さん。
    本作は強いて言うなら「東京島」系統のカテ。
    設定、展開、その中で交わされる会話の数々を「荒唐無稽」という人はいまい。
    古くは重信房子、その産んだ子供、最近ではフィリピンの特殊詐欺の犯人たち。
    「普通に」日本で育った女性すらも「自分の存在を誇示せんばかりの」表情で逮捕された・・犯罪のグルーバル化というか。。。

    「日本はファジーな人間には とてもつらいところです」と語る七海。彼女も舞子とシンクロして居る様な見方、考え方をする、その生い立ちの酷似性からか。
    この言葉だけを切り取ると、日本の難解な国風に映りそうだが、それは狭い島国、海外との対比の歴史が非常に未発達という

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    2023年03月17日
  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2

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    文字通り、コロナ禍においてどう生きるかを説いた本。

    オムニバス形式なので統一感はないが、コロナについての各有識者の意見が知れたのは良かった。

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    2023年03月12日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    毎週末スキー三昧だった20代の頃。クルマでユーミンの番組をラジオで聞きながら帰路に着くのが常だった。ラジオからはユーミンの曲とリスナーから寄せられた葉書がオーバーラップしてた。

    50周年記念のアルバムから6つのストーリーが作られている。ユーミン、全曲聴きながらストーリーを妄想したくなる。
    「あの頃に帰りたい」帰れないけど、思い出にはひとり帰ることはできる。せつない。

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    2023年03月07日
  • ロンリネス

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    02月-16。3.0点。
    タワマン小説「ハピネス」続編。
    賃貸タワマンに住む主婦の、その後を描く。

    うーん、ただの不倫小説になってしまった。前作はママ友たちの複雑な人間関係だったのが、主人公中心の物語に。

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    2023年02月24日
  • ハピネス

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    02月-15。3.5点。
    東京湾ベイエリアのタワマンに住む主婦。夫は単身赴任で米国に、3歳の娘と暮らす。主人公は賃貸、ママ友たちは分譲で幼稚園受験を控える。

    タワマンヒエラルキーとも言うべき小説。桐野氏は人間の心情描写が秀逸。特に「イヤ」な面の描写が。
    続編も楽しみ。

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    2023年02月22日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    「あの日にかえりたい」「DESTINY」「夕涼み」
    「青春のリグレット」「冬の終り」「春よ、来い」

    ユーミンの名曲に乗せて6人の女性作家が書き下ろした短編集。

    原曲に忠実にと言うよりは其々の作家さんが発想を飛ばして紡いだ物語。

    異性を挟み些細な事で仲違いをしてしまった女性を描いた小池さんの『あの日にかえりたい』は誰しもこれに近い経験がありそう。

    男性を主人公にした桐野さんの『DESTINY』には悲喜劇的なものを感じ、大学職員の彼にちょっと同情。

    川上さんが描く『春よ、来い』は辛辣さもありながら最後は温かな余韻が残る。

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    2023年02月18日
  • 柔らかな頬 上

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    直木賞受賞作ということで一読。
    中盤まで読んでてっきりミステリーかと思ったが、全体を通してみると純文学に近いか。

    上巻だけの感想を言えば、中盤までは心理描写も丁寧で、ストーリーもハラハラと楽しめた。
    ただそれ以降のストーリー展開は「この展開必要だったか?」と思えるものが多く退屈に感じられた。


    下巻への助走だと思いたいが…

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    2023年02月11日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    私の中でのユーミンの世界とは、ちょっと違う感じでした。
    私が感じるユーミンの詩のイメージから離れて読めば違和感は、なかったかもしれません。

    そんな中で、最終章の「春よ、来い」は、素直に心に響きました。

    生きてる中での冬を乗り越えて、きっと春が来る、春のあたたかさが感じられました。
    ユーミンがみんなそれぞれを和ませ、それぞれの思い出や、出来事に寄り添い、明日への希望を抱かせてくれる。

    私の大好きなユーミンが描かれていて嬉しかったです。

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    2023年02月04日
  • 水の眠り 灰の夢

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    連続爆弾魔だけじゃなく色んな事件が絡み合ってる

    結構ハードボイルド系で、面白かったようなそうでもないような、、
    高度成長期時代特有の固有名詞とか時代背景にあまりピンとこなかったのもあるかも

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    2023年01月12日
  • 女神記

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    古事記。この最古の名作を読むのは、なかなか大変だろう。この名作をモチーフに、主人公を通してイザナミ、イザナキの描写が後半に向け徐々に盛り上がる。ここから古事記に入っていくのもよいかもしれないなと感じた。

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    2023年01月09日
  • 緑の毒

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    ネタバレ

    久々の桐野さん。相変わらずドロドロの設定。全体的には面白かったけど、登場人物が多すぎてそれぞれの個性がうっすい。個人個人の日常生活を再現したかったんだろうけど、もっと絞ってよかったのでは?ツイッターとかネットとか駆使して今の世の中っぽくしたのはよかった。最後の犯人を追い詰めるところとか。でも、もし私がレイプされたとしても犯人に個人的に復讐したい気持ちより、逮捕されて次の被害者を出さず、私自身は事件のことを忘れたいと思うので、被害者たちが警察に届けるより復讐を優先した気持ちは理解できなかった。

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    2023年01月02日