桐野夏生のレビュー一覧

  • 夜また夜の深い夜

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    あまりに健全すぎないか!?ってびっくりするくらい、イヤミス的な読後感の憂鬱さがなかった。なんだろ、村のミロシリーズとかよりもぜんぜんさわやかな感じ。ここ数作は読んでなかったんだけど、最近こんな路線なのか?
    ゆるふわのアナ、姉御肌のリーダーエリス、近くて遠いシュン、と設定としては定型的なのに、掘り下げて夜の闇みたいに深い奥行きを出しているのはさすが。一生ついていきます。
    ただ、宗教がらみに話を展開しちゃうとこ、個人的に食傷気味だったので少し退屈だった。東直己がわりとやるのよ。尤も東直己は消費者問題とかと絡めて現代の軋みを炙り出すんだけど。純文学的な文脈で新興宗教を扱うのであれば、ひとひねりないと

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    2017年09月13日
  • 夜また夜の深い夜

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    ネタバレ

    生ぬるい日本の感覚とは違った外国育ちで、純朴だった舞子は、厳しい環境の中で成長を遂げていく。それぞれに思わぬ生い立ちを持つエリン、アナと共にアンダーグラウンドな生活を潜り抜け,行きぬけていけるたくましさを手に入れた。

    自分の本能にこんな強さはあるか。それを眠らせてないか。

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    2017年09月09日
  • ファイアボール・ブルース

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    殺人事件もからめてあるが、描かれているのは、主人公が女子プロレスを通して心身共に成長していく姿。女子プロの世界という特殊な舞台を、きっと綿密な取材を経て書かれたのだろうと思われるノンフィクションのような物語。「女にも荒ぶる魂がある。闘いたい本能がある」。いいな、この言葉。女だって、やるときはやるよ!

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    2017年06月22日
  • ファイアボール・ブルース2

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    ネタバレ

    前作を読んだので、続けて読んでみた

    ・短編集で、前作よりも時間軸は前の話

    ・最後の最後に、前作の後日譚がみられるが
     うまく整合していない?のかなと思った。
     ただ結果は予想外の方向で。

    ・エピソードとしては、最初の新入門レスラーの話と
     最後の付き人の彼女は、普通の人だったという2つが
     意外性のある終わりかたで、印象に残った

    ・前作と同じく、ものすごい熱中するわけではないが
     スラスラ読めて楽しめる

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    2017年04月08日
  • ファイアボール・ブルース

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    ネタバレ

    殺人事件の犯人さがしというよりは、女子プロとその周辺の
    情報が面白さの原因かなと思った

    強く頭の良い女子レスラー火渡さんの付き人の視点で進む

    試合開始前に敵前逃亡した相手レスラーが
    死体になってみつかった(のではないか?)ということで
    犯人さがしをしていく

    サクっと読めて、重さもあまりない話

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    2017年04月08日
  • 光源

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    誰もが当人にしかわからない事情を抱えている。
    そして、誰もが自分にしか通用しない正義を信じている。
    物語に登場する人物は、何があっても最終的に悪いのは他人だと思っている。
    自分にも悪いところはあっただろう、でも、それ以上に悪いのは他の人間だと・・・。
    吐き気がするほどの身勝手さが、服を着て話し、偉そうに自分の正義を押し通す。
    映画に魅入られ、映画・・・映像と関わることを職業として選んだ人々。
    でも、本当に好きなのは映画ではなく、自分自身。
    名声や人気が何よりも大切で、欲しいものだのだ。
    実力以上に自分を評価し、周囲が認めてくれないと腹を立てる。
    監督としての実績もなく、力量も未知数なのに、我を

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    2017年03月15日
  • ポリティコン 下

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    桐野夏生っぽい。ただ、主要登場人物に感情移入できぬまま終了(「メタボラ」にはあった愛嬌が決定的に欠けてる)。特筆すべきは、終章の「礼儀正しいオヤジ」の登場だけで、一瞬にして物語のバックボーンを正体不明の不気味なものに変えた力量。この瞬間があっただけで、とりあえず読んだ努力は報われましたね、という作品。

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    2016年12月29日
  • 柔らかな頬 上

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    うmmmm
    こどもを持つ母として、また不貞をはたらいた両親をもつこどもとして、
    不倫は絶対しちゃだめよねーと、おもいます。
    直木賞なのかー
    カスミには不快感しかないけれど、
    下巻の構成は好き。石山さんとかね
    最後とてもかなしい

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    2016年12月07日
  • 緑の毒

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    妻が浮気をしていると知った開業医の川辺。
    妻への嫉妬が、彼を邪悪な道へと誘う。
    医者という立場を悪用した昏睡レイプだ。
    被害者となった女性たちの怒りは繋がり、川辺へと向かっていく。

    2016.10.23

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    2016年10月23日
  • 光源

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    思ったよりもつまらないと途中までは思っていた。後半、後半になってからのひきずりこまれるパワーはメタボラと同じ。一種のロードノベルだったと思う。疾走感のある読後が思った以上に心地よい。

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    2016年08月22日
  • 柔らかな頬 上

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    ネタバレ

    上下巻読破。
    ぐいぐい引き込まれて読み続けたけど、下巻に入って複数の登場人物の視点(想像?)が入ってきて少々混乱。

    推理小説だと思って読んでいたので、最後に犯人が曖昧なまま終わってしまったのがモヤモヤしました。

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    2016年07月13日
  • 水の眠り 灰の夢

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    桐野作品のシリーズものはあえて避けてたんですが、どうやらシリーズ番外編のようです。とはいえ少し腑に落ちないところはあるものの、本作だけでひとつの作品と成立しますね。そんなに違和感ありませんでした。
    ハードボイルドというか、男くさい作品でした。桐野作品は女性が主人公のものが多いので新鮮でしたが、好みの問題でいうならそこまで入れ込むほどではありませんでした。やっぱり女性が主人公の方が読みやすいかな。村野からトップ屋という仕事の面白さや魅力が伝わってこなかったですし、登場人物が多い上に名字だけで書かれていることが多いので誰が誰だか整理するのがちょっと大変でした。わりとありきたりな名字ばかりで記憶に残

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    2016年07月03日
  • 錆びる心

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    日常に潜む狂気を描いた短編集。
    心の奥底に封じ込めていた歪んだ思いが、何かの拍子に表出する様子がリアル。
    現実的な事件はほとんど起こらないのですが、人が持つ薄暗い部分を浮き彫りにする描写は巧みで惹きつけられます。

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    2016年06月25日
  • ファイアボール・ブルース

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    ネタバレ

    女子プロレスの熱血的な話かと思えばミステリー作品になる展開。
    女子プロレスの世界感を良く表した作品でミステリーにする必要はあったかなというのが正直な感想。
    桐野さんの初期のころの作品ということもあるのか読んだ後のインパクトが若干弱い気がした。

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    2016年05月02日
  • 緑の毒

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    事前にチラ見した評価があまり良くなかったけど、私はおもしろかった。
    久々に桐野サンらしい作品という感じ。
    人間のいやらしさとか欲深さとかそういうドロドロしたのはやっぱり上手い。
    若宮伸吾のすぐ役に重ねちゃうとことかマジでウケた。
    ただタイトルが緑の毒なのか、、そこはイマイチわからんかった。
    なぜに緑?

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    2016年03月13日
  • 女神記

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    桐野さんは本当に女の業を書かせると右に出る者がいないのではないだろうか。
    それほど作品数を読んでいないけれど、
    共感できなかったとしても想像することは難しくない苦しみがよく書かれています。

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    2016年02月20日
  • ファイアボール・ブルース

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    ネタバレ

    女子プロレスへの愛がたっぷりつまった描写。

    頻繁に行っているのもあり、後楽園の描写が生々しく楽しい。

    著者の心のグロい部分は少なめ、殺人の要素も
    レスラーの師弟愛に重きをおくためのように思えた。

    女子プロレスも見に行きたい。

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    2015年09月13日
  • 錆びる心

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    やっと最近になって読み始めた桐野さんの本だけど、彼女の短編面白いかも。
    なんかこうすきっとしない心情とか。
    「ネオン」のあのあっけない唐突な終わりもいい。

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    2015年09月08日
  • ファイアボール・ブルース2

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    先日読んだ「ファイアボール・ブルース」の続編。
    前作と違うのは、連作短編集だったこと。
    内容も、ミステリー要素がなくなり、
    レスラーとは言え女だけの世界の嫉妬や恐れなど、
    メンタル部分が深く描かれていた。
    連作1の「入門志願」は二人の新人の正体など尻つぼみで、
    その後の展開がどうなったのかイライラしたが、
    その他は概ね面白かった。
    特に、スター火渡の付き人である近田による”あとがき”が良かった。
    前作レビューで、作者は神取忍を火渡のイメージで描いたと書いたが、
    私的イメージは、北斗晶だなぁ~。(笑)

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    2015年07月29日
  • ファイアボール・ブルース

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    女子プロレス界で起きる派閥抗争や陰謀などを軸に、
    外人選手の失踪(殺人?)事件を解明していくミステリー。
    主人公・火渡抄子の付き人である近田が語り部となり進んでいくが、
    デビュー後1勝もできない弱い近田の成長過程も描かれている。
    プロレス好きな私には面白かったが、
    正直、桐野夏生のミステリーとしてはインパクトはない。
    しかし、20年前の作品だと思えば、アリかな。

    作者のあとがきで、
    火渡抄子を”神取忍”をイメージして書いた、とあるが、
    確かに、20年前の神取サンはカッコ良かったね。(笑)

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    2015年06月23日