桐野夏生のレビュー一覧
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女子プロレスの小説ってありそうでないと思っていた。
ちゃんとあったんですね。
作者のホームページによると、タイトルの『ファイアボール』は、
薔薇の品種だそうで、DEEP PURPLEの曲とはまったく関係がないみたいです。
作者のHPを見るまでもなく、火渡抄子はやはり神取忍がモデル。
一応、長編ミステリーという扱いらしいが、
わし個人的にはミステリーと呼ぶにはかなり抵抗がある。
なぜなら、殺人事件の犯人があまりにも露骨で無防備でアタマ悪すぎだから。
警察は登場しないが、かなりマヌケである。
女子プロレスラーと編集者が探偵ごっこをしている間に、(この小説の世界に警察が存在するとして)警察はいった -
Posted by ブクログ
ネタバレ多くの人がイザナギ・イザナミの神話を「永遠の二項対立」の物語と理解しているだろう(私もそうだ)。イザナキは生命を産み続け、イザナミは生命を奪い続けるのだと。しかし本書で桐野氏は神話を物語として発展させ、イザナミにもっと過酷な現実を突きつける。
語り手であるナミマは人間であるため、憎むべき男が些かでも改心したかと感じられれば安らぎを得ることが出来た。イザナキは男神ゆえ己の運命すら覆して「死を経験できるかと思うと嬉しい」と言う。
しかし愛する男によって突然黄泉の国に送られ、閉じ込められたイザナミは、決して変わることが出来ない。許すことも仕事を放棄することもできない。
「真の破壊者」となってすべての -
Posted by ブクログ
ネタバレ女探偵ミロシリーズの他の作品も含めて、この人の作品は殆ど読んできたが、本書だけ避けていた。あらすじを見た限りでは読むに堪えないと思ったからだ。それでも、今回何となく挑戦してみた。
読めない内容ではないが、おぞましい。「ダーク」という題は心の闇の意味だと思うが、このような闇の部分が本質の一部であるとしても、それだけで生きる人間が果たしているのだろうか。
何故このような作品を描かなくてならなかったのか。やはり理解できなかった。筋は追えるが面白いものではない。読後感がもっと悪ければそれなりの評価もできるような気もするが、そのようなインパクトもなかった。 -
Posted by ブクログ
なんか、最初から最後まで痛い感じの小説だった。映画作りのためにみんなで力を合わせて頑張ろう!っていう話にはもちろんならず(桐野さんだから当然)、登場人物みんな自分の思惑に心を奪われ、映画製作は完成どころか途中でバラバラになる。その瓦解の有り様が読んでて虚しくなるような・・・読み終わって深いため息が出た。
元アイドルの女優志望の佐和も、プロデューサー優子も、野心の塊みたいにギラギラしてるのに、男どもはその欲望に知らぬ間にからめとられて、なんだか人生が自分の思わぬ方向にいっちゃっうのである。結局は、有名俳優の高見は、女々しくも愛に生きる決意をするわけだが、その選択も実際は女に後押しされてのこと