桐野夏生のレビュー一覧

  • ファイアボール・ブルース

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    自分が付き人をしているアマレス出身の火渡さんは最強だ。
    うちみたいな小さなプロレス団体ではもちろん、
    大手の「オール女子」のHIMIKOにだって引けをとらない。
    そんな火渡さんが最近気にかけているのは
    この前対戦途中で急に帰った外人レスラーのジェーンのことだ。
    近くで身元不明の外国人女性の遺体が見つかったけれど
    関係あるんじゃないだろうか。
    しかしそればかりに気をとられていはいけない。
    「オール女子」との試合で自分は勝たなければならないんだ。
    まだプロレス初めて1勝もあげてないんだから。
    イラスト:鹿爪秀紀 CG:田中和枝 デザイン:多田和博

    戦う女の世界です。女子プロって見たことないけど興

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    2010年10月24日
  • アンボス・ムンドス ふたつの世界

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    彼女の作風が存分に生かされている作品。しかしやはり短編集なだけあって、後味悪い・・・という印象を持たざるを得ないのが遺憾である。「東京島」の元ネタになったと解説に書かれている作品(『愛ランド』)もあるけど、これもまあ…ひどい(笑)このひどさに惹かれてつい読む人、多いのでは?私もその一人。

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    2010年08月22日
  • アンボス・ムンドス ふたつの世界

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    リアリティのある文章で、何となく後味悪くていや~な気分。
    だからこそ、この作者の持ち味がよく出てる短編集ではあるが、
    桐野夏生はやっぱり短編より長編で読みたい。

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    2010年08月12日
  • アンボス・ムンドス ふたつの世界

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    うーん! 物足りない!
    なんだなんだ、夏生さん、こんな薄いもの書くなんて。
    久々の夏生で楽しみに読んだんだけどなあ。

    全ての話が短編というよりは、長編になりえなかった小咄という感じで、中途半端感が満載だった。

    その中で好きだー! と思えたのは「植林」と「毒童」。
    「植林」は夏生作品には多い、腐った性根の女の根底にある膿みたいなものが軽快に描かれていた。
    ”植林”に含まれる意も空恐ろしくて惹かれるし、何より自分を特別な存在に押し上げるために、突然「グリコ・森永事件」を絡ませる破天荒な構成がなんともたまらん。

    「毒童」の方は途中までは、何かミステリー的な仕掛けがあるはずと気を張って読んでいた

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    2010年06月30日
  • アンボス・ムンドス ふたつの世界

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    桐野さんて、ほんと人間のやらしい部分とか屈折した感情みたいなのを描写するのがうまいなー。

    自分にもこういうとこあります。

    面白かったけど、ダークすぎるので星3つにしときます。

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    2010年06月02日
  • ファイアボール・ブルース2

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    一日で読んでしまいました。連作短編という形で飽きが来ず、かつ続きが気になる気になる…ので。
    正直、私には縁も縁もない女子プロレスのお話だったのだけど、まあ勝負の世界というのはどこも大変なんだねえ、と改めて。勝負師とは正反対な生き方をしている自分には、語り部の近田ちゃんに一番共感できました。

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    2010年05月23日
  • 光源

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    「世にも身勝手な奴らの逆プロジェクトX物語」という惹句ゆえ手をつけずにいたのだが良い意味で裏切られた。「リアルであればあるほど本物から離れることもあり得る。離れるからといって力を減じるのではなく、逆に力を持つ場合もある」「リアルな虚構」。「リアリズムと力めば力むほど、本質から遠ざかるような気がしてならない」(p.202)。

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    2010年02月21日
  • アンボス・ムンドス ふたつの世界

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    桐野夏生はどんどん容赦がなくなってきているような気がする。
    小説として面白いけれども救いがなくて読むのが辛かった。
    解説にある「現実を虚構で凌駕したい」という一文で納得した。

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    2010年02月13日
  • ファイアボール・ブルース2

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    2は短編集。

    最後は少し考えされられるものもあり。だらだらシリーズ化しないでスパッと終わらせたのは火渡同様潔いと思った。

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    2010年01月30日
  • ファイアボール・ブルース

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    ミステリーにしては浅い感じがあるし(失踪問題にもっと裏があるのかと思った)、拍子抜けする感じもあるのだけど、なぜか手放せない一冊。荒ぶりたいわけではない。

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    2010年01月30日
  • ファイアボール・ブルース

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    どこまで行ってもゴキゲンに晴れ渡る青空になんて行けないような、どんよりとジメジメした行間の

    オーラが好きで桐野夏生を読む。薄い雨雲に覆われて、今にも雨が降り出しそうな空気感。小説の中

    での世界感だけではない、それ以前の読者の本を読む環境・心情にミステリー調の風を吹かせてしまう

    あたりは、さすが桐野女史である。

    今回手にした【ファイアボール・ブルース】は、僕が今までに読んだ【探偵ミロ】シリーズとはちょっと

    作風が違う。ミステリーというよりはサスペンスか。小説の舞台は女子プロレス。「ファイアボール」

    の異名を持つ女子レスラー・火渡妙子が巻き込まれるというか首を突っ込んでいくトラブルを、

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    2009年10月04日
  • アンボス・ムンドス ふたつの世界

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    あいかわらず読後感悪の桐野作品7短編。1篇目の「植林」は中でも終わらせ方がきつく感じ、読んだ後はぐへ。。。って胸焼けしたような感覚。「怪物たちの夜会」では不倫のドロドロ・愛人の狂気に空恐ろしさを感じ、表題「アンボス〜」では子供の妬みが表されていて、キツイ。他の作品も男女の卑しさ、心の闇、エゴ等などを各短編に徹底的に押し込めて、中途半端な救いなど垣間見せることさえなく・・・以上のように読んで楽しくなることは全くないが、それでもたまに桐野作品を読んでしまうのは、本質的に「的を得た」人間の内面を描いているからだろうと思う。ダーク過ぎるが、嘘はないというか。もしかしたらそれを読んでどこか安心しているの

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    2011年08月06日
  • ファイアボール・ブルース

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    こんなに要しただろうかと思えるぐらい登場する女子プロレスラー達は、小説なので、皆賢い。その中でも突出して聡明かつ強剛の火渡に心底憧れる、OLから転向した付き人の近田が主人公である。
    ミステリーではあるが、プロレス、空手と、肉体で終結させていくので大分さっぱりしている。
    「女は黙ってビックマック」 自分が女であれば倍楽しめたろうか。

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    2009年10月04日
  • 光源

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    自分に全く関心のない世界の話だったから、充分楽しんで読むことはできなかったけど
    やはり桐野夏生は実力のある作家だと思った。

    映画製作の場面ではこんな人間模様があるのかということ、興味深かった。

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    2009年10月04日
  • 光源

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    おもしろかった。おもしろかったけれど終始イライラさせられる、という話。リアルなのかどうかは知らないが、みんな身勝手に自分だけを考えていく様はおもしろい。身勝手すぎてイライラするけど、きっとこういうところが自分にもあって誰かにもある。でもすっきり丸く収まらない話はなんとなく微妙なので3つ。

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    2009年10月04日
  • ファイアボール・ブルース2

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    プロレスを舞台にした人間模様が描かれた続編。こちらは短編になってた。2の方はミステリー的な要素はなく、主人公近田、同期の与謝野、絶対的な存在感の火渡などを中心とした人間模様と揺れ動く心を描いてある。プロレスのことはあまり知らなかったが、やはりシビアな世界の中で生きていくことがどんなに大変か、ヒシヒシと伝わってきた。生き方に正解はないと思うが、、、火渡の生き方もかっこいいし、近田の人生の判断も間違ってないのかもしれない。小説としては「近田のあとがき」でうまくまとめられているし、全体を通して読みやすかった。

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    2011年08月06日
  • ダーク(下)

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    途中まで星4つあげてもいいくらい、テンポは上巻からさらにアップして、引き込まれた。話の要素はキツイ(レイプ、拳銃、半身不随、妊娠、だましあい・・・)けれども、読み手を嫌な気持ちにさせるものではなかったし。 しかし、ラストが私にとってはイタダケナイ。もしかしたら、別の探偵ミロシリーズで深く書かれてるのかもしれないけど、本書では死んでる状態でしか登場してない「成瀬」の手紙とかを最後にもってきて。。。意味がよくわからない。微妙に「つづく」みたいな終わりに感じられた。冒頭に40で死のうと思うとかいうラストを暗示するようなことをいっておいての微妙なラストでギャップが感じられてしまい、残念だった。

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    2011年08月06日
  • ダーク(上)

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    上巻の時点では主人公ミロの気持ちはあんまりわからないなあ。。いきなり40歳で死のうと思ってるといわれても、その心情の説明が隠し隠しなので「??」。どうやらミロが若いときの他の作品もあるらしいけど、読んでないし。まあ、章ごとに視点が登場人物ごとに切り替わるいつもの桐野作品でストーリーもテンポはいいので読みやすい。ヤクザ、ホモ、盲目の女、と登場人物も個性豊か。下巻はミロを追う人達との逃走劇になるのかな?さらなるテンポアップと納得できる心情の描きを期待したいところ。

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    2011年08月06日
  • 光源

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    展開とキャラクターは率直言って面白い思う。映画に携わる話ですが、専門的な用語や裏話的なところも丁寧な説明があるのでわかりやすいし、何か一緒に映画製作をしているような感じさえしてくる。映画監督の三蔵さんは考えが若すぎてちょっと同意できませんが、他の有村さん、玉ちゃん、高見さんに井上さんの気持ちはよくわかりました。 ラストはハッピーエンドともいえず、きれいさっぱり解決するという類のものでもないので、読む人によっては結局何が言いたいの?と思うかもしれないが、私は前述したキャラクターそれぞれの個性が出た上で話の世界に入り込めておもしろかったのでそれでいいと思います。

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    2011年08月06日
  • 白蛇教異端審問

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    この著者の小説は好きではないのですが、タイトルに惹かれて買ってしまったエッセイ集。表題作は『OUT』に対して「不当」と著者が思う批評に対して正面から闘う連載をまとめたもの。私にとっては、『頬に降りかかる雨』も『OUT』も最初は面白いんだけど、読んでいるうちに主人公の心情がどんどん私の手の届かないところにずれていって、あれあれと思う間に物語が終わる、常に着地点の違う作家――そういう人だ。これは読者である私の好みの問題なので、責められても困るが、批評家は個人の好みで発言すべきではない、であれば作家の反論に応えてしかるべきという著者の主張はわかる。残念なのは、何かの事情で半端で連載が終わっていること

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    2009年10月04日