桐野夏生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
桐生さん代表作 村野ミロ探偵シリーズ2作目。初々しいという表現は当たらず、骨組み、展開、人物像とキャラの割り当て、全て及第点,どっしりとした だが読み易いミステリー・・と呼ぶのかな。
風俗嬢、AVの関係する調査を依頼されたミロ。文字通り身体を張った全力での調査に駆け回る。後半、は自殺・殺人も。風俗~キャバクラは既に古株、性感マッサージ、ソープ、エステチックサロンすらもその類。一回身を沈めたら 泥沼から這い出る事が難しいのは昔の赤線、遊女のそれを思い出させる。
友・恋人?それ以上・それ未満のトモさんの存在が温かい。
サイドストーリーにホストクラブの三沢などがぞろぞろ出てくるけれど殆ど「小顔、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分の行動がすべての元凶なのに、何が悪いのか、妻のためといいながら、自分が好きなもの、自分が彼女に似合うと思うものしか認めなかったり、それに反すると、すぐに態度に出る。何故病院がうまくいっていないのか、わかっていない。身勝手な性格で、自分のやること、自分のセンスが一番良いと思っている、まわりの不満、窮屈さを感じられない人物。
ギリギリまでどうなるかわからなくて、ページが少なくなってどう復讐するんだろうと一気に読んだ。
かけあしで終わった感があるので、もう少し、女性たちの復讐のかたちを読みたかった。
自分の卑劣・悪質なことは棚にあげて女性たちに怒りと復讐をどうしようか最後までクズで鬼畜な考え方 -
Posted by ブクログ
ネタバレあれから40年、当事者の心のうちに分け入る試み。あれはどういうことだったかという問いに、通り一遍でなく向き合おうとした作品だと思う。
正直、この本より先に当事者の手記などいろいろ読むべきだったと思う。不幸にも凄惨な事件になってしまったものの、当時の自分たちは大筋で間違っていなかったという主人公の強い思いが理解できなかった。
そこは読者はわかってる前提で描かれているように思う。多少予備知識のある自分でこれだから、知らない人は全くわけのわからない話では無かろうか?
理解されない孤独感でいっぱいの主人公、心労で命を削られた親や人生を狂わされたきょうだい、40年あまりたってなお理解も許しもできない家