桐野夏生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いや~この本、ものすごく読みすすめるのが大変だった。
なんだろう…
ものすご~く人の暗部にあるイヤ~な部分をむりやり目の前まで持ってこられているような…
また文章力がすごいから人間の欲望の生臭ささまで感じるぐらいリアルに迫ってくる気持ち悪さと恐ろしさ!
ひぃ~!
理想社会の実現を目指して東北の寒村に建設された唯腕村。しかし、時代は変わり、今や残っているのは時代に取り残された年寄りばかり。
そこへある家族が入村したいとやってくる。その家族の一人と紹介された美少女のマヤに心を奪われた理事長の息子・高浪東一。彼はマヤを自分のものにしたいと考えるのだが…。
なんとか上巻を読んだのだけど
下巻読むの -
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Posted by ブクログ
ネタバレ久々の桐野夏生さんで、期待して読んだけど★3つ。
設定はすごく興味深い。主人公のマイコは、物ごころついたときからいろんな国を転々としていて、自分が何者なのかわからない。母は整形手術を繰り返して、こそこそと隠れてくらしている。ときどき男の人が訪ねてくるけど、監視されているのかな。母からは、自分の本当の名前を人に教えてはいけない、友達をつくっちゃいけない、自分たちのことがばれたら一緒にいられなくなるよ、と脅されている。
しかしマイコも徐々に大人になり、そんな檻の中から当然逃げ出したくなる。いろいろあって逃げ出して、自分と同じような境遇の少女たちとサバイバルして暮らすようになる。
ドキドキハラハラの -
Posted by ブクログ
桐野夏生さんの作品は何冊か読んでもういいやって思っていたんだけど、恒例の母から買ったし読みって渡されてしぶしぶ読み始めたんだけど、相変わらずこの人の作品に登場する主人公の女性は個性がきつく一種異常な性格であることが多い。多分に漏れずこの作品でも主人公のカスミは該当した。当然その周りに関係する人物環境も只の人では務まらずしっかりと強力な主人公を支えるサブキャラとして据えられている。
今回は文庫本という事で上巻下巻の2冊構成だが全然萎えることなくぐいぐいと物語に引き込まれて桐野さん、面白い作品書いてるじゃないですか!って叫びたくなった。
単なる不倫関係の物語では収まらず長女が忽然と行方不明になる。 -
Posted by ブクログ
直木賞受賞作品。
上巻ではグッと引き込まれたが、下巻に入り失速気味になってしまった。
犯人が誰だとか、娘は生きているのかとか、最後まで明らかにならない。
ただ、人間の持つ欲、本能、業などを露わにしつつ、一人の女性の生き様を追い続けていく。
自分の人生であるからどのように生きてもいい。
世間から批判されようと、誰にも理解されなくてもいい。
「こうしたい」「こうありたい」
しかし、立ち止まった時振り返った時、全てを失っていたら?
何も残っていなかったら?
何の為の時間だったのだろうかと、何をしてきたんだろうかと思ってしまうのかもしれない。
それでもそこからまた始めるしかない。
止める事も始める