桐野夏生のレビュー一覧

  • 緑の毒

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    どんな感情に仕分ければ良いのだろう。

    男に襲われた女性たちの悲劇を、興味深く読めば良いのだろうか。書いているのも女流作家。だからと言って被害者の本質を正確に投射できているのだろうか。正直に言うと、技巧を凝らした勧善懲悪モノとしてエンターテイメント調に描かれているものの、男女の不倫や事件を少し軽率に扱い過ぎではないのだろうか。少女漫画によくある人間関係の歪みが織り成す闇と、その闇に魅了された読者の視聴率稼ぎ。イヤミスというジャンルはそんな人間の欲望を知りながら、嘲笑と共に生まれてきたのだろう。しかし、人間ドラマとしてこうした一面がある事を潔癖に拒絶してはならない。多様性を受け容れ事が成熟であり

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    2017年03月17日
  • 光源

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    誰もが当人にしかわからない事情を抱えている。
    そして、誰もが自分にしか通用しない正義を信じている。
    物語に登場する人物は、何があっても最終的に悪いのは他人だと思っている。
    自分にも悪いところはあっただろう、でも、それ以上に悪いのは他の人間だと・・・。
    吐き気がするほどの身勝手さが、服を着て話し、偉そうに自分の正義を押し通す。
    映画に魅入られ、映画・・・映像と関わることを職業として選んだ人々。
    でも、本当に好きなのは映画ではなく、自分自身。
    名声や人気が何よりも大切で、欲しいものだのだ。
    実力以上に自分を評価し、周囲が認めてくれないと腹を立てる。
    監督としての実績もなく、力量も未知数なのに、我を

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    2017年03月15日
  • ポリティコン 下

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    桐野夏生っぽい。ただ、主要登場人物に感情移入できぬまま終了(「メタボラ」にはあった愛嬌が決定的に欠けてる)。特筆すべきは、終章の「礼儀正しいオヤジ」の登場だけで、一瞬にして物語のバックボーンを正体不明の不気味なものに変えた力量。この瞬間があっただけで、とりあえず読んだ努力は報われましたね、という作品。

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    2016年12月29日
  • 柔らかな頬 上

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    うmmmm
    こどもを持つ母として、また不貞をはたらいた両親をもつこどもとして、
    不倫は絶対しちゃだめよねーと、おもいます。
    直木賞なのかー
    カスミには不快感しかないけれど、
    下巻の構成は好き。石山さんとかね
    最後とてもかなしい

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    2016年12月07日
  • 緑の毒

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    妻が浮気をしていると知った開業医の川辺。
    妻への嫉妬が、彼を邪悪な道へと誘う。
    医者という立場を悪用した昏睡レイプだ。
    被害者となった女性たちの怒りは繋がり、川辺へと向かっていく。

    2016.10.23

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    2016年10月23日
  • 光源

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    思ったよりもつまらないと途中までは思っていた。後半、後半になってからのひきずりこまれるパワーはメタボラと同じ。一種のロードノベルだったと思う。疾走感のある読後が思った以上に心地よい。

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    2016年08月22日
  • 柔らかな頬 上

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    ネタバレ

    上下巻読破。
    ぐいぐい引き込まれて読み続けたけど、下巻に入って複数の登場人物の視点(想像?)が入ってきて少々混乱。

    推理小説だと思って読んでいたので、最後に犯人が曖昧なまま終わってしまったのがモヤモヤしました。

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    2016年07月13日
  • 水の眠り 灰の夢

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    桐野作品のシリーズものはあえて避けてたんですが、どうやらシリーズ番外編のようです。とはいえ少し腑に落ちないところはあるものの、本作だけでひとつの作品と成立しますね。そんなに違和感ありませんでした。
    ハードボイルドというか、男くさい作品でした。桐野作品は女性が主人公のものが多いので新鮮でしたが、好みの問題でいうならそこまで入れ込むほどではありませんでした。やっぱり女性が主人公の方が読みやすいかな。村野からトップ屋という仕事の面白さや魅力が伝わってこなかったですし、登場人物が多い上に名字だけで書かれていることが多いので誰が誰だか整理するのがちょっと大変でした。わりとありきたりな名字ばかりで記憶に残

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    2016年07月03日
  • 錆びる心

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    日常に潜む狂気を描いた短編集。
    心の奥底に封じ込めていた歪んだ思いが、何かの拍子に表出する様子がリアル。
    現実的な事件はほとんど起こらないのですが、人が持つ薄暗い部分を浮き彫りにする描写は巧みで惹きつけられます。

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    2016年06月25日
  • ファイアボール・ブルース

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    ネタバレ

    女子プロレスの熱血的な話かと思えばミステリー作品になる展開。
    女子プロレスの世界感を良く表した作品でミステリーにする必要はあったかなというのが正直な感想。
    桐野さんの初期のころの作品ということもあるのか読んだ後のインパクトが若干弱い気がした。

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    2016年05月02日
  • 緑の毒

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    事前にチラ見した評価があまり良くなかったけど、私はおもしろかった。
    久々に桐野サンらしい作品という感じ。
    人間のいやらしさとか欲深さとかそういうドロドロしたのはやっぱり上手い。
    若宮伸吾のすぐ役に重ねちゃうとことかマジでウケた。
    ただタイトルが緑の毒なのか、、そこはイマイチわからんかった。
    なぜに緑?

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    2016年03月13日
  • 優しいおとな

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    松本大洋や大友克洋の世界観だろうか。リアリティを失う代わりに、少しSF的な要素を取り入れつつ、しかし巻末にはこれ見よがしに参考文献を並べて来るあたり、桐野夏生の凄さがあるのだと思う。まさに、物語の中のシーンみたいに、闇から地上に出てきて、目がやられそうになるような感覚だ。

    ストリートチルドレンには、色んな性質や成り立ちの背景や性格や生き方がある。その一つ一つの設定を背負った役者が織りなすストーリーである。漫画。まさに、漫画のように楽しめるエンターテイメントである。

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    2016年02月23日
  • 女神記

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    桐野さんは本当に女の業を書かせると右に出る者がいないのではないだろうか。
    それほど作品数を読んでいないけれど、
    共感できなかったとしても想像することは難しくない苦しみがよく書かれています。

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    2016年02月20日
  • ファイアボール・ブルース

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    ネタバレ

    女子プロレスへの愛がたっぷりつまった描写。

    頻繁に行っているのもあり、後楽園の描写が生々しく楽しい。

    著者の心のグロい部分は少なめ、殺人の要素も
    レスラーの師弟愛に重きをおくためのように思えた。

    女子プロレスも見に行きたい。

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    2015年09月13日
  • 錆びる心

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    やっと最近になって読み始めた桐野さんの本だけど、彼女の短編面白いかも。
    なんかこうすきっとしない心情とか。
    「ネオン」のあのあっけない唐突な終わりもいい。

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    2015年09月08日
  • ファイアボール・ブルース2

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    先日読んだ「ファイアボール・ブルース」の続編。
    前作と違うのは、連作短編集だったこと。
    内容も、ミステリー要素がなくなり、
    レスラーとは言え女だけの世界の嫉妬や恐れなど、
    メンタル部分が深く描かれていた。
    連作1の「入門志願」は二人の新人の正体など尻つぼみで、
    その後の展開がどうなったのかイライラしたが、
    その他は概ね面白かった。
    特に、スター火渡の付き人である近田による”あとがき”が良かった。
    前作レビューで、作者は神取忍を火渡のイメージで描いたと書いたが、
    私的イメージは、北斗晶だなぁ~。(笑)

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    2015年07月29日
  • ファイアボール・ブルース

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    女子プロレス界で起きる派閥抗争や陰謀などを軸に、
    外人選手の失踪(殺人?)事件を解明していくミステリー。
    主人公・火渡抄子の付き人である近田が語り部となり進んでいくが、
    デビュー後1勝もできない弱い近田の成長過程も描かれている。
    プロレス好きな私には面白かったが、
    正直、桐野夏生のミステリーとしてはインパクトはない。
    しかし、20年前の作品だと思えば、アリかな。

    作者のあとがきで、
    火渡抄子を”神取忍”をイメージして書いた、とあるが、
    確かに、20年前の神取サンはカッコ良かったね。(笑)

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    2015年06月23日
  • ダーク(上)

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    ミロシリーズの最終章?
    単なる犯罪者になって行く話し。
    無茶苦茶な人間性ばかりで、話が重いし
    面白くない。

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    2015年05月06日
  • 女性作家が選ぶ太宰治

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    「男性作家が選ぶ太宰治」は、どの話も小説の王道のごとく、
    シンプルにストレートに面白かった。
    対してこちらは、エッセイ風だったり、入れ子構造になっていたりと、
    やたらと技巧に凝っているのが目立つ。
    他人と同じものを選びたくないという女性心理だろうか?
    私の頭が単純なのか男性寄りなのか、「男性作家」の方が断然良かった。

    本書でいちばん気に入ったのは、角田光代さん選の「恥」
    「自分を暴かれる傷みが、読む快楽になることを知った」というコメントに膝を打つ。

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    2015年06月05日
  • 女性作家が選ぶ太宰治

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    改めて読み返し、未読なもの、既読なものまちまちだなと思った。
    わたしも江國さんと同じで太宰作品ですきだとはじめに感じたのは女生徒です。
    そして角田さんの言うように太宰作品は読み手が、私自身が書かれていると思い込むなにかがあること。
    もっと広い世代に読んでもらいたいですね。

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    2015年03月12日