桐野夏生のレビュー一覧

  • バラカ 上

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    久々の桐野作品。

    10代後半でかなりハマって読み漁っていたのだけれど、
    ここ何年かはだいぶご無沙汰で、桐野作品の毒がどう変化しているのかと楽しみに手に取った。

    ディストピア小説という事だけれど、東日本大震災など
    実際に起きた事が入り交じっておりドキリとする。
    登場人物は実在していたら、どの人も好きになれないな、という感じの人ばかりで、流石というか何というか。

    原発事故が起こり、放射能危険区域で発見された1人の少女バラカ。
    下巻で彼女がどう描かれているか。楽しみ。

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    2019年08月11日
  • バラカ 上

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    今年の夏読書です。
    ここ数年やってるんだけど、ナツイチの冊子をてきとうにパラパラして目をつむって指した本を読むのですよ。
    ディストピアものは割と好きだし、光浦靖子が絶賛だかって帯に書いてたから今年引いたのは当たりかもー(光浦靖子が好きだと言ってる作品作者はわたしも好きなのと被るので)とうきうきしながら読み始めております。
    ちゃんとしたレビューは下巻読んでからにするけど、バラカの境遇が可哀想すぎて読むのがしんどかったし、ドバイの辺りからほんとに先を読み進めるのが辛かったのでこれはほんとに面白い話かもしれないぞ。

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    2019年07月25日
  • 夜また夜の深い夜

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    さいご、ほんと?うそじゃない?と思うんだけど、さらっと終わってしまって真相はなぞ。

    実際は何が起きていたのか・・・ということはこのお話においては全く重要ではないように感じた。いつもはそういうところが気になるけど。

    アイデンティティとはなにか。出自、育ち、教育、環境。

    いろんな環境立場のひとがいるけど自分できちんとかんがえることが大切なんだよなーと

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    2019年06月20日
  • 優しいおとな

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    優しいおとな、厳しいこども。なんとなく、そんな対比を考えてみた。資本主義の北半球の国々は、大体こうだと思う。子供は、小さなおとなだから、今時子供だましのなにかではもう歓心を得られない。
    この小説を、「現代の日本の社会的な問題で……」という視座から云々すると、とたんにテクストが色褪せ、興がさめてしまう。具体的な地理も、アンダーグラウンドも、闇人も照葉も、物語にしかなしえない、普通の階級の日常をおくる私たちの生活のメタファーだと感じた。要するに、希望を失って闇に潜るのはなにもホームレスとかストチルに限った話ではないということだ。私たちは、人生の中で喪失しつつ、得ようともがきつつ、底なしの希望を希求

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    2019年05月10日
  • 錆びる心

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    ネタバレ

    人の闇を感じさせる話ばかりの6篇。

    ジェイソン。
    主人公がしでかしたことが主人公とともにだんだんと判明していく展開はおもしろく、読み進めるのが楽しかった。
    大学からの友人が何ひとつ言ってくれてないのが、一番の復讐だよなぁ。

    ネオン。
    終わり方、桜井のセリフがすべて。笑

    羊歯の庭。
    なかなかにイライラさせる主人公。

    虫卵の配列。
    美しく毅然とした瑞恵の正義が怖くていい。

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    2019年05月02日
  • 優しいおとな

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    ネタバレ

    荒廃し、スラム化した日本の繁華街シブヤでストリートチルドレンとして生きる少年イオン。
    親の記憶が無い彼は人への「愛情」を知らず、自分を助けてくれる唯一の大人モガミにも冷たくしてしまう。
    イオンはかつて一緒に育った仲間を探すため、地下の犯罪者集団に飛び込んでいくが、そこも安住の地では無かった――。

    序盤は近未来のサバイバル小説という様相で、物語についていけるか少し不安でした。
    が、誰のことも信用できないような生活を送ってきた浮浪少年の思考回路や、彼の目から紡がれる路上生活の苛烈さが妙にリアルで、すっと物語に入り込めました。
    読者に違和感を抱かせずに世界観を構築する作者のテクニックは、いつもなが

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    2019年04月28日
  • バラカ 下

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    下巻。震災後の世界。原子力発電所への津波により東日本が避難区域になる。バラカは、それから8年経って10歳になる。

    狡猾な大人たち。でも、それは等身大の自分自身だったりする。誰が味方で誰が敵か。子どもであることの無力さと純粋さ。川島のバラカに対する異常さと執念。
    震災は生きている限りは過去でもあり、現在でもあり、未来でもある。分断されていく社会。あまりにも狂った世界(主に川島の行動)なんで、ハッピーエンドや幸せの尺度がきちんと計れない印象でした。

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    2019年03月13日
  • バラカ 下

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    ちょうど8年目、このタイミングで読むのはなかなか感慨深いが、読み進むにつれて「で、何と闘ってる訳?」ってなツッコミが止まらず、ネット上で目にする脳内仮想敵にキーキー言ってるひとびとを思い出したりするのであまり快い読書体験には至らなかった。そもそも著者の芸風は胸糞表現であるのは承知だとしても。

    日系ブラジル氏の隣家描写あたりは「うわーーーーッ!繋来たあああ!」と期待が高まったものの、実はピークはそこで以降急激に失速する点も惜しまれる。結局、下巻は雰囲気だけで押し切った塩梅。カタルシスなし。エピローグもなんだか。好きな作家だけに残念。

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    2019年03月12日
  • バラカ 上

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    上巻。バカラと呼ばれる女の子を巡って翻弄されるふたりの女性。そのふたりの女性を食い物にする男。3.11前と地震発生直後の世界を描く。

    川島の異常な行動が不気味さを醸し出したり、ふたりの女性の子どもが欲しいという執着心。震災の描写も詳細であったり、震災を経験したひとには辛いものがあるかもしれません。

    ひとはひとりでは生きていけないのだなと、思わずにはいられません。

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    2019年03月10日
  • 柔らかな頬 下

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    ネタバレ

    上巻(前半)のリアルさの迫力がすごかっただけに、下巻(後半)の何を描きたかったのか全然わからないところがとにかく残念。
    ていうか、スティーヴィー・レイ・ヴォーン。後半は全然出てこないじゃん(笑)

    思うに、下巻(後半)は著者の趣味が出すぎかなぁーとw
    特に石山の変容と内海の人物造形は、変な言い方だけど著者丸出しって感じで。
    あぁこういう人なんだなーと、正直鼻白んだ。
    ミステリー小説的結末はないとわかって読んだので、そこに不満はないし。また、ストーリー的にもよかったと思う。
    カスミのお母さんの意外な幸せという、(カスミへの)ちょっとしたしっぺ返し的展開も妙に小気味いい(人生における失敗を耐えるこ

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    2019年02月02日
  • ポリティコン 下

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    ラストが、希望の始まりなのか、絶望の始まりなのか.......読む人次第ってところだろうか。私には『歴史は繰り返す』絶望にしか思えん。主人公トイチが上下巻通して本当に嫌なやつだったので、もっと制裁されてほしかった。そして謎はすべて回収されずじまいだったので、不満は残る。とりあえず運命に翻弄され、幸せになれる方法がわからないマヤが不憫。ポリティコンってなんぞや?の疑問は下巻の解説で説明されていて、そこだけはスッキリした。

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    2018年12月29日
  • ポリティコン 上

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    ポリティコンってなんぞや??山形に『理想郷』ユートピアとして建設された唯腕村。村人たちは超高齢化し、若者は創設者の孫のトイチのみ。このトイチ、器が小さいくせにプライドが高く、超利己的で言動も思考もブレブレで、欲望や野望は凄いが人望がない...と悪口が止まらないヒドイ主人公。狭い社会の鬱屈した人間関係や、嫌なやつを書かせたら上手な桐野さんらしい作品だな~と思う。作品タイプ的には『東京島』?とりあえず、タイトルといい、雰囲気といい、ちょっとまだ掴めない話。美少女マヤがトイチの毒牙にかからないよう祈る。下巻へ~

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    2018年12月29日
  • 柔らかな頬 上

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    個人的には下巻の方が好きかなと思いました。なんでしょう、物語の間延び感が否めない。。それも最初はミステリー性を期待して読み始めた自分がいけないのですがね。桐野さんの人間の内面に滾る欲望をリアルに描いているのが味わえる作品だと思います。

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    2018年12月22日
  • ダーク(下)

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    村野ミロシリーズ完結編
    「40歳になったら死のうと思っている」
    愛する人の獄中自殺を知ったミロは、今まで生きてきた世界と訣別、周囲の人間を破滅させていく。

    あまりの展開、圧倒的な負のエネルギー。
    著者は全てを壊したかったのだろうか。

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    2018年12月17日
  • 水の眠り 灰の夢

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    カオスなエネルギーに溢れた高度経済成長期が舞台。雑誌制作のアウトソーシングを請け負うチームが、闇社会の思惑をつかみ、巻き込まれながらも追っていくストーリー。
    骨太で人物描写も素晴らしく、当たり。特に思い入れも無く、本書の背景も知らずに手に取ったが、どうやら、シリーズものの番外編らしい。他も読んでみよう。楽しみが増えた(^-^)

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    2018年10月22日
  • 奴隷小説

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    古今東西に存在して滅する事のない、人間社会の抑圧と奴隷状態。さまざまな囚われの姿を容赦なく描いた7つの異色短編集。
    人間とは「差別」をする生き物である。自分と他人との優劣をつけることにより、己の立ち位置を見つける。どの作品も無国籍的で哲学的だが、分かりやすいのが「神様男」。売れない地下アイドルの世界が舞台だが、キモオタ男の発する言葉が、真実を突きながらも空々しい。

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    2018年08月31日
  • 錆びる心

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    私は桐野さんが好きです。
    好きな小説家は?と聞かれたら、桐野さんと答えます。

    でも、正直、この短編集は面白くなかったと思います・・・。
    解説で、ある文芸評論家が、「本書で桐野夏生が短編作家としても松本清張に匹敵する~」と書いていますが、そんなことないんじゃないかな。桐野さんはやっぱ長編なんじゃないかな、僭越ながら。

    それでも、絶賛離活中の私としては、表題作とか気になりました。
    主人公は、夫の心に自分の何かを印象的に、しかもくっきりと傷つける形で残そうとしていたというのは、夫に不満を抱えるママ友からたまに聞く話ではありますが、私にはそういう気持ちはありません。
    夫の心に私の何かを残したいとは

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    2018年08月19日
  • 緑の毒

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    昏睡強姦魔という重い題材ながら、妙にテンポ良く進む物語にどこか軽薄な印象も受けつつ読み進めた。もっとヒリつくような重苦しさを期待していたので拍子抜け感は否めないが、登場人物ひとりひとりに込められた鋭い視点に圧迫感を覚える。強姦魔の川辺にしても、卑劣で邪悪な印象より矮小で哀れな印象しか残らなかったのは正に意図通りなのかも。川辺の歪んだ自尊心の為に傷つけられた女性たちが反旗を翻す様を通して【女性の自立】を描いた作品という印象も受けた。川辺の妻や文庫化に辺り付け加えられたエピローグが特にその印象を強くしている。

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    2018年06月20日
  • 水の眠り 灰の夢

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    私立探偵村野ミロシリーズは未読だが、そのスピンオフである本作はそれを知らずとも楽しめた。五輪開催を目前に控えた高度成長期の東京を舞台に連続爆弾魔と女子高生殺人を週刊誌記者が追いかけるという設定だけでも充分面白いはずなのに、主人公の村善をはじめとした魅力的な登場人物たちが物語を大いに盛り上げてくれる。各局記者同士の戦友と呼ぶに相応しい絆が事件の真相を炙り出す様に胸が踊り、女性たちはそんな男共を翻弄しつつも翻弄され彩りを添える。熱気と共に加速し続ける昭和という時代の光と陰を描いた骨太で煙草の煙が香る物語だ。

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    2018年06月20日
  • 柔らかな頬 上

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    別荘でいなくなった娘を探し続ける母親。高校卒業して家出したその母親。その浮気相手、末期がんに侵されながら一緒に娘を探すのを手伝う元刑事。それぞれが自分の過去の行き方を思い返しながら、もがき苦しみながら生きていく。誰にもあること?特別なこと?どちらか良く分からない。

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    2018年04月08日