桐野夏生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
あまりに健全すぎないか!?ってびっくりするくらい、イヤミス的な読後感の憂鬱さがなかった。なんだろ、村のミロシリーズとかよりもぜんぜんさわやかな感じ。ここ数作は読んでなかったんだけど、最近こんな路線なのか?
ゆるふわのアナ、姉御肌のリーダーエリス、近くて遠いシュン、と設定としては定型的なのに、掘り下げて夜の闇みたいに深い奥行きを出しているのはさすが。一生ついていきます。
ただ、宗教がらみに話を展開しちゃうとこ、個人的に食傷気味だったので少し退屈だった。東直己がわりとやるのよ。尤も東直己は消費者問題とかと絡めて現代の軋みを炙り出すんだけど。純文学的な文脈で新興宗教を扱うのであれば、ひとひねりないと -
Posted by ブクログ
誰もが当人にしかわからない事情を抱えている。
そして、誰もが自分にしか通用しない正義を信じている。
物語に登場する人物は、何があっても最終的に悪いのは他人だと思っている。
自分にも悪いところはあっただろう、でも、それ以上に悪いのは他の人間だと・・・。
吐き気がするほどの身勝手さが、服を着て話し、偉そうに自分の正義を押し通す。
映画に魅入られ、映画・・・映像と関わることを職業として選んだ人々。
でも、本当に好きなのは映画ではなく、自分自身。
名声や人気が何よりも大切で、欲しいものだのだ。
実力以上に自分を評価し、周囲が認めてくれないと腹を立てる。
監督としての実績もなく、力量も未知数なのに、我を -
Posted by ブクログ
桐野作品のシリーズものはあえて避けてたんですが、どうやらシリーズ番外編のようです。とはいえ少し腑に落ちないところはあるものの、本作だけでひとつの作品と成立しますね。そんなに違和感ありませんでした。
ハードボイルドというか、男くさい作品でした。桐野作品は女性が主人公のものが多いので新鮮でしたが、好みの問題でいうならそこまで入れ込むほどではありませんでした。やっぱり女性が主人公の方が読みやすいかな。村野からトップ屋という仕事の面白さや魅力が伝わってこなかったですし、登場人物が多い上に名字だけで書かれていることが多いので誰が誰だか整理するのがちょっと大変でした。わりとありきたりな名字ばかりで記憶に残