桐野夏生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大好きな桐野夏生先生の作品。
最初は40歳を過ぎた女性の寂しさや孤独、それに伴う身勝手さなどなど自分にもこれから降りかかるんじゃないかという現実を描いていたが東日本大震災が起こり、原発爆発事故が起こり…とここまではリアルな描写。
原発4基すべてが爆発っていうところからファンタジー感が増してちょっと追いつけなくなってきたって感じかな。
私がファンタジーやSFが苦手なのもあるけど。
それでもこの人の弱者の視点や観察眼は本当に好きで毎回考えさせられる。
ただ結末は悩んだんじゃないかなあ、それとも悩まなかったのかなあ。
私はご都合主義のハピエンはそんなに好きじゃない。
もちろん希望を持たせた終わり方で -
Posted by ブクログ
ネタバレ出会ってしまったら危ない橋でも渡りたくなってしまうのは正直わかる。だから、有紗が沼に嵌っていくまではソワソワし通しで、指の隙間から見るように読んだ。ただ、これが本物の恋なんだとしてしまうところまでは気持ちが追いつかなかった。もちろん洋子の恋愛も同様である。
有紗には自分という軸ができた。ハピネスの頃の彼女とラストの彼女はまるで違う人間だ。それでもこれを「大人になった」とか、「人間として成長した」と前向きな表現で評価したくない。彼女は「図太くなった」だけなのだ。そしてきっとこの先もよりそれが強くなるのだろうと思う。良くも悪くも。
結果的になんとなくきれいに丸く収まったとしても、後々を考えると -
Posted by ブクログ
ネタバレ他の方と同じ感想。桐野夏生節は弱め。短編集なのでサクサク読めるけど、ドスっと重い読後感はなく、あっさり目。好きだった章は2つありました。
・残念
結婚相手を間違ったと考えている妻。義理の両親との二世帯住宅に不満たらたら。昔、自分に気を寄せていた(と考えている)男が海外出向から帰国したと聞いて…。そのあとが知りたくなる。
・もっと悪い妻
冒頭に収録されている「悪い妻」より、こっちのほうがしっかり、悪い妻だなー。大学時代の元カレと、仕事をきっかけに焼け木杭に火がつき、あれよあれよと不倫を謳歌している妻。子供もいて、夫はその不倫に異議は唱えるものの、不倫相手との逢瀬から帰ってきて二日酔いになって