私が先頃手にしたフォークナーやマッカーシーの小説を米国製の無骨なピックアップトラックとするなら読書の醍醐味を万人に伝える桐野作品は日本製SUVに例えられよう。社会問題+エンタメ要素と云う彼女の特長がよく表されたこの物語も展開が大変スピーディーで瞬く間に上巻を読み終えた。悪魔に魂を売った男・川島の行為については、人間の心臓を食べたり、古希に近い沙羅の母親と関係を持ったりなど、些か現実離れしている風に感じられなくもないが、それも話を面白くするための仕掛けと考えれば許容出来る。何れにせよ下巻でどう話が進むのかとても愉しみだ