桐野夏生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ドラマ未見。
生殖ビジネスも貧困も、ちょっと自分のキモチ的な体力がついていかなかったので。
(きれいな二世女優さんでは貧困が伝わらない…)
でもとても気になっていたので、思わずよまにゃ目あてで購入。一気に読めてしまった…
ただあんまり読後感は良くない。
特に一番共感できそうかな、と思った悠子の行動の変化に驚く。ショック。
リキの、冒頭からエンディングまでの心の揺れはとても理解できる。でも、共感はしない…
実際にはもっともっと驚くことが現実にはあって、お前の考えは甘いと言われるのでしょうが、それでも貧困の厳しさはわかりすぎているので、なおさらリキの選択一つ一つに自分の心も揺さぶられます。
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Posted by ブクログ
全部で6篇。
どうにもこうにも居心地の悪い本。
心がざわつく物語が収められている。
「武蔵野線」は勘違い中年男の物語。
メールで変なアプローチを仕掛けてくる中年男性の気持ち悪さよ……。
仕事上の笑顔と愛想は最低限のビジネスマナーで、客に好意を持っているからではない。
人として対応しているだけなのに「電話ください」「メール返してください」は恐怖でしかない。
でも全くわかっていない主人公。
な ん で ?
表題作もそうだが、何か得るもの、と言われると、これと言ってない。
ただ、日常のなんだか嫌な感じと、後悔と、その他言葉にならないモヤモヤした居心地の悪さがふんだんにまぶされている。
読後がいい