桐野夏生のレビュー一覧

  • アンボス・ムンドス ふたつの世界

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    姉に借りた本。
    涙を誘う悲しいお話というよりは、胸の中が重たくなる切ないお話が多いかな。
    桐野夏生さんの作品を読むとダークな気分に堕ちるのは私だけじゃないよね(笑)

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    2010年06月01日
  • アンボス・ムンドス ふたつの世界

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     7つの短編を収録。ちょっと怖わかったり、なんだか不思議な終わり方をするお話だったり、ファンタジーなのか現実なのか、その境界線を行きつ戻りつする。わずかな隙間から垣間見える異次元空間にわたしは鳥肌がたった。

     この中では『ルビー』が面白い、落ちようのないところにいるはずの浮浪者登喜夫は、ルビーと関わることで更なる不幸の淵へ追いやられることになる。短編なので登喜夫のその後まで知る由もないが、ものすごく意味深な終わり方をするお話だ。

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    2012年12月11日
  • アンボス・ムンドス ふたつの世界

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    人間というか「女」のいやらしさを描くのがうまいなあと思った。あとは、小田原事件を題材にした作品をつくるとは!と思った。

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    2011年09月03日
  • 白蛇教異端審問

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    大好きな桐野夏生なのですが、初のエッセイ集?あ、こんなのあったんだ、と手に取りました。どれも非常に短いけどパワフル。いつもどうやったらあんな世界を書き描くことができるんだろう、この人の頭の中はどうなっているんだろう、と思っていたので、彼女が書いている様子をちょっと覗けたみたいで嬉しくなりました。最終章の、彼女及び作品に対する不当な書評や無責任な非難に対しての、断固たる反論は非常に読み応えあり。まわりにもずいぶん「そんなものは放っておけ」と言われたらしいし、私も桐野さんほどの人がこんな軽い書評無視すればいいのに、と思ったが、あえて反論するところが彼女らしさなんだろうな。作家をするということがどれ

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    2011年07月16日
  • ダーク(上)

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    借本。
    シリーズ本とは知らず、いきなり最終巻から。
    本当にダーク(闇)で、凄い。
    シリーズで読んでないので、普通に受け入れられたけど、
    前作を読んだ方には、目の毒かもしれない。
    下巻が楽しみ。

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    2010年09月04日
  • 白蛇教異端審問

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    私は今一番会ってみたい人ってこの人だと思う。
    頭の中を覗いてみたい。
    一体どんな毒がそこにはあるのか。
    どんな闇が隠されているのか。
    エッセイが出たと聞いた瞬間、夢中で本屋に走った。

    少し分かった気がする。
    彼女は怒っているのだ。
    自らの芯を持ち、しっかりとたって。
    ふがいない世の中を嘆いてるのかもしれない。

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    2009年10月04日
  • 白蛇教異端審問

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    桐野夏生の白蛇教異端審問を読みました。桐野夏生のエッセイ・日記・短編集でした。あとがきで東野圭吾が「このエッセイは彼女の口から吐かれた怒りの炎なのだ」と書いているように、桐野夏生の歯に衣着せない意見がこれでもか、と書かれていました。女性の視点から感情的で理論的な、そして結構過激な論説が展開されています。(と、書いたとたんに女性の視点とは何か、定義してから論説しろ、といわれてしまいそうですが。)このエッセイ集で主張されている意見は、私が日頃感じているものも多く、応援したくなります。表題作の白蛇教異端審問は、直木賞を受賞したときに、匿名の評論家からあしざまに批判されたことに対して、反論したエッセイ

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    2011年07月18日
  • 白蛇教異端審問

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    1/9 エッセイというよりは作家のノートを覗き見しているような。どこまでも「作家」の部分しか出してないことに驚いた。
    あと消費されるってつらそうだな、と。
    桐野夏生はかっこいいっす!

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    2009年10月04日
  • 光源

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    10/14 夢中で読んだ。このところの桐野夏生にはやられっぱなし。これも小説の形態としては珍しいなあと思った。それぞれの視点の突き放し方とか。ラストとか。映画の照明っておもしろいと以前から思っていたので興味深く最後まで読んだ。

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    2009年10月04日
  • 光源

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    かなり面白い。一気に読んだ。主要登場人物は、監督の薮内三蔵、カメラマンの有村、プロデューサーの玉置優子、主演男優の高見、女優の井上佐和など。彼らが、ひとつの映画をつくるために終結するが、個人の色々な思惑や確執が重なり、うまくいかず、破綻してしまう。文庫版の作品紹介では、逆プロジェクトX物語という紹介もされていた。ひとりひとりのキャラクター設定が、なかなか秀逸だと思うし、それらのキャラクターの思惑、キャラクター間の関係なども、とてもよく書けていると思う。書けそうで、なかなか書けない小説のように思えた。それにしても、桐野夏生は、とても色々なタイプの小説を書く人だな、と思う。「一作一作に変化を持たせ

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    2011年07月25日
  • ダーク(下)

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    ダーク、Dark。村野ミロシリーズは、この本以降書かれていないと思うので、いちおう、シリーズでは最新刊。村野善三が全くしまらない方法で死に、トモさんは人間が変わったように卑しくなってしまい、鄭はかなりヤキの回った老人になっていて、成瀬は獄中で自殺をしていて、それを知ったミロはきれてしまい、周囲にトラブルをまき散らし始めると共に自分自身も泥沼のようなトラブルに落ち込んでしまう。小説は、そのように始まり、村野ミロシリーズになじんでいた人は、当然私も含め、これまでのシリーズ中での人物設定や人間関係が全く異なるものになってしまっていることに気がつき、とまどってしまう。とまどってしまいはするが、でも、こ

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    2011年07月25日
  • ファイアボール・ブルース2

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    女子プロレスを題材とした2作目。先の見えない不安感や、祭りのあとの空虚感、女同士の日常のささいな情の駆け引きなど本当にこの作家さんは細やかな感情を拾いあげるのが巧い。

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    2009年10月04日
  • ファイアボール・ブルース

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    どちらが主演と言うよりはW主演と言える。深い味わいを持ったキャラによってぐいぐいと引き付けられてしまう。

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    2009年10月04日
  • 新装版 天使に見捨てられた夜

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    前作に続き、危なっかしいなと思って読んでいたら。一線を超えてしまった。。。やれやれ。。。次作が楽しみ。

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    2025年11月25日
  • 柔らかな頬 上

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    桐野夏生 (1951- )。
    主婦たちの犯罪をリアルに描いた『OUT』が書かれたのは、1997年。
    その二年後の1999年に、本作『柔らかな頬』は発表され、直木賞を受賞した。

    娘を失踪事件で失った母親の、娘を探す物語。
    別荘で不倫に溺れる母親は、その時、娘を失っても良いと思う。
    その思いを実現化するかのように、娘は突然神隠しに合う。

    後半、末期癌に犯された元刑事が、母親の娘探索に加わる。
    死の迫る元刑事にとって、この事件は最後に生命の炎を燃やすテーマたり得ていたのだ。
    最愛の娘を失い、自己の人生の核を喪失した母親にとって、娘の探索を助力してくれる元刑事はありがたい存在だ。
    二人は、実は「

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    2025年11月24日
  • だから荒野

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    読みやすいです。
    途中「あれはどうなったんだ?」ってのと「そんな奇跡ないよろう」みたいなのはありましたが、面白かったです。

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    2025年11月18日
  • グロテスク 下

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    昔丸山町で立ちんぼを見たことがあった。今みたいに若い子がやっているんではなくて、おばさんだった。その頃は私は世間知らずの大学生だったので、なんであんなことやっているんだろう、なんであんなに闇を感じるんだろうとおもってたけど、それの答え合わせが出来た気がする。
    登場人物全員に感情移入ができなくて、理解不能だったけど、自分の人生の中での既視感はあった。その時と同じように、人間観察の気持ちで読んでた。
    そういう人たちをかわいそうと思う、勝手に上から見ている私も怪物の一部を持っているのかなぁ。
    印象に残ったのは中国人の身の上話だった。

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    2025年11月11日
  • 新装版 顔に降りかかる雨

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    すぐ読めます。面白いですが、私は主人公にも他のキャラにも共感できず、読む終えるまでなかなか時間かかりました。

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    2025年11月08日
  • 路上のX

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    両親が借金のため、親戚の家に弟と別々に預けられた高校生の真由。
    真由が預けられたのは父親の弟夫婦の家で、そこには小学生の娘2人いた。どちらかといえば貧しい暮らしの叔父の家で真由は居場所もなく、食事もろくに与えてもらえなかった。
    学校も市立に行く予定が金銭的な理由で公立に変更になり、通うことになった高校も荒れた所で行く気になれなかった。
    真由は少ない小遣いしか渡されておらず、昼食も買えないことから、ラーメン屋のバイトを見つけ、なんとか少しでも足しにしていた。
    しかし、叔父の家に帰りたくなくて夜の町をさ迷っているうちに年上の女性に騙されたり、とにかく危険な目に合って行く。
    そして、リオナというひと

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    2025年11月03日
  • ダークネス

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    最後の50ページは悪い方向にしか行く気がしなくて、読むのを躊躇ったし辞めたい気持ちになった。

    ミロの人生、切なすぎる。

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    2025年11月02日