桐野夏生のレビュー一覧
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萬三証券福岡支店で大口顧客を掴み、本社国際部へ栄転した望月。そんな望月と結婚し、念願の上京を果たした佳那。が、家庭よりも仕事を優先する望月に不満を募らせ、自らも浪費と遊びにのめり込んでいく…
一方、お金をため、大学受験をしたものの、志望校には合格できず、女子大に進学した水矢子は、周りとのギャップ、アパートでの人間関係に悩み、占い師・南郷のもとに転がり込む…
バブル景気に翻弄させられた望月と佳那。
バブル時代にはこんなことは当たり前だったのかもしれない…
もっと顧みることができれば。
もっと謙虚であれば。
なんとかならなかったんだろうか…
望月も佳那も彼らを嗜める人がいなかったんだな。
そん -
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バブルが崩壊したとき、まだほんの子どもだったのでバブル時代の熱狂は全く知らないのですが、今作を読むとすごい時代だったんだなぁ…と改めて思います。
今作は、バブル期の証券会社を舞台にして、水矢子、佳那、望月という二人の女性と一人の男性の3人の半生を描いた作品です。
とにかくバブルの狂乱ぶりが恐ろしい…!バブル時代の証券会社はルールも罰則もなくてやりたい放題なのだ…他人や親族名義で勝手に株を買ったり…こんなの許されるの?と思うくらい滅茶苦茶で。その中で男たちは大きなお金を動かして得意になっているのだが、女性たちは女というだけで差別されて仕事をするだけでも苦労する上に、仕事が上手くいっても枕をし -
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1986年4月、萬三証券福岡支店に入社した小島佳那と伊東水矢子。ともに経済的に恵まれない環境から抜け出そうとしていた。フロントレディとして、稼ぎたい佳那、お金を貯め、東京へ出て、大学で勉強したい水矢子。
そして、熊本の名もない私立大学から萬三証券に入社し、自分を見下した人たちを見返し、のし上がろうとする営業マン・望月。
世の中に生まれつつあるバブル景気に3人が呑み込まれていく…
バブル景気前夜の証券業界。
この頃はなんでもありだったんだなと。
バブル世代としては懐かしい。
恩恵はほとんど与らなかったが…
ただ望月の使えるものは何でも使う、佳那や水矢子の話を勝手にしてしまう…というやり方は受け -
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ネタバレ「好事、魔多し」との言葉があるが、恐らく調子のいい時には、やっかみから横やりが入るだけではなく、危機管理能力が薄れるのではないか。目の前の状況にのめり込み過ぎると、この人と関わると、これ以上進むと、危ないという勘が働かなくなってしまうのだろう。
その点、水矢子は冷静だった。けれども幸せにはならなかった。母親の借金という不遇もあったが、あえて幸せになろうとはしなかったようにみえる。佳那を差し置いて、自分だけが幸せになることはできないと思ったのではないか。水矢子はバブルには溺れなかったが、酒に溺れた。身を持ち崩す原因が、象徴的だと感じた。 -
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日本では女性の体を男社会が支配していた時代が長く、欧米に比べてフェミニズムの運動が弱かった。女性が自分の体をコントロールする権利、望まない妊娠を防ぐのは個人の権利という思想は今では当然と思うが、これを読んで古い体制の社会が徹底的に女性の独立を阻み、制度を遅らせてきたことがわかる。アメリカと比べると実に39年も遅れている。
塙さんのように体制や社会と闘う勇気を持った人たちがいたから、今に至るまで少しずつ色々な制度や価値観が変わってきたのだろう。キング牧師やミルクを思い出した。が英雄になれた人たちの一方で、抹殺されてしまったかもしれないが、確かに自由を勝ち取るために戦ってきた人々に思いを馳せた。 -
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ネタバレ偶然桐野さんのペンクラブ会長の就任会見を動画で見て、桐野さんはしばらく読んでなかったと思ってこの本を引っ張り出した。書棚の整理中に見つけていたので再読。期待通り面白かった。
短編が六編だが、とに角最初の「虫卵の配列」という題名にインパクトがある。
昆虫は可愛らしいものも多いが、きれいな葉っぱをふと裏返してみて、並んだ卵はさすがに気持ちが悪いこれOUT。
☆虫卵の配列
教師向けの雑誌を作っている私は、中学の生物教師をしている瑞恵と偶然出あった。会いたいと思っていたので嬉しかった。教師を辞めて今は介護施設で働いているという。私は付き合っていた画家に失恋をした話をした。意外なことにおとなしいイメー -
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ネタバレ桐野夏生さんの本は読みやすくて、読み始めると止まらない。
ママ友同士のドロドロについては、皆様お疲れ様ですという気持ち。これを楽しく読んでしまう私の中にも(認めたくないが)マウント心があるのかもしれないな、と思った。
そんなことより、最後の結末は納得できなかった。
夫の俊平に対して「貴方もだいぶ身勝手すぎないか?」と思う。
経産婦であったことを隠されていたショックはあったかもしれない。
しかし妻が経産婦だったことがそんなに許せないことなのか?ただ前夫との間に子を産んだだけで、何も悪いことをしていない。
一方で、離婚を妻に受け入れてもらえなかったからとアメリカで愛人を作るのはどうなのか。俊介