桐野夏生のレビュー一覧

  • グロテスク 下

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    登場人物全員が歪んだ欲望や劣等感に囚われていて、誰一人として共感しにくい。
    上巻では登場人物の背景が丁寧に描かれ、貧富や美醜の差がもたらす格差、自己顕示欲や悪意に満ちた人間関係が浮き彫りになり、下巻では、彼女たちが壊れていく過程が克明に描かれ、社会の闇に翻弄される姿が痛々しく映る。
    終始、負のエネルギーが渦巻き、女性であるがゆえに逃れられない運命に支配された彼女たちの生き様を、ヒリヒリする様な思いで追いかけた時間だった。

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    2025年02月23日
  • オパールの炎

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    ネタバレ

    1970年代にこのように中絶やピルについて主張している人がいたことを知らなかった。
    この作品では塙玲衣子を様々な人の視点から描いていて面白かった。賛同する人、批判的な人、恨んでいる人。初めは過激な人物像を思い浮かべていたが、だんだんと、「孤独」な生涯のイメージが強くなった。
    最後が印象に残った。「ほんの少し前まで、いや今でさえも、女性は将来母となることを周囲から期待されて育ってきました」「『産めよ殖せよ』という言葉があります。国の反映のために、女たちは多産を奨励されました。そのため当然のように、国が女の身体と心を管理してきたのです。そんな時代は終わったはずなのに、今現在、少子化対策のために、ま

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    2025年06月02日
  • グロテスク 上

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    女の悪意や嫉妬といったダークな感情がまとわりつき、読み手の内にある同じ感情を煽り、同意を求めてくるような作品。
    絶望感ではなく、人間の醜さを味わう感覚が強い。一定のテンポで進み、明確な山場はないものの、なぜか強く心に残る。下巻へつづく。

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    2025年02月23日
  • 夜また夜の深い夜

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    ネタバレ

    桐野夏生作品にしてはだいぶエンタメ。
    スラスラ読める。マイコが妙に呑気なのは外国で育った世間知らずという設定だからか。

    20年間スラム街に身を隠し整形を繰り返す生活。2億円じゃ割に合わないと思う。

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    2025年02月17日
  • オパールの炎

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    玲衣子のやり方は間違っていたかもしれない。でも女らしさを望まれていた時代にはエキセントリックな目立つやり方でしか訴えられず、経験もないから男社会に埋められてしまったのか。おとなしかった女性も気がつき、現代は玲衣子の主張も当たり前のようになってきてる。私達も考え、おかしなことは主張できる世の中になった。それはそれで色んな主張があって、男でも女でもジェンダーレスでも大変な世の中よね。ここに感想書いていても、私ビビってます。

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    2025年02月15日
  • 砂に埋もれる犬

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     最後の場面は、ヘレン・ケラーの映画のシーンを思い出した。
    「自分の手に流れ落ちてくるその冷たく、心地のよいものこそが“水”なのだということに、ヘレンが気づいたシーン」
     優真は、やっと目が見えて、耳が聞こえたのだ。ここから優真は、多くのものを獲得し、自分の心と言葉をもつことになるのだろう。
    「わからない」、わからなくて当たり前だと思う。たった今始まったばかりなのだから。

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    2025年02月14日
  • オパールの炎

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    「婦人公論」からの原稿依頼で、橘玲衣子について追うことにした1983年生まれのフリーライターが橘氏を知る人たちにインタビューした内容から成るモキュメンタリー風の作品。

    橘氏の声は日記を辿るに留まっているけど、橘氏を知る人から集めた証言には胸がチクチクと痛んでくる。田舎を捨てて活躍している人は橘氏に共感することがあったり、憐憫の情を抱いたりするはず。過去に後ろめたいことがある人は読んでいると苦しくなりそう。別に悪いことをしていなくても、もし自分が橘氏のように有名になったら、きっと周りにはこう話されると思う、と想像してしまう人は読まない方がいいと思う。私は一般人ですが、こんな風に過去のことをジク

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    2025年02月11日
  • オパールの炎

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    久しぶりの桐野さんだったが、期待ハズレ。色モノと見られていた塙玲衣子の実像にグイグイ迫る証言に引き込まれつつあったのに最後にハシゴ外された気分。女性解放から、とってつけたように最後は少子化対策…中途半端。

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    2025年02月10日
  • オパールの炎

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    塙玲衣子と言う女性運動家の人生を
    インタビュー形式で塙玲衣子の
    人と成りを追って行くのだが、中々塙玲衣子
    の実態は掴めない。
    ただその当時、塙のピル解放や女性の身体
    女性自身が守ると言う革新的な行動や言動
    が過剰と取られインタビューの内容から
    少しずつ追い詰められて行く様が
    わかる。
    今は女性もだいぶ解放されたが
    まだ、自分の人生の選択と世間の目の
    間で悩むのは今だに変わりは無いだろう。

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    2025年02月03日
  • ハピネス

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    都内の一等地に聳え立つ高層タワマン。
    ここに住む子供を持つ母親同士の関係、いわゆる「ママ友」のコミュニティを描いた小説。

    タワマンの立地やそれぞれの家庭の事情が妙にリアルだった。

    ドラマ「砂の塔」が頭に浮かんだ。

    見栄っ張りで小心者の主人公は常に人目を気にしている。そして事あるごとに嘘をつく。

    「自分だったらどうするだろう?」と考えさせられる場面がいくつもあった。
    主人公のように嘘はつかなくても、嘘をつきたくなる気持ちは痛いほどよく分かる。

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    2025年01月29日
  • オパールの炎

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    ある人物の一生を周囲の話から追っていくのだが、ラストそれらが結集するとか、謎が解けるみたいな爽快さが無い。本人の手記が種明かしになるかと期待したが、そこも消化不良気味。

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    2025年01月24日
  • メタボラ

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    途中だれてしまいましが、長編だし達成感の為に読んでいるような感覚でした。 主人公と自分が重なる部分があり読んでいて辛くなりました… なんの計画も策もないけど私は幸せになるんだと改めて思いましたね。 2人とも幸せになってくれと思いながら最後まで読みました。

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    2025年01月14日
  • もっと悪い妻

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    短編集。
    そんなに悪い妻じゃなかったような。
    大きなトラブルは未来に見えるけど、それさえも軽々と乗り越えそう。

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    2025年01月10日
  • オパールの炎

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    榎美沙子さんをモデルにした小説とは知らずに読みはじめ、最後まで気づかず
    読後検索してはじめて知りました。

    主人公の女性は姿を現さず
    周りの証言からだんだんに主人公の姿が現れていく、

    桐野さんが登場人物にインタビューして記事となっているような錯覚も
    事実を検索するとこの小説はまさにノンフィクションのようでした。

    桐野さんは今の時代に何をうったえたかったのか
    相変わらず男尊女卑の日本にたいしての警鐘?

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    2025年01月05日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ユーミンの世界、昭和だけでなく平成にも令和にも、ありふれた日常生活の中で存在してる、都会を生きるオシャレな人たちだけでなく、地味に質素に控えめに生きている私にもきっとあるのだろうなー。

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    2025年01月01日
  • 錆びる心

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    ネタバレ

    桐野夏生さんの文章が好き。
    短編集は初めて読んだが、とても読みやすかった。長編のイメージだったが、短篇でもこんなに上手くまとめられる、本当にすごい作家さんだなと思った。
    錆びる心が一番良かった。
    最後にもあったけど用意周到に傷つくようにそこまでは変わりなく過ごして計画通りに家を出るということは、夫を傷つけたい、そして自分を忘れないようにしたいということなんだと思った。
    なんの気持ちもなかったら用意なんてしないかもしれない、どうでもいいから。傷ついてもつかなくてもどうでもいいから。

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    2024年12月22日
  • オパールの炎

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    ネタバレ

    中ピ連の榎美沙子をモデルにしたノンフィクション風の作品。これまでの桐野夏生さんとはちょっと違った印象だが、読みやすく一気に最後まで読める。
    読者を引っ張っていく力量は、プロのエンタテインメント作家の技だなあと感心しました。

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    2024年12月21日
  • 燕は戻ってこない

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    登場人物たちの心の葛藤、揺らぎにイライラしつつ、どうなるの?どんな決断を下すの…??と、私の感情を最後まで引っ張られた。
    ありえなくもない、でもありえる設定。
    自分がリキの立場だったら、どのタイミングでどんな決断をするんだろう。
    モトキの立場だったら?
    悠子の立場だったら??
    そんなことを考えさせられた。

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    2024年12月17日
  • インドラネット

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    衝撃のラスト。。
    一気に読める作品。バックパッカーしてた頃の自分と重ねながら読み、懐かしくも時に恐怖を感じた…

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    2024年12月16日
  • オパールの炎

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    そうか、これ中ピ連がモデルなのか。
    とはいえ、私は知識としてしか知らない世代。
    早すぎたし過激すぎたんだな。

    いろんな人の目から見た塙女史像。
    女性からと男性からでは随分違う
    (ように描かれている)
    のがポイントなんだろうな。

    結局、男性は男性の立場からの意見になってしまうし

    私は女だから
    彼女寄りの意見にどうしてもなる。

    男尊女卑島に住んでいるので
    女性でも同じような考えの人もいて
    女の敵は女とはよく言ったもんだと思う場面に出会うことも。

    男は男らしく
    女は女らしく
    な部分もあっていいし
    強制したり
    そうじゃないからと非難するのはナンセンス。
    極端すぎなくていいんじゃないのかなあ〜

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    2024年12月09日