綾崎隼のレビュー一覧
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『将棋は決断のゲームである…決断をテーマに書かれた一挙8編の短編集』という紹介文に惹かれて読みました。
将棋は子供の頃に親に教えてもらって2、3度指したことがある程度でほぼルールも難しいことも分からない状態で読みました。分かってた方が面白いんだろうなぁと思う物語もありましたが、全体的に、話の筋に関わる程度に上手に解説が挟まっていて、あまり調べたりせずに理解でき、読み進めることが出来ました。
強く印象に残ったのは、葉真中顕さんの『マルチンゲールの罠』、白井智之さんの『誰も読めない』でした。
『マルチンゲールの罠』は、最後の最後で、見えている世界がグルンとひっくり返るような感覚がお見事で、読み終わった瞬間、ほわ〜!と感嘆の声が出て、脱力するほどでした。
『誰も読めない』は、読み始めは方言になれなくて、読むスピードと意味を汲み取るスピードが合わずに少し苦労しましたが、途中から気にならなくなるほど引き込まれてドキドキしました。最後は、良かった〜!と安堵。クライマックスへの引き込まれ方が凄かったです。
決断がテーマ、という意味では、青山美智子さんの『授かり物』が、あまり将棋慣れしていない私には一番親しみやすく、また、決断に対しての心の流れに共感して最後は少しウルウルしました。
全体を通して、将棋の世界の厳しさと奥深さにも触れられて、とても興味深く感じた短編集でした。 -
Posted by ブクログ
久々に読んだ恋愛小説。
武者小路実篤「友情」のオマージュだそうです。
高校三年生で友人の博人と静時、博人の幼馴染みの千春。
電車での立ち往生を迎えるまでの、彼らの歩みを描きながら、「愛こそ人生のすべて」と信じる千春という唯一無二の女性を描く。
動かぬ電車の中で起こった恋のゆくえは……。
三人の澄んだまっすぐな思いが、心に射し込んでくるようでした。
千春の思い。
博人の思い。
静時の思い。
みんな本当に良い子だなぁ。
あるやり取りでは、これまでに秘めていたそれぞれ思いが溢れ出ていて、もう苦しいやら切ないやら…。
どんなに一途に思っても、人の気持ちはままならない。
いつもいつも、千春の言葉のまっすぐさと強さに、圧倒されていました。
そして博人の心の吐露に、
本当に、本当に、心から好きだったんだと…
その思い深さを感じた。
とても濃密な時間が流れていました。
綾崎さんの作品は、「この銀盤を君と跳ぶ」に続いてまだ二作目ですが、どちらも思いが熱かったです。 -
Posted by ブクログ
『思い出の館のショウシツ』(はやみねかおる)3…設定は面白い。
『麦の海に浮かぶ檻』(恩田陸)3…幻想的な世界観がいい。
『QED〜ortus〜——鬼神の社——』(高田崇史)2…神社仏閣と鬼の蘊蓄だけで事件自体はしょうもない。
『時の館のエトワール』(綾崎隼)4…あの個性的な2人はたぶんシリーズがあるんだろう。トリックもオチも気持ちいい。
『首無館の殺人』(白井智之)2…著者の作品は何冊も読んできたがなぜか急に露悪・下品な表現が受け付けなくなってしまった。
『囚人館の惨劇』(井上真偽)5…一番しっかりしてて一番面白かったが、それは一番ボリュームがあったからかもしれない。 -
Posted by ブクログ
私には若すぎるのだけど
綾崎さんの小説が好きみたいで
前回のレビューで天才が好きだからかなと
書いたけど もう一つ どの作品も男の子が
魅力的なんです
なので 今回も男子高校生を産みたくなる
それに反して どの作品も女の子達が少し変わり種が多いんですね
これは作者のご趣味だろうか
で変種女子を支える精神イケメン男子の構図が
たぶん好きなんですわ
で、本作ですが ストーリーは豪雪で密室となった列車の中での若い彼らの心象風景
帯にどんでん返しとあるので
恋愛のどんでん返しって まさか この男子達がBL風味になるのでは?と妄想しましたが
それは 外しました
小説の半ば過ぎたあたりから
ストーリー展開に
何か思い出しそうで思い出せず
うずうずしながらも すとんとこなくてラスト
作者あとがきが 2ページあったのですが
そこで思い出しました
新しい本なのでネタバレは避けたいので
もし読む予定の方は あとがきは必ず最後にして
くださいね
そして 文庫になった際には
ちょっとその件について
作者さんにご意見させていただきたい件がございます笑
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Posted by ブクログ
ネタバレみんながミマサカリオリのために行動していることがすごく伝わってきた。みんなが思いやりをもって意図を汲んでくれていた。そしてそれは6人だけじゃない。肯定して、愛してくれるファンがたくさんいること。それに気づけたことがミマサカにとって一番だったと思う。
編集者の塚田さんと山際さんが優しすぎるし、稲垣さんの言動が人格者すぎる。
どれだけの賞賛があっても、批判の声は目に映る。人一倍そういう声が届くミマサカだからこそ、自暴自棄になり、周りの人を試した。
生い立ちや境遇を鑑みれば十分推察できる。
だからこそ、純恋の意志の強さと小説への愛がミマサカの胸を打った。本気で小説に救われて、命をかけるほどじゃなければできない。
そして純恋も、生きがいがこれからも続けると知って、タイトルの伏線回収へと繋がる。
主人公の広瀬も苦しい現実と向き合いながら、自分を信じて生きることを選んだ。
誹謗中傷はSNSが浸透した今、すごく問題になっているが、やはり中傷を受けた側は、立ち直れないほどの傷を負う。気にするなと言われても目に入るし、自分の心が蝕まれていく。
改めて警鐘にも自戒にもなった。
けんご大賞の受賞作。前評判が高いゆえに、自分の予想をさらに超える展開を期待してしまった。
もちろん内容は感動したし、書き手と読み手の両方に救いがある終わり方でとても良かった。
だけど、田中が暴言やり過ぎだなあ。自分がされて嫌なのに、それをましてや一番愛を伝えてくれた読者に、、しかも子どもに、、
周りが優しすぎる。編集者は小説家第一とはいえ、崇めすぎな気もした。
純恋に任せたっていうのも、一番の読者とはいえ、結局他力本願な感じも否めなかった。
「鮎の友釣り」は友情ではなく、怒りを利用する。鮎の縄張りを利用して、攻撃してきたところを引っかけるのか。