綾崎隼のレビュー一覧
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この物語は、将棋小説だと思って読み始めたはずなのに、最後にはまったく別の層まで連れていかれてしまった。盤上の勝ち負けや才能の優劣よりも、人が何かを追いかけるときに抱える痛みや祈りのような感情がじわじわと浮かび上がってくる。将棋という競技は相手の心を読み、理解しようとする行為に近いけれど、この作品はその“理解する”という営みを極限まで押し広げて、ほとんど愛の形として描いている。
特にラストで訪れる転換は、物語全体の色を一気に変えてしまうほど強烈だった。勝負小説の熱さから、静かで深いヒューマンドラマへと姿を変える瞬間に、胸の奥がぎゅっと掴まれる。棋譜の向こうに相手や師の影を感じ取るような、将棋の -
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ネタバレ最後の数ページの怒涛の展開は、涙なしには読めません。樹希も小夜子も茜もみんなお互いが大事である。大事だからこそ、相手を守るためならどんな手段も厭わない。その結果自分が犠牲になるとしてもである。絶望の底に突き落とされてから、その後のあの展開…!
泣かせにきていますね…
誰か1人だけじゃなくて、3人が一緒に過ごせる未来に幸あれと思いました。
また作中の相原先生が亡くなるシーン。
私は本当に相原先生は応えられないか気持ちをぶつけられるのが苦しいから去ったのでしょうか…?
私には、相原先生は強盗団に狙われているのに気づいていた。小夜子たちが犠牲にならないよう、あえて1人で夜中に出ていったのではないか -
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興奮が冷めないうちにレビューを。
綾崎隼さん著『君と時計と…』シリーズ2作目ですが、徐々に解明されていくタイムリープの謎に驚き、そして段々と濃くなる恋愛模様に心が躍る展開となっています。
概要です。
ある目的を達成できないと一ヶ月前にタイムリープする綜士(そうし)は、今回も信頼できる千歳先輩と謎めいた雛美とともに、目的を果たすための一ヶ月を協力していく。しかし、前回の記憶と何かが違うと気付いた時、自分たちは、より大きな謎に絡まっていたのだと絶望する。
感想です。
若者の甘いだけではない等身大の青春が描かれている本作。読み進めるたびにハマってきますね♪
2作目は綜士と芹愛の距離にも変化が見 -
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ネタバレネタバレ無しでは感想が書けん!
中里純恋の叫びがとにかく凄い!
著作への愛と著者の自己卑下への憎しみの両方がない交ぜになってすごい感情!
一人の人間に対して、命を懸ける程の愛と頂点に達した怒りを同時にぶつける、という複雑なシチュエーションを作ったという事実だけで綾崎隼という人を尊敬する。
そしてラストが凄い!
非常に個人的でプライベートなメッセージをあとがきに入れてミマサカと中里が“お互いに”救われている。
双方向なのがとても重要だ。
実際に自殺未遂した人と社会的に自分を抹殺した人、お互いの心が確かにこの瞬間に支えあってかろうじて踏みとどまっている。
人が死なないし男女の恋愛もほぼ無い。 -
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レッドスワンサーガ、セカンドシーズン堂々完結!
決戦が続くインターハイで、レッドスワンは研ぎ澄まされた新戦術で鮮烈な軌跡を描いていく
そして、ついに今大会最高の一戦を迎えることになる
インターハイ準決勝の相手は、青森一条高校(愛称はセレストブルー)
高槻優雅の父がチームを率いる前年度の選手権王者
今大会No.1プレイヤーの篠宮貴希が牽引する攻撃力は大会随一
最強の矛(セレストブルー)対最強の盾(レッドスワン)の戦い
私は決して忘れないだろう
この試合を!
この死闘を!
榊原楓のファインセーブを!
桐原伊織の体を張ったプレーを!
高槻優雅の躍動する姿を!
舞原世怜奈監督の粋 -
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yukimisakeさんからは「エースの1Qを出してくれ」、mihiroさんからは「チームのピンチを救うことができる存在1Qを出してくれ」と、要望のあるシリーズです
さて、その要望に応えて1Qの登場はあるのかが注目されます!
今作、舞台は高校生の夏の祭典インターハイ
この大会は彼のための大会なのかもしれない
(彼…?おっ、1Qの登場か!?)
いや、間違いない、"ガラスのファンタジスタ"高槻優雅のための大会だ!
(1Qちがうんかーい!)
前作でついに復帰を果たした高槻優雅
今作、インターハイでは大活躍!
まだまだ膝に不安を抱えているため出場機会は少ないが、与えられた時 -
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青春サッカー小説『レッドスワン』のセカンドシーズン開幕!
前作『レッドスワンの奏鳴』で激闘の末、惜しくも全国高校サッカー選手権大会ベスト4で敗れてしまったレッドスワン
そこから春を迎え新チームとして始動し始める
新チームの最初の目標はインターハイ出場
その目標を目指して舞原世怜奈はチームを作っていくのだが一筋縄ではいかない
個性豊かな新一年がチームをかき乱し、チーム主力の伊織と楓はとある事情からチームを離脱
そんな危機的状況でインターハイ出場を掴み取ることはできるのか、、、!?
そんなチームのピンチを救うことができる存在、それがエースです
「レッドスワン」のピンチを救うエースは彼しか