綾崎隼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『将棋は決断のゲームである…決断をテーマに書かれた一挙8編の短編集』という紹介文に惹かれて読みました。
将棋は子供の頃に親に教えてもらって2、3度指したことがある程度でほぼルールも難しいことも分からない状態で読みました。分かってた方が面白いんだろうなぁと思う物語もありましたが、全体的に、話の筋に関わる程度に上手に解説が挟まっていて、あまり調べたりせずに理解でき、読み進めることが出来ました。
強く印象に残ったのは、葉真中顕さんの『マルチンゲールの罠』、白井智之さんの『誰も読めない』でした。
『マルチンゲールの罠』は、最後の最後で、見えている世界がグルンとひっくり返るような感覚がお見事で、読み終 -
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Posted by ブクログ
久々に読んだ恋愛小説。
武者小路実篤「友情」のオマージュだそうです。
高校三年生で友人の博人と静時、博人の幼馴染みの千春。
電車での立ち往生を迎えるまでの、彼らの歩みを描きながら、「愛こそ人生のすべて」と信じる千春という唯一無二の女性を描く。
動かぬ電車の中で起こった恋のゆくえは……。
三人の澄んだまっすぐな思いが、心に射し込んでくるようでした。
千春の思い。
博人の思い。
静時の思い。
みんな本当に良い子だなぁ。
あるやり取りでは、これまでに秘めていたそれぞれ思いが溢れ出ていて、もう苦しいやら切ないやら…。
どんなに一途に思っても、人の気持ちはままならない。
いつもいつも、千春の言葉