佐藤優のレビュー一覧
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本書は、日本共産党を分析して批判しています。
しかもその原因が「民主集中制」と「前衛意識」にあると指摘しているのですから、共産党組織の根源的なものにあるというのです。
さすが佐藤優氏です。「公式資料や公式文献」に、その組織の内在的論理が埋め込まれているとは、着眼点がすごい。
通り一遍の歴史観を並べるだけでない切り口に、日本共産党創世記の赤裸々な姿が見える思いを持ちました。
しかも人物の息遣いが聞こえるような描写には、緊張感が漂っています。
それにしても、なんと凄まじい時代であったのか。
日本共産党の結党後の混迷は、後から見ると訳がわからないと思っていましたが、著者のわかりやすい視点には納得する -
Posted by ブクログ
ネタバレウクライナ戦争でにわかにロシアやクレムリンの論理が騒がれており、積読棚から本書を引っ張り出しました。
とても面白い作品だと思いました。
著者の外務省入省から始まり、イギリスでの研修時代を経てロシアに赴任、ソ連崩壊前後を濃密なタッチで描いています。
イギリス研修時代に出会った裏の顔を持つ亡命チェコ人、ロシア赴任後に出会った知的だが個性の強烈な人々との交流。そしてロシアはペレストロイカを経て崩壊に向けて激動の時代に突入していきます。著者はその当事者として、その出来事を克明に記します。
内容的にはドキュメンタリーの部類に入るのでしょうが、その筆致は多分に物語調。そして登場人物たちはクセが強い一方 -
Posted by ブクログ
なんと言っても、解説的立場を池上さんが務めるので、左翼思想、労働運動に疎い世代にも、わかりやすい。
また、佐藤さんの解釈・説明、博学さからの話題の広がりが、面白く、最後まで読み通せました。
左翼の将来像に薄暗くも灯りを照らして論じる最終章は好きです。
また、成田闘争の概説、土井元衆議院議長のエピソード、バブル前後でのマスコミ人の急速なエリート化など、興味深いエピソードが散りばめらており、飽きずに読み切ることができるのではないでしょうか。
組合活動の報告書などで目にしたことのある用語や活動。これらには何の意味があるのか全く理解できなかったのですが、労働運動の残滓であることも、本書で理解できました -
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大変革者だと思っていたゴルバチョフは実は相当な愚物、が当書の基調。
見方を変えればそうなるだろうし、後から振り返った当書を読むと確かにそう思わざるを得ない。
あとがきで、ゴルバチョフと小泉元首相との類似点を指摘しているが、「ペレストロイカ」「聖域なき構造改革」とスローガンは繰り返すものの、なんのためのペレストロイカか、なんのための構造改革か、を国民にきちんと説明しようとしない点も似ている、との記述にはうなずかざるを得ない。
さらに言えば、エリツィンはロジア社会の底にあるものがわかっていて、同じようにわかっているプーチンに権力を委譲した、というところは、当書を読んだ2022年、非常に説得力 -
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ネタバレ内村氏の代表的日本人を読みたがったが、なぜか手に取ったのがこの本。
最近全集でこれを同じ講演を読んだが難しく。この本を手に取れてよかった。
佐藤氏の解説もよかった。講演当時と今の日本社会は似ていると書かれていて信憑性が増した。
またこの解説では、いま何をしたらいいのかも書かれており、親切だなと感じた。
内村氏の講演について。
正直、お金の話をしてるのにびっくりした。表題より精神論をキリスト教に関連して講演されているものと考えていたので、お金が大切だと言われ、( ゚Д゚)。キリスト教的な思想はあまり感じられなかったが、聴講者がキリスト教関係者だったからかもしれない。
まずはお金儲け、事業を起 -
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【1行説明】
インプットは媒体に合った読み方を意識せよ
【趣旨】
インターネットは実は上級者向けのメディアである。
ネット上の情報は玉石混淆であるからだ。
本書では、情報の入手元としての①新聞②雑誌③ネット ④書籍⑤教科書それぞれの活用方法を池上彰氏・佐藤優氏の対談形式で紹介する
【引用文3つ】
①世の中で起きていることを「知る」ためには新聞がベースになり、世の中で起きていることを「理解する」ためには書籍がベースになる
②読書をする際にはその本との「向き合い方」を決めておく
ex) 娯楽として流し読みか、勉強としてしっかりと読むかetc...
③初々しさを出していい聞き手になる
【感想】 -
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現代社会の組織で生き延びるための秘策が書かれている。
【概要】
●組織での生き方に困った人の質問8例とその回答
●特定の人物の生き方
乃木希典、田中角栄、ドナルド・トランプ、山本七平、李登輝、オードリー・タン、アウンサンスーチン、ドストエフスキー
●生き延びるための秘策
【感想】
●8人の生き方を参考として、生き延びるための秘策だけでなく、歴史的な教養も身につけることができる。
●究極の目標は「自分が生き延びること」であり、いろいろと経験してきた自分としてはこれに大賛成である。下手に正義感を持ってもしかたがない、しっぺ返しを食らうだけである。 -
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比類なき知識モンスターお二人の対談集。以前にも、この二人の対談集を何冊か読んで面白かったので新作を手にとってみた。
何よりタイトルに魅せられますな。
世界の“巨匠”の失敗に学べ! だって。おっ、なんかおもしろそうだぞ…
サブタイトルがなおよい。‐組織で生き延びる45の秘策‐
サラリーマン、もといビジネスパーソンが好きなやつではないか(笑
本書の巨匠たちは計8人。乃木将軍、田中角栄、トランプ大統領、イザヤ・ベンダサンこと山本七平、李登輝総統、オードリータン、スーチー女史、ドストエフスキー。
どんな8人やねん、全く脈絡ないやないか、と思わず関西弁でつっこみたくなります。
以下要約なぞしてみ -
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日本左翼史第二弾「激動」
第一弾である「真説」はなかなか理解が難しい部分が多かったが、今回の「激動」は学生運動やよど号、あさま山荘等実際に起きた出来事、事件を題材にしていることもあり、非常に面白かった。
読んでいて思ったが、正直共産党や社会党の成り立ち、歴史等はあまり興味が持てなかったし、分裂や合流が複雑すぎて理解が追いつかなかった。
ただ、左翼という思想を発端にして、いかに学生運動等のできごとが起こったか、そこに至るまでの経緯や思想、考え方についてはある程度理解できたのではないかと思う。また左翼という団体がなぜ過激な暴力という道に進んだのかもなんとなく理解はできた。
左翼という思想が起こした