【感想・ネタバレ】真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年07月23日

現在の共産党、社民党の源流を点検し、コロナ禍で浮き彫りにされた格差社会を背景に見直されている、社会主義的考え方を正しく理解するための本。
面白い。共産党の繰り返される、矛盾多き主義主張の方向転換。社会党を構成した人々の多様性と分派、分裂、再統合の繰り返しなど。

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Posted by ブクログ 2022年06月21日

日本の近現代左翼史の入門書として最適だと思います。続編を読むのも楽しみ。

左翼はどのように栄光を極め(政治の中心にいたことはほぼないが)、どのように凋落していったかを学ぶことで忘れられた近現代史を掘り起こすことができる。

日本共産党=左翼・リベラル(そもそも本書でも述べられているように左翼とリベ...続きを読むラルは本来対立しがちな概念)と短絡的に考えるのは、非常に問題があることが歴史を知ることが分かる。

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Posted by ブクログ 2022年03月16日

2000年生まれで共産党と社会党の違いもわからず、冷戦の雰囲気も肌で感じ取ったことのない世代ですが、その当時の左翼の人々が何を感じて、実際にどんな行動を取ったのかを少し感じることができました。続編も楽しみです。

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Posted by ブクログ 2021年11月14日

共産党、社会党、新左翼の歴史がよくわかった。
自民党に対峙できる政党がなくなった中で、共産党の役割の需要性が増しているが、本質を理解して支持すべきかどうかを考えていきたい。

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Posted by ブクログ 2021年09月06日

1,2世代前の人たちの日本観が我々平成世代と捉え方が全く違う(であろう)理由は、この本を読むと肌感覚で分かる。戦後史の理解にも役立つ。
よく名前が知られた若い層の現代知識人も左翼の流れを汲んで活躍していることを知って、世の中の見方がちょっと変わったかも。
しかし、左翼知識人は昔も今もシュッとして格好...続きを読むいい雰囲気の人が多い気がする、、

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Posted by ブクログ 2021年08月02日

左翼本はこれまでちょくちょく読んできたつもりだったが、社会党についてはほぼ知らなかったなあ。と痛感し反省。共産党よりずっとインテリで議席もずっと多かったのか。ソ連を取り巻く空気感も書物を通してしか想像できないな。

「左翼=平和路線ってなってるけど本来の左翼は革命のためなら暴力は辞さないし自分たちが...続きを読む有する暴力は肯定する」というの、私の考えと同じすぎて笑った。右でも左でもなくさおり、とか言ってたけど、普通に左やん笑

私は共産党が今も革命政党であることが悪いことだと全く思わない。むしろ立派。
資本論関連本が売れたりとか時代が左派的になってきているというのは否定しないけど、それでも共産党が政党として現代において力を持つ風景というものは正直全く想像できない。
自己責任論を内面化している今の若い人たちが、この社会をどれだけ本気で「政治的な力で変えよう」と思えるのかがなぞいな。
選択的夫婦別姓や同性婚など極めて現実的なイシューに対してならアクション起こしうる(実際に起こしている)が、理念的理想に向かって変革!とかなるのかな?と素直に疑問。

「左翼の悲劇を繰り返さないために」という本書の問題意識には非常に共感するし、続刊も楽しみ。

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Posted by ブクログ 2023年06月09日

労農派と講座派の対立から説き起こした左翼の戦後史。
明治維新の評価の差=日本社会の現状認識の差 となったというのが盲を啓かれた感じ。
労農派は維新を封建制を倒したブルジョア革命と定義し、維新後の日本は資本主義→帝国主義段階と考えてダイレクトに社会主義革命を志向した。労農派≒社会党系の認識は、我々一般...続きを読む人にも理解の可能な範疇かと思う。
が、講座派は維新後の日本を半封建社会と捉え、まずは民族主義革命による国民国家の樹立を目指せ!と二段階革命を号令する。この講座派=共産党の強烈な認知の歪みには、びっくり仰天な雑魚なのです。
そして、おそらく正しい認識をしていた労農派≒社会党の現在がほぼ壊滅なのに対し、ヤバめで異常な認識から出発した講座派=共産党は冷戦敗北の試練を乗り越え一周回って党勢は再興。なんたる歴史の皮肉ね。
これはアレですかね、教義は狂ってるほど良いって宗教大原則その1(個人の偏見です♪)が適用される事例なの?と考え込んだり。
鉄の規律と歪んだドグマを金科玉条にゴリゴリと党組織を全国展開し、人材も資金も自前ので調達する共産党の昭和で20世紀な組織戦略が正解だったのか?と想いを巡らせたり、
ノリと勢いに適度なゆるふわを売りに幅広く国民大衆を糾合したけど、党の組織や機能の強化を怠り、理論面は社会主義協会に丸投げで、資金や選挙運動は総評に依存した社会党の、ある意味今風な提携と外注を駆使した戦略は間違っていたのか??と思案したり。
ともあれアウトソーシング全盛の現在に、自己完結型組織の強靱さを示した好例かも。とか歴ヲタとしては考え込んだりするのだな。
何と言うか、時代が一周し戦乱の時代が迫る今こそ、ビジネスパーソンは考えるべきよ♪
あと、革共同系の革マル派の理論家を推してたのが以外だったけども、よく考えてみれば、時代の徒花的に大暴れして玉砕したブント系よりも、曲りなりに今も命脈を保ってる革共同系の革マル派や中核派のほうが、依拠する革命理論とその理論の具現たる組織の骨格も見るべきものがあるって事なのかな?
命脈を保ち元気にテロられても困るが、良いものは良いって認めようってこと?ぬぅ(-_-;)
このあたりの、新左翼運動の勃興と壊滅は次巻のメインテーマになるとおもう。
楽しみなのだ♫

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Posted by ブクログ 2023年02月04日

スターリン批判が世界に及ぼした影響が、教科書的な知識よりも大きかったのですね。
対談形式なので、語り手(佐藤氏)の口調に引きずられるのだけど。

まあ1945年から1960年あたりは既知の話が多い印象。
次巻で語られる1960年代以降、新左翼の話は佐藤氏も池上氏も地続きの時代に生活していたのでよりラ...続きを読むイブ感が出てくるのかなと楽しみ。私にとってはゴチャゴチャしているし。

面白かったのはこのあたりの佐藤氏の発言。
ーーーーー
「どんなものにも良いものと悪いものがある」というロジックは、共産党的弁証法の特徴です。「良い戦争」と「悪い戦争」があるように、「良い核兵器」と「悪い核兵器」もあって、ソ連や中国などが持つ核兵器は帝国主義者による核兵器を阻止するものとして正当化される。
 そしてこの延長で「良いスキャンダリズム」と「悪いスキャンダリズム」という理屈も当然ありえるわけです。権力者のスキャンダルを暴くのはいいことだけど、共産党員のスキャンダルは党内部で処理するべきことであり、これを外部に漏らす行為は反階級的であり反革命だ、などというダブルスタンダードな言辞を悪びれることなく言えてしまう。
ーーーーーー
これを読んで、「良い円安」と「悪い円安」があるとか言ってた日銀総裁を連想してしまった。言われてみれば、(金融)政策で経済をコントロールできると考えていそうなところは計画経済信奉者っぽくも見えるし。

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Posted by ブクログ 2022年07月15日

p105
共産党的弁証法
どんなものにも良いものと悪いものがある
というロジック
1984のダブルシンクに近い

p21
左翼のキーワードは理性
理性に立脚して社会を人工的に改造すれば、
理想的な社会に限りなく近づけると信じていた

p22
右翼の特徴は、人間の理性は不完全なものだもいう考え方。誤...続きを読む謬性から逃れられないので、歴史に学び、漸進的に社会を変える必要がある。

p108
マルクス主義が人格的価値を重視していないというのは流石に鋭い指摘

p133
ナロードニキ運動
都市の貴族の一部が、自身らの贅沢は農民からの搾取、収奪の上に成り立つとして、農民らに革命思想を広めた運動。
この運動の失敗が、ロシア特有のニヒリズムにつながる。具体的には体制側にあるものや立身出世にかかわるものを激しく憎悪する。芸術すらも否定される。

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Posted by ブクログ 2022年04月23日

左翼=戦争反対、社会主義と共産主義、社民党と共産党など、間違えた理解をしている人に対する解説本。佐藤優と池上彰の頭の良さにひたすら感心。自分の理解が追いついたからはともかくわかりやすく興味深く読むことができる。

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Posted by ブクログ 2022年04月11日

池上彰氏の本も佐藤優氏の本も何冊か読んでいるが、両氏ともここ10年くらいの言動には「長いものには巻かれろ」という態度が感じられたので、両氏を敬遠する気持ちが出てきていた
それでも、興味のあるテーマだったので読んでみる

佐藤氏の共産党嫌いが言葉の端々に滲み出ているというより溢れ出ているが、客観的な事...続きを読む実と主観的な評価・意見とを区別して説明しているので読める 嫌悪感の発露をもう少し抑えてくれたらもっと読みやすくなるのに
他の戦後史の本では分からなかった経緯が分かりやすく説明されていて、勉強にはなった

同じ二人で自民党の(政策の)歴史を議論してくれたらぜひ読みたい

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年04月03日

日本における左翼と言われる政党・組織の歴史と思想を元社青同に所属していた佐藤優と社会党シンパ?だった池上氏が対談形式で解説。
まずは敗戦直後の共産党の躍進から1960年までの社会党の労働運動との関係性や新左翼の分派等その興隆を描く。
本作は、コロナ禍後により先鋭化するであろう格差社会に向けて資本主義...続きを読むの対抗する思想としての社会主義や共産主義の復活を予見している。
その上で過去にこのイデオロギーが、結果が手段を正当化する理屈の上で大きな過誤や多くの市民の離反を生じたことの反省を教訓とすること願って書かれたものであることを宣言している。
前提としての未来予測やかかる予見がどこまであたるかは不透明だが、1つの仮説として合理的な予見であると思う。
そしてそれらのイデオロギーが新たな時代に変容した形で社会、国家に必要とされることはあるかもしれない。
その意味でも本書の過去の総括は貴重だと思う。

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Posted by ブクログ 2022年03月30日

池上彰氏と佐藤優氏の対談形式で1945年から1960年までの日本の左翼運動の歴史を日本社会党と日本共産党の動向を柱に振り返る。
新聞の書評で気になっていたものの、この2人の対談というのは(専門性などの点で)大丈夫なのかとも思ったが、講座派と労農派の違いや所感派と国際派の違いなど、戦後の左翼運動の流れ...続きを読むについての断片的知識がつながり、なかなか勉強になった。

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Posted by ブクログ 2022年03月07日

●占領初期のGHQの政策がルーズ・ベネディクトの「菊と刀」を参考にし、ルーズ・ベネディクトはアメリカ共産党の日系人のインタビューを基に「菊と刀」を書き、アメリカ共産党日系人の思考は、日本共産党講座派の理論に寄っている。
●スターリン批判とハンガリー動乱のあった55~56年の世界情勢が、社会党の躍進、...続きを読む新左翼のゆりかごとなった。
●いわゆる共産党の黒歴史など、今まで読んだ左翼関連の書籍ではあまり触れられていない面からの話が面白かった。

池上彰と佐藤優の対談だが、お互いの知識を程よく出し合い、知識の自慢合戦にならなかったのが良かった。次回作も楽しみである。

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Posted by ブクログ 2022年01月05日

教科書での日本の政治経済歴史だけしか知らなかったので、とても勉強になりました。左派と右派、社会主義と共産主義、講座派と労農派、所感派と国際派など、たくさんの異なる派閥。戦後から数十年の間に熱い革命的な想いを行動に移していた知識人がこんなにたくさんいたとは知りませんでした。どのようにして今の日本の政治...続きを読むが雀荘仲間になってしまったのか、この続きも読みたいです。

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Posted by ブクログ 2021年12月22日

世の中に、いかに「左翼」や「右翼」という言葉が本来の意味とかけ離れて使われていることか。以前、この用語を使っている者(まあまあ著名な法律学者)対し、それはどういう意味で使っているのか、あなたがそこで意図している定義はなんであるのかと尋ねたことがあったが、さしたる考えもなく使っていることが分かり、法律...続きを読む学者であってもこんな程度の理解なのかとがっかりしつつも、まあそんなもん(=他方を批判するための文脈で適当に使うことが多いよね)だろうと妙に納得したのであるが、そういう鬱屈した気持ちを晴らしてくれる説明がされているのが本書。とはいえ、ここに書かれている内容が事実かどうか、論評されている登場人物の評が正しいものかどうかは、おそらく判断が分かれるのだろう。ともあれ、この程度は押さえておかないと話にならないでしょう思われる課題図書であることは間違いない。

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Posted by ブクログ 2021年11月26日

日本共産党が革命政党であるという、当たり前の事実を、枝野さんは、ノンポリらしく良く判っていないのでは、という辺り、興味深いです。保阪さんが書いた、対立軸の昭和史(社会党の没落史)との合せ読み、お勧めします。★四つかな

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Posted by ブクログ 2021年10月24日

ここらあたりに興味があり類書を読んでいるので
驚くほど新しい知見
はないが丁寧な記載で安定の面白さ
ここら辺にあまり馴染みがない方にはちょっと本書だけでは追いつけないかもですがまず手に取って欲しいですね

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Posted by ブクログ 2021年10月15日

佐藤さんの話も興味深かったし、池上さんが分かりにくそうなところをしっかり補足してくれているので、政治的な話に疎い私でも分かりやすかった。

最近たしかに、マルクス主義とか社会主義という言葉をよく耳にするし、格差社会を風刺した映画やドラマも話題になっている。

これから世の中が多少なりとも左翼の方向に...続きを読む流れていくならば、こういう歴史も知っておくべき、というのは賛同する。

続編も読もうと思う。

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Posted by ブクログ 2021年10月04日

一読しただけでは、理解不能な箇所が多い。どの読者層をターゲットにしているのか不明ながら、この手の複雑な話であれば、鳥瞰的に大まかな流れを与えた後に、詳細な説明に移行してくれると良いのだけれど…

対談ながら、佐藤氏に主導権があるのは明らか。佐藤氏の話の進め方は、強引で随分と独断的(大概そう)。池上氏...続きを読むが頷き担当の様に思えてしまう所多し。

まあ、ついて行けないこちらが悪いので文句は言えない。佐藤氏からは、「私の言っている事に、ついて来れないならば、ついてこられる様に研鑽しなさい!」と叱咤されている様にも感じる。

ところで、この本において、共産党は暴力革命路線を放棄していないとあるが、実際はどうなんだろうか?正式に党としての立場を明らかにしてもらいたい。先日も政治家によるこの手の話ありませんでしたっけ?




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Posted by ブクログ 2021年09月26日

社会主義と共産主義、社会党と共産党、その違いすら知らずにいたということがわかりました。日本の近代史、まともに学んでないからな。けれど自分だけでなく知らない人も多いと思うなあ。
堅い話ですがこの2人の著者だからこそ読ませてくれる、流石です。
予告されている60年以降記載の続編が楽しみです。

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Posted by ブクログ 2021年09月22日

格差の拡大や貧困という問題が無視できず、今後も改善する見込みも感じられない昨今の状況の中で左翼の思想が広まっていくだろうという予想は間違いないものと思う。

現在「親ガチャ」という言葉が注目されているが、この状況に格差の問題が与えている影響は小さくないと思う。

格差とは普通経済格差のことを指すが「...続きを読む親ガチャ」という言葉が指摘する問題点はもはや経済格差だけではない。親の知識・教養、子育て方針、世の中に関する考え方の差が子供にとって覆いし得ない甚大な影響を与えるのであって、それは最終的には子の人間性の問題として顕在化する。

すなわち、経済格差がもはや人間性格差にまで進行しつつあるということを端的に指摘している言葉が「親ガチャ」なのだと思う。

さて、そんな言葉が話題になる現在以降、格差を是正しようという社会運動は必ず起こる。つまり、左傾化。

そこで、この本は重要になってくると思う。私自身、左翼思想が目指さんとするところには強く共感するが、過去に犯してきた過ちも忘れてはならないと思う。

過去を振り返ることは現在の自分を客観的にみる手段であり、現在の問題である。

この本は格差や貧困が無くなるようにという一見純粋な思いがはらむ危険性を示し、冷静な現状分析を可能にする助けになってくれる。

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Posted by ブクログ 2021年08月23日

池上彰、佐藤優による、日本の左翼史。なぜ今?と思いましたが、いわく、コロナ後の日本は、ますます格差が拡大し階級社会になる。その時に、必ず社会的な平等を求めるマルクス主義的な活動が生まれるはずである。今のうちに、これまでの日本の社会党、共産党を中心とした活動の歴史を検証しておく必要があるとのこと。なる...続きを読むほど。
確かに、日本はまだしも、資本主義社会では格差は冗談では済まないほど大きく広がり、それが様々な事件の原因にもなっている。格差社会の是正を求める大きな動きが出てくる可能性は高いかもしれない。それが、かつて共産党が目指していた革命のようなものになるのか、もっと穏やかなもの(もしくは何らかのベールに包まれたもの)になるのかはわからないが。
続編も出版予定とのこと。

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Posted by ブクログ 2022年10月30日

社会主義と言うと、どうしても共産主義と混同しがちである。
最近は社会主義を見直そうと言う思想も出てきているが、とかくイメージが悪く、なんだかちょっと怖い気もしていた。
しかし、「左翼」を私はよく知らない。
そこで前回からこのシリーズを読み始めている。

まず驚いたのはリベラルと左翼は本来は対立的概念...続きを読むであると言うこと。
平和イコール左翼ではないなんて、目から鱗だ。
人間の理性は不完全であり、だからこそ漸進的に社会を変えようとするのが右翼。
国民の心情、精神に改造を施すというのは右翼は本来大嫌いで…となると、今までの私の感じていた右派左派が完全に逆転する。
なんてこった。

革マル派最高指導者、黒田寛一の思想にも驚きを隠せない。
社会の一人ひとりが思想を通じ個々に人間革命を起こし…って人間革命?
創価学会と同じ?!(殺人を肯定するか否かと言う違いはあるが源流に類似性がある)どちらも正直よく知らないけれど、
政治思想と議席を得ることは矛盾していてもよくて、となると…。
各党の主張がどれも信じられなくなってくる。

さらに左翼を下支えする労働組合も、労働は美徳と言いながらサボればサボるほど革命に近づく(旧国鉄)など…
果たして私がイメージしていた左翼ってなんだったんだ?

シリーズを全て読めば多少はわかるのか。
シリーズ3作目に何が書いてあるのか、怖いけれど楽しみでならない。

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Posted by ブクログ 2022年09月11日

一言で言うと、難しい。
政治に対する予備知識が全く無い中で読むとほとんどが理解できない。
今の共産党や社民党の姿だけを見ていると気づかない、戦後における両党の歴史について学ぶことができたものの、なかなか頭に入ってこない。。
ただ、同様の左翼右翼についての本でも記されていたが、今はこう言った考え方を知...続きを読むらなくても良い程、日本は平和なのだろうと改めて感じた。
左翼の考え方、やってきたことはどうあれ、国の行末を案じて本気で行動を起こしてきたことに嘘はないのだろう。
このシリーズは他にも2冊あるようなので、とりあえずは読んでみようと思う。

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Posted by ブクログ 2022年03月26日

社会党と共産党の成り立ちの違い、その後の歩みが良く分かった。佐藤優さんの共産党観が随所に感じられた。池上さんはそれに合わせてる感じ。

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Posted by ブクログ 2022年03月21日

左翼の歴史はテレビではまずお目にかかれないので、共産党の創設者たちのお話しなど楽しく読ませてもらいました。

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Posted by ブクログ 2022年02月24日

佐藤優さんと池上彰さんが対談しながら、日本の左翼の変遷について教えてくれる。この2人だからこそ、対談してまとめるだけでしっかりした新書が一冊できあがるというのは羨ましいかぎり。
第1弾の本書では、戦後から1960年ぐらいまで。日本共産党の戦後初期の動き、社会党の変遷、55年体制の完成と、日米安保改定...続きを読むによる極左の誕生あたりまでが語られます。極左は共産党ではなく社会党が育てていたことなど、全く知らなかった。
本書のあとがきにあるように、コロナ禍後を見据え、格差が拡大しつつする日本で再び起き上がりつつある左翼が、忘れ去れつつある過去の誤ちを繰り返さないよう、その過去を振り返っておこうという主旨で企画されたようです。
学生時代、革マルだとか中核派だとかをチラホラと目にした年代ですが、基本的にそっちには全く拘わらなかったのでほとんど何も知らないものの、一体どういう経緯で何をしているのか興味はあった。自分より1世代、2世代前の人々にとって共産党だとか左翼の諸派がどのように見なされているのかも感覚的には理解できなかったが、知りたかった。本書の続編も読んで、そいうことを知識として知るだけでなく、理解したいと思う。

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Posted by ブクログ 2022年02月23日

意外や意外、期待外れ……、
だったかなぁーw

断片的に知っていたことが繋がったり、中途半端に知っていたことが、「あれってそういうこと」とわかる面白さは確かにある。
また、対談(であって、対談じゃないんだけどw)形式なので読みやすいとも思う。
でも、なんだろ? なーんかツマンナイ(^^ゞ

テレビ東...続きを読む京で時々やってた、池上彰の「現代史」がわかりやすく、かつ、視点が面白かったので、そんな風なのを期待したんだけどなー。
読みやすくはあるんだけど、いかんせん細かい情報が多すぎちゃって。
左翼の習性とはいえ、間違い探しレベルのちょっとの意見の違いに目くじら立てて、どんどん分断していって。
その分断した派閥それぞれに代表者がいるから、もー、なにがなにやら?w
その流れを、かつて左翼に魅かれて組織にも属していたらしい二人が、記憶でしゃべっているフリして、資料だか台本だか見ながら(?w)、出来事が起きた年月日まで懇切丁寧に教えてくれるもんだから。
なんだか、教科書を読んでいるみたいって言ったらいいのか?
とかいうものの、教科書って、そんなだったっけ?(^^ゞ

佐藤氏の言う、これからの世論が左翼化するかもしれないから、かつて、すごく頭が良く、正義感にかられているんだけど頭が左がかった人たちが起こしたような暴力事件を起こさないように、こういう本を今出したというのはすごくよくわかる。
でも、なら、左がかった論理に囚われた人たちというのは、なぜか揃いも揃って仲間を粛清し合う習性を持っている。
それは、日本だと、連合赤軍の「総括」や学生運動の内ゲバ等々。
海外だと、文革、カンボジアのポルポト、本家ソ連の一連の粛清等々。
それらは、全てマルクスだの、レーニンだの、毛沢東だのの著書や言葉を、自らの論理の正しさを示す根拠として勝手な解釈をして、ちょっとでも意見が違う人たちがいれば「反革命分子」の名のもとにどんどん殺していった。
でも、それら殺した人たちも殺された人たちも、みんな、すごく頭がいい人たちで。時の政治や資本家たちの横暴を正そうと義憤に駆られて行動を起こした人たちだった。
それは、この本の著者である、かつて左翼思想に魅かれた佐藤氏と池上氏はもちろん、その同世代の人たちも同じで。
みんな、知識欲の旺盛な頭のいい人たちで、かつ、世の中に善意の眼差しを向けられる人たちだった。
つまり、令和の今にこの本を手に取るような、知識欲が旺盛で頭もよい、“良い人”ほど、左がかった発想を根拠に人を殺しまくる可能性がある。
……みたいに書いちゃった方が、左翼思想(左がかった考え方)の恐ろしさを理解しやすかったんじゃないかと思うんだけどなぁー(^^;

ま、その辺りはつづきの連合赤軍や学生運動の頃を語る本に載せる予定なのかもしれないんだけどさ。
でも、これだと、池上氏も佐藤氏もかつて左翼に魅かれていたというのあるのか、二人が青春時代にのめり込んだ左翼思想や運動を懐かしむための本のような印象を受けてしまうんだよね。
(ていうか、「ここら辺りで左翼の歴史のおさらい本出したら売れるんじゃない? 佐藤氏と池上氏のブランド力もあるし」、みたいな出版社のノリなのかな?w)


自分は、なぜか子供の頃から左がかったことを言う人たちというのが嫌いで(^^ゞ
朝日新聞(に限らず、マスコミというのはおしなべて左がかってるけど)や、いわゆる戦後の進歩的文化人が大嫌いだったw
かと言って、最近流行りの徒党アイドルが制服着てるのを見ると、「なんか軍国主義っぽくってキモチワルっ!」とか思っちゃう方なんでw、右がかってもいないと思う(^^ゞ
そんなわけで、左は嫌いなはずなんだけど、でも、子供の頃、駿河台の坂を下りていくと必ず目に入ってくる明大のタテカン(って言うんだっけ?)を見て、なんかインテリっぽくってカッコイイよなーと大学生活に憧れたりもした(爆)
そんな自分が大学生になったのは、学生運動なんて昔、昔の大昔…みたいになった頃で。
通っていたのも、〇〇大学闘争なんて歴史のなかった大学だったから、友だちとの話題も女の子やファッション、あとは趣味の話ばっかりで。
せっかく大学生になったのに、みんなノンポリすぎだよなーと、ちょっと寂しかった記憶がある(^^ゞ

そんなわけで、(世代が違うとはいえ)佐藤氏や池上氏が若い頃に左翼思想に魅かれた感覚って、実はそこそこよくわかる。
もっとも、戦前戦中を「天皇陛下万歳」で生きてきた人が、戦後に一気に価値観がひっくり返ったことで、みんな混乱して。そこに戦前戦中を否定する俺/私ってカッコイイよね?的に左翼思想が持て囃された面があるらしい、というところまでは実感できない。
ただ、Eテレの100分de名著の『金閣寺』の回を見ていて、三島由紀夫みたいな人でも戦後、アイデンティティーを見失う混乱に陥ったというのを知った時、人々が左翼思想にとびつかざるを得なかったその時代というのが少しだけわかった気がした。
言ってみれば、「持続可能な社会」を謳いつつ、そのすぐ後で(到底持続可能とは思えない)グルメ情報を流すTVがまさにそんな感じなんじゃないだろうか?w


左翼思想って。どこかアカデミックな匂いがあって、学生同士で議論し合うみたいな、自分の大学時代にはなくなっていた、古い良き学生生活的なロマンチックさがあるんだよね。
現代では学問に打ち込むなんてダサい人と思われちゃうわけだけど、でも、学生が無垢に勉学に打ち込める古き良き大学や学校の時代が戦後の一時期にあったんだと思うのだ。
恩田陸の小説によく出てくる地方の進学校の様子がかろうじて最後なんだと思うんだけど、学問に打ち込むことがダサくなっちゃた現在でも、それへの憧憬を持っている人は多いと思うのだ。
だから、かつて左翼思想に魅かれた人たちが「ブルジョア」だの「プロレタリアート」だのと目を輝かせて友だちと議論し合ったたみたいに、小難しい漢語や横文字を並べたり、妙に飾った文章を書いたりする(いわゆる中二病的にw)んだと思うのだ(^^ゞ
そんなこと書いてる自分だって、本多勝一が自らの学生時代のことを書いた『旅立ちの記』なんか読むと、純粋さ? 真摯さ? にその学生時代をうらやましいなーって思うもん。


そういえば、自分が大学4年になった時、新入生に過激派の〇〇派の人が入ってきたとかで。
いや、新入生といっても、どう見たって40代くらいのオジサンなの(^^;
それ以来、昼休みになると、その人と仲間が庭で「なんだらのぉー、なんだらでぇー」と叫ぶ、オキマリの学生運動しゃべりで演説するようになったw
それって、うるさいのもうるさいんだけど。
それより何より、なにが哀しくてウチの大学みたいなおバカばっかなとこで学生運動するんだろうね?wと、みんなで呆れていた。

そんな風だったから、その人たちもさすがに寂しかったのか何なのか?w
ある日、ふと演説を止めて。近くで昼メシを食べていたた学生に「これについてキミはどう思う?」みたいに語りかけちゃったもんだから、さぁ大変w
語りかけられた学生は、頭をタリラリラ~ンと振り振り、「ボク、バカだからわかんなぁ~い」と茶化したもんだから、もー、みんな大爆笑。

その人、もー、怒っちゃって(^^;
顔を真っ赤にして、「大学生にもなって、こんなことがわからないはずがないんだ」とかなんとか叫んだまではよかったんだけど。
まー、興奮しすぎたんだろう。
口から唾が飛んで、語りかけられた大学生の足元にポトンと落ちちゃったもんだから、「あぁー、きったなぁ~い」とか言われて、一瞬絶句w
その後は、庭にいた全員から「きったない! 帰れ!」コールを受けて、すごすご帰っちゃったなんてことがあった(^^ゞ

今思えば、あの頃って、そういう時代だったんだろう。
決して不平や不満がないわけじゃないけど、でも、誰もがそれなりに毎日を楽しんでいたあの時代のあの場所で。
プロレタリアートだのブルジョアだの革命だの叫んで、その人たちにとっての青春だった“学生運動ロマンティシズム”に浸っている方が馬鹿だw
それは、何かというと“生き辛い”と言われる現在だって同じだと思う。
確かに、今っぽいインテリ的たしなみとして、社会主義と共産主義はなにが違う?みたいな話は“映え”るのかもしれない。
でも、コロナ後の日本で格差が拡大したからって、共産党が支持を集めて、みんなで革命を叫ぶようになるんだろうか?と思ってしまうのだ。
格差が拡大したらしたで、アメリカの巨大IT企業が貧乏人でもギリギリ払えるくらいの金額のサブスクのサービスを提供してくれて。
みんなでそれをして、“映え”る毎日を楽しんで暮らす、それが今の日本人のような気がする(^^;

まー、それこそコロナより恐ろしいパンデミックとか、あと巨大気象災害とか。
あとは、基幹産業である自動車産業が海外の電気自動車に完敗したり、人口減で働き口がほとんどなくなって、もはや暴動でも起こすしかないってなったら、その言い訳の拠り所として左翼思想を引っ張り出してくるなんてことは、もしかしたらあるのかもしれない。

でも、それよりは、佐藤氏が序章で言っている、グレタとかいう子の温暖化への抗議活動は現代版の左翼思想だ、みたいな話の方が現実味があるような気がするけどなぁー。
ていうか、自分はあれは左翼思想というよりは、ファシズムのような気がしてしょうがないんだけどどうなんだろう?
ぶっちゃけ、あの子が演説するのを見ていると、ヒトラーが演説している姿がダブってくる…っていうか(^^;
あれ? そんなこと言うと、今は怒られるんだっけ?(^^;

いや、自分も環境保護は大賛成なのだ。
地球温暖化=二酸化炭素の増加に疑問がないわけではないけど、でも、温暖化の海水温上昇によって一昨年の台風19号みたいなのが来ちゃう以上、もはや二酸化炭素削減でもなんでも、温暖化を防げるとされることは何でもやるしかないじゃん。
でも、ヨーロッパと日本では気候が全然違う。
ヨーロッパの人が考える自然エネルギーを使った温暖化対策が、そっくりそのまま日本で使えるとは思えない。
だって、1年の半分が台風シーズンの日本で風力発電と太陽光発電って、現実的な話なのか?
それよりは、世界第3位のエネルギー量があるという地熱ではないのか? 何でそういう話にならないの?
そもそも、二酸化炭素を吸収する木を切って太陽光発電のパネルを並べるのって、どう考えたって環境破壊だろ!(^^ゞ
それで「持続可能」とか言って悦にいってる人って、まるでマルクスやレーニン、毛沢東の著書や言葉をいいように解釈して異なる意見を封殺してるのと同じじゃんって、あ、やっぱり左翼思想?(爆)

ま、冗談はともかく(いや、冗談でもないんだけどねw)。
何年か前、広瀬隆の『ロシア革命史入門』を読んだ時、自分は、「共産主義って、結局文学者の発想なんだなー」という印象を受けた。
すっごく乱暴な決めつけ方だとは思う。
でも、重箱の隅をつつくように意見の違いを見つけ出しちゃぁ、人を殺して。「革命だ」と悲壮感的ロマンティシズムに浸っているその様に、学者特有の中二病っぽさを感じてしまったのだと思う(^^ゞ

ただ、戦後の豊かな時代に生まれ育った自分と、帝政ロシアの圧政下で革命を起こさざるを得なかった人たちでは、考え方や常識、死をめぐる感覚が全然違うだろうし。
また、戦後の厳しい時代を知っている佐藤氏や池上氏とも、微妙に差があるはずだ。
さらに言えば、軍国主義の戦前戦中を生きて、戦後に今までの常識がひっくり返ったその感覚を知っている人とも違うだろう。
そういう人たちからしたら、「左翼思想は文学者のロマンティシズムなんて、なに馬鹿言ってんだ!」なんだろう。
でも、「今って、そういう世の中じゃないよね?」とも思う。
だって、北朝鮮が掲げているスローガンの「白い米と肉のスープがたらふく食える生活」(だっけ?)とか聞いて、日本人はキョトンとしちゃうのが普通でしょ?
もちろん、佐藤氏が書いているように、コロナ後にはキョトンとしてはいられない世の中になる可能性はあるだろう。
でも、そうなった時にかつての左翼の人たちが起こした過ちがまた起こることを憂うなら、そうなった世の中を実感できない現在にそれをうったえてもしょうがないんじゃないのかなーと思ってしまうのだ。

なら、左翼運動の新たな形として環境保護や人権保護があるなら、それが誰もが正しいこと感じるからこそ、社会全体が気づかぬ間に陥ってしまう危険な面があるんだということを、かつて左翼が起こした誤りを例にあげて指摘してほしいかなーと思う。
だって、少なくとも今の日本では、格差が広がったことで起こる左翼運動よりも、そっちの方が危険だもん。
ていうか、何かというと問題視される格差が悪いのではなく、悪いのは貧困だと思うけどな。
金持ちがいようといまいと、貧困がなくならなきゃ意味はない。
その辺を曖昧に貧困は格差のせいだと言うのは、左翼が得意とする一般庶民へのすり寄りだと思う。

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Posted by ブクログ 2021年09月06日


1.この本を一言で表すと?
日本の左翼の失敗を繰り返さないために歴史を振り返る本。
2.よかった点を 3~5 つ
・本来はリベラル(自由主義者)と言えばむしろ左翼とは対立的な概念です。(p20)
→左翼リベラルの関係や、愛国心と保守派の関係など、日本ではねじれの関係にあるものが多いと思う。
・こ...続きを読むの、「どんなものにも良いものと悪いものがある」というロジックは、共産党的弁証法の特徴です。(中略)これ
こそがスターリン主義の弁証法で、「弁証法」という言葉を使うとどんなことでも正当化できるのです。だから彼らは
絶対に謝らないし、そもそも自分が悪いと思ってさえいない。共産党歴が長い人ほど、そういう思考回路ができあが
ってしまっているから怖いんですよ。(p105)
→このダブルスタンダードの考え方は非常に怖いと私も感じた。
・創共協定(p217)
→このような協定があるとは知らなかった。共産党と公明党の関係を今まで知らなかった。
・目的が手段を浄化する革命的暴力論(p210)
→革命運動の本質を理論的に突き詰めて考えれば正しいように感じてしまうところが怖いところである。
・コロナ禍後、格差が拡大する。(p226)日本でも近未来に社会主義の価値が、肯定的文脈で見直されることになると
思う。(p228)
→この予測は、根拠があり納得のいく予測だと思った。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・対談形式なので、話が脱線してまとまりのない内容になっている部分があった。
・共産主義と社会主義(特に新左翼)の違いは結局何なのかわからなかった。
3.議論してみたいこと
・日本において社会主義の勢力が多数派となる時代は来るのだろうか?
5.全体の感想・その他
・続編が出るようなのでそちらもぜひ読んでみたい。
・佐藤氏が社青同の同盟員だったことに驚いた。池上氏も若い頃は社会党の理論家が書いた論文を読み、とても詳し
いのに驚いた。
・共産党は戦後すぐのころから現在まで、言っていることがかなり変わってきているということがよくわかった。

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