【感想・ネタバレ】なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒントのレビュー

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Posted by ブクログ 2023年09月02日

2回読みました。自分史上、間を空けずに2回も読むのは珍事です。タイトルは内容とかけ離れているので要注意。ポストコロナ総括の本ですね。
「マイルドな優生思想」は大事なキーワードのように感じます。自己肯定感が低い人向けの処方箋的な本は山のように出ているけれど、この本は「役に立たない人間は生きているな」と...続きを読むいう思考がマイルドな優先思想だと言っており、目から鱗です。
不登校のリモート活用は政策が実現しかけています。日本の薬物対処の政策が国際潮流とかけ離れていることなど、参考になることがたくさんありました。著者お二人は本当の専門家だと思いました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年12月03日

とても現代を生きていく上で、有意義ないろいろな「ヒント」の内容があったように思えました。

対面には暴力性があり、オンラインはそれを軽減/消去する。
「対面で会うことが必然的にはらんでしまう暴力性」
オンラインでの対面を可能にするインフラが整備され、「対面せずに会う」という仕事、勉強、診察等の経験が...続きを読む一気に広がった。同時に「なぜ人は対面を必要とするのか」という、かってない問をもたらしてくれた。

第1章「鬼滅の刃」ブームにみる現代日本人の闇
「四重の格差」1.国家間格差2.国内での地域間格差3.経済などの階級格差4.ジェンダー格差
自殺者が目に見えて低い町、徳島県の旧海部町(現海陽町の一部)は自殺の「希少地域」
生きるヒント①
●家族・友人との関係を大切にする
●家庭内にも心のソーシャル・ディスタンスを
●他人のトラウマに寄り添い過ぎない。自分が壊れてしまう。
●追い込まれないために、悩みや苦痛は口外すべし。ぜひ役所などにも頼ろう。
●精神科と心療内科の違いを理解し、適切な治療を受けよう。医師は選ぶべし。
●ペットや趣味など「内向きの不要不急」を大切に。

第2章人はなぜ、人と合うのか
人に会えなくて「楽になった人」と「萎れてしまった人」
「嫌な人」「相性が合わない人」と付き合う必要はない。「必要な人とだけ会う」
「対面」によって活性化され、エンパワーもされていた。「表面的にはそれほど社交性は高くないものの、ある程度の対面は必要」

会うことは「暴力」
人と会うことの暴力性
外交の世界も「暴力をどう効率的に行使するか」

理想は対面とリモートのハイブリッド

生きるヒント②
●①人に積極的に会いたい人、②一人でいたい人、③その中間くらい。自分はどれか、あの人はどれか考えてみる。
●人に会うのに苦痛を感じるのは、そこに「暴力性」があるからだと理解する。しかしその暴力には意味がある。
●人は、人に会うことで欲望を維持できる。多くの人は、一人ぼっちで欲望は維持できない。欲望の減退は元気を失わせる原因にもなることを知っておく。
●人と会うことで不確実性が高まる。「偶然の事故」から新しい発見があったり、新たな展開が生み出されたりする。だから対面にはリモートにはない意義がある。

第3章危険な優生思想に蝕まれないために
「努力は遺伝に勝てない」「『悪い生』に生まれたら、そこから抜け出せない」という優生主義の発想は、人々が様々なことを諦める理由にもなっている。

弱者男性の怨嗟の向かう先は、支配層ではなく、自分のちょっと上の中流ぐらいの層。自分たちよりも弱者に対しては、もっと容赦なかったりする。結果的に、弱者切り捨てに賛成してしまう。

生きるヒント③
●人間には心があることを再認識する。
●「AI時代」を生き抜く鍵は「読解力」
●物事の真贋を見分けるためには、常に「その話にはエビデンスがあるのか」という発想を持つことが重要
●人間の生の多様性は、これからの時代を生き抜く自分のため。
●合理主義のいき過ぎで、優生思想が万円。自分の首まで占めかねない危険な優生思想に加担するな。
●優生思想の危険性をよく知っておく

第4章「同調圧力」と日本人
生きるヒント④
●スペイン風邪は同時代に記憶されなかった。パンデミックは適切に記憶する努力が必要。
●生活保護は利用抑制から方針転換。追い詰められる前の選択肢として考えよう。
●テレビなどのメディア報道の裏にあるものを考え、流されない訓練を。
●苦しい体験は、「物語」を作ることで逃げなくてはならない場合もある。
●コロナ禍をめぐるマスコミの「炎上商法」を冷やかに見ること。

第5章息苦しい「組織」「学校」から開放されるために…………
「逃げられないことの息苦しさ」

ひふみ投信などの藤野英人氏や原田曜平氏の意見
日本の希望は「地方」、そしてヤンキー。地方は東京と別の生態系になる。

心の中に「逃げる自由」を確保しよう
男性が自殺しやすいのは、誰にも相談できない、苦痛を訴えることもできない、と自ら逃げ場を閉じてしまうから。
もっと「逃げる自由」を肯定的に捉えていくべき。

生きるヒント⑤
●自分の居場所をつくっておくと、心はだいぶ楽になる。
●子供も大人もリアルは出席とリモート出席のハイブリッドが理想。
●ひきこもりの人たちみたいに、外に出られなくて苦しんでいる人がいることを理解し、寛容になる。
●人生の目標は人それぞれ。「すっぱい葡萄」と思うならそれでいい。みんなが同じ「葡萄」を目指す必要はない。
●知らず知らず「成果主義」で身動きが取れなくなってはいないか。自らをチェックしよう。
●実は地方には可能性がある。パンデミックを記に本気で移住を検討するというのは、十分にあり。
●「逃げるときには逃げる」というのは、生き延びるための立派な知恵。ココロの中に、その自由を確保しておこう。
●ポストコロナには、人と会い、会話して、意図的にメンタルの修復に努めよう。

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Posted by ブクログ 2022年05月06日

確かに会って話すと話が早い。誤解が解けやすい、互いの真意が伝わりやすい、正確な情報を共有しやすい、だから話が早い、効率的だと思っていた。
実は会うことは暴力だったんだ、という面は思い起こせば確かにある。上記の件も暴力的に誤解を解かし、暴力的に真意を伝えた、という面は無かったか?と言われれば、正直自信...続きを読むはない。少なくとも当方が折れた例では、あった、と言わざるを得ない。
人に合わないコロナ禍で得た新たな気づきと言える。

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Posted by ブクログ 2022年03月13日

私にとって多くを学べる本でした。
対談形式ということもあってか、色んな話を知ることが出来て、勉強になりました。
「(外交などは)交渉の途中で物理的に遮断できてしまうリモートでは成立しない」(P81)と書いてあり、今の世界情勢を見ても考えることが多くありました。
また、リモートと対面の違いについて斉藤...続きを読む先生は「オーラ」を挙げてらっしゃいましたが、私は「空気(読む方ではなく、存在する方)」の有無もあるのではないかと思いました。例えば怒りながら「この書類は全然ダメじゃないか」と言われ、書類を机にバーンと打ち付けるように置かれたとき、そこから流れ出る、発生する空気の流れはその場にいないと感じない、というようなものです。肌で感じる空気の存在も暴力的だなと思いました。
あとは、引きこもりの年間使用額やオキシトシン、脳には男性脳も女性脳もないなどの話は興味深かったです。

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Posted by ブクログ 2022年03月13日

帯だけ見ると「人に会わなくちゃいけないのか」と、人に会うことに疲れた人にはしんどく感じるかもしれないけれど、実際の内容は、人に会うと余計に暴力的なものを感じてしまう人もいて、そういった多様性を認めたほうが良いという内容だったので、人と会うのがしんどい人にこそ読んでほしいと思った。章末のまとめは若干雑...続きを読むだと感じたのと、ワクチンに関する意見に関しては賛同しかねたけれど、様々な経験を積んだお二人の対談がとても面白くて、あっという間に読んでしまった。

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Posted by ブクログ 2022年03月12日

「題名」が良い。キャッチ―に引き付ける。コロナ禍は、それが起こる前からあった問題を可視化した。良い意味でも悪い意味でも。この二人の対談というのは異色ではあるが、それぞれの個性が、対話によって、良い意味で咀嚼され、外側に開いている。著者の一人である斎藤氏の著作は以前から多少は読んでいるが、オープンダイ...続きを読むアログ前と後でかなり異なる。多様な人たちに満遍なく目が届き、それを外の世界と結び付ける。「ひきこもり」についてはもとより、脳科学と優生思想の親和性は興味深い論考であったし、ミーハー的に面白かったのは「鬼滅の刃」の解釈であった。最後に著者たちも述べているが、今の状況を忘れずにハイブリッドにしていくことが、コロナ禍後に生きていくのであろう。

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購入済み

暴力の効能と不可避性

2022年01月11日

元々好きな二人の対談だったので楽しみに読み勧めていましたが、思った以上に面白かったです。
特に印象に残ったのはこの部分。

ーーーーーーー
佐藤 もし暴力が完全になくなってしまうと、世界は際限なくエントロピー(不確定)化して、我々自身も消えてしまう。裏を返せば、拡散を防ぐためには、ちょっと無...続きを読む理して耐エントロピー構造を作っていかねばならず、その機能を果たすのが暴力に他ならない―。そんな理解でよろしいでしょうか。
斎藤 おっしゃる通り、社会の根源に暴力があると思うのです。…
ーーーーーーー

エントロピーという普遍的な概念を使って、暴力の効能・必要性・不可避性がこんな形で表現出来るとは、目からウロコでした。

逆に言えば、エントロピーを低減させることは暴力に比することと言えるのかも知れません。
例えば、部屋の掃除、整理整頓。身だしなみを整える、久しぶりに顔を合わせた人に挨拶するなど。
放って置くと乱れてしまったり消えてしまったりするものを維持する時に必要となるのが、一種の「暴力」的なエネルギー。
引きこもりになってしまうような人たちは、そのような暴力的エネルギーの消費を可能な限り回避し続けようとしているということなのかも知れません。

しかし、生きている限り必ずエントロピーは増大し、エネルギーは消費されてしまうのです。
どんな「暴力」的エネルギーを振るうことを選んで生きていくのか。それをどこかで選ばなければいけない、そんな勇気が必要なんだと言うことなのかもしれないと思いました。

大分佐藤さんに慣れ親しんでいる感じの、巻頭の斎藤環さんの前書きが微笑ましかったです。
どうかもう一度でも、この二人の対談が実現しますように。

#癒やされる #深い #アガる

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月15日

タイトルの帯についている「コロナ禍が教える新たな人間関係の極意」が本書の総括な気がしている。

人に会うことには暴力性(人に対して何らかの力を発揮するという意味)があるというのは本当にそうって思う。何かしら伝えたいことがある、ビジネスにおいてはゴールがあるということは、他者がどう思っていようがその方...続きを読む向にベクトルを向かわせることになるから。ビジネスにおいては暴力をいかに効率的に出すか、でもいいけどプライベートとかならいかに受け止められる優しい暴力を振るうか、考えないとなぁ…。
あと最近の脳科学ブームについても確かにと思ってしまった。最近心理学というワードが下火になって、脳科学に置き換わっているけど、脳科学にすることで、自分ではどうしょうもないと問題を外在化させるのか…。人間の脳は自分の指導範囲内なのか外なのか、ちょっともやもやしている。あと、脳と心はイコールなのかについても、脳が外在化しているという面で心も一緒、だからイコールだと言われるとちょっともやもやする。もやもやするから心と脳は違うんだろうなぁと思ったり思わなかったり。

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Posted by ブクログ 2023年06月12日

佐藤優・斎藤環 両氏の対談本。
コロナ禍において感じた日本人のメンタルについて、様々なトピックから語られています。

 特に興味深く読んだのが、「鬼滅の刃」の主人公は”からっぽ”という説と、『会うことは「暴力」である』、というところです。

 全体的に面白いなーと思いながら読み進めましたが、個人的に...続きを読む気になってしまったのが、『心の中に「逃げる自由」を確保しよう』という小節での斎藤さんの発言についてです。
 果たして女性は、逃げようと思って「逃げている」のか? 果たしてそれは本当に「逃げ」と言えるものなのか?
 そのあたりについては、斎藤さんも佐藤さんも深追いすることなくさらりと流し、次の話題に移っているので何とも言えないのですが、もし弱者に対して理解を示しておられる斎藤氏が、女子は「逃げている」(しかも簡単に)と思っておられるのだとしたら、残念だなと思いました。
 このことについて、他の点で「社会システムに問題がある」と繰り返し述べておられるお二人がノータッチなのには驚きましたし、社会システムじゃなくて「女子の側に問題がある」と思っている可能性もあるのかな? と思うと(他の説の説得性を考慮してみても)ぞっとします。
 簡単に逃げているように見えるのでしょうかね? 
 それくらい、男性に「逃げ」という行動は恥の意識が染みついていて大変だ、ということを言いたかっただけなのかもしれませんが、女性としては心外に思いました。
 どうか私の勘違いであってほしいと願うほど。


 それ以外の点では本当に良かったので、

・コロナ禍での人間関係の距離
・人に会えないことで「楽になる人」「萎れた人」
・リモートワーク
・シンギュラリティ論争
・優生思想
・弱者男性
・自助・公助・共助とコロナ禍
・旧態依然とした日本型組織
・マイルドヤンキー

上記キーワードを見て「面白そう」と思った方には、お勧めします。

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Posted by ブクログ 2023年05月31日

「対面で会うことが必然的にはらんでしまう暴力性」についてのお話がおもしろかったです。
「会った方が話が早い」という例えは頷くしかなくて。
暴力の存在に気がつけているかどうかが大切である、ということと受け取りました。

コロナ禍において気づいたことについてのお2人の対話はおもしろく、時を忘れ、あっとい...続きを読むう間に読み終わりました。

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Posted by ブクログ 2023年03月18日

コロナで分かった人と会うこと。人と会うのは暴力である。よく分かる!でも、会わないと欲望が湧いてこない。うんうん。
不登校の増加を心配してる斉藤先生。そうだよなあ。

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Posted by ブクログ 2023年01月25日

リモート会議だと意思疎通がし難い人たちが一定層いる。できる限り対面にしたいと。自分なりにこの理屈を考えていた。一つは、表現能力。嫌だと言う顔、理解できていない表情が伝わらなければ、言語化して伝えるしかない。逆も然りで、相手の言葉を身振りや表情なくして理解する能力。これが足りない層、あるいは言外が読め...続きを読むない初対面では、リモートは向かない。もう一つは、会議時間外の雑談。言い過ぎをフォローしたり、根回ししたりが難しい。合意形成としての会議には、前後時間も戦略の一部になるからだ。理屈は分かる。しかし、正直に言うと個人的には、対面希望者にうんざりしている。これは性格による所が大きい。

著者の二人は、対面には暴力性がありオンラインはそれを軽減あるいは消去する、と言う。いや、オンラインというなら暴力性は残る。ネットで炎上、リモート会議での威圧、チャットでのイジメ。ここで言われるのは、もっと原始的な物理的距離感による、生物としての肌感覚。殴られはしない、殺されはしない、という心理的安全性だろう。著書では現前性、臨場性、オーラみたいなものと言っているが、当人、あるいは第三者を通じて、私の肉体を拘束や暴力で支配できるという相手の醸す雰囲気がオーラだ。魅力的な人や権力者は第三者を通じて支配力を行使できるが、つまりはその予感こそがオーラと言えるだろう。リモートでは、それが使えないし、使われない。

対話は互いの領域を侵犯し合う暴力性、会った方が話が早い、これは暴力の本質だと斎藤環。なるほどな、と思った。子供の喧嘩でも、口喧嘩で言いくるめられないと、手が出る。それに近い。相手への侵犯、所謂、説得に際して意識的にも無意識的にも支配力を用いている。このように、リモートでは肉体的威圧の部分がマイナスされる。

他にも、コロナ禍や東日本大地震の時間感覚の話。鬼滅の刃を「トラウマゆえに正義を背負ってしまった人たち」と「トラウマゆえにモンスター化した人間 」のドラマ、つまりは心的外傷を抱えた者同士の殺し合いだというような会話は面白い。

自らの考えを確かめながら、新たな視点を楽しみながらの読書。

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Posted by ブクログ 2023年01月12日

「対面するという暴力性」についても語られています。自分も人に会うのは億劫な方なので、その理屈には納得できました。

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Posted by ブクログ 2022年06月26日

なぜ人に会うのはつらいのか。人に会うこと自体が暴力性を備えているから。でもこの話はちょっとしか出てこない。対談なので、いろいろ出てきて、全体としてとても面白い。選択の自由を増やそうよ、なのかなあ。

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Posted by ブクログ 2022年03月14日

なんとなくやる気が出ない原因は、人と会わないことによってもたらされているかもしれないという点に共感した。人に会わなくなって、「暴力」にさらされる機会は減ったけど、人に会わないと欲望が生じない。

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Posted by ブクログ 2022年03月13日

現在のコロナ化において人に与えた影響を明らかにしようとする試み全般に及んだ対談本である。「人と直接会うことによるメリット・デメリット」のみならず、普段考えが及ばないことについての学びも色々あり面白い。

対面には人を巻き込む力がある、というのは誠にその通りかと思う。メール(テキスト)、Zoom、対面...続きを読むでは、それぞれ利便性のみならず他人に与える影響度合いも異なるので、目的と関係性に応じて意識的に使い分けたい。

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Posted by ブクログ 2022年03月01日

対談本。鬼滅の刃ブーム、宗教における「会うこと」の意味、優性思想、同調圧力など、話題が多く咀嚼しきれないので、各章の箇条書きヒントに頼る。対面はストレスを伴いつつも、人と会うことで高まる不確実性が、新しい発見や展開を生み出しやすいという点は、感覚的に頷ける。一方で、会うたびにエネルギーを吸い取られる...続きを読むように感じる相手とは、リモート限定という選択肢が選べれば、必要な情報交換もしやすくなりそう。

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Posted by ブクログ 2022年02月18日

コロナ関連で、専門でない二人の意見に同意できない部分もあったものの、佐藤氏の専門である宗教学や斎藤氏の専門である精神医学に関する部分はとても読みごたえがあった。

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Posted by ブクログ 2022年02月02日

興味深い2人の対談。あまり批判的な読書はしないタイプの私だが、今回のテーマは仕事に関わる部分でもあり、えっ?そうかな?と思うところもしばしばあった。もちろん、納得するところも多々あった。考えて読むという体験ができたことが嬉しい。引きこもりはお金を使わないという箇所があったが、ん?と懐疑的にもなり納得...続きを読むするところもあった。私は訪問看護師なので、医師の介入があって初めて介入する。だから、その時点で医師の使う引きこもりとは違うのかもしれない。症度が違う、ということなのかなと思う。刑務所で土曜にものすごく甘いものが出されるという話には、くすっとしながらも納得。とにかく、私にしては珍しくよく考えながら、懐疑的になって読んだ本。良い読書体験ができて良かった。

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Posted by ブクログ 2023年11月26日

●サクッと読める対談。
●2人とも穏やかだから刺激的な論調はないが、読まされる内容。
●たしかに脳科学の胡散臭さは感じていたから、たしかになあと。ふらっと優生思想が出てくるのも怖い。
●不登校がそこまで増加しているのは問題。最近はN高とかも大盛況みたいだし、色々な学び方があってしかるべきだね。
●そ...続きを読むろそろコロナも終わりそうだけど、スペイン風邪の記憶、記録がほとんどないのはなるほどなと。ぼんやりきて、ぼんやり終わる。始めがないと人間は認識、記憶しにくいのか。

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Posted by ブクログ 2023年06月28日

コロナが全面に出過ぎてて、なんとなく思っていた(期待していた)内容と違う…となった。でも、〈会うのは暴力〉は真意だと思った。

p.80 約束の時間が近づくと、妙に緊張したり、不安になったりもします。ところが、不思議なことに、実際にあった話をすると、途端に心が楽になる。毎回、この繰り返しで、あえば...続きを読む楽になるのがわかっているのに、会うまでは苦痛を感じたりするわけです。

人に会うと言うのは、どんなに相手が優しい人であっても、お互いが気を使い合っていたとしても、それぞれのもつれを生きよう侵犯し合う行為なのです。相手の境界を越えなければ、会話自体が成り立ちませんから。

私は、コロナによる外出、自粛、リモートの導入で、そうした暴力が一旦消滅した結果、逆に、社会生活の中で、いかにそれが絶大な影響力を行使していたのかが、浮かび上がったように感じるのです。考えてみれば、自分が日常的に行っていた会議も、授業も診察も、みんな多かれ少なかれ暴力性をはらんでいたわけです。だから、そこに向かうまでは、とても気が重かったりもする。

では、どうして人間は、わざわざ辛い思いをしてまで、人と会おうとするのでしょうか?

身も蓋もない言い方に聞こえるかもしれませんが、「あった方が、話が早い」からだというのが、現時点での私の結論です。

p.234 暴力からは、逃れて身を守り、頑張るところは頑張る。心理学用語の「レジリエンス」ですね。「精神的回復力」とか「ストレス耐性」とか訳されるのですが、「黙って頑張れ」ではなく、自分を柔軟に変貌させ、サバイバルしていく考え方です。

許容レベルを超えた暴力からは、堂々と逃げる。必要だと思ったら、「会うことの暴力性」を自覚した上で、他人と関わっていく。そういう発想こそ、これからますます重要になる生きる術だと思います。

〈生きるヒント〉
・密な家族が仲良くなるか、険悪になるかのどちらかに触れやすい。
・女性は、男性よりも会わないことから受けるダメージが大きい
・家族、友人との関係を大切にする
・家庭内にも、心のソーシャルディスタンスを!
・他人のトラウマに寄り添い過ぎない。自分が壊れてしまう
・Stay Homeは依存症に陥りやすいので注意しよう
・追い込まれないために、悩みや苦痛は口外するし。ぜひ、役所等にも頼ろう。
・精神科と心療内科の違いを理解して、適切な治療を受けよう。医者は選ぶべし。
・ペットや趣味など、内向きの不要不急を大切に。
・①人に積極的に会いたい人、②ひとりでいたい人、③その中間位。自分はどれか、あの人はどれか、考えてみる。
・人に会うのに、苦痛を感じるのは、そこに暴力性があるからだと理解する。しかし、その暴力には意味がある。
・人は、人に会うことで欲望を維持できる。多くの人は、一人ぼっちで欲望は維持できない。欲望の減退は元気を失わせる原因にもなることを知っておこう。
・人と会うことで不確実性は高まる。偶然の事故から新しい発見があったり、新たな展開を乱されたりする。だから、対面にはリモートにはない意義がある。
・なんとなく、やる気が出ないのは、コロナ鬱の前兆かも、と言う認識を持っておく
・人間には、心があることを再認識する
・脳科学を過信しない
・AI時代を生き抜くカギは、読解力にあると心得よ
・物事の真意を見分けるには、常にその話にエビデンスはあるのかと言う発想を持つことが重要
・人間の生に良いも悪いもない。多様性に対する正しい理解は、これからの時代を生き抜く自分のためでもある。
・合理主義の行き過ぎで、日本は優生思想が蔓延しやすくなっている。自分の首までしか出ない。危険な優生思想に加担するな。
・郵政思想の危険性をよく知っておく
・女性に対しては、きちんと権利を主張する。財源などの忖度は必要なし。
・生きるための権利は遠慮せずに行使する。
・スペイン風邪は記憶されなかった。パンデミックを適切に記憶する努力が必要。記憶するには、収束記念日のような祭祀化が重要
・政府が絆をうたいはじめたら要注意
・生活保護は利用抑制から方針転換。追い詰められる前の選択しとして考えよう。
・テレビなどのメディア報道の裏にあるものを考えて流されない訓練を。
・苦しい体験は物語を作ることで逃げなくてはならない場合もある
・新型コロナ対策にワクチンは極めて効果的
・コロナ禍をめぐるマスコミの炎上商法を冷ややかに見ること
・自分の居場所が学校だけ、会社だけ店になると息苦しくなる。クラブ、協会、学習塾。意識的に別の場所を作っておくと、心はだいぶ楽になる。
・子供も、大人もリアルな出席とリモート出席のハイブリットが理想
・この機会に引きこもりの人の気持ちを理解しよう。外に出られなくて、苦しんでいる人がいることを理解し、寛容になれれば、外に出られている。あなた自身も楽になる。
・人生の目標は、人それぞれ。すっぱいぶどうと思うならそれでいい。みんなが同じぶどうを目指す必要は無い。
・知らず知らず「成果主義」で身動きが取れなくなってはいないか、自らをチェックしよう。
・実は地方には可能性がある。パンデミックを機に本気で移住を検討すると言うのは充分あり
・「逃げるときには逃げる」と言うのは、生き延びるための立派な知恵。心の中に、その自由を確保しておこう
・ポストコロナには、人と会い、会話して、意図的にメンタルの修復に努めよ

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Posted by ブクログ 2023年06月19日

著者二人による対談の内容を本にしたもの
コロナ禍でわかったことなどの記載もありました
なんとなく読みましたが会話だけの本って
こんな感じなのかなとも思わされ
内容はあまり残りませんでした

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Posted by ブクログ 2022年07月14日

斎藤環さんの言うことって、いつも、スーッって入ってくるんだよ。
ああ、分かるー、って。

自分の居場所を、できるだけ多く、つくる。
 学びの場だけ、じゃなく
 仕事の話
 クラブ
 教会
 意図的に、別の居場所を作る

241
リアルな出席と、リモート出席の、ハイブリッドが理想

 これ、分かるわー...続きを読む

逃げる時には逃げる
 これは、生き延びるためのリッパな知恵。

163
人間の生には良い、も、悪い、もない

65
家庭内にもソーシャルディスタンスを

悩みは苦痛は、口外すべし!
 ぜひ、役所などにも頼ろう

ただし、本の最後で、佐藤優が、いつものように
「マルクスの『資本論』によれば・・・」
とか書いてる見て、苦笑い。
バカなの?
いる?そんなの?

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Posted by ブクログ 2022年07月05日

作家佐藤優と精神科医斎藤環の対談。 コロナ後の日本の社会心理について。コロナの影響で働き方にリモートという選択肢ができて、人間の心理や社会も変わりつつある。リモートに慣れるとリアルで人に会うのが辛くなる。その状況を2人の識者が議論したのがこの本。全体的に話があちこちに飛んで、あまり印象に残る議論は無...続きを読むかった。例えば、コロナの状況を説明した鬼滅の刃の話も、このアニメを見ていなかったのでよく理解できなかった。二人の雑談という感じがした。
こういう理屈っぽい識者に会うのも、別の意味で辛いだろうなあ。

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Posted by ブクログ 2022年04月26日

はるさんおすすめ



一言で言えば、
多様性を認めると言うことかな。

会いたい人もいれば、
会いたくない人もいる。

人に会った方が話は早い
でも、
人に会うことが暴力になる人もいる。
予想外の展開があって
自分の思い通りにならないからだ。
それでも、
人は人に会わないと始まらない。

自分ひと...続きを読むりで欲望が維持できず
生きる力がわかないからだ。

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