【感想・ネタバレ】なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒントのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年12月03日

とても現代を生きていく上で、有意義ないろいろな「ヒント」の内容があったように思えました。

対面には暴力性があり、オンラインはそれを軽減/消去する。
「対面で会うことが必然的にはらんでしまう暴力性」
オンラインでの対面を可能にするインフラが整備され、「対面せずに会う」という仕事、勉強、診察等の経験が...続きを読む一気に広がった。同時に「なぜ人は対面を必要とするのか」という、かってない問をもたらしてくれた。

第1章「鬼滅の刃」ブームにみる現代日本人の闇
「四重の格差」1.国家間格差2.国内での地域間格差3.経済などの階級格差4.ジェンダー格差
自殺者が目に見えて低い町、徳島県の旧海部町(現海陽町の一部)は自殺の「希少地域」
生きるヒント①
●家族・友人との関係を大切にする
●家庭内にも心のソーシャル・ディスタンスを
●他人のトラウマに寄り添い過ぎない。自分が壊れてしまう。
●追い込まれないために、悩みや苦痛は口外すべし。ぜひ役所などにも頼ろう。
●精神科と心療内科の違いを理解し、適切な治療を受けよう。医師は選ぶべし。
●ペットや趣味など「内向きの不要不急」を大切に。

第2章人はなぜ、人と合うのか
人に会えなくて「楽になった人」と「萎れてしまった人」
「嫌な人」「相性が合わない人」と付き合う必要はない。「必要な人とだけ会う」
「対面」によって活性化され、エンパワーもされていた。「表面的にはそれほど社交性は高くないものの、ある程度の対面は必要」

会うことは「暴力」
人と会うことの暴力性
外交の世界も「暴力をどう効率的に行使するか」

理想は対面とリモートのハイブリッド

生きるヒント②
●①人に積極的に会いたい人、②一人でいたい人、③その中間くらい。自分はどれか、あの人はどれか考えてみる。
●人に会うのに苦痛を感じるのは、そこに「暴力性」があるからだと理解する。しかしその暴力には意味がある。
●人は、人に会うことで欲望を維持できる。多くの人は、一人ぼっちで欲望は維持できない。欲望の減退は元気を失わせる原因にもなることを知っておく。
●人と会うことで不確実性が高まる。「偶然の事故」から新しい発見があったり、新たな展開が生み出されたりする。だから対面にはリモートにはない意義がある。

第3章危険な優生思想に蝕まれないために
「努力は遺伝に勝てない」「『悪い生』に生まれたら、そこから抜け出せない」という優生主義の発想は、人々が様々なことを諦める理由にもなっている。

弱者男性の怨嗟の向かう先は、支配層ではなく、自分のちょっと上の中流ぐらいの層。自分たちよりも弱者に対しては、もっと容赦なかったりする。結果的に、弱者切り捨てに賛成してしまう。

生きるヒント③
●人間には心があることを再認識する。
●「AI時代」を生き抜く鍵は「読解力」
●物事の真贋を見分けるためには、常に「その話にはエビデンスがあるのか」という発想を持つことが重要
●人間の生の多様性は、これからの時代を生き抜く自分のため。
●合理主義のいき過ぎで、優生思想が万円。自分の首まで占めかねない危険な優生思想に加担するな。
●優生思想の危険性をよく知っておく

第4章「同調圧力」と日本人
生きるヒント④
●スペイン風邪は同時代に記憶されなかった。パンデミックは適切に記憶する努力が必要。
●生活保護は利用抑制から方針転換。追い詰められる前の選択肢として考えよう。
●テレビなどのメディア報道の裏にあるものを考え、流されない訓練を。
●苦しい体験は、「物語」を作ることで逃げなくてはならない場合もある。
●コロナ禍をめぐるマスコミの「炎上商法」を冷やかに見ること。

第5章息苦しい「組織」「学校」から開放されるために…………
「逃げられないことの息苦しさ」

ひふみ投信などの藤野英人氏や原田曜平氏の意見
日本の希望は「地方」、そしてヤンキー。地方は東京と別の生態系になる。

心の中に「逃げる自由」を確保しよう
男性が自殺しやすいのは、誰にも相談できない、苦痛を訴えることもできない、と自ら逃げ場を閉じてしまうから。
もっと「逃げる自由」を肯定的に捉えていくべき。

生きるヒント⑤
●自分の居場所をつくっておくと、心はだいぶ楽になる。
●子供も大人もリアルは出席とリモート出席のハイブリッドが理想。
●ひきこもりの人たちみたいに、外に出られなくて苦しんでいる人がいることを理解し、寛容になる。
●人生の目標は人それぞれ。「すっぱい葡萄」と思うならそれでいい。みんなが同じ「葡萄」を目指す必要はない。
●知らず知らず「成果主義」で身動きが取れなくなってはいないか。自らをチェックしよう。
●実は地方には可能性がある。パンデミックを記に本気で移住を検討するというのは、十分にあり。
●「逃げるときには逃げる」というのは、生き延びるための立派な知恵。ココロの中に、その自由を確保しておこう。
●ポストコロナには、人と会い、会話して、意図的にメンタルの修復に努めよう。

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Posted by ブクログ 2023年10月15日

タイトルの帯についている「コロナ禍が教える新たな人間関係の極意」が本書の総括な気がしている。

人に会うことには暴力性(人に対して何らかの力を発揮するという意味)があるというのは本当にそうって思う。何かしら伝えたいことがある、ビジネスにおいてはゴールがあるということは、他者がどう思っていようがその方...続きを読む向にベクトルを向かわせることになるから。ビジネスにおいては暴力をいかに効率的に出すか、でもいいけどプライベートとかならいかに受け止められる優しい暴力を振るうか、考えないとなぁ…。
あと最近の脳科学ブームについても確かにと思ってしまった。最近心理学というワードが下火になって、脳科学に置き換わっているけど、脳科学にすることで、自分ではどうしょうもないと問題を外在化させるのか…。人間の脳は自分の指導範囲内なのか外なのか、ちょっともやもやしている。あと、脳と心はイコールなのかについても、脳が外在化しているという面で心も一緒、だからイコールだと言われるとちょっともやもやする。もやもやするから心と脳は違うんだろうなぁと思ったり思わなかったり。

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Posted by ブクログ 2022年06月26日

なぜ人に会うのはつらいのか。人に会うこと自体が暴力性を備えているから。でもこの話はちょっとしか出てこない。対談なので、いろいろ出てきて、全体としてとても面白い。選択の自由を増やそうよ、なのかなあ。

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Posted by ブクログ 2022年03月01日

対談本。鬼滅の刃ブーム、宗教における「会うこと」の意味、優性思想、同調圧力など、話題が多く咀嚼しきれないので、各章の箇条書きヒントに頼る。対面はストレスを伴いつつも、人と会うことで高まる不確実性が、新しい発見や展開を生み出しやすいという点は、感覚的に頷ける。一方で、会うたびにエネルギーを吸い取られる...続きを読むように感じる相手とは、リモート限定という選択肢が選べれば、必要な情報交換もしやすくなりそう。

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