beruyさんのレビュー一覧
レビュアー
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購入済み
内容には非常に満足
ダンジョン飯も九井先生も大好きで、最終巻を読み終えた時からスピンオフ的なものも沢山見たいと思っていたので、こうした本やイラスト集を出してくれるのはファンとして非常に嬉しい。
内容には非常に満足しています。
冒険が終わったあとの微笑ましいエピソードも沢山収録されており、特にファリンは可愛いキャラなのに物語中での出番が少なかったので嬉しい。
一方で、他の方が書いているように、旧版の当本を既に買っていた人達からしたら、やや腑に落ちないところが残ると言いたがる気持ちにも、やや同情したくはなりますね。
私は旧版を買ってなかったのでそういう不満はなかったですが… -
古代の価値観から俯瞰する現代
恥ずかしながら本村さんを存じ上げなかったのですが、とても面白い方でした。
著作を見てみると、数々の古代ローマ本の他に、競馬の世界史なんて本もあったりして、とても興味が惹かれます。
今回の対談でも、そんな本村氏と佐藤優氏の対談で、日頃メディアで聴くような現代的価値観から来る言説とは違った方向から切り込む言葉の数々がとても楽しかったです。
個人的には、またこのお二人の対談は見てみたいです。
以下、私が気になった(気に入った)点です。
ー「第1次世界大戦で明らかになった問題(近代的価値観の限界)が解決されずに現代にまた蘇ってきている」という話。最近は、落合陽一さんなんかもよく約100年前にあたる1920年代を再考する機会が増えていると度々仰っています。そういうことなのかなという理解が進みました。
ーかつて「神権」であったものが近代に「人権」になったが、近い将来これがAIに置き換わってしまうかも知れないということが、こういう所でも真面目に話されるようになってきたということに少し驚いています。そして、それが「中世への逆戻り」と表現されているのが面白かった。AIはかつての神に成り代わるのか?
ー「豊かな時代になってからも精神的な気高さみたいなものを維持することに成功した社会は、世界史の中にひとつもない。」と言い切る本村さん。
ー「日本では国会議員の世襲が批判されて「いまは二世や三世が多いからダメなんだ」と言われますけれど、ローマの元老院なんて何世まで続いているかわからないぐらいですよね(笑)」
ー「二分心」の話。「「遠い昔、人間の心は、命令を下す『神』と呼ばれる部分と、それに従う『人間』と呼ばれる部分に二分されていた」というビックリするような仮説」「神々の声が聞こえなくなる過程とアルファベットが普及していく過程が、同じような時期に同じような地域で起きている」
ー「同じ宗教でも、一神教的になったり多神教的になったりする。そういうスペクトラム(連続的な分布)の中で、いまその宗教がどこに位置づけられるのかを見たほうがいいと思います。」「本来は多神教でも、一神教的な要素が高まると通常より攻撃的になるというのはたしかにありますね。」 -
ネタバレ
外国人の反応が知りたくなる作品
私は最近たまたま雨穴さんの動画をYouTubeのサジェストで知って見て、
すごく面白くて世界観にハマってしまって、小説版の週末の2-3日のうちに『変な家』『変な絵』『変な家2』とまとめて読み漁ってしまった感じです。
でも個人的にはYouTubeの動画版の方が好きかもです。
雨穴さんのあの奇妙だが可愛らしい白い粘土の仮面と高い音声、メンヘラ趣味っぽい割に何かすごく常識人で優しい人っぽい感じという、
あの相反した要素を柔らかくミックスした雰囲気が好きです。
映画にもなるみたいですけど、あの全身タイツの人は出てこないのかな。あの感じで全編見たいんですけどね。
男女性愛の衝動の在り方とか、慣習への縛られ方とか、カルト宗教との距離感とか、自罰の仕方とかに、すごくこういうの日本的だよなあというのを全体的に感じていたのですが、
なのでこういうのを外国人が見たらどう感じるのだろうかというのが凄く気になりました。
どこまで同調してくれるのか、もしくは殆ど理解されなかったりするのか。
色んな形で雨穴さんの作品の評論もしてほしいです。 -
ネタバレ 購入済み
九井先生らしい大団円の最終巻
最後の大団円の迎え方は、短編集のときの九井先生を思い出させる、スケールは大きいのにホワッと和ませられる雰囲気で、漫画の良さってこういうのだよなあと思わせてくれた最終巻でした。
中世の宗教画風のイラストで伝えられる王様になって以降のライオスについてだとか、それでも伝わってくるマルシルやカブルーやファリンのキャラクターとか見ていると、本当にこの人センスの塊だなあって素直に思います。
ファリンとのダンジョン探索も最後に少しやってくれたし、チルの家族紹介についても回収してくれたし、いたれりつくせりでしたね。
マルシルの「自分の髪をまとめたくなくなった」というのは、一体どんな欲望の消失についての描写なのかというのは、私にはよく分からなかったです。
これについても、これからどんどん考察大好きな人達が色々解説してくれそうですが、出来れば九井先生自体のスピンオフで解説されるのを見たいなあとか。
あと、アニメ化もされているしアンソロジーとかも楽しみですね。
モンスターを書くのが上手い人、可愛い女の子を書くのが上手い人、亜人を主人公にした漫画を自分でも書いている人、料理についての知識が広い人、色んな方向からこの作品を拡げてくれると楽しいなあと思うのですが。
九井先生自体のアイデアとデザインとイラストが凄いので、ハードルは結構高いかも知れないですが…是非よろしくお願いします。 -
ネタバレ 購入済み
完璧な人に恋をすることの難しさ
もう最終巻…もっとゆっくり眺めていたかった作品でした…。
以下、ネタバレと色々な思い込みが混じった感想です。
なかなか思いをぶつけ合わない二人にヤキモキしながら思ったこと、それは「完璧な人に恋をすることの難しさ」でした。
ヒロインのAI少女のいちこちゃんは、
見た目は本当に可愛いし、心も優しいし、おまけに家事までやってくれて、更に自分の食の好みまで理解してくれていてと、
こんな子がずっと近くにいたら、好きにならない男の子なんていないよね、という感じの、
ちょっとドジも時々やるところまで含めて完璧すぎる女の子。
それはもう、ロボットだから好きになってはいけないとか、そんな次元の存在では無くなってしまっていたと思います。
そしてだからこそ、ファミレスで偶然にも聞いてしまった「その人(主人公の)ことだけは好きにならないようにプログラムされているの」という、いちこの咄嗟の嘘に、別れるその日まで縛り続けられてしまうことになってしまったのかなと思いました。
だって、それくらいの制約がないと、恋する相手としては、いちこはあまりにもが完璧過ぎてアンバランス。
誰もが好きになって当然の存在を好きになる。それがかえって、その恋を造り物のように思えてしまう感覚にしてしまう。
そんな時に、このいちこちゃんの言葉。ああ、そういうことなのか、と納得してしまったということなのかなと。
別れ際にようやく両思いであったことを告げ合うことができた二人。
この二人の恋をホンモノ足らしめる為には、もう一つの奇跡を必要としていた。すごく駆け足でしたが、悪くない終わり方ではあったかなと思います。
でも~
もっといっぱい日常パートとか学校行事イベントとかサブキャラ同士の絡み合いとか沢山見たかった〜!
いちこと愛ちゃんの絡みももっと見たかったし、ネオの初恋の話ももっと見たかった〜!
終わらせるの早すぎ!
そこが残念なので星4!と思ったけど、次作への期待も込めて星5で!
楽しみにしてます! -
ネタバレ
あまり新しい知見は無かったかも
本島氏と坂上氏が、様々に与えられたテーマに対して、対談するわけでもなく、それぞれが独立・並列させてコメントを残していく形式の不思議な本。
わたしの個人的な属性としては、本島氏に関しては正直まだあまりよく知りません。坂上さんに関しては、わたしが競走馬血統のライトなファンなので、予想動画を追いかけたり幾つか著作を買ったりはしています。
そんなわたし個人の感想としては、最近出てきたばかりの種牡馬に対する坂上氏のコメント以外は、新しい知見として印象に残る部分はあまりなかったです。しかし、坂上氏の血統の話を聞きたいなら、他の媒体へ行った方がより詳しい話になって良いと思ってしまう。
全体の印象としては、坂上氏が書いていることの方は、今では競馬予想における前提知識という感じ。そういう情報をあまり普段見ていない初心者的な人なら、ざっと情報がまとまって得られて良いかもしれない。
本島氏の書いていることは、馬券を当てる効率を上げたい人が欲しがる情報とかでは無いかなという印象を受けました。どちらかというと、「ロマン」という言葉を多用していたように、よりスポーツファンとして競馬にハマるためのコツみたいな感じの印象。本島氏の中に、これまでの自身の競馬経験によって出来あがったイデアの競走馬像のようなものがあって、それに近しい馬を見出していこうというような。
それはどちらかというと、競走馬の生産者やトレーナーの目線に近い印象で、そういう人たちの競馬予想にもかなり当たるものはありますが、もっと一般競馬ファンが真似出来る要素、納得しやすい普遍性・汎用性みたいなものは薄いと感じました。
ロマンロマンと言われるとむしろタイトルにある「予想生産性」とは逆方向の感覚になってしまうのではという印象を私は抱いてしまいます。
ロマンというのは個々人が抱く固有的・単独的なイデアであり、決して手の届かない夢ですから。普遍性や一般性、量産性を糧にする「生産性」とは逆ベクトルの概念の印象を持ちます。
まあ、オッズ(大衆の集合的な意思・合意)というものと争うことが不可避である馬券勝負においては、「ロマン」の単独性の力で「生産性」から恣意的に外れて勝負をしていかなければいけないということも、競馬における逆説的な真実であるとも思いますが。
本島氏が「ロマン」で「生産性」を語ろうというのが、そういうことだというなら、納得出来る部分はあります。 -
購入済み
いちこちゃんも作者さんも大好き
最近この作品を発見して、いまかなりハマっています。
この作品に触れて気がついたのは、
成長・老化スピードが異なる者たちが寄り添い合うストーリーを、私がすごく好んでいるんだなということ。
『夏目友人帳』の人と妖の間の愛情・友情の話とか、アニメ『凪の明日から』みたいに、一部のメンバーの時間が数年間停められてしまうことで、年齢関係が変化することで起こる葛藤やそれでも変わらない思い、そういうものを見せてくれる物語もすごく好きでした。
この『ココロのプログラム』も、心やさしい少年と歳を取らないAIロボットの少女の恋物語です。
初めは姉弟のようだった二人の関係が徐々に逆転していく様子も良いですが、
大人びた見た目の子供っぽかった少女が、幼い見た目の達者な女性になっていく様子も素敵です。
人とロボットの恋愛という、社会的な規範や生物的合理性から外れた恋というのも、百合やBLに通じるような、よりピュアな慕情に接しているような感覚があり、
それがこの作者の柔らかくて可愛らしい画風と相まって、眺めていてとても癒やされる、心地よい作品になっていると思いました。
ヒロインのAI少女の名前が「いちこ」というのも良いですね。
音の響きは何か古めかしいオバちゃん的な感じですが、「いちこ」という文字の並びは果物の「いちご」みたいで、とても可憐な雰囲気があります。
子供と大人の二面性を抱え続ける当作ヒロインの名前に相応しいと思います。
ロボットの試験機・実験機としての「一号」というのとも掛かっているのかな。
最近はいちこちゃんのことばかり考えてしまっています。私もいちこちゃんに恋をしてしまったようです笑。
これが普通の女の子という設定だったら、余りにも良い子過ぎ可愛い子すぎて逆にあざとく感じてしまい、警戒してしまうところかも知れないですが、
それが「ロボット」で人外ですと言われるだけでむしろ何もかも許せてしまう。
不思議だなと思いました。
中村ひなたさんのファンになりました。
次巻以降も早く読みたいです。
個人的な希望としては、何時までも日常モノとして延々と読んでいたい。
あっという間に中学生・高校生と成長していってしまっていくのも少し寂しい…
スピンオフでも良いので、どうかよろしくお願いします。 -
購入済み
いちこちゃん可愛い!
最近この作品を発見して、いまかなりハマっています。
この作品に触れて気がついたのは、
成長・老化スピードが異なる者たちが寄り添い合うストーリーを、私がすごく好んでいるんだなということ。
『夏目友人帳』の人と妖の間の愛情・友情の話とか、アニメ『凪の明日から』みたいな一部のメンバーの時間の流れを数年間停められてしまうことで変化する関係性と変わらない思い、というのもすごく良かった。
この『ココロのプログラム』も、心やさしい少年と歳を取らないAIロボットの少女の恋物語です。
初めは姉弟のようだった二人の関係が徐々に逆転していく様子も良いですが、
大人びた見た目の子供っぽかった少女が、幼い見た目の達者な女性になっていく様子も素敵です。
人とロボットの恋愛という、社会的な規範や生物的合理性から外れた恋というのも、百合やBLに通じるような、よりピュアな慕情に接しているような感覚があり、
それがこの作者の柔らかくて可愛らしい画風と相まって、眺めていてとても癒やされる、心地よい作品になっていると思いました。
ヒロインのAI少女の名前が「いちこ」というのも良いですね。
音の響きは何か古めかしいオバちゃん的な感じですが、「いちこ」という文字の並びは果物の「いちご」みたいで、とても可憐な雰囲気があります。
子供と大人の二面性を抱え続ける当作ヒロインの名前に相応しいと思います。
最近はいちこちゃんのことばかり考えてしまっています。私もいちこちゃんに恋をしてしまったようです。
これが普通の女の子という設定だったら、余りにも可愛すぎて逆にあざとく感じてしまい、警戒してしまうところかも知れないですが、
それが「ロボット」で人外ですと言われるだけで何もかも許せてしまう。
不思議だなと思いました。
中村ひなた先生のファンになりました。
他作品も見つけ次第購入しています。
次巻以降も早く読みたいです。 -
購入済み
暴力の効能と不可避性
元々好きな二人の対談だったので楽しみに読み勧めていましたが、思った以上に面白かったです。
特に印象に残ったのはこの部分。
ーーーーーーー
佐藤 もし暴力が完全になくなってしまうと、世界は際限なくエントロピー(不確定)化して、我々自身も消えてしまう。裏を返せば、拡散を防ぐためには、ちょっと無理して耐エントロピー構造を作っていかねばならず、その機能を果たすのが暴力に他ならない―。そんな理解でよろしいでしょうか。
斎藤 おっしゃる通り、社会の根源に暴力があると思うのです。…
ーーーーーーー
エントロピーという普遍的な概念を使って、暴力の効能・必要性・不可避性がこんな形で表現出来るとは、目からウロコでした。
逆に言えば、エントロピーを低減させることは暴力に比することと言えるのかも知れません。
例えば、部屋の掃除、整理整頓。身だしなみを整える、久しぶりに顔を合わせた人に挨拶するなど。
放って置くと乱れてしまったり消えてしまったりするものを維持する時に必要となるのが、一種の「暴力」的なエネルギー。
引きこもりになってしまうような人たちは、そのような暴力的エネルギーの消費を可能な限り回避し続けようとしているということなのかも知れません。
しかし、生きている限り必ずエントロピーは増大し、エネルギーは消費されてしまうのです。
どんな「暴力」的エネルギーを振るうことを選んで生きていくのか。それをどこかで選ばなければいけない、そんな勇気が必要なんだと言うことなのかもしれないと思いました。
大分佐藤さんに慣れ親しんでいる感じの、巻頭の斎藤環さんの前書きが微笑ましかったです。
どうかもう一度でも、この二人の対談が実現しますように。 -
ネタバレ 購入済み
わたしのなかでは史上最高の百合
内容は五つ星
この巻には表紙カバーの裏表紙側にも何か描いてあるような感じだが、電子書籍には収録されていないようなので、アップデートで修正すべき。
その訴えのために星一つ減らしました。
名ゼリフ総選挙なんてあるの知らなかった。
私が投票するなら、24巻の
一堂「叩きのめしてやるけんね」
東島「うん!」(最高の笑顔)
ですね。
わたしに言わせてもらえば、この作品は史上最高の百合漫画です。
こんなに同性の女の子の友人を、先輩を、宿敵を、全力で追いかけ、尊敬し、疎み、突き放し、支え合い、認め合う漫画って、他にあるでしょうか。
巻末のコロナの漫画も良かった。
今年コロナで色々不運な思いをしている学生さんたちへ、あなた達こそ特別な経験をした特別な世代なんだと声を掛けてあげたい。 -
ネタバレ 購入済み
相変わらず可愛い
表紙がシックな感じだったので、何か終幕へ向けての暗転する展開があるのかと、少し心配しましたが、そんなことは全くありませんでした。
読み進め始めると、いきなり『winter again』のGLAYのオマージュが入って和みました。除雪車と化したJIRO wwww
この巻は低等身にデフォルメされた、まちちゃんや八乙女先生が何度も出てくるという印象が残りました。かわいいです。
まちちゃんが中学卒業したら終わってしまうのでしょうか。
非常に寂しいですが、『くまみこ』としてはそれ以降どう続くべきなのか、私には全く想像できません。悲しいです。 -
ネタバレ 購入済み
期待以上のアンソロジーでした
最近は色んな名前の百合アンソロ系雑誌が出たり消えたりしてるなという印象を持っています
この百合アンソロもそんなうちの一つかな、価格帯も安めだし、正直あんまり知ってる作家さんいないし、すぐ消えちゃうんだろうなと思っていましたが…
中身はとても良かったです。それぞれの作品が、それなりに凝った設定で、短編ながらそこそこページ数があり、心地よい可愛らしさ深刻さナイーブさを併せ持っていました。
特に、おたきさんの『ふたりわけ』が私は好きでした。優しさ溢れる非合理性。アイデンティティのイチ側面としての愛情。
同じような作家陣でまたユリトラをやって欲しいなと思いました。 -
ネタバレ 購入済み
漫画版もおもしろい
私は佐藤優氏のファンで、彼の著作はかなり購読しています。その彼の出世作となった『国家の罠』の漫画化が本作ですが、普段萌マンガ中心の私には伊藤潤二は食指が伸びませんでした。
しかし、最近にわかな伊藤潤二ブームを感じることと、相次ぐ官僚の不祥事のニュースから、本作に興味を持ち、購読を始めました。
読んでみると、やはり凄く面白い。一気に全巻読んでしまいました。
感想としては、原作のドキュメントの時とあまり大きな違いは無い気がしますが、一つ一つのエピソードや人物の印象が、漫画だとより印象に残りやすいかもと思いました。これが伊藤潤二の力なのかも知れませんが。
漫画版の方だけで浮かんだ感想としては2つ。
老齢でガン療養中だった鈴木宗男氏の元秘書を、鈴木氏を脅すために逮捕勾留した検察の非人道的行いに腹がたったこと。
3巻にある「国民は賢い。いずれインターネットから有用な情報や真実を自ら見つけるようになるでしょう。」という主人公の予言が、現状ではただ虚しく響くだけのものであることが悲しかったこと。 -
購入済み
すべての人間が抱える自己矛盾
群れることに安心感を得てマイノリティに対して残虐に振る舞うことの出来る「多数派」市民への嫌悪と、それに媚びるメディアへの嫌悪を、リベラル的な態度でに吐露し続けているというのが、私が持ったこの本の全体的な印象。
しかし、そのように群れたがったり選民的意識を抱きたくなったりするのは、リベラルサイドの人間でも同じことである。結局、自分と同じように振る舞えない人間を嫌悪している。この作者も自身でそのようなことを感じつつ、煩悶し続けているという感じ。
やはり大事なのは、そのような人間の理性の限界を意識すること、原罪感を抱き続けることかなと思う。
この本のようなリベラル寄りな作者の文章で私が違和感を強く抱くのは、安倍晋三がナショナリズムによって日本人多数から支持されているという風に言いがちなところ。私にとってはこの言説は、日本が在日朝鮮人に支配されているという話と同等にオモシロオカシイものに感じる。
(ここから下の話はそれ以上に出来の悪い話に見えるかも知れないが、)安倍晋三と自民党の支持率がなかなか落ちない理由は、前例の無い後戻り不可の暴走的金融緩和に手を出させてしまったことではないかと私は思う。
こんな状況で金融政策のドライバーを途中交代させたら、おそらくすぐにハンドリングを過って間違いなく事故る。前例のない深刻な大恐慌か、財政破綻による円のハイパーインフレか、そんなことが起こる予感が聡い国民たちはみな勘付いているのではないか。
なかなか落ちない自民党支持率を見るたびに、最近の私はそんなことばかり考えてしまっている。 -
ネタバレ
宗教的哲学的作品
この小説はティーンズの恋愛物というより、哲学的命題を含んだ福音書の一節という風に感じられた。
物語の中に聖書を出してくるのも、そういったイメージを促そうとしているように思わせられた
この小説の最重要なテーマは、いわゆる(柄谷行人氏のいう)「単独性」というやつだと思う。
自分を自分たらしめるもの、他の誰にも見出せるものではないと信じられるもの、
そしてそこから自分の生きるエネルギーが湧き出てくるよう感じられるもの
私の「単独性」のイメージはそんな感じ。
主人公の愛ちゃんは、たとえ君という、一見地味でそこまでモテるタイプに思えなかった青年に恋心を抱いたことで、
そこに自らの「単独性」を見出し、夢中になった。
しかし、たとえ君と美雪ちゃんが既に長年の恋仲だったことを知ることで、
そこで発見された「単独性」は虚偽であったことになり、自分の存在価値を疑うほどに傷ついてしまう。
その後、愛ちゃんは自傷行為のような狂人的事件を次々に起こし、超プラトニック純愛カップルである、
たとえ美雪双方を傷つけようとする。
それに対して美雪は、聖母のような徳を発揮し、狂人にまで堕ちた愛を受け入れ許そうとし、
たとえ美雪の絆は却って強まり、それを見せつけられた愛ちゃんは更に傷つく
最後のパラグラフで小説タイトルになっている「ひらいて」というのがやっと出てくる。
ここで折り鶴を「ひらいて」、解こう、解放しようとしているのは、かつてその鶴を折りながら念じていたこと、
つまり、かつての「単独性」だと思っていたものへの拘り、その「単独性」への独善的なアプローチの姿勢。
それらを全てリニューアルしたい、生まれ変わりたいという願いだったのだと思う。
しかし、「ひらいて」という言い方には、それは自分には到底成し得ないという諦観も混じっているのではないか
手元のもうまっさらには戻せない皺だらけの千代紙を、自分の姿と重ねていたのではないか
愛(主人公の名前と"LOVE"とのダブルミーニング)に「単独性」を求めることの厳しさ、難しさ。
そこへは独りよがりな欲求だけでは決して辿り着けない。他者に対する敬虔なひたむきさ、誠実さ、思いやりが求められている。
これはやはり、非常に宗教的な作品であると思います
素晴らしい小説でした -
むしろ高校生が読むべき本
この本はむしろ高校生が読むべき本だと思います。
私は大学は物理専攻の学部に進みましたが、もともと公式丸暗記のやり方で進んでいく高校の物理の授業には、当時(15年くらい前)全くついていけず、高校物理の授業は大嫌いでした。意味が分からなかった。
しかし、大学受験に際して東進の例の怪しいサングラスのS先生の授業が非常にわかりやすく、むしろ得点出来る教科になりました。
彼の授業のスタイルは、微積計算の知識とニュートンの運動方程式など少数の数式をベースにして、各公式の導出方法から理解してしまおうというものです。
この勉強法だと、公式を暗記しなくても試験中にパッと自分で導き出せるようになるだけでなく、自在に応用が利くため、試験の成績を高レベルに安定させることができます。
そして、大学の(本来の)物理の学び方は俄然こちらの方が近いため、大学授業の先取りをした形になり、学部初学年の成績も高くキープすることができました。
この本の物理の取り上げ方は、その勉強法に非常に近いと思いました。
東進で授業を受けるには何万もお金が必要ですが、この本なら1000円強で済みます。
当時から15年も経過しており、さすがに高校の授業の方も当時から色々変わった部分があるのかもしれないとも思うのですが、もしそうではない場合、当時の私と同様に、高校で新しく物理が始まって早くも挫折してしまいそう、という高校生は非常に多いのでは無いかと思います。そういう学生にこそ手に取ってほしいと思います。 -
購入済み
ピケティとの対談は面白い
私は俄かな佐藤優ファンです。
でもこの本は特別面白い本だとは思いませんでした。
他の佐藤優の本を幾つも触っている人たちには、どこかで見かけた話が殆どという感じ。
池上さんの存在感をあまり感じませんでした。
ただ、ピケティとの対談や、その回顧を語るところは非常に面白かった。
実はピケティはマルクスの資本論には全然興味がないようです。内容も殆ど知らない。
むしろ、マルクスの話を振られること自体鬱陶しがっているような雰囲気さえ感じました。
「21世紀の資本論」なんてタイトルは、本人の意思とは関係ないところでついてしまったのかもしれません。
そこらへんが気になる人には少しおすすめです。
割引で買えるときに買いましょう。
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