あらすじ
九といちこ、お互いが恋心を自覚するなか刻一刻と別れは近づいて――…いちこが宇佐美家に来て6年。ついに心のプログラムの完成が見えてきた。別れが目前に迫り、想いを打ち明けようとした九は――。ボーイ・ミーツ・ロボットガール、ついに完結!
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ある日、主人公・宇佐美 九(うさみ きゅう)の家にロボットの少女・いちこがやってきます。
いちこは見た目は人間そっくりですが、心はまだ未完成。そのためホストファミリーと一緒に暮らしながら勉強をするというのです。
同い年くらいな少女な見た目のいちこに戸惑う九。
いちこの“心のプログラム”の完成は彼が高校卒業する頃。それまでいちこと一緒に過ごすことになるのですが…。
物語は九が小学生時点からスタートします。
いちこが現れたことで、九と九に思いを寄せる幼なじみ・愛の関係に変化が起きます。
愛はそれまで九の一番近くにいる存在であったのに、いちこにその場を奪われてしまったことで心が揺れるようになるのです。
中学生編では、それぞれが思春期に向かい自分の気持ちの変化に戸惑う姿が描かれるのですが…。
いちこはロボット。そのため心もプログラムでしかない…と周りは思っています。
もちろん九も最初はそう思っているのですが、いちこの天真爛漫さや優しさに次第に思いが変化していきます。
それを間近で見ている愛は気が気ではありません。
九といちこと愛の三角関係がどうなっていくのか…。
自分に素直になれない感じや、あえて気持ちと反対の行動をとってしまう…など、思春期特有の行動にエモさが溢れています。
描くのは中村ひなた先生。
繊細な線にふんわりとした絵柄で画面から優しさが溢れ出ています。
そして…いちこと愛がとにかく可愛いのです!!
いちこのはにかむ笑顔や愛の複雑な気持ちが表れた表情など…あまりの可愛さにジタバタしてしまいます。
1コマ1コマじっくりと味わいながら読みたくなる今作。
少しずつ育っていく各キャラクターの心を感じてください。
感情タグBEST3
完璧な人に恋をすることの難しさ
もう最終巻…もっとゆっくり眺めていたかった作品でした…。
以下、ネタバレと色々な思い込みが混じった感想です。
なかなか思いをぶつけ合わない二人にヤキモキしながら思ったこと、それは「完璧な人に恋をすることの難しさ」でした。
ヒロインのAI少女のいちこちゃんは、
見た目は本当に可愛いし、心も優しいし、おまけに家事までやってくれて、更に自分の食の好みまで理解してくれていてと、
こんな子がずっと近くにいたら、好きにならない男の子なんていないよね、という感じの、
ちょっとドジも時々やるところまで含めて完璧すぎる女の子。
それはもう、ロボットだから好きになってはいけないとか、そんな次元の存在では無くなってしまっていたと思います。
そしてだからこそ、ファミレスで偶然にも聞いてしまった「その人(主人公の)ことだけは好きにならないようにプログラムされているの」という、いちこの咄嗟の嘘に、別れるその日まで縛り続けられてしまうことになってしまったのかなと思いました。
だって、それくらいの制約がないと、恋する相手としては、いちこはあまりにもが完璧過ぎてアンバランス。
誰もが好きになって当然の存在を好きになる。それがかえって、その恋を造り物のように思えてしまう感覚にしてしまう。
そんな時に、このいちこちゃんの言葉。ああ、そういうことなのか、と納得してしまったということなのかなと。
別れ際にようやく両思いであったことを告げ合うことができた二人。
この二人の恋をホンモノ足らしめる為には、もう一つの奇跡を必要としていた。すごく駆け足でしたが、悪くない終わり方ではあったかなと思います。
でも~
もっといっぱい日常パートとか学校行事イベントとかサブキャラ同士の絡み合いとか沢山見たかった〜!
いちこと愛ちゃんの絡みももっと見たかったし、ネオの初恋の話ももっと見たかった〜!
終わらせるの早すぎ!
そこが残念なので星4!と思ったけど、次作への期待も込めて星5で!
楽しみにしてます!
Posted by ブクログ
高校時代に突入して幾つかの変化が生じたけど、最も大きな変化は愛の変化かな。中学までは良い意味で子供っぽさを残していたけど、高校生になった彼女は少し大人っぽくなったね
ただ、その変化は九への失恋が絡んでそうなのが傍目には何とも言えないけど…
でも、そうして少しだけ九から離れられた彼女だから、九への想いに揺れるいちこの背を引っ叩くような助言ができる訳だ
ただ、その程度のアシストでどうにか成るなら、いちこと九の関係はもっとスッキリしていた筈で
場を誤魔化す為に、自分の心を大切にする為に。つい放ってしまった一言が2人の関係に罅を入れてしまうなんてね
2人はとても近い空間に居るのに、いちこがロボットであるという事実が二人の関係を進ませてくれない
九の恋心が進退窮まった状況でまさか新たな友人が登場するなんて思わなかったよ。しかもちょっと癖の強いタイプだし
でも、寺屋のお陰で九は高校生活を孤独に過ごさずに済むし、いちこと恋人ごっこみたいな関係に成れた。それに現実に存在しない少女に恋い焦がれる寺屋の助言は、現実に存在するいちこへ踏み出せない九に欠片でも機会はあるのだと教えてくれるものになるね
だというのに、遊園地まで行って観覧車に2人で乗ったというのに何も言えなかったというのは寂しいなぁ…
空想の中では想いを告げられる、彼女は応えてくれる。でも九は現実にそんな夢を見る事は出来なくて
九にとって足りなかったのは時間でも機会でもなくて、自分達が普通の出会い方をするという関係性そのものだったんだろうなぁ
でも、いちこにすれば九の元を去る時は自分という存在を失う直前になるわけで。時間とか機会とかそういうのじゃなく、いちことして何が出来るか何が許されるか。誰にも知られないから見過ごされるギリギリのラインが去り祭のキスだったんだろうな…
その意味ではいちこの方が少し大人だった、九と過ごす事で彼女は成長したのだと言えるのかもしれないね
終わってしまったかに思えたいちこと九の恋。それが時を超えて関係も変わった上で再会するなんてね
今はホームステイとかココロのプログラムとか関わりなく、町中で普通に出会ってしまった2人がこれからどのような関係を築いていくのか。思わせぶりな所で終わるなんてこの作品は憎らしいね
出来れば2人の恋がきちんとめでたしめでたしを迎える瞬間まで読みたかったのだけど、これはこれで良い終わり方だったのかも
Posted by ブクログ
絵が可愛くて、ジャンプ+アプリで読み続けています。
家に来たロボットの女の子に恋をしてしまう男の子。二人+幼馴染の女の子の恋愛模様が初々しくて、いろんな感情の渦に飲み込まれていく甘酸っぱさと、大人の事情に抗えないもどかしさに、胸が締め付けられる。
いちこも九ちゃんも愛ちゃんも、みんな幸せになれー!!
匿名
心を持ったロボットの記憶を消して名前も外観も別人に変えてしまえる(まるで殺してしまうようなもの)開発者の発想が不気味。
当初そんな設定あったっけ…?と思いながら読んでいました。
そして、その発想に抵抗してロボットの危機を救おうともせず、自己憐憫に浸る主人公。何でだよ。泣きたいのはロボットの方だよ、と。死の危機に、好きな人が抗おうともしてくれないなんて…
もしあと1巻でもあったら、同じ結末でも印象が変わったのかな…と思うと残念です。