【感想・ネタバレ】競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術のレビュー

あらすじ

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限られた予想の時間の中で、どの要素を捨てるか。これにより精度の高い見解を生み出す。

競馬書籍界のレジェンド本島修司×競馬オタク界のリーダー坂上明大が、競馬における、どの要素を「気にするべきか、しないべきか」という、ありそうでなかった新機軸のテーマ本。従来からある「このファクターをどう見るか」を大事にしつつ、「このファクターをどのくらい深く見るか、もしくは無視するか」というところに踏み込む。

第1章 「芝・ダート・雨」 見るべきポイント
・芝の状態 パンパン、荒れている
・ダートの状態 砂の深さ浅さ
・芝→ダート替わりをどう見るか
・ダート→芝替わりをどう見るか
・やや重馬場をどう見るか
・重馬場、不良馬場をどう見るか

第2章 「時計・タイム」 見るべきポイント
・走破タイム、見るか見ないか
・上がり3ハロン、見るか見ないか
・持ちタイム 気にするか、しないか
・新馬、未勝利後の能力 タイムで測るか否か
・古馬の走破タイム、見るか見ないか

第3章 「コース」 見るべきポイント
・中山 東京 阪神 京都 新潟 中京 小倉 福島 函館 札幌適性をどこまで重視するか

第4章 「距離」 見るべきポイント
・1200m路線、特別視することはあるか
・1600m路線 重要なポイントは何か
・中距離路線 見るべき点、捨てるべき点
・長距離路線 3000m超えの特殊レースのコツ
・ダート 砂での距離適性をどこまで見るか

第5章 「調教 仕上げ 厩舎」 見るべきポイント
・調教タイム 見るか、見ないか
・関東、関西の厩舎、意識する厩舎はどこか
・天栄系、しがらき系の馬、どう見るべきか

第6章 「新時代の血統、新しい種牡馬」 見るべきポイント
・アメリカの快速 ドレフォン、マインドユアビスケッツ 付き合うか、否か
・アメリカの王道 ブリックスアンドモルタル ニューイヤーズデイ 付き合うか、否か
・これぞニッポンの良血 レイデオロ サートゥルナーリア 付き合うか、否か
・新風を巻き起こす! サトノダイヤモンド リアルスティール 付き合うか、否か
・渋い産駒が多数! デクラレーションオブウォー サトノクラウン 付き合うか、否か

第7章 「GIレース」見るべきポイント
・2歳GI 3歳GI 短距離GI 中長距離GI ダートGI 海外GIをどう見るか


本島 修司(モトジマシュウジ):北海道生まれ。作家、エッセイスト。大学在学中に書いていた原稿が注目を浴びてデビュー。喫茶店のエッセイや競馬書籍、卓球コラムを中心に執筆。中でも競馬論は、多くの支持を受けて日本の競馬書籍界を牽引している。主な著書に『芝と砂の教え』×nige 氏(主婦の友社)、『馬券ビルドアップ』(秀和システム)、『自分だけの「ポジション」の築き方』( WAVE 出版)『Cafe' ドアーズと秘密のノート』(総和社)他、多数。WEB での執筆媒体は、REALSPORTS、幻冬舎plus等。

坂上 明大(サカガミアキヒロ):1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。

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ネタバレ

あまり新しい知見は無かったかも

本島氏と坂上氏が、様々に与えられたテーマに対して、対談するわけでもなく、それぞれが独立・並列させてコメントを残していく形式の不思議な本。
わたしの個人的な属性としては、本島氏に関しては正直まだあまりよく知りません。坂上さんに関しては、わたしが競走馬血統のライトなファンなので、予想動画を追いかけたり幾つか著作を買ったりはしています。

そんなわたし個人の感想としては、最近出てきたばかりの種牡馬に対する坂上氏のコメント以外は、新しい知見として印象に残る部分はあまりなかったです。しかし、坂上氏の血統の話を聞きたいなら、他の媒体へ行った方がより詳しい話になって良いと思ってしまう。

全体の印象としては、坂上氏が書いていることの方は、今では競馬予想における前提知識という感じ。そういう情報をあまり普段見ていない初心者的な人なら、ざっと情報がまとまって得られて良いかもしれない。
本島氏の書いていることは、馬券を当てる効率を上げたい人が欲しがる情報とかでは無いかなという印象を受けました。どちらかというと、「ロマン」という言葉を多用していたように、よりスポーツファンとして競馬にハマるためのコツみたいな感じの印象。本島氏の中に、これまでの自身の競馬経験によって出来あがったイデアの競走馬像のようなものがあって、それに近しい馬を見出していこうというような。
それはどちらかというと、競走馬の生産者やトレーナーの目線に近い印象で、そういう人たちの競馬予想にもかなり当たるものはありますが、もっと一般競馬ファンが真似出来る要素、納得しやすい普遍性・汎用性みたいなものは薄いと感じました。

ロマンロマンと言われるとむしろタイトルにある「予想生産性」とは逆方向の感覚になってしまうのではという印象を私は抱いてしまいます。
ロマンというのは個々人が抱く固有的・単独的なイデアであり、決して手の届かない夢ですから。普遍性や一般性、量産性を糧にする「生産性」とは逆ベクトルの概念の印象を持ちます。

まあ、オッズ(大衆の集合的な意思・合意)というものと争うことが不可避である馬券勝負においては、「ロマン」の単独性の力で「生産性」から恣意的に外れて勝負をしていかなければいけないということも、競馬における逆説的な真実であるとも思いますが。
本島氏が「ロマン」で「生産性」を語ろうというのが、そういうことだというなら、納得出来る部分はあります。

#深い #じれったい

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2023年11月26日

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