異形の政権――菅義偉の正体

異形の政権――菅義偉の正体

小説・文芸
924円 (税込)

4pt

3.5

「異形の政権」がもたらす危機――
2020年9月、菅義偉自由民主党総裁が首相に就任した。
菅首相はこれまでの首相にない「異形の権力者」であり、
その政体は「異形の政権」であると、著者2人は言う。
具体的には無派閥・非世襲の政治家であり、
総裁選直前まで下馬評に上ることはなかったが、
安倍晋三前首相が辞意を表明するや一気に上り詰め、
政権発足後は権力を極度に自分へと集中させている。
他方、菅首相がどのように権力を行使しているかはほとんど報道されない。
なぜこのような政権が誕生したのか、その実態とはいかなるものか。
前著『長期政権のあと』で安倍政権の本質を見抜いた著者2人が読み解く。
見えてきたのは、不気味な“危機の足音”だった。

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異形の政権――菅義偉の正体 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    この本が出た時はまだ菅政権だったんだなあ、と改めて思った。去年の話なんだなあ。確かにちょっと変わった政権だったなあ。

    0
    2022年12月25日

    Posted by ブクログ

    この手の本は眉唾物だが、愛読している佐藤優が書いたものだったので読んでみた。発売が菅氏が総裁選への出馬断念した直後で、書かれたのがその直前ということだったが、情報の新しさは十分に感じられた。菅政権について、佐藤優がどう感じているのか興味深かった。一番よかったと思ったのは、3、4章の過去の自民党政権の変遷について。これはとても参考になった。山口二郎の考え方は相当に偏っているのかと思っていたが、本の流れが佐藤優とのリレー方式だったので、それほど違和感はなかった。前著『長期政権のあと』も読んでみたいと思った。

    0
    2021年09月25日

    Posted by ブクログ

    安倍政権では官邸への権力集中に反比例して、霞が関(官僚)に緩みが生じた。
    こんな政治の状態を放置しておくと日本は奈落の底に沈む、というのが佐藤優さんの心配事だ。

    出版時は菅政権だったのでこんなタイトルだが、現状理解のために自民党政権の変遷や世界の状況も再確認している。

    本書は菅政権の問題点を明らかにし、その解決策を示そうとしたものだ。
    だが、菅政権の分析は2章までの70ページで、総じて民主主義の危機を論じている。

    スウェーデンに民主主義の多様性の調査機関V-Demがある。
    この機関によると、民主主義から権威主義へは
    「選挙によって政権獲得 → メディアと市民社会の弾圧 → 社会を分断 → 敵対者を貶める → 選挙をコントロール」
    の段階を経るとしている。
    まさに、トランプ前大統領が取ってきた手法と一致する。

    日本も同様に、民主主義から権威主義に傾いている。
    権力の内側・外側の両方から権力構造を明らかにし問題を正すことが、民主主義を取り戻すために必須の作業だ。

    山口二郎さんは、立憲民主党を核とする野党共闘で政権交代することが適切と考え活動している。
    佐藤優さんは、混乱を避けるため政権交代はせずに、与党と官僚機構の綱紀粛正を実現させるのが良いとしている。

    "おわりに"の日付が2021年8月なので、コロナが蔓延する中で東京五輪が行われていた頃に本書は書かれている。
    菅政権の終わりは2021年9月末だから、本書の出版時には菅は次期総裁選に出馬できない状況に追い込まれている。

    本書では、佐藤さんも山口さんも、菅政権はふらふらしながらもしぶといと予想していた。
    ところが自民党は、前回の総裁選で一度潰した岸田を総理にした。
    自民党内部のくだらない権力争いの結果なのだろう。

    さて、最近はレビューが長くなりがちなのだが、本書で明かされた菅義偉の正体にも触れておこう。

    タイトルにある「異形の」は、菅政権の姿を分析して出てきた言葉だ。
    菅義偉が、これまでの総理大臣と明確に異なるのは、
    ・派閥に属さない
    ・叩き上げ(世襲議員ではない)
    であることのようだ。
    このことが、人を信用しない、任せられない=自分で決める。という基本姿勢を生み、いろんな人事にも表れている。

    2020年9月14日、安倍晋三氏の後任の自民党総裁として選出された菅義偉氏は、決意表明のなかでこう語った。
    「私が目指す社会像。それは自助、共助、公助、そして『絆』であります」
    「まずは、自分でできることは自分でやってみる。そして、地域や家族で助け合う。その上で、政府がセーフティーネットで守る」

    ライバルを蹴落としながら競争に勝ってきた人は、自分の努力の賜物だと自己評価する。
    ダメなやつは努力してないからだと決めつけがちだ。
    そして自分の足を引っ張る奴を遠ざける努力も惜しまない。

    菅首相による日本学術会議会員6名の任命拒否とその理由を話さない姿勢は問題視された。
    この6人は、特定秘密保護法を「民主主義の基盤そのものを危うくしかねない」と批判したり、安全保障関連法に反対している。
    つまり、菅義偉が強く関わった法案を強く非難した(気に食わなかった)人達だ。

    菅さんは、政治思想としてマキュアヴェッリを信奉しており、政治姿勢の特徴である「答えない、説明しない」も正にその教えに従っている。

    昔は、「無知なやつら(国民)には本心や真実は隠して、良い方向(自分の理想)に導く」不言実行が有能だとされていた。
    今の時代は情報の検索が容易になり、隠し事がしにくくなったので、有言実行・正直丁寧で信頼と共感を得ることが好まれる。
    日本社会をこうしたい!というビジョンを語らず、政治や社会の不備は国民の自己責任に押し付けた菅政権は想定以上に国民から嫌われた。

    それでも、野党はそれ以上に信頼を失っているし、次期総裁候補と期待される政治家も見当たらない。
    「誰でも代わり映えしないなら菅のままでいいか」というのが当時の空気だったから、佐藤さんも山口さんも菅政権継続との予想が外れた。

    今後の日本の経済状況次第なのだろうが、(既に2年になる)岸田政権は長く続きそうだ。
    今は統一教会の問題の冷却期間が必要だし、「誰でも代わり映えしないなら岸田のままでいいか」という雰囲気。

    自民党の支持理由のトップは、
    「ほかの政党より良さそうだから」
    内閣の支持理由のトップは、
    「他の内閣より良さそうだから」

    内閣改造するたびに「他の内閣」になるのだから、日本の政治はどんどん劣化しているということ。
    改善が望めないなら劣化させないように、ということで現状維持を選択するのが今の日本か… (-_-;

    0
    2023年08月13日

    Posted by ブクログ

    菅政権退陣後にこの本で元首相のことを読むと、当時からこういう考え方をしているんだ、と発見があります。

    0
    2021年11月15日

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