佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
YouTubeやSNSの普及で身の回りに「情報」が溢れている。質のいい情報に溺れるであれば読書好きにはたまらない環境だが、玉石混交ならば話は変わってくる。いかに信用たる情報や専門家、もしくは批評家を選ぶ必要がある。その技術を学びたくて外務省の元分析官の佐藤さんの本を手に取った。
文書は平易で読みやすく、提示されている方法も新聞を複数読め、ノートに記録しろときわめて基本的な王道な方法だ。勇ましいことや不穏なことをテレビやYouTubeで話す自称専門家が増えてきたように思う。彼らは大学や有名シンクタンクの肩書を持っていることが多いからまたややこしい。見極める目を養いたい。 -
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■「自分時間」を過ごすためには
「自分時間」とは、主体的に生きている時間、「他者時間」とは何者かによってコントロールされている時間。この違いを意識すること。主題はこの一点。
その上で、どのように自分時間を使うかを考えるにあたり、まず人生の終末を意識して目的を明確化することが大切と説く。ただ、輪廻転生思想に見られるように人生を円環的にとらえる宗教的、文化的背景を持つ日本人は、キリスト教をバックグラウンドとする西欧的な考え方、つまり人生を直線的にとらえ、終点(ゴール)を認識することが苦手だという。確かにそうかもしれない。
なら無理に残時間を意識して目的を明確化せずとも日本人の思想にマッチする方法で自分時間を使えばいいのでは?というのが僕の提案。すなわち、目的ではなく自身の「価値観」に沿った時間の使い方であるかという視点を持つということ。もちろんこの場合、大切にしたい「価値観」を明確にさせることが前提になる。けど人生の目的設定よりは考えやすいかな。
■その他メモ
・ノイズ(仕事に関係ない情報)こそが教養⇔タイパ・コスパ主義
・時間(カイロス)の意味付けとしての日記・記録 -
Posted by ブクログ
非常に面白かった。
恐らく本書の契機というか元ネタは、ニューズピックスにおける、加藤浩次氏がモデレーターの対談だろう。
佐藤優氏と苫米地英人氏の対談本は他になく、コラボしたのはかなり古い出版記念の動画が一つある程度だった。どちらも多読家であり、多作の著作家であり、高い知見を持っている人でありながら、タイプも分野も異なりすぎるが故に協働が見られず、気になっていた組み合わせだ。
苫米地氏は頻繁にトンデモ系の主張をする。独自の思考回路、主張を持っていて、また意図的か否かは不明ながら、認知を惑わす発言になりがち。
一方で佐藤氏の方は元々公務員組織やインテリジェンスで活躍していた立場から信頼性が何よりも重要で、一度の失敗すら許されない厳しい立ち位置で生きてきたが故に、主張に疑問符を持たれるような発言や仕事は避けてきたはずだ。
なので順当に考えて、この組み合わせは「混ぜるなキケン」系なのである。
風向きが変わったのは佐藤氏が手術を経たことだろう。
これまでは「事件の時にもう一生分メディアには出た」といって活字以外でのメディア露出がなかったり、お堅い系の露出が主体だったのに対して、吹っ切れたのを感じる。
選挙前には候補者への激励や助言をするシーンも出てきたし、敢えてスポーツ紙やゴシップ誌のオンライン記事に寄稿もしている。
そんな中でのこの組み合わせに、余生なのだから自由にやろう、という心境変化と、同時にエリートだけではなく大衆レベルにも種をまいておこうとした可能性を感じる。
両者の過去作を多く読んできているからこそ、明らかに別意見を持っている部分を知っていて、そうしたテーマに近づくにつれハラハラしてページを繰った。
お互いの意見をそれぞれ語りながらも、相違部分については「私は違う意見を持っているが、ここではその表明にとどめる」という形で共存を図っていて、まさに国際関係のような現実的なやり取りが見て取れた。
本書では「認知戦」が主テーマであり、ここは苫米地氏の主戦場である。
また認知戦にはIT技術が密接に関わるが、佐藤氏はテクノロジー周りは(おそらく)門外漢だ。
なので基本的にひたすら聞き役、まとめ役、補足役に徹していて、繰り広げられる苫米地節を現実世界に引き戻すのに非常に重要な立ち位置を両佐藤氏(もう一人の進行役も含め)が演じていて読みやすい。
個人的にはここに是非落合陽一氏をぶち込んでほしい。佐藤優氏とも苫米地氏とも全く接点がないのと、技術・サイバー・思想が重なる部分をさらに面白く発展させられるに違いない。
さて具体的な内容で興味深い点は、なんといっても苫米地氏たち(どの団体?)が開発・提供しているという「認知戦式支援システム(CWCSS) 」だ。
鍔迫り合いが目立つ大国間の認知戦に対抗するための、インプットにおける重要なフィルタリングになる。どこまで効果があるのか。どこの組織・団体が実際にこれを活用できているか。
このシステムで使われているモデルと基盤はなんだろうか、など気になる点が満載である。
認知はつくられるもの。そもそも認知操作を完全に避けることは不可能だ。
我々人間は生まれたときから、関わる全ての情報によって影響され、環境からもたらされる情報によって知識、常識、思考回路などが構成されていく。誰もがバイアスから逃れられない。
なので出来ることは、可能な限りメタ認知を徹底意識し、自分の感情、環境、思考、行動を疑い、再検討し、たまにガラッと変えてみることくらいだ。
完全な主体性など存在しないと認識すれば、謙虚に生きられる。
本書内でいただけないのは、DecNefがさも実用化され攻撃に使われているかとミスリードされそうな点だ。
SNSや会見、公式発表といった形で認知操作に繋がる発信を行うのは、日々実際に見聞きすることだ。
またスマホ機器やSNSアカウント、通信系アカウント、周辺で関わる人などへのハッキング的行為を通して認知操作をしようとする攻撃も現実にあるだろう。だからこそハッカーやインテリジェンス関係者、国際手配されている要人などはSignalのような秘匿通信アプリを使用したりGrapheneOSを使ったりする。
一方で、DecNefはまだfMRIなどの大型電磁機器に直接人を配置させることが必要だ。
遠隔で、他者に気付かれずに人の思考を直接操作する技術はまだ実現化されていないし、技術的ハードルの高さから見通しが立ってすらいない。
ワクチンを通してナノマシンを入れるとか、mRNAワクチンを通して操作することもまだまだ現実的ではない。あくまで可能性がゼロではないという程度だろう。
こうした点は危機感を煽っているだけなので、現実的な見極めが必要だ。
いずれにせよ、複数のレイヤーで興味深い一冊。是非この基礎の内容から発展させた応用編の次の対談を希望する。 -
Posted by ブクログ
人生は時間泥棒との戦いである、という言葉が妙に頭に残り続けてこの本を読む事にした。
結果、読んで良かったと思う。
昨今SNSの負の影響はさまざまなところで聞くが、この本でも時間泥棒の最たる例ということで書かれていた。
情報を取得しすぎても処理しきれないという点は納得できる。
また、自分時間と他者時間の話も形を変えてよく目にする内容だったが、ここも同意できた。
45歳までは経験や学習などすべて足し算、45歳以降は引き算という考えはこれまで考えなかったなと感じ、なるほどという説得力も感じた。
また読書について、ビジネスや能力アップに使う事が増えているが、それ以外のノイズ的な情報こそが長い目で見た時に重要というのは好きな考えだなと思った。
代理体験ができるという説明も同様。
ところどころ言葉の使い方などで読みにくい点があると個人的には感じたが、総じて参考になり、考え方も見習いたい点が多く楽しめた。
自分時間を増やし、不要なものは少しずつ削除していこうと思う。 -
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私も定年を迎えて、今後の「生き方」をどうすべきかで、の本を読んでみました。
読みやすくとても良い本でした。
あとがきに書かれた、「先人が残した珠玉の金言」がホントに良かった。
自分の生き方は自分で決める。
他人と比較するのは致命的。
定年を迎えた人だけでなく、より幅広い年代の人達にとっても「生き方」を考えさせられる良い本です。
私も、自分らしく生きるため、
コンパクトな生活
学びのある生活
好きに絞り込む生活
家族を大切にする生活
をしていきたいと思います。
そして必要なときは遠慮なく、日本の社会制度に頼らせて頂きます。
世界一の楽園ですから(^^)
良い本を、ありがとうございました。 -
Posted by ブクログ
池上彰さんと佐藤優さんによる日本左翼史は第三巻にて1972年から2022年までを語る
もうね、これまでの2冊と比べてまず期間が長い、そして薄い
それだけ語るべきことがないってことよね
この期間の主な出来事と言えば、まずはソ連崩壊ですな
まぁ、ソ連は社会主義者が言うような目指すべき夢の国ではなかったわけです
(一応今のロシア連邦は資本主義国家です)
また、社会党の連立政権参加による村山富市首相の誕生は、元々の支持者が大量離反するという結果を招き、現在の社民党の衰退に繋がっています
加えて、近年のウクライナ侵攻による危機感を抱いた共産党は「自衛隊は違憲だけど、もし他国が攻めてきたら自衛隊に守って貰う」とのわけわからん方針を示し、共産党オワタという状態
日本の左翼の二大政党は息も絶え絶えです
では左翼思想そのもの、あるいはマルクス主義は間違った思想だったのか?
そんなこともないと思うんよな〜
どこらへんが?と聞かれるとうまく答えられない
まだまだ勉強が必要だな〜 -
Posted by ブクログ
佐藤優さんの顔が怖い
というわけで、池上彰さんと佐藤優さんによる『日本左翼史1960-1972 』です
この期間は新左翼と呼ばれた諸党派が乱立し過激化する暴力、暴力の時代です
学生運動が隆盛を極めたのもこの時代
そして連合赤軍による「あさま山荘事件」が発生したのが1972年です
テレビで生中継されNHKと民放合わせた視聴率はなんと驚異の89.7%!
そして「あさま山荘事件」と言えばカミソリ後藤田と日清カップヌードルです!
分からない人はお祖父ちゃんに聞こう!て誰がお祖父ちゃんやねん!( ゚д゚ )クワッ!!
そして逮捕されたメンバーにより凄惨なリンチ殺害事件が明るみになったり、日本赤軍が起こしたロッド空港乱射事件などのテロの結果、国民の左翼離れ、ひいてはなんか政治怖いわ!近寄らんとこ!という日本人の政治離れの一因にもなったわけなんですね
佐藤優さんは本書の執筆理由を「その理由の一つは、影響を受けることで自分の命を投げ出しても構わない、そしていざとなれば自分だけでなく他人を殺すことも躊躇うまいと人に決意させてしまうほどの力をもつ思想というものが現実に存在することを知ってもらいたいからです。」と書いています
スタートの時点では世の中を良くしたいって理想に燃えてた人たちなんよね
なんしかな〜 -
Posted by ブクログ
高市早苗旋風が吹き荒れた先の衆院選
自民党単独で316議席という歴史的圧勝を収めたわけですが、一方で左翼政党の衰退が著しく、ほぼ死に体と言っていい
具体的には日本共産党7、れいわ新選組1、社会民主党に至っては議席を失うという結果
まさに国民総保守といった状況です
なぜこんなことになってしまったのか?ということと、日本社会にありがちな揺り戻しにより今後左翼が見直されていく可能性も考慮して、あらためてお勉強してみようと手に取りました
だけどね
ドストエフスキーの後に読むべきじゃなかった!
もっとライトなエンタメ間に挟むべきだった!w
でも頑張って読む
本書はわいの大好きな池上彰さんと佐藤優さんが対談形式で左翼の歴史を振り返り、左翼の衰退を招いた原因や、学ぶべき点について明らかにしていて、今まさにわいが欲していた一冊
第一弾は戦後から1960年までの主に日本共産党と社会党(社民党の前身)の成り立ちを軸に振り返っております
面白かった!面白かったんだけどやっぱムズい
そしていつかどっかでマルクスもちゃんと読まないとな〜と思いました
たぶんほとんど理解できないだろうけど
で最終的に思ったのは革命はいいんだけど、人を殺しちゃあかん!っていうことだったりする
いやすごーくレベルの低いこと言ってる自覚はあるんだけど、わいは池上彰さんと佐藤優さんが本当に伝えたいこともそれだったんじゃないのかと勝手に納得しているのです
次は左翼が過激派の道を歩んだ1960年代へと進む