佐藤優のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
当時世界情勢の中の日本の状況と国内世論で戦争反対を叫ぶことは相当困難だったと想像する。
唯一と言って良いマスメディアが戦争を煽っていた中、一般市民に戦争を避ける判断はできるはずがないと思われる。
そこで重要なのは学者、政治家、軍人といった当時のエリートが国際関係を正しく判断して戦争を避けつつ国益を損なわない舵取りをすべきだったがそれに失敗したのが破滅に至った原因。
本書で触れられている南京虐殺のくだりは知れて良かった。敵は便衣兵であることの恐怖は計り知れない。一般人であろうがやらなければやられる恐怖、女子供でも密告されて後で標的になるかも知れない恐怖、自分が軍に入れば同じことをやらざるを得な -
Posted by ブクログ
トランプの常識外れの言動に世界は右往左往しているが、彼の内在的論理は何かを理解することで一貫した行動原理が見えて来ると筆者は言う。
トランプは自国の強化、雇用、モノづくりの復権を目指しており、関税はその目的に過ぎない。また民主主義的価値観に重きを置いておらず、力こそがすべてを体現している人物である。アメリカを復権するために民主主義とグローバリズムを捨て、ロシアや中国とのパワーバランスを測る事が今後起こる事。
既に世界中の国に大きく影響を与えており、この流れはトランプが大統領から退いても変わらないと読む。
日本がすべき事はアメリカ追従ではなく、アメリカだけでなく中国、ロシアといった大国とのチ -
Posted by ブクログ
鈴木宗男20年ぶり自民党復活、なんて話があるが、
その20年前、国策捜査でムネオさんと一緒に監獄にぶち込まれた、
日本のラスプーチン、佐藤優さん。
彼の分析、文章は鋭い。自伝なども読ませてもらった。
そこにきて、元右翼、ある時気づいて「転向」?した、古谷経衡。
最初は胡散臭いと思ったが、語りを聴く限り、まったくもってまとも。
むしろ、「ウヨク」熱から覚めただけに、説得力がある。
歳は20歳以上離れている二人の対談。
まずは北方領土。
本来最初から2島返還とすべきものを、
沖縄返還前はアメリカへの遠慮から、
絶対ソ連が飲まない4島返還を訴えたと。
アメリカより先にソ連が2島を変換してしまっ -
Posted by ブクログ
本書は所謂一般的な勉強のハウツー本ではなく、イギリスの歴史教科書を「思考の鋳型」(基本的な思考パターン)を鍛えるテキストとして、基礎教養力を身につけ、情報の収集、それらを運用して内在的論理を探り、自身の視座を確立し、いかな状況にも強かに対応していくことを目的としたものである。
アナロジー(類比)、別の言葉や例で説明する敷衍して論を発展させる、正反対の人物をイメージする、共通点と相違点を探すなどの思考のポイントをいくつもピックアップ的に紹介もしており、難解になりがちな話題も、理解をしやすくかつ、深めてくれるようになっている。
今もまさにロシアの侵攻、中東情勢にそこから距離を置く日本だからこ -
Posted by ブクログ
この本は、トッドの大作『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』を読むための入門本と冒頭で紹介されているけど、それ以上の面白さ。
前述の大作の面白いところをギュッと紹介してくれるだけでなく、現代社会の抱える様々な課題や疑問を家族制度の観点で説明するところにフムフムと読み入ってしまう。
ところどころに見える刺激的なフレーズがまた良い。
意図的に極解した切り取り
■日本やドイツは長男を頭とする直系家族社会。英米の核家族社会とは根本から異なる。
■日本は長男が家を継ぎ、老いた親の面倒を見て家が社会福祉を担った。英米は成長した子は親元を離れ、老いた親の面倒は社会税制が担った。
■日本が硬直化しやす -
Posted by ブクログ
元外交官・佐藤優氏が、その大学時代を回想した自叙伝です。
勉強に学生運動に全力で真っ正面から向き合う佐藤さんの、同じ学生たちや先生たちとの交流が描かれます。それにしても、読んでいてうらやましく感じる大学生活です(この辺は同著者の『私のマルクス』の方がより詳しく書かれていますが)。
前半は同志社大学神学部での勉強と仲間たちとの交流、後半は外交官試験の勉強とその動機・心の揺れを丁寧に記しています。
前半部分について言うと、佐藤さんの学生時代よりちょっと昔の学生運動についても触れられているのですが、これは読みにくかったです。
記録が引用されているのですが、何を言っているのかよく分からなかったです。何