佐藤優のレビュー一覧
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本書は、人生の折り返しを過ぎた世代に向けて、残された時間をいかに使い、自らの経験や知識をどう活かしていくかを考えるための指針を提示する書物である。著者は、50代に差しかかったとき、人は若いころのように時間が無限であるとは思えず、残りの人生を戦略的に構築する必要があると説く。重要なのは、過去に培ってきた「武器」、すなわちスキル、人脈、蓄積された経験を整理し、それを最大限に発揮できる場を選び取ることである。
本書は六つの観点、すなわち「残された時間」「仕事の向き合い方」「職場での人間関係」「お金」「家族や人間関係」「自己研鑽」に分けて論じられている。最初のテーマである「時間」では、人生の残りが限 -
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ヒトラーが書いた『わが闘争』の危険な論理を“ワクチン”として提示し、現代日本の格差・ネット陰謀論と響き合う点を具体的に示した本。
ヒトラーが「生存圏」「生産性」を武器に弱者を巻き込み敵を内側に作るレトリックを追っていく部分は、扇動の手口を実地で学べるという意味で興味深い内容でした。ただ、大衆がナチスを受け容れた心情の分析では、体系的にまとめられているエーリッヒ・フロムの『自由からの逃走』の方が腑に落ちるかなと思いました。また、講演調で読みやすい反面、外交官時代の逸話や雑誌論争への脱線が多く、焦点がぼやける箇所もあった気がします。
一方で、著者の断定的で分かりやすい語り口は、一見リベラルに聞 -
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21世紀になってから欧米だけでなく韓国や日本でも民主主義は後退し、独裁・権威主義が復活してきている。
ロシアや中国が権力集中国家の代表と位置づけ、この両国を中心にSNSや監視技術が権威主義を強化していることを分析している。
特に近年は民主主義国家でも排外主義や反移民が高まり、「独裁的な要素」が浸透する兆しがある。
本書では、都知事選の石丸伸二や兵庫県知事選の斎藤元彦、参政党の神谷宗幣が支持されている理由などにも触れている。
経済・社会の不安、政治不信、格差・移民問題などを背景に、従来の民主主義体制や価値観が揺らいでおり、それが排外主義・反移民運動などと結びついている。
インターネットやSN -
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20世紀のヒトラー、ムッソリーニ、スターリンのように、21世紀もまたプーチン、習近平らの独裁政治が国際社会で勢力を拡大し、これに対抗するかのようにアメリカのトランプ大統領が再選を果たし、議会を通さない大統領令を連発し独裁者然と振舞ったあげく、いわゆるトランプ関税では連邦控訴裁判所で違法の判決が下った。ロシア、中国の国民たちは、独裁政治で表現や思想などの自由を奪われ苦しんでいるかと思いきや、安定した政権の社会経済政策の下で、治安の行き届いた社会、質の高い行政サービスを受け、満足度の高い生活を送っていて、アメリカやヨーロッパ諸国でも自国ファーストを掲げる国家のリーダーたちが熱烈な歓迎を受けている。
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Posted by ブクログ
昭和100年ということで、昭和元年=1926年から現在に至るまでの歴史を、日本・アメリカの関係性を軸に辿っていく。とはいえ当然昭和に至るまでのバックボーンもあるわけで、対話の中では時には明治維新頃にまで遡ったりもする。
歴史は好きなのだが、近現代史は全然面白みが感じられなくて学生時代~20代の間は全然頭に入ってこなかった。
それが30代になって、物事の是非が分かるようになり、自らの生きる世の成り立ちを遡る中で、近現代史の複雑に絡み合った経緯を紐解くことの重要性や面白さにようやく気付いた。
私は昭和の末期、63年生まれなので、昭和の記憶などない。人生の大半を平成に生きてきた身からすると、昭和 -