佐藤優のレビュー一覧
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家族形態から世界を読み解く本!ちょっとあっち寄り トッドは人類学者、歴史家、地政学者として名高い。特に家族システムをベースに様々な社会現象を読み解くのが得意だ。この本は「我々はどこからきて、今どこにいるのか。」の解説書と考えてもよいだろう。
核家族は古い家族形態で、日本の直系家族の方が新しい家族形態ということを初めて知った。女性の地位も時代が新しくなるにつれ低くなるのだそうだ。ユーラシア大陸の中央部で新しい家族形態が生まれたが、大陸周辺部は古い核家族が残っているのだそう。ただ、核家族の社会は「革新」を得意とする。だからイギリスから産業革命が生じたのだと。
家族形態を切り口としてウクラ -
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グローバルサウスとは西洋民主主義に対する対抗概念。冷戦後世界に広まった西洋的民主主義と自由主義の概念は急速に力を失いつつある。
今世界は大きく変化しており、今までの常識で測ると情勢を読み誤る。
・グローバルサウスの特徴として、国際的協調より自国第一主義、民主主義より権威主義でも強力なリーダーシップ。
・G7のGDP比率1986年68%が2022年には42%に低下。グローバルサウスの存在感が高まっている。
・ウクライナに対して明らかに侵略行為を行ったロシアへの非難決議に中国、インドを初めアジア、アフリカ、南米の多くの国が棄権した。
アメリカ、ヨーロッパ先進国に対して明らかに距離を取る動き。
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ネタバレ橋爪さんはアカデミックながら柔軟に思考を展開できる人。佐藤さんは時々ぎょっとすることを言うので、話は割り引くようにしているが、タブーのない思考実験をする人だと思う。そんな二人の対談集。橋爪さんがテーマをまとめ、佐藤さんが捕捉していく感じで、経済・科学技術・軍事・文明という4つの切り口から大きく変わろうとしている時代の局面をとらえている。
経済ではアメリカ一強時代が終わり、中国が激しく追い上げている。脱炭素・量子コンピュータ・核融合といったテクノロジーの世界では激しいつばぜり合いや合従連衡が起こっているが、それはこれらの新技術を押さえることが次世代の覇権を握るのに大きく利するからだ。米中対立は -
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ネタバレ・現代のトランプ現象やBrexitという言葉を知りそこから行き着いたファシズムの概念についてわかりやすく解説してある本。政治に明るくない自分でも十分読める内容にしてくれている。
・またヒトラーのナチズムや第二次世界大戦後の経済的回復の背景にもファシズムが関わっているとわかり大変勉強になった。
以下覚書
・新自由主義的なグローバリズムが進行すればするほど、ファシズムへと接近していく。
・グローバル資本主義とファシズムのいずれにも陥らないためのシステムを描くと、私たちはユートピア主義に陥ってしまう。すなわちユートピアを目指した社会主義、共産主義、アナーキズム(無政府主義)がうまく行った例はない。 -
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一般市民が犠牲になり、憎しみの連鎖が止まらない。なぜハマスはテロを起こしたのか、そしてイスラエルはなぜ一般市民を巻き込んででも徹底的に攻撃するのか。日本に住む我々には理解が難しいが、2人のインテリジェンスの専門家が平易に説明してくれる。
読めば読むほど解決が難しい問題。これが第三次世界大戦の引き金にならないことを切に願う。
以下、個人的メモ。
イスラエル、特にネタニヤフ首相の内在的論理。
・全世界から同情され死に絶えるよりも、全世界を敵に回しても生き残る。
・ハマスはユダヤ人という属性を持つものを抹殺するという姿勢を持っており、テロ攻撃ができなくなるまで決定的に掃討を徹底する。
ハマスの内 -
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12人との対談をまとめたものなのでそれぞれのボリュームは控えめ。
また2017年から2023年までの間の対談がまとめられているので、会話の前提にある時事ネタには時差がある。
対談されている相手の専門が大きく異なるため感想もそれぞれについて違ってくる。
全体を通しては、「専門性分野の深堀りと浅くも広いその周辺知識を兼ね備えることがとても重要」というのが私としての感想になる。
これはある意味大澤真幸氏が本書の中で言っている、「人生を豊かに満たすには、やはり自分の井戸を掘り進めて、現実の世界である地下水脈まで掘りつくす覚悟がいる思う」や、同章で佐藤優氏がいう「周辺知識が乏しいと局所的に専門知識に -
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超したたか勉強術
会社だけの生活に行き詰まっている人へ
著:佐藤 優
朝日新書 510
勉強術といっても、章ごとに、体系的にまとまってはおらず、19の思考のポイントをキーワードとしているので、なかなか理解できませんでした
著書の放った、印象ぶかい一文を拾ってきました
日本を覆う、「反知性主義」に対抗していくためには、自分の頭で「したたか」に考え続けるほかはない
感情論ではなく、どんな立場の人とも議論ができる最強のインテリジェンス思考法を伝授とあります
気になったことは以下です
・さまざまな物事について自分なりの視座をもつこと
そのための技術を身につけること
・ビジネスを取り巻く状 -
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寓話や昔話は幼少期に散々読まされ聞かされた。小学校くらいまではそれを真面目に受け止めて、あぁこれはやったらバチが当たるななんて思っていた。
しかし中高で記憶が薄れていき、同時に幼少期ほど話を間に受けないようになってくると、なんであんな話を信じてたんだと思って、教訓を教えてくれたなどとは全く考えずむしろ大人が私を躾ける一環だったんだなんて考えに行き着いていた。
しかし数年前に岩波のイソップ童話を少し読んだときに、教訓を得るとか以前にこれは読み物として面白いのでないかと思った。それからまた数年経ち、上司が読んでいるというので読んだのがこれ。
寓話っていうのはこんなに自由に読めて、なんなら違うスト -
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両人の非常に多い著作はどれも「読みやすい」「必ず新たな気づきがある」/半藤は長年の調査によって日米戦争に至った内情を/佐藤は『日本の一番長い日』英訳を各国大使館に配って好評だった/米軍は東京など都市部大空襲を重慶爆撃の報復として正当化。太平洋戦争で日本が風船爆弾に毒ガスを使ったら?「必ず数百倍の報復があっただろう」/日露戦争の成功体験が海軍を束縛/「通商破壊」有効性を軽視、船団護衛のため陸軍は独自に空母まで作った参謀本部の企画立案は実質下級官吏が行い、評価は内部で行うので「決断の責任」「失敗の反省」がない。悪弊は外務省に継承されている、と佐藤は語る。
日本独自の「優位」としては、三八銃は半殺 -
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二人が持つ広く深い知識に裏打ちされた問題意識を共有し、我々一般人に問題提起している。基本的に似たような問題意識を持った二人ではあるが、佐藤優が提起して、池上彰が噛み砕いて整理して読者に届けることで意識を高めるという設定がとても上手くはまっていると思う。
民主主義が絶対的なものではなく、意識して育て、守っていかないと全体主義の方向にスライスしていく可能性を多分に含んでおり、コロナ禍における各国の対応に表れたように、その傾き、ズレは少しずつ生じている。
日本は、民主主義を勝ち取ってきた国とは少し状況が異なるが、だからこそ日本型民主主義を守り、育てていかないといけないのだろう。
終戦直後に書かれた民