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読書は人生においてどのような役割を果たすのか。本を血肉にするにはどのような読み方をすればいいのか。なぜ読書は人生を豊かにしてくれるのか――。作家、元外交官、教育者、神学者などさまざまな面をもつ著者がはじめて明かす「読書の哲学」。
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Posted by ブクログ
人をつくる読書術 著:佐藤 優 青春新書インテリジェンス 良書 おもしろかった 本を読むための地図を与えてくれる本 何を読むか、で人生は決まるとある 知の領域をいくつかの方向に発散・分散するためのガイドブックを兼ねています。 世界標準の教養を身につけるためには、何を読めばいいかを解説する本です...続きを読む 教養とは、想定外の出来事に対処する力である 拘置所で役に立つのは学歴でも肩書でもない。頼りになるのは自分自身のそれまでの経験と読書などによって蓄積した知識だけで、そこから新たな解と行動を導き出す必要があった。 本書で伝えたいのは、2つある。 よい本を読み、よい友人を持つことだ 気になったのは、以下です ・政治家への報告:その道のプロでない人が読んでもわかるように書くことを心がけていました ・公文書を読んでもらうためには:事実を曲げない範囲で、いかにわかりやすく、読みやすく、要点が 読み手の頭に入るように書くかをいろいろ工夫しました。 ・特に工夫したのは見出しです。できるだけ目を引くように、そして段階の内容が一目でわかるように、キャッチな見出しにしなければなりません。外務省の幹部に配布する文書には全体の要旨をつけます ・文章を書く際には、事実と自分の意見を分けることも大事です。 ・文章が書けるようになりたい人は、自分が興味をもった文章や記事、名作の気に入ったフレーズなどを書きぬいてノートにまとめておくというのも効果的です ・あとはとにかく量を書くこと。一定以上の量をこなすことで質的な変化が生まれます。 ・表現するということは対象化することです。対象化するとは、物事に対して一定の距離を置いて客観視することと同じです。 ・表現にはげんごりょくが必要不可欠で、その力をつけるのが読書です。読書で養った読解力と表現力は表裏の関係にあり、読解力以上に表現力を高めることはできません。 ・やはり、古典を読むことが一番だという結論になります。古典とは、文庫になって10年間書店の棚に残っている本です ・読書には、3つの読み方があります。それは、「精読・熟読」「速読」「超速読」です ・速読では、絶対に読み返さないという覚悟でよむこと ・1頁を15秒で読めるようになれば、速読はほぼ完成です ・1冊を5分くらいで読むのが、超速読です ・重要な部分をシャーペンでぐるりと囲んでおきます。その上で、付箋を貼るか、その頁の端を折り畳んでおく ・できるだけ客観的に事実を正確に伝えようとすると、必然的に形容詞を少なくし、事象だけを述べていくスタイルになる ・トップに立つ官僚や政治家は例外なく教養人だということです。 歴史や地理、宗教や文化に詳しく、古典の小説もたくさん読んでいる。 芸能や音楽なども通暁している そういう素養が根本にあるからこそ、深いところで人間理解ができるし、組織をまとめるリーダシップが身につくのです ・まず大切なのが己を知ること そのためには自国の代表的な古典を読むなどして国の歴史や文化、芸術に関する知識を増やします □ 古事記 □日本書紀 □ 今昔物語 □ 源氏物語 □太平記 □ 平家物語 □近松門左衛門 □ 松尾芭蕉 □ 夏目漱石 □ 森鴎外 □ 太宰治 □坂口安吾 □ 三島由紀夫 □ 安倍公房 □村上春樹 ・インテリジェンスに携わる人間にとって、相手の国や民族の歴史、古典といわれる文学作品はまず押さえておく必要があります。 □ショーロフ 「人間の運命」 □ ドストエフスキー 「カラマゾフの兄弟」 □ トルストイ □ワシリー・シュクミン □ミハイル・ブルガーコフ ・インテリジェンスの世界では、利害が対立する国や地域、組織や集団についての知見を持っていることが大前提となります。それには、相手の言葉だけでなく、歴史や文化、思想や宗教などの基本的な思考の形態、判断、行動の基準を知ることも含まれます ・「彼を知り己を知れば百戦危からず」という孫子の言葉そのものです ・日本人のマインドのどこかに敗者の美学、滅亡の美学、もっといえば死の美学がある ・「平家物語」にも「太平記」にもそれはあり、武士道における切腹や討ち死に、さらに玉砕や特攻といった日本人特有の精神構造にまでつながっています。 ・私たちの精神構造や思考パターンを読み解くには、やはり過去の歴史、古典に立ち返らねばなりません。 なぜなら、私たちは否応なしに過去から連綿と蓄積した時間、すなわち歴史の中に生きているからです。 ・国語便覧には、日本の文学系譜が体系的にまとめられています □ 島崎藤村 □田山花袋 □国木田独歩 □ 夏目漱石 □ 森鴎外 □ 谷崎潤一郎 □佐藤春夫 □武者小路実篤 □志賀直哉 □ 芥川龍之介 □ 菊池寛 □山本有三 ・スパイ小説もちゃんとしたものであれば、大いにインテリジェンスの参考になります □ジョン・ル・カレ 「鏡の国の戦争」、「寒い国から帰ってきたスパイ」 □グレアム・グリーン 「第三の男」、「静かなアメリカ人」、「ヒューマン・ファクター」 ・哲学 □フロマートカ 「召命」 □ トルストイ □ ドフトエフスキー □カント □ヘーゲル □シェリング ・信頼関係が築けていない相手には、心を開いて話をしない 慎重で気難しい人物にはその傾向があります ただし、一度心を開いて相手を認めたら、一気に関係は深く、そして、長く続くものになります ・本の面白さを教えてくれた一篇の小説 □モーパッサン 「首飾り」 □太宰治 「晩年」 □島崎藤村 「破戒」 □田山花袋 「蒲団」 □夏目漱石 「こころ」 □フローベル □カミュ □ツルゲーネフ □トルストイ □チェーホフ ・本を読むには、よいガイドが必要です。特に最初のころには導き手が必要です 要約と、敷衍をすること 文学の潮流を意識し、時代背景とともに作品を理解すること ・理解できない本を読まなければ読書力は上がらない □エンゲルス 「空想より科学へ 社会主義の発展」 □マルクス/エンゲルス 「共産党宣言」 □「マルクス・エンゲルス選集」 □「レーニン全集」 □「スターリン全集」 □「毛沢東選集」 □フォイエルバッハ ・本の選び方:最初から絞り込まないこと、とにかく、幅広くいろいろな知識を取り入れること ・硬直化した考え方から抜け出すには、一度白紙に戻すこと ・考え方をリセットし、新たな知識や情報を受け入れること ・物事を絶対的な視点ではなく、相対的な視点で見ること ・本を読む順番を間違えてはいけない ・一番いいのは人類の歴史の流れにそって、それぞれの時代に生まれた思想や哲学、芸術に触れること ・今こそ知っておきたい「音読」の効果 読解することが難しい本や文章は音読することをすすめています。 ・世界のエリートに必要な能力 英語力等の語学力 数学力 偏微分の経済学数学モデル 線形代数、統計、論理学、集合論、記号論理学、確率論 哲学、倫理、弁証法 □加藤周一 「読書術」 □テオドール・アドルノ □マックス・ホルクハイマー ・影響を受けた本 □トマス・クーン 「コペルニクス革命」 □ローレンツ 「ソロモンの指輪」、「攻撃―悪の自然死」 □ブルーバックスシリーズ 「素数入力」 「数論入門」 「不完全性定理とはなにか」 「ゼロからわかるブラックホール」 □ミニャエル・エンデ 「モモ」 □コースタイン・ゴルデル 「ソフィーの世界」 □ソクラテス □カント □ヘーゲル □ダーウィン □フロイト □バートランド・ラッセル 「教育論」「幸福論」「結婚論」「哲学入門」 □三木清 「人生論ノート」 □西田幾太郎 □田辺元 「歴史的現実」 □三枝博音 □戸坂潤 □エズラ・F・フォーゲル 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」 □松本清張 「黒の手帖」 □ジュール・ベルヌ 「月世界旅行」 □G・ウェルズ □伊藤潤二 「うずまき」 □本谷有希子 「異類婚姻譚」 □山崎ナオコーラ 「人のセックスを笑うな」 □柚木麻子 「伊藤くん A to E」 □「闇金ウシジマくん」「闇金の帝王」「難波金融伝・ミナミの帝王」 □三浦綾子 「塩狩峠」 □遠藤周作 「沈黙」 □ラインホルト・ニーバー 「光の子と闇の子」 目次 まえがき 第1章 作家をつくる本の読み方 第2章 外交官をつくる本の読み方 第3章 人間をつくる本の読み方 第4章 教育者をつくる本の読み方 第5章 教養人をつくる本の読み方 第6章 キリスト教者をつくる本の読み方 ISBN:9784413045636 出版社:青春出版社 判型:新書 ページ数:208ページ 定価:880円(本体) 2019年02月15日第1刷 2019年03月10日第3刷
なんとなく読書を趣味にしてるけど、 読書をこんなに役立ててるとは、驚いた。 つくづく自分はペラペラ人間だな。と。 薄っぺらい。 自分は、読書で、 今とは違う別世界へ逃げたいだけ のような気がしてる。
「読書術」と一言でくくられていますが、内容は 佐藤氏の生き様と本がどう関わってきたか、を 語る人生論に近いです。 しかし「なぜ本を読むべきなのか」「読書がどう 人生形成に関わるのか」など、佐藤氏の主張、 考えが散りばめられており、「もっともっと読ま なくては」と刺激を受けるのと同時に、「もっと も...続きを読むっと本を読みたくなる」一冊です。 佐藤氏は現代の小説も積極的に読むべしと主張 します。 その理由は、ビジネス社会で生きていると、 競争原理の中で視野狭窄に陥り頭が固くなりがち。 仕事に追われるうちに、話すことと言ったら ビジネスと健康のことだけというような寂しい 人間になるな。と警鐘を鳴らします。
これまで読んできた本は数知れないが、このような読み方をしていれば、自分の人生は絶対違うものになっていただろう。 本を読む時、どんな姿勢で向き合うか。それが大事だという。 中学高校生の時分に出会いたかった本。 第1章 作家をつくる本の読み方 第2章 外交官をつくる本の読み方 第3章 人間をつく...続きを読むる本の読み方 第4章 教育者をつくる本の読み方 第5章 教養人をつくる本の読み方 第6章 キリスト教者をつくる本の読み方
★4.8(3.62) 2019年2月発行。「何を読むかで人生が決まる」まさにその通り。著者の本は何冊か読んだが、読むほどに、まさに現代の知の巨匠ということを実感する。外交官を辞めて正解だったと。それにしても著者の読書量は半端ない。また読み方も精読・熟読、速読、超速読の3種類を駆使し、精読・熟読では3...続きを読む回も読みこむと。著者の宗教、哲学、文学の知見は現代人の誰をも凌駕するのではないかと。ブルーバックスシリーズの通俗本は読んでみたくなりましたね。それり論理学。多くの読むべき本の紹介はこれらか読んでいきたいですね。
読書術とありますが、「読書」というフィルターを通して著者佐藤優氏の伝記を読んでいる印象でした。伝記のせいなのか、ワクワクして読んでいました。平易な文書ですし、とても洗練されています。 ノウハウ本の体裁をとっていますが、そこには収まりきれない読書の素晴らしさを教えてくれる一冊です。一方で、この著書の素...続きを読む晴らしさを理解する上では、ある程度の読書習慣が不可欠とも思いました。他の著書も読んでみようと思います。 印象に残っている箇所は ・丸暗記の大切さ…「戦前の旧制中学・高校の教養主義的なスタンスに近い…」「高校までは暗記を中心に徹底的に知識量を増やすことです」(P103) ・「古典にはその国の『内在的論理』が詰まっている」(P51)
【古典の濫読】 世界の名著である古典を分け隔てなく濫読(らんどく)する。 必然的に異なる価値体系のものを読むことになる。 世界にあるありとあらゆる考え方を自分の中に取り込むことになる。 5000年間の間に人間が考えたありとあらゆるものを知ることになる。 はじめから読むものを限定せずに、 人間の...続きを読む営み全てを飲み込む。 そうすると、自分の中に異なる価値体系や世界を共有することができるようになってくる。 それは即ち、 「自分の頭で考える」ことに直結する。 今生きている世界(家族や仕事場や学校や友人関係や国など)の中で、 正しく当たり前と思われていることとは真逆の考え方や、異なる価値体系が世の中にはあることを知る。 それは「本当に大事なことは何か」という本質に直撃するきっかけを与えてくれる。 物事を絶対的な視点で見続けていると思考が硬直化する。 硬直化した思考では思考停止状態が起こる。 思考停止状態が起こっている人間や組織は、変化への適応能力が著しく低い。 変化に適応できなかったものは自然と淘汰されていく。 それが自然の法則。 「古典の濫読」は、 世界を拡げ深め人生をより面白くする。
「言葉によって思考から意志、行動、表現へとつながる」とは、本当にその通りだと思った。三浦綾子の「塩狩峠」も遠藤周作の「沈黙」も好きな作品で、よく記憶に残っているが、キリスト教を理解する上で大切だったと知った。今度は三木清の「人生論ノート」を読んでみたいと思った。
本文に、言語能力は、『読む』『聴く』『話す』『書く』の4つから成り立つこと。 そして、聴く、話す、書くという、3つの力が『読む力』を超えることはない。 とても興味深いです(*^_^*) もっと読む力をあげたい!と思いました\(^o^)/
コロナ禍で自宅時間が増えたので、読書活動について読んでみた2冊目。 幅広い読書を心がけているつもりだけど、この人には、まだまだかなわない。 冊数もだけど、精読の仕方がとんでもない。 精読するのは一部だろうけど、それをしながら、どうしてこうも幅広い読書ができるんだろう。 読んだ気になって調子に乗っ...続きを読むてはいけないな、と反省した。
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