佐藤優のレビュー一覧
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佐藤優さんと手嶋龍一さんの、袈裟の下に鎧を隠した感じの対談集、でしょうか。
いや、非常に読み応えがありました、まさしく今の世界状況を読み解く道標かと。
少なくとも年内から来年夏くらいまでの状況は対応できる気に、なりました。
「国家を真剣に守ろうと思えば、情報収集の手段は自前で構築する必要がある。」
これをベースに、自分なりの肌感と軸となる価値観を交えて、意見を確立しておきたいところ。
同じくお二人の対談である『インテリジェンス 武器なき戦争』も読み返してみようかな。
言われてみれば、なんだか妙に違和感を感じる昨今のTPP反対論ですが、
お二人の仰る「経済ではなく安全保障の視座での検討 -
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ネタバレ本書の題材となっている一連の事件が起きた当時は、今のようにはソーシャルメディアが発達していませんでした。だからというのは言い訳にならないですが、鈴木宗男さんは確実に悪いことをしていると信じていました。マスコミの報道は真実だと信じていたからです。
しかし、アラブ諸国民主化の流れを見ても、ソーシャルメディアの発達が旧態依然としたマスコミのウソや怠慢を明らかにしています。そしてこのコミックの内容は、僕たちがソーシャルメディアを通して見て感じた現実と合致していることがわかります。堀江貴文氏や小沢一郎代議士への対応を見ても、検察がいかに横暴で傲慢な組織であるかがわかります。そしてこのコミックは、その事実 -
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これは筆者が旧ソ連のモスクワ大学で教鞭をとっていた頃とソ連科学アカデミーに出入りしていた頃の記録です。『ソ連崩壊』を歴史、神学、思想の面から考察されていて非常に面白かったです。彼らの事を知る為の一冊。
これは、『外務省のラスプーチン』こと現在は作家の佐藤優氏が外務省入省後、旧ソ連のモスクワ大学哲学部で教鞭をとっていた頃と、ソ連科学アカデミー民俗学研究所に出入りしていた頃の記録です。『ソ連崩壊』を歴史、神学、思想の面から考察されていて、非常におもしろかったです。筆者はこれを日本の大学生に読んでほしいと書いておりますが、個人的な見解だとこの本を読みこなせる日本の大学生はいいところ5%いるかいな -
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著者の佐藤優氏は、2002年の鈴木宗男氏の事件に連座する形で現場を追われるまで、ロシア外交のキーパーソンの一人として活躍されていた方です。一線を退いてからは、ご自身の経験やインテリジェンスをベースに魅力的で読み応えのある著作(『国家の罠』や『自壊する帝国』、『日米開戦の真実』etc)を精力的に出されています。
本書では、その佐藤氏がソ連崩壊後の1992年9月から、日本の外交官として初めてモスクワ大学で教鞭をとられた時の経験を横糸に、崩壊前後にまたがって人脈のあったソ連科学アカデミー民俗学研究所との政治思想についての議論を縦糸に、ロシアが近代国家として甦っていく過程の要素が綴られています。 -
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"功利主義"と言うとどこか堅苦しく考えてしまいますが、平易に考えると、
自分自身にとって必要な知識を抽出し整理する、位のニュアンスになりますか。
- 読書には、大きな罠がある。
個人的には、読書をすること≒考えること、との認識ですが、
この辺りは基礎学問である歴史学の影響が強いと感じています。
- 経済発展の背後には、精神力があるということが再認識されている
- 自由な討論に基づく公共圏を回復することで、
国家の横暴を規制するという気構えが残っている限り、
大衆民主主義は、他の政治体制と比較してよりましな制度なのである
知識として吸収した上で知恵とし -
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まず読んであらためて感じたのは、ここ数年の日本を取り巻く状況が、
70年前の第二次世界大戦前夜に非常に酷似しているということ、でしょうか。
- (支那が)四億の人口を擁することは、欧米列強にとって無二の市場であります
- 国際連盟は言うまでもなく世界旧秩序維持の機関であります
- アメリカの帝国主義政策は「オレンジ計画」に結実した
"歴史は繰り返す"とは大分手垢のついた言葉ですが、それでもやはり、
学問として学んだ一人としては、その傾向がなくなることはないと、折々に感じます。
そして、歴史は勝者が創るものであって、敗者にその権利はないと。
個人的に、アメリカと -
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ソ連末期、それはまさに世紀末の様相を呈していた。この様子を詳しく知るのは佐藤優さんである。全く彼くらい「悲劇」を詳らかに語れる人はいないのではないだろうか。なにせ、幕間から覗くのみならず、舞台の端にも登場するし、舞台裏にも通じているのだから。
本書は、ソ連末期~エリツィン政権までの政治・社会情勢が主な話題である。現地でしか分からない経験から、市井の人びとの様子が見えてくる。そして、外交官だから知りうる裏側を明晰な観察力で濾過することで、通説とは異なる現実を明らかにしている。
民族・宗教問題も絡み、さらにはマフィアも出てくる(聞き手の宮崎学さんはその道の「知識人」だそうだ)。現代ロシアを知り -
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この人の本はどれも読み応えがあって面白いです。一度読んだ本でもまた違った読み方ができて面白かったです。特に、綿矢りさの『夢を与える』の書評には「ウーンそんな読み方があるんだ」とうなってしまいました。
この本は佐藤優氏による「実際に役立つ」という観点からピックアップされ、本人は書評を書く訓練はしていない、と謙遜しつつも、ロシア分析で培った『相手の内在的論理』をつかむという筆致で描き出された本の中身の論考についてはやはり、参考になる部分が多かったと思います。『資本主義の本質とは何か?』『大不況を生き抜く智慧』『人間の本質を見抜くテクニック』など、非常に刺激的なタイトルのあとに、一見「この本がい -
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「週刊SPA!」にて絶賛好評連載されている佐藤優氏の人生相談の連載です。その「復興編」です、ここでも筆者は相談者からの人生相談に数々の角度から答えており、彼の辿ってきた人生の片鱗を感じさせます。
相談者「妻が放射能に怯えて沖縄に逃げました……」
佐藤優「私は東京にとどまるが、他人に強要はしない」
相談者「放射能汚染にまつわる差別が悲しすぎる」
佐藤優「差別を克服する活動は真に愛国的だ」
相談者「熟女とのSEXの意義をどう考えますか?」
佐藤優「『熟女もの』以外の官能小説を読んでみる」
この本は『週刊SPA!』にて絶賛連載されている佐藤優氏による人生相談の連載に加えて、さらにウオトカ -
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悩みがある人とは
自分の中に脱出口を探し出せず、だだっ広い迷宮の中をただ闇雲に彷徨い続ける事への不安に怯える人の事を言うのだろうか?
本当にそうだろうか?
いや、もしかすると名案はすでに用意されていて、
自分はただそれを認める決意をするだけで、『悩み』には終止符が打てる事を知っている。
そして望んでいるのは
それを後押ししてくれる『一言』
その一言を相談相手に求めているのではないだろうか?
深刻な悩みから、我儘だなー、自己中だなー、と思える悩みに至るまで、
その相談内容を読んでいると、フッとそんな風にも思えてしまったが。
しかし、それに対しての著者の解答は決して『後押し』では無かった。 -
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ソ連の結末は日本の結末か-。ソ連崩壊を内側から見たラスプーチン・佐藤優に、突破者・宮崎学が聞く、という全8回の講義録を一冊にまとめたものです。圧倒的な情報量と文句なしの面白さが凝縮されています。
『突破者』でおなじみの宮崎学さんが主催する研究会が『外務省のラスプーチン』こと佐藤優さんをゲストに呼んで8回にわたって語った内容を書籍化したものです。出版された時期が小泉純一郎が政権を握っていたことで、日本に関することはここに書かれているよりは若干、変わっていますけれど、主題である『ソ連崩壊に見る国家の崩壊』というのは実際にその舞台の中にいた人間の生々しい話がてんこ盛りで、これは正直、面白いことは