佐藤優のレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ本書の目的は「現下の国際情勢を正確に把握する力を身につける」ことにある。そのためには国際情勢を規定している「歴史」と「地理」を掛け合わせて思考する必要があるという観点から、英米、ドイツ、ロシア、中東、中国といった「大国の掟」を分析している。
第1章(英米)
トランプ大統領への支持は、新自由主義がもたらした経済格差の拡大、社会的流動性の低下、庶民生活レベルの低下という土壌から生まれたもので、かつてのアメリカ外交の基調であった「孤立主義」への回帰を主張している。
アメリカは、太平洋戦争まで「孤立主義」を基調としていた(モンロー主義)。太平洋戦争開始後はラインホールド・ニーバーによる「光の子」と -
Posted by ブクログ
『交渉に絶対勝利することができる確実な技法を身につけることはできないが、交渉術のある種の原則と具体的な事例を研究すれば、交渉に勝利する可能性はかなり高くなる。
この点について、これからアルコール、セックス、カネ、ポストなど人間がもつ欲望を分析して、交渉能力を強化する方策について考えてみたい。』
交渉術を「交渉をしないための交渉術」、「暴力で相手を押さえつける交渉術」、「取り引きによる交渉術」に分類して、特に取り引きによる交渉術について分かりやすく説明している。綺麗事やロジカルな話ではなく、人間の感性に働きかける視点での説明は興味深く面白い。 -
Posted by ブクログ
[源の村]外務省を退官後、様々な著作を発表している著者が、50歳を境に「若者に読んでほしい本を書こう」と考え著した自叙伝的作品。無神論を学習するために同志社大学の神学部へ進み、数々の出会いを経てキリスト教の洗礼も受けることに。自身の宗教的・知的な変遷の流れをたどった一冊です。著者は、『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』で毎日出版文化賞特別賞を受賞された佐藤優。
佐藤氏の「筆力」とでもいうのでしょうか、とにかく読む者を知的興奮の直中にぐいぐいと引き込んでいく様はお見事。大学時代の濃密な時間がびしびしと伝わってきますし、噛み砕きつつ説明してくれる神学に関する記述も興味深いことこの上なし -
Posted by ブクログ
「21世紀に入ってから16年になるが、国際情勢は年を追うごとに複雑になっている。その最大の理由は1991年12月のソ連崩壊だ」との書き出しで始まる、元外務省主任分析官・佐藤優氏の評論集。
ここ数年の雑誌SAPIOの連載をまとめた。
外務省時代、英国とロシア(ソ連)に赴任していた筆者はソ連崩壊を現場で体験してきた。
あの鈴木宗男事件にからみ2002年に逮捕されて、獄中闘争を潜り抜けて作家となった。
自分の努力と知恵と人脈とで練り上げられたネットワークから得られた情報をもとに、多様化し複雑化する世界情勢を分析していく。
筆者は一貫して、相手の立場を理解しようとした上で、複眼的に物事の本質