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神学は、人間の役に立たない「虚学」だ。虚学であるが故に、危機的な状況で人間の役に立つ神学という不思議な知を、わたしは、同志社大学神学部で、全人格を賭して教育に従事するすぐれた神学者たちと、他者を自己よりもたいせつにする友人たちから学んだ。――「知の巨人」の原点。鬼才・佐藤優はこうして誕生した!
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Posted by ブクログ
作家、佐藤優氏が『自ら拠って立つ』所となったプロテスタント神学。そこに魅了された同志社大学の神学部ヘ在籍した6年間を綴った思想的自叙伝です。なぜか最近佐藤氏の自叙伝は、西村賢太氏を連想してしまいます。 佐藤優氏の作品を追い続けていると、『国家の罠』にいたるまでの道しるべのような気がするのは僕...続きを読むだけでしょうか? ここでは佐藤氏の拠って立つ術であろうキリスト教神学、具体的にはプロテスタント神学の中の『組織神学』彼曰く、「キリスト教が他の宗教と比べて以下に優れているかを相手に説得する神学」というものを大学、大学院時代の6年間に渡って学んでいたことや、すでに東京では下火になっていた学生運動が京都では生き残っていて、彼と『国家の罠』で佐藤氏を支援する会を立ち上げた友人たちが大学側を相手にかなり派手に立ち回っていたことが綴られており、佐藤氏の思想的な自叙伝であるとともに、教授たちのゼミや、同じく神学を志した友人たちとの間で交わされる膨大なまでの神学についての議論や、 「自分はいかに生きるか?」 「将来の自分はどうありたいのか?」 という議論も非常に内容が濃く、僕は神学的な知識はまったく持ち合わせていないので、ここで展開されているカール・バルトやヨセフ・ルクル・フロマートカ。 さらにはシュライエルマッハーなどの神学者および彼らの学説は「ふーと、そういうものなんだなぁ」虚心坦懐に聞きつつ、彼が生涯のテーマと決めた『受肉論』とフロマートカのいっていた言葉のうち 『フィールドはこの世界である』 というものが幾度となく繰り返されており、この言葉が佐藤氏の『その後』運命付けたのではないかという気がしてなりません。 やがて、佐藤氏は外交官の専門職となってチェコスロバキア(当時)に留学しようと思い、外交官の試験を受けるようになります。ここにするされていることはこれから外交官試験を受ける人へのみちするべとなるとともに、彼の行っていた勉強法と、修士論文への取り組みが並行して語られているところも実に興味深かったです。 やがて、同志社大学の神学部でであった仲間たちもそれぞれの道を歩むのですが、佐藤氏と指導教授たちとの別れのシーンが本当に印象的で、彼らは教授である前に一人の牧師として彼らに接していたということがよく分かるお話が多く、学生時代にこういう恩師に出会えたということは本当に『幸いなるかな』であるとつくづく思いました。 僕はここまで『濃ゆい』学生生活を送ったことは正直、ありませんが、ここに書かれている彼らの『群像劇』には少なからず『共感』に近い感情を覚えるのです。 ※追記 本書は2015年10月15日、光文社より『同志社大学神学部 私はいかに学び、考え、議論したか (光文社新書)』として新書化されました。
[源の村]外務省を退官後、様々な著作を発表している著者が、50歳を境に「若者に読んでほしい本を書こう」と考え著した自叙伝的作品。無神論を学習するために同志社大学の神学部へ進み、数々の出会いを経てキリスト教の洗礼も受けることに。自身の宗教的・知的な変遷の流れをたどった一冊です。著者は、『国家の罠 外務...続きを読む省のラスプーチンと呼ばれて』で毎日出版文化賞特別賞を受賞された佐藤優。 佐藤氏の「筆力」とでもいうのでしょうか、とにかく読む者を知的興奮の直中にぐいぐいと引き込んでいく様はお見事。大学時代の濃密な時間がびしびしと伝わってきますし、噛み砕きつつ説明してくれる神学に関する記述も興味深いことこの上なしです。 〜信仰というのは、現実の生活と分離できないという思いがわたしの心の中で強くなった。そうなるとともにわたしは神学部だけでなく、キリスト教の世界から外に出て行きたくなったのである。〜 本の内容とは少し離れますが、京都を久しぶりに訪れたくなりました☆5つ
佐藤優の青春記、同じ、京都を舞台にした、青春物 鴨川ホルモー と重なるような、異なるような、と思いつつ、読んでおります。
元外交官・佐藤優氏が、その大学時代を回想した自叙伝です。 勉強に学生運動に全力で真っ正面から向き合う佐藤さんの、同じ学生たちや先生たちとの交流が描かれます。それにしても、読んでいてうらやましく感じる大学生活です(この辺は同著者の『私のマルクス』の方がより詳しく書かれていますが)。 前半は同志社大学神...続きを読む学部での勉強と仲間たちとの交流、後半は外交官試験の勉強とその動機・心の揺れを丁寧に記しています。 前半部分について言うと、佐藤さんの学生時代よりちょっと昔の学生運動についても触れられているのですが、これは読みにくかったです。 記録が引用されているのですが、何を言っているのかよく分からなかったです。何回か再読していてもこの部分は退屈でした。 これらを含めて本書は他の本からの引用が多いのですが、行をあけずに引用しているので、ちょっと読みにくいです。
著者の自伝的作品で、同志社大学神学部時代の著者の思想と行動を記した本です。 学生運動の残り火がくすぶっていた同志社大学神学部に学ぶ若き日の著者は、キリスト教とマルクス主義のはざまで真摯な思索をかさねつつ、おなじくキリスト教を学ぶ仲間たちや、信仰を精神の核としながら大学という制度のなかに身を置く教員...続きを読むたちとかかわります。やがて著者は、チェコの神学者フロマートカの研究を志し、みずからも共産圏の内からフロマートカの思想と行動を把握したいと考えるようになり、そのために大学にのこって研究者としての道をあゆむのではなく、外交官の道に進むことをえらびます。 本書の「まえがきにかえて」で著者は、「今の日本の教育に不安を感じている人に、この本を是非読んでほしい。それは、同志社大学神学部が時流に逆行している教育機関だからだ」と述べています。神学という学問は、現実の世界で活用することのむずかしいと思われますが、著者はその神学を学ぶことによって、現実に対してかかわっていくさいの根本的な態度を涵養していったことが、本書のなかでえがかれています。さらに著者だけではなく、韓国の「民衆の神学」にコミットすることを志す著者の友人や、大学の置かれている困難な状況のなかでキリスト教の精神をどのようにして生かすことができるのかという問いに向きあう教員たちも、それぞれが著者とは異なる立場からではあるものの、やはり神学によって根本的な精神の強靭さを獲得していることがえがかれています。
最も驚くのが著者の記憶力で、学生の頃に交わした会話がディテールに渡って、こと詳らかに書かれている事に驚嘆する。またこの人が社会主義とキリスト教の強烈な刷り込みを経て、現在の言論活動を行っていることは記憶しておいていい。根は真面目な人だと思うが。
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同志社大学神学部~私はいかに学び、考え、議論したか~
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