Posted by ブクログ
2018年03月10日
章だては以下の通り。
中間管理職のための仕事術
ビジネスパーソンのための宗教入門
論理力を鍛える
教養としての地政学
貧困と資本主義
ビジネスパーソンのための日本近代史
武器としての数学
中間管理職のための仕事術で、出されているのは、旧日本陸軍の『作戦要務令』。日本の組織文化を踏まえていて...続きを読む、どう部隊を動かすかについて書かれているらしい。これは、日露戦争で大量に死者を出した事を受けて、体制を作り上げたらしい。
「リーダーシップの基礎は、指揮官の決断力にある」何か決めたあとは、動揺してはいけない。しかし、変化にも対応しないといけない。日本独特なのは、独断専行が許される文化だが、外部にも見方を持つ必要があると。
次の章では、宗教入門、日本人の習慣やキリスト教などとの対比、読み応えあります。
プロテスタンティズムが現代の欧米社会のベース。なので、その理論を体得する必要がある。カルバン派は、「人は生まれる前から、救われる人は選ばれていて、天国のノートに名前が載っていると考える。同時に、生まれる前から、滅びに至る人も天国のノートに記されている。しかし、そのことを我々は知ることができない。」「自分は選ばれている人間だという確信を持っているから、どんな試練も乗り切ることができる」。このような刷り込みは、イスラム国、アルカイダにも通じる。世の中には「思考の鋳型」がある。
「宗教は例外なく人間が作った」なぜか?「廣松渉氏の説明によれば、人間と人間の関係の中から超越的なものが出てくる」
日本はどうか?鎌倉初期に天台座主だった慈円の『愚管抄』には、中国の秩序、ルールをきちんと習得することが日本の生き残りの道と考えていた。武士の誕生については、天皇親政という建前があるのにもかかわらず武家が力を持ったのか、壇ノ浦の合戦で天皇の正統たる証である三種の神器は海に沈む。勾玉は上がってきたけど、剣は沈んだまま、だから剣の機能は武士集団が持つべきと理論化された。
対して、南北朝時代に北畠親房『神皇正統記』。日本の特徴は神道にあるけれども、理論かできない。なので、他国の思想との比較を重視。中国は易姓革命、天の意思が変わったら地上の秩序もかわって王朝が交代する。大日本は神の国だから王朝は変わらない。だから天皇にも皇后にも姓がない。しかし、武烈天皇と継体天皇の関係は、系統としては繋がっていないはず。日本においては、中国の発想である百王説を否定して独自の変容を遂げると。
キリスト教のつみは祓うことができない。日本だとよくお祓いに行くと言うけど。
日本は新年を新しくなるという感覚を持つが、ロシア、ヨーロッパ、アメリカはそういう感覚を持たない。
「神様は、黙って心を察してくれるということはない。必ず口に出して説明しないと言うことを聞いてくれないと言うのが、ユダヤ教とキリスト教の神様です。」
この本は、読み応えあって読み返したい。