佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
8テーマ
怒らない
びびらない
飾らない
侮らない
断らない
お金に振り回されない
あきらめない
先送りしない
怒りをどう抑えるかは、社会生活を営む人間にとって大きなテーマ。
突然の怒りにはその場から避難することが正しい対処法。
立場の弱い人間を怒らない。
怒りが湧いてきたら、その出所を紙に書き出しはっきりさせる。
人間はよく分からないものに対してびびってしまう。つまり、びびった時こそその対象をよく見る。
侮らないことは難しい。過去の歴史からまず学ぶこと。著書のおすすめは内省ノート。人から忠告や批判を受けた時、時間を置いてから、ノートに相手の言葉を書き出してみる。更に分析をする。
断ら -
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佐藤優氏の新潮講演を文字の起こしたもの。内容は、マルクス資本論について、労働力商品化をキーワードにして読み解き、解説するもの。
全6回の講義なので、資本論全体を読むわけではなく、全体の中で重要なところをピックして分かりやすく解説する形式であり、講義を受ければ、ある程度それ以外のところも自分で読み解けるようになることをゴールにしている感じ。
資本論や参考書籍を手元において読むのが正しいが、そうしなくても十分理解できる程度に論点が絞られ、解説も丁寧にされている。
資本論がすぐに何かに役に立つわけではないが、骨太のロジックを持つ古典を読み解くことで、知的好奇心を刺激されるとともに、全く異なる現代の課 -
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単なる世界の通史ではなく、佐藤優氏の独特の世界観を通じて、全く違う角度から世界史をとらえることのできる本。この本を読めば、スコットランド問題や、イスラム国の問題等、今、話題となっているコトの背景を理解することができる。キリスト教とイスラム教をざっくりと知ることのできる本ともなっており、非常に内容が濃い。
注目点
・世界史の通史を解説する本ではありません 。世界史を通して 、アナロジ ー的なものの見方を訓練する本
・アメリカで第二次世界大戦後 、本格的な恐慌が起きていないのはなぜか 。それはアメリカの公共事業に戦争が組み入れられているからです 。
・植民地の支配では 、少数派を優遇するのは常套 -
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・チェチェン人。「血の報復の掟」により強固な民族な絆。男子が生まれると七代前までの男系男子の名前と、生まれた日と場所、死んだ日と場所と死因を教える。殺害された場合は報復、仇が死んでいる場合は男系子孫に報復
・オバマ大統領の「シリアの挫折」は、今後の東アジア情勢に「重大なツケ」となって回ってくる。特に尖閣問題へ深刻な影響
・外交官は海外との正式な折衝の場では通訳を使う
・安全保障の主戦場は2つのスペースに移りつつある。「サイバースペース」と「アウタースペース」、即ち、ネット空間と宇宙空間
・未曾有の危機に直面して必要なのは、専門家の言うことをよく聞いて余計な喧嘩はしない、これはという人に任せるこ -
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元外務官僚 佐藤優による、現在の社会「新・帝国主義」について書かれた本。国際関係論、哲学、歴史、情報管理に詳しい著者だけあって、説得力ある内容となっている。著者のものの見方は鋭い。
「旧来の帝国主義も、(現在の)新・帝国主義も「食うか、食われるか」の弱肉強食を原理とする」p7
「新・帝国主義という国際環境の中で、困難な国内状況に直面しているにもかかわらず、日本人も日本国家も生き残らなければならない」p8
「神学の世界には「総合知に対立する博識」という格言がある。断片的な知識をいくらたくさん持っていても、それは叡智にはならないということだ。断片的な知識をいかにつなげて「物語」にするかが、有識者 -
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"佐藤優さんがわれわれのレベルに合わせて現在の社会を語ってくれているもの。
相互に理解をするには、互いの知識レベルが近くないと中々理解し合えない。優しく書いているとはいえ、手ごわい本である。
佐藤さんと同じレベルに近づける気分になれる本といったほうがよいかも。
他国、他民族を理解するには、歴史、宗教、文化など多面的にとらえたうえで、相手がどんなふうに考えて行動するかを捕まえる必要がある。
今回とても勉強になったのが、イランという国がどんな思想を持っているかを学べた点。
世界を理解するには、宗教、哲学、歴史を肌感覚として理解していないといけないこと。" -
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"立花隆さんと佐藤優さんの「必読の教養書」、ブックガイドです。文藝春秋でも掲載されていたものを新書化したもの。この二人のインプット量が半端ではない。世の中をいろいろな視点から見つめて自ら考え続けるためには、こんな本を読んできたという体験談ともいえる。付録として立花隆さんの実践で役立つ14条というものがあるので、抜粋しておく。
1.金を惜しまず本を買え。本が高くなったといわれるが、基本的には本は安い。一冊の本に含まれている情報を他の手段で入手しようと思ったら、その何十倍、何百倍のコストがかかる。
2.一つのテーマについて、一冊の本で満足せず、必ず類書を何冊か求めよ。類書を読んでみてはじ -
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佐藤優が、講義の内容をまとめたもの。内容が濃く、よく学生の中にこのような高度な勉強法を一生懸命実践している者がいるものだ、と感心してしまう。勉強になった。
「イスラム教原理主義過激派は、アッラーは一つなので、それに対応して地上においてもたった一つのイスラム法によって統治がなされ、全世界を単一のイスラム帝国が支配すべきだと考える。そして、この目的を達成するためには暴力やテロに訴えることも躊躇しない、というのがイスラム国(IS)やアルカイダなど、過激派の特徴だ」p18
「ISにとって最大の標的は米国だが、欧州の方が難民などの形で入り込むのはずっと容易だ」p21
「サイクス・ピコ秘密協定(1916 -
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ネタバレレビュー載せたつもりで載せてなかったー。
のっけから面白い。西洋で交渉とかロジックが発達したのは、神と交渉する必要があったからだ、とか。異文化圏の人との交渉のためには、(当たり前と言えば当たり前かもだが)相手の文化やそもそもの考え方を知る必要があるので、相手国の宗教経典、神話、国語の教科書を研究するといい、とか。諜報関連のプロはそういうことを考える研修もしたりするんだ、と。
交渉というのは、交渉を行うことによって、こちら側の利益の極大化を図ることが目的なので、こちら側の利益が損なわれることが明白な場合は、そもそも交渉を行ってはならない。
ハニートラップは、工作してくるから怖いんじゃない(まぁ -
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真実がどこにあるのかはわからない。
わからないが、512日間の強烈な精神力がここに描いてあった。
真似などできるものではない。
[more]
(目次)
第1章 塀の中に落ちて―二〇〇二年五月二〇日(七日目)から七月二八日(七六日目)まで
第2章 公判開始―七月二九日(七七日目)から九月二七日(一三七日目)まで
第3章 獄舎から見た国家―九月二八日(一三八日目)から一二月三一日(二三二日目)まで
第4章 塀の中の日常―二〇〇三年一月一日(二三三日目)から六月一五日(三九八日目)まで
第5章 神と人間をめぐる思索―六月一八日(四〇一日目)から八月二八日(四七二日目)まで
第6章 出獄まで―八月二 -
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佐藤優の誕生から15歳の高校進学までの15年間を自ら語った自伝青春小説。著者の膨大な知識はこれまでの著作からも存分に読み取れたが、中学生の頃から知への欲求が飛び抜けて高くあまりに早熟な姿が読み解ける。
人には人生を通じて自分の行く先を決定づける先生というべき存在に出会うのだろう。正直私の人生を振り返って著者が出会った濃密な経験を語れるような先生というべき存在とはあまり出会えなかった気がする。それは私自身の知識への欲求の低さ故、たとえ先生と出会えたとしても著者のような貪欲な知への欲求を剝きだすことが出来なかったからかもしれない。
14〜15歳の頃の著者の向いていた先、その当時その年なりに漠然とし -
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新書版新約聖書の後半である本書には、
使徒言行録、書簡集、そしてヨハネの黙示録が収められている。
聖書というものは、断片的に触れることはままあるが(コリントの信徒への手紙などは、結婚式で聞いたことがある向きも多いだろう。)、通読する機会はなかなかない。
今回、一連の福音書とあわせて通読しいくつかの点と点が繋がった。
たとえば、使徒・信徒たちを迫害する側であったサウロ(パウロ)の回心というのはキリスト教が伝搬していく上で非常に重要な出来事だったことが伺える点や
そのパウロの思想が手紙から汲み取れ、またそれがときとともに変わる点、そして異なる使徒・信徒により異口同音に語られることでキリスト教の本