佐藤優のレビュー一覧

  • 国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―

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    時折、本の内容などわからないまま、手に取ることがあります。そして、読んだ後に自分の予想を裏切る本に出会うことがあります。本書はまさにそんな一冊です。
    著者が記す外務官僚のリアルや背負っている仕事内容、検察との闘いなど我々の仕事とも異なる独特な世界が広がっていました。
    面白い一冊でした!オススメ!

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    2022年05月14日
  • なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント

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    確かに会って話すと話が早い。誤解が解けやすい、互いの真意が伝わりやすい、正確な情報を共有しやすい、だから話が早い、効率的だと思っていた。
    実は会うことは暴力だったんだ、という面は思い起こせば確かにある。上記の件も暴力的に誤解を解かし、暴力的に真意を伝えた、という面は無かったか?と言われれば、正直自信はない。少なくとも当方が折れた例では、あった、と言わざるを得ない。
    人に合わないコロナ禍で得た新たな気づきと言える。

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    2022年05月06日
  • ドストエフスキーの預言

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    『カラマーゾフの兄弟』のお葬式のシーンでの「カラマーゾフ万歳!」にはずっと困惑させられていた。貧しい少年が亡くなって、そのお葬式でどうして「カラマーゾフ万歳!」なのよ?

    この本で示された、あのスローガンはロシア正教の「人間が神になる」という思想で説明できる、それでしか説明できないという指摘を念頭に置いて、またカラマーゾフの兄弟を始めとしたドストエフスキーを読み返したい。

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    2022年05月03日
  • 野中広務 差別と権力

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    被差別部落に関する人達への直当たり取材ができていることが素晴らしい。さぞ骨が折れた事と思う。野中氏本人はほとんど語っていないのは致し方ないのか。
    解放運動、とざっくり認知していたが、その中にも解放運動と融和、共産党がらみなど、スタンスの違いがあることが知れた。
    その中を巧みに泳ぐ政治家としての野中氏の、ゆらぐように見える政治理念の精神的背景が想像できて、とても興味深かった。
    自分の信念を体現する手段として政治活動があり、政治理念が一貫することがないのは当然とも言える。それを本人も自覚している所が、彼の懐の深さだと思う。
    これらのゆらぎを踏まえても、地力の強さは今の政治家の何人分以上であることは

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    2022年05月03日
  • 国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―

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    佐藤優さんの本はとても面白く、いくつか読んでことがあったのに、佐藤優さんとは何者なのか全く知らなかった。元外務省職員だったということすら知らなかったことに気づいて、この本を読むことにした。

    内容は想像もしていなかった世界について書かれていて、国策捜査という概念があることも知ったし、絶対に争うことのできない国家権力の強大さに関係ないはずの自分でも背筋が凍る思いをした。
    とはいえ、怖いマイナス面だけでなく、国益のために頑張っている役人たちがいることに嬉しくなったし、何よりも佐藤優さんの信念の強さや人と人との関係を大切にする人柄を知って、より好きになった。

    もっと他の本も読みたいと思った。

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    2022年04月27日
  • 人をつくる読書術

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    なんとなく読書を趣味にしてるけど、
    読書をこんなに役立ててるとは、驚いた。

    つくづく自分はペラペラ人間だな。と。
    薄っぺらい。

    自分は、読書で、
    今とは違う別世界へ逃げたいだけ
    のような気がしてる。

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    2022年04月23日
  • 読解力の強化書

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    「読解力」とは単にテキストを読み解く力ではなく、「相手を正しく理解し、適切に対応する力」のこと。一緒に仕事をしていて気持ち良いひとは、距離感や間合いが適切で、優れた「読解力」がある。だから、学生さんたちには、専門知識よりもまず教養の土台を作って人生の幅を広げるのが良い。それは読解力を高めてくれる。

    具体的には、古典を読む。筆者のオススメは夏目漱石。他にも、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』、ジャン・ジュネ『泥棒日記』などたくさんのおすすめ本を挙げている。(私は夏目漱石のこころを久しぶりに読もうと思った)

    そして、読解力を高める読み方を具体的に指南している。批判的に読むこと、論

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    2022年04月21日
  • ロシアを知る。(東京堂出版)

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    この二人がタッグを組めば鬼に金棒。ロシアのことが表から裏からよく分かる。自分の判断基準で相手を非難することはたぶん簡単なことで、相手のことをよく知り、どういう考えでそういう行動を取るのかを理解するように努めることが、問題の解決の第一歩になるのではないかと思う。

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    2022年04月07日
  • 甦るロシア帝国

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    ソ連崩壊前後のロシア知識人層との対話談。前半はモスクワ大哲学部の学生との知的交流で、広範は民族学研究所でソ連と民族論について語る。最後のプーチン論は必読。当時はインフレで学生の生活が苦しく、著者は翻訳等の助手を頼んでいたそう。エリート層が外資の小間使いをしている様子が描かれていた。
    ソ連崩壊については「最後の転落」と重なる部分が多い。遠隔地ナショナリズムは初出だったが、ソ連の周辺から崩壊していくというのは共通認識に思えた。トッドは衛星国だったが、本作は連邦内の共和国の民族問題だ。マルクスにはない(?)民族理論をスターリンが密かに導入し(回教)、普遍的な共産主義と調和するためインテルナツィオナリ

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    2022年03月23日
  • 真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960

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    2000年生まれで共産党と社会党の違いもわからず、冷戦の雰囲気も肌で感じ取ったことのない世代ですが、その当時の左翼の人々が何を感じて、実際にどんな行動を取ったのかを少し感じることができました。続編も楽しみです。

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    2022年03月16日
  • 戦時下の外交官 ナチス・ドイツの崩壊を目撃した吉野文六

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    元外務省、佐藤勝の最も尊敬する外交官吉野文六。青年外交官の目に写ったナチス・ドイツの崩壊。貴重なオーラル・ストーリー。

    歴史的な事件であったり平凡に思える日常。そんな中にも人々は暮らしていた忘れ去られた事実がある。オーラル・ヒストリーはそんな当時の空気を復元する作業。

    本書は佐藤勝が最も尊敬する外交官だという吉野文六氏。外交の道を選んで派遣されたのが戦中のドイツはベルリン。語学研修のためであったが否応なくナチス・ドイツの崩壊に巻き込まれることとなる。

    聞きに直面した際には人間の本性が表れる。戦犯となる三国同盟推進の立役者の一人、大島大使やリッベントロップ外相の行動は何とも。

    吉野文六は

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    2022年03月14日
  • なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント

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    私にとって多くを学べる本でした。
    対談形式ということもあってか、色んな話を知ることが出来て、勉強になりました。
    「(外交などは)交渉の途中で物理的に遮断できてしまうリモートでは成立しない」(P81)と書いてあり、今の世界情勢を見ても考えることが多くありました。
    また、リモートと対面の違いについて斉藤先生は「オーラ」を挙げてらっしゃいましたが、私は「空気(読む方ではなく、存在する方)」の有無もあるのではないかと思いました。例えば怒りながら「この書類は全然ダメじゃないか」と言われ、書類を机にバーンと打ち付けるように置かれたとき、そこから流れ出る、発生する空気の流れはその場にいないと感じない、という

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    2022年03月13日
  • なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント

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    帯だけ見ると「人に会わなくちゃいけないのか」と、人に会うことに疲れた人にはしんどく感じるかもしれないけれど、実際の内容は、人に会うと余計に暴力的なものを感じてしまう人もいて、そういった多様性を認めたほうが良いという内容だったので、人と会うのがしんどい人にこそ読んでほしいと思った。章末のまとめは若干雑だと感じたのと、ワクチンに関する意見に関しては賛同しかねたけれど、様々な経験を積んだお二人の対談がとても面白くて、あっという間に読んでしまった。

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    2022年03月13日
  • 自壊する帝国

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    ー 「もしこのクーデターが成功していたら、ソ連はKGBと軍の影響力が肥大しただろう。ソ連は再びとても息苦しい社会になった。しかし、経済的には市場経済、資本主義の方向へ向かっていったと私は見ている。一種の開発独裁国家にロシアはなったと思う」

    「社会主義を維持することは不可能だったと考えているのですか」

    「不可能だった。これは西側の陰謀が成功したからではない。ゴルバチョフ時代のグラースノスチ(公開制)でロシア人の欲望の体系が変容してしまったんだ。たとえば「31アイスクリーム」だ。ロシアのアイスクリームは『エスキモー』、『スタカンチク』で誰もが満足していた。しかし、ひとたび西側から三十一種類のア

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    2022年03月12日
  • なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント

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    「題名」が良い。キャッチ―に引き付ける。コロナ禍は、それが起こる前からあった問題を可視化した。良い意味でも悪い意味でも。この二人の対談というのは異色ではあるが、それぞれの個性が、対話によって、良い意味で咀嚼され、外側に開いている。著者の一人である斎藤氏の著作は以前から多少は読んでいるが、オープンダイアログ前と後でかなり異なる。多様な人たちに満遍なく目が届き、それを外の世界と結び付ける。「ひきこもり」についてはもとより、脳科学と優生思想の親和性は興味深い論考であったし、ミーハー的に面白かったのは「鬼滅の刃」の解釈であった。最後に著者たちも述べているが、今の状況を忘れずにハイブリッドにしていくこと

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    2022年03月12日
  • 十五の夏  上

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    「外務省のラスプーチン」こと佐藤優が,なんと十五歳の時にたった1人で東欧とソ連を旅した紀行文.
    感想は下巻にて.

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    2022年03月11日
  • 嫉妬と自己愛 「負の感情」を制した者だけが生き残れる

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    嫉妬と自己愛

    健全な自己愛と嫉妬心を持つことは、生きることの原動力になる。そしてそれらをバランスよく保つには意識の持ち方とか思考力とか色々な力が必要になると感じた。

    p115
    他人を罵倒ばかりしている人間はだいたい自己愛が脆いか歪んでいる。

    p225
    「健全なる自己愛」とは「自分が自分を大切にするように他人も自分を大切に思っているそれを許容できることだ。」

    →自分の心を健全にし自己愛を確立することで相手も自分のことように大切にできる

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    2022年03月10日
  • 佐藤優の挑戦状 地頭を鍛える60題

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    公務員に求められるもの、即ちお上が求めている能力がよく分かった。
    自分の腐れた脳では解けない問題が多かったが数的推理、文章理解、資料解釈など社会人として必要な基礎的能力の底上げに役立つと思われる。

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    2022年03月09日
  • ロシアを知る。(東京堂出版)

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    ロシアとウクライナを見ていて、両方の立場を知りたいなと思っていたところ家の本棚で発見。

    ロシアにとって干渉国がないということはやはりすごく恐怖なんだなと改めて感じた。出版から3年経っているけれど、すごく参考になる本だと思う。

    3年前には西側諸国とロシアの関係は悪くなっていく事件はいろいろあって今に至ってるんだろうな。

    ロシアという国が今やっていることは抜きにして考えて、ロシア人面白いなと思った。日本人と全然考え方違うんだね。ロシアいつか行ける日が来るといいな。

    個人的に面白いと思ったのが、逃げ恥とタラレバは中産階級の下の方から転落したくない気持ちがあるから流行ったという佐藤さんの発言。

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    2022年03月07日
  • 激動 日本左翼史 学生運動と過激派 1960-1972

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    左翼はなぜ過激になるのか。(右翼にもあてはまりますが)豊富な事例を分析しながら解き明かす。現代への示唆もしっかりあります。おすすめです。

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    2022年03月06日