佐藤優のレビュー一覧
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知の巨人2人のロシア分析対談集。ウクライナ戦争の薄っぺらで、上っ面だけ舐めてるメディア報道に冷や水を浴びせる評論に、改めて蒙を啓かれた。佐藤氏のロシア関係評論はほぼ読んでるので新味がない箇所もあるが、2章の7本の論文・演説からプーチンの思考回路を読み解く150頁強は必読箇所だ。プーチンばかりでなくロシアとしての歴史的経緯からの思考回路とウクライナとの関係性が、驚くほどよくわかる。戦争が一日でも早く終結するためには、当事国の偏見のない分析が絶対的に必要で、その分析に基づく落としどころをいち早く提案できる被爆国・日本であってほしいものだ。そのためには、佐藤氏のような超一流のロシア通が育つことが急務。
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Posted by ブクログ
題名の「トッド」とは、フランスのエマニュエル・トッドのことである。独自な研究で世界を語るという感のエマニュエル・トッドである。近年『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』という人類の歴史を鳥瞰しながら、幾分掘り下げて行くという、長きに亘る研究の集大成的な本を上梓している。日本語版も登場して然程の時日が経っていない。この本の内容を念頭に、片山杜秀、佐藤優の両氏が「トッドの論点」で最近の話題等も掘り下げて論じるという感の一冊である。
本書は、トッド自身のインタビュー、トッド、片山杜秀、佐藤優の3氏による鼎談、片山杜秀、佐藤優の両氏による対談というような体裁の各部、5つの纏まりから成っている。各々に興味深い。が、個人的には「ウクライナ戦争と西洋の没落」、「第三次世界大戦が始まった」という部分に殊に引き込まれた。
「ウクライナ戦争と西洋の没落」、「第三次世界大戦が始まった」という部分に在る論点は、これまでにエマニュエル・トッド関係の本で論じられているモノに触れている内容と被る。それに佐藤優関係の本で論じられているモノも加わり、鼎談として内容が交差しながら掘り下げられている。
色々な経過を辿った人類の経過の中、現在に至って「第三次世界大戦」とでも呼ばれるようになって行くかもしれない事態に「踏み込んでしまっている?」ということに「気付かなければならない?」ということが本書では示唆されていると思う。
ウクライナの戦争に関して、本書の中では「思いも掛けぬ長期化」という見立てが色濃いかもしれない。他方に、1年程度の期間で何らかの収束が図られるかもしれないという見立ても在るのかもしれない。「あんた個人が如何思おうと、何ら関係無い…」とでも言われてしまうかもしれないが、それでも個人的には「人々の生命が擦り減らされるようなことを少しでも早く停めて頂きたい…」というように思いながら、この事案に纏わる情報に触れている。
そしてトッドの研究の出発点でもあるような「家族」という問題を論じた部分も興味深い。表層的に然程の影響が無い様で在りながら、しぶとく影響力を行使し続けるような文化を「ゾンビ〇〇」と本書の中では呼んでいる。「ゾンビ儒教」とでも呼ぶべき、深く浸透した儒教の影響を免れ悪い地域の国々では、「子どもの面倒を」、「親の面倒を」と何でも背負い込むような感が在り、現に要る老いた親の面倒を見る関係で、未来を担う子どもに関する事柄を推し進め悪い側面が否定出来なくなるという論が展開されていた。日本もここで言う「ゾンビ儒教」という域内に入ってしまう。少し考えさせられた。
初出が雑誌という部分が殆どなのだが、本書は何か「読み応えが在る記事を集めて一気に通読」という感じでもあると思う。本書のような、大著の内容を念頭に、その「触りの議論」へ一般読者を誘うような本は、なかなかに好いと思う。 -
購入済み
ガイドとして、読み物として
独裁者から巷を騒がせる有名人まで幅広い人物の作品が並ぶ
書籍としては名は知ってるが内容はわからない本のダイジェストとしても良かったし、読書術としての著者の視点は大変参考になるものだった -
Posted by ブクログ
共産党=戦争反対運動のイメージを持っていたが、そもそもそれは社会党の考えで、社会党なき後にその支持者を集めるべく共産党が言い出した戦略だったそう。
そもそも、共産党の発端はロシア共産主義を世界に広めるべくして結成され、世の中を良くするためには暴力を暴力を辞さないという考えから始まっている。
平和的なイメージを今まで持っていたが、内部では権力で下を押さえつける体制があり、結局綺麗事を言っているだけで行動は一致していないような組織なのだろう。
最近、党首公選を訴えた松竹氏を除名した出来事も、対外的には平和を訴えながら党内部では権力を使った暴力をおこなっているのだと個人的に感じてしまった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレとても現代を生きていく上で、有意義ないろいろな「ヒント」の内容があったように思えました。
対面には暴力性があり、オンラインはそれを軽減/消去する。
「対面で会うことが必然的にはらんでしまう暴力性」
オンラインでの対面を可能にするインフラが整備され、「対面せずに会う」という仕事、勉強、診察等の経験が一気に広がった。同時に「なぜ人は対面を必要とするのか」という、かってない問をもたらしてくれた。
第1章「鬼滅の刃」ブームにみる現代日本人の闇
「四重の格差」1.国家間格差2.国内での地域間格差3.経済などの階級格差4.ジェンダー格差
自殺者が目に見えて低い町、徳島県の旧海部町(現海陽町の一部)は自殺の「希少地域」
生きるヒント①
●家族・友人との関係を大切にする
●家庭内にも心のソーシャル・ディスタンスを
●他人のトラウマに寄り添い過ぎない。自分が壊れてしまう。
●追い込まれないために、悩みや苦痛は口外すべし。ぜひ役所などにも頼ろう。
●精神科と心療内科の違いを理解し、適切な治療を受けよう。医師は選ぶべし。
●ペットや趣味など「内向きの不要不急」を大切に。
第2章人はなぜ、人と合うのか
人に会えなくて「楽になった人」と「萎れてしまった人」
「嫌な人」「相性が合わない人」と付き合う必要はない。「必要な人とだけ会う」
「対面」によって活性化され、エンパワーもされていた。「表面的にはそれほど社交性は高くないものの、ある程度の対面は必要」
会うことは「暴力」
人と会うことの暴力性
外交の世界も「暴力をどう効率的に行使するか」
理想は対面とリモートのハイブリッド
生きるヒント②
●①人に積極的に会いたい人、②一人でいたい人、③その中間くらい。自分はどれか、あの人はどれか考えてみる。
●人に会うのに苦痛を感じるのは、そこに「暴力性」があるからだと理解する。しかしその暴力には意味がある。
●人は、人に会うことで欲望を維持できる。多くの人は、一人ぼっちで欲望は維持できない。欲望の減退は元気を失わせる原因にもなることを知っておく。
●人と会うことで不確実性が高まる。「偶然の事故」から新しい発見があったり、新たな展開が生み出されたりする。だから対面にはリモートにはない意義がある。
第3章危険な優生思想に蝕まれないために
「努力は遺伝に勝てない」「『悪い生』に生まれたら、そこから抜け出せない」という優生主義の発想は、人々が様々なことを諦める理由にもなっている。
弱者男性の怨嗟の向かう先は、支配層ではなく、自分のちょっと上の中流ぐらいの層。自分たちよりも弱者に対しては、もっと容赦なかったりする。結果的に、弱者切り捨てに賛成してしまう。
生きるヒント③
●人間には心があることを再認識する。
●「AI時代」を生き抜く鍵は「読解力」
●物事の真贋を見分けるためには、常に「その話にはエビデンスがあるのか」という発想を持つことが重要
●人間の生の多様性は、これからの時代を生き抜く自分のため。
●合理主義のいき過ぎで、優生思想が万円。自分の首まで占めかねない危険な優生思想に加担するな。
●優生思想の危険性をよく知っておく
第4章「同調圧力」と日本人
生きるヒント④
●スペイン風邪は同時代に記憶されなかった。パンデミックは適切に記憶する努力が必要。
●生活保護は利用抑制から方針転換。追い詰められる前の選択肢として考えよう。
●テレビなどのメディア報道の裏にあるものを考え、流されない訓練を。
●苦しい体験は、「物語」を作ることで逃げなくてはならない場合もある。
●コロナ禍をめぐるマスコミの「炎上商法」を冷やかに見ること。
第5章息苦しい「組織」「学校」から開放されるために…………
「逃げられないことの息苦しさ」
ひふみ投信などの藤野英人氏や原田曜平氏の意見
日本の希望は「地方」、そしてヤンキー。地方は東京と別の生態系になる。
心の中に「逃げる自由」を確保しよう
男性が自殺しやすいのは、誰にも相談できない、苦痛を訴えることもできない、と自ら逃げ場を閉じてしまうから。
もっと「逃げる自由」を肯定的に捉えていくべき。
生きるヒント⑤
●自分の居場所をつくっておくと、心はだいぶ楽になる。
●子供も大人もリアルは出席とリモート出席のハイブリッドが理想。
●ひきこもりの人たちみたいに、外に出られなくて苦しんでいる人がいることを理解し、寛容になる。
●人生の目標は人それぞれ。「すっぱい葡萄」と思うならそれでいい。みんなが同じ「葡萄」を目指す必要はない。
●知らず知らず「成果主義」で身動きが取れなくなってはいないか。自らをチェックしよう。
●実は地方には可能性がある。パンデミックを記に本気で移住を検討するというのは、十分にあり。
●「逃げるときには逃げる」というのは、生き延びるための立派な知恵。ココロの中に、その自由を確保しておこう。
●ポストコロナには、人と会い、会話して、意図的にメンタルの修復に努めよう。 -
Posted by ブクログ
大人にならないとこういう講義の重要性は分からないし、広く物事をみないと偏った見方をするよと中高の自分に言いたい。
著名人の対談を引き合いに出して賛同した話をするかと思ったら批判もしつつ若者に今の若い世代の危険性を説いたり、受験勉強は将来絶対役に立つと何度も言って喝を入れたり、分かるまで勉強の意味は何時間も勉強する事で何が不得手か、理解がきちんとされているのか細かく分かるので対処できるとのこと。
佐藤氏は教育を充分に受けて来れなかった子にも教えておられ、意欲的に活動されている。何ができるのか、未来のビジョンがしっかりしている。諦めない精神で立ち直ったと言われてるので佐藤氏の頭脳や精神、考え方を吸収したいので意味が理解できない本も読んで自分も佐藤氏にあやかって何ができるのか答えをみつけていけたらいい。