佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昔から民主主義とはなんぞやと常々思っていたので、一つの考え方が知れて面白かった。
私は民主主義の罠だと思っていて、例えば民主的と言わざるを得ない手続きを踏んで、独裁的(ポピュリスト的)な政権が生まれる状態を、手続に瑕疵がないばかりに民主的として認めざるを得ない状態を勝手にそう呼んでいた。なるほど権力のサイクルというものもあるし、その国ごとの民主主義というものがあって、アングロサクソン型だけを果たして民主主義と言えるのかという見方もあるとの視点を得て、なるほどなあと思った。非常に短絡的な喩えで言えば、アメリカやイギリス英語が正しい英語であり、インドやフィリピンの英語は「訛っている」という考え方 -
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「異能の外交官」佐藤優氏がその子ども時代、浦和高校合格までを回想した自叙伝です。
両親から始まり、親戚の社会党地方議員、学習塾の先生、通っていた教会の牧師さんなど、少年時代の佐藤さんを取り巻く環境と「師」について描かれています。
社会党支持でキリスト教徒のお母さんの影響を受けて、子どもの頃から社会主義とキリスト教の間で揺れ動き、哲学書と聖書を同時並行で読み進めるなど、その「早熟さ」が眩しい。
反日本共産党の立ち位置は、幼い頃からの体験によって出来上がったものなのですね。
前半は小学校時代の返還前の沖縄に旅行した話から始まり、肝炎を患いお父さんから手解きを受けたアマチュア無線の話に進み、メインと -
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「欲望や意欲というものは自分の中から自然に発生しているように見えて実は他者が起源で他者から供給し続けてもらわないと維持できない」
引きこもりの人が1割くらいいても今の資本主義ならやっていける。引きこもりに寛容になることは、引きこもっていない人にも生きやすい社会になる。
弱者男性と優生論。生まれつきとか努力しても無駄という思想に繋がり、入り口で諦めることにつながる。脳科学という、科学的に仮説レベルの話が横行。優生論と親和性が高い。
酸っぱい葡萄の新解釈。本当に葡萄は酸っぱいのか。自分には必要じゃないものだったと諦めても良いのでは(葡萄を手に入れた人同士、今度はまた出世競争)。
ソフトヤンキー優勢 -
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没後10年、佐藤優シェフによる米原万里のフルコース。1冊目としてではなく、彼女の本を何冊か読んでから読むべき本。
目玉はやはり、東京外語大の卒論「ネクラーソフの生涯」100ページ。文章や論理展開は生硬だが、その後花開く彼女の萌芽が詰まっているように感じる。ネクラーソフをテーマにしているあたりが、いかにも彼女らしい。そしてなんと、卒論の審査概評も載っている。やや厳しい講評だが、温かさも感じられる(指導教員は飯田規和)。
冒頭で紹介されているエピソードが印象的。佐藤優がチェコの作家クンデラを魅力的だと言ったら、米原万里が色をなして怒ったという。さもありなん、彼女は、計算尽くの人、裏のある人、言行不 -
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ネタバレ涙が出ました。
メモ✍️
・王様の耳はロバの耳
思ったことをそのまま吐き出す
・心が変われば態度が変わる
態度が変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば人格が変わる
人格が変われば運命が変わる
運命が変われば人生が変わる
・安全な場所で自分の気持ちを話す
自分はこう思うけど、人はこう思うんだなと感じること
・マインドフルネスをする
・対人関係について障害となりうる4つの信念
①何かが必要であるということは、私がおかしいか、あるいは悪いということだ
②相手が怒ったり、ノーと言ったら、私は耐えられないだろう。
③ノーと言ったり、何かを求めることは、自分のわがままで -
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なんとなく敬遠して読まずにいた佐藤さんの本。でも今回改めて当時の経験や現在の話を読み、そこにキリスト教という主軸があることにとても信頼を感じられ、内容を素直に受け入れられた。きっとノンキャリアなのに立ち回りが上手いとか政治家と上手くやってるとか、同僚や先輩後輩の妬み嫉妬、酷かっただろうなあ。それが男性特有とは言わないが、多分相当あったんだと思うし、そういう個人の結びつきで取り回すことへの危機感もあったと思う。組織ってそういうものじゃないよという。
これは第二次トランプ政権誕生前に出ているけれど、印象的だったのはイーロンマスクについての言及。素人にはなぜ企業家が政権に?と思っていたが、彼の持つ -
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「私の考える『悪書』とは、現代人にとって咀嚼しにくいような、『強烈な』個性を放つ〝ざらざらした〟本である」
「なぜあえて悪書をすすめるのか。
それは自分の価値観とは異なる本、生理的に受け容れがたいざらざら感のある本、普段であれば決して手に取らないような本を読むことを通じて、世の中と自分を多面的にとらえる絶好の機会となるからである」(「はじめに」より)
「わが闘争」アドルフ・ヒトラー
「書物主義に反対する」毛沢東
「金正恩著作集」金正恩
「国体の本義」文部省教学局
この本に触れなければ、内容すら知ろうとしなかった本ばかりだ。
「戦争論」クラウセヴィッツ
「プロパガンダ戦史」池田徳眞
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Posted by ブクログ
攻撃的な人に対して、言い返す。感情的になる。はNG。
力を背景に攻撃的な態度に出る人と接する時は、まず相手の利害関心や目指している利益は何か見抜くように努める。こちらは絶対感情的にならず、冷徹であることが大事。
組織において、嫉妬から身を守るために言葉遣いには気をつける。
刺激せず、乱暴な言葉遣いをせず、聞き上手になること。おうむ返しがその真髄。
相手の本音を見抜くとは、相手の利害が、どこにあるか突き止めること。
ものごとは事実、認識、評価を分けて考えることが大切。事実が違うならば、その人の話自体が危ないと思ってよい。
最後は人間から直接話を聞かないと真実は分からない。
人の上に立つとい