佐藤優のレビュー一覧

  • 生き延びるための昭和100年史(小学館新書)

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    本書の内容と関係無いことを書きます。
    片山杜秀先生については、「英雄たちの選択」(NHK BSプレミアムの教養番組)で、コメンテータとして出演した時の片山先生を見て好感を持ったのが最初です。その時の片山先生が紳士然として足を組み、穏やかな笑みを湛えて話している様子に、好感を持ちました。
    『歴史は予言する』(新潮新書、2023)の帯の写真でも、片山先生はとても柔和なオジさんです。笑顔の目はほとんど開いていません。
    それが、この度、本書のカバー写真での片山先生は従来とは異次元の表情をしておられる。これもなかなかよいと思います。凛々しく眉を吊り上げて、カッと見開いた双眼は一体どこを睨んでいるのだろうか?と少し気に掛かりますが、大丈夫、とても誠実な人という印象を受けます。佐藤 優 ・片山 杜秀『平成史』(小学館、2018)のカバー写真でも、よく見ると、片山先生は同傾向の表情をしておられる。
    いやはや、どのような表情であれ、片山先生は面白そうな方とお見受けします。もちろん片山先生の友人になることは難しいので、ご著書の易しいものを選んで讀もうと思います。
    よろしくお願いします。

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    2026年07月12日
  • 特捜取調室―『国家の罠』20年目の再対決―

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    被疑者と検察官の20年ぶりの対峙。決して敵対しているわけではなく、むしろ作家佐藤優の世に出るきっかけを作った一人。
    検察、司法の改革が叫ばれて久しいが、西村氏のスジの通った理屈を聞いていると、検察という組織の良心を強く感じる。
    実際に取り調べを受けた人、取り調べをした立場双方の意見なので、説得力がある。
    息をつかせぬ展開の楽しい対談。

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    2026年07月10日
  • 新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方

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    領土問題の国際的な定義は勉強になった。片方だけが主張するだけじゃダメなのか。パレスチナ問題とも関係するけど、かといって、お互いに折れることは絶対と言って良いほどありえないだろうから、どうしても戦争になる。これ以上の犠牲は無駄だからやめようとお互いが思わないと領土問題は終わらないというのも納得。

    一定数以上の血が流れないと考えが変わらないなんて愚かすぎる。

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    2026年07月08日
  • 国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―

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    国益のために進めた仕事が、翌日には犯罪になっている。
    「国家」の恐ろしさが実体験に基づいて描かれている。

    ひいては、組織やマスコミ・人間の怖さも感じた。
    もうすぐ、著者の言う「26年後」がやってくる。真実が明らかにされるのか、そのときに何が起こるのか。

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    2026年06月29日
  • 新・帝国主義の時代 右巻 日本の針路篇

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    カイロスの世界が動いていく時代は、世界は真空、あるいは空、という感覚が必要ではないか。
    もしくは、大転換、反転する感覚でもいい。これは、一神教、啓典教の世界では少し勝手が違う気もするが。ここ東アジアでは、循環、輪廻転載感覚にすんなりと馴染むだろう。
    ニヒリズムに陥りにくいとも思う。表彰のイメージ操作にも柔軟な感覚を保てる気がする。

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    2026年06月24日
  • 特捜取調室―『国家の罠』20年目の再対決―

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    勿論対談本でノンフィクションなのだが、どんな検察小説・政治小説よりも数段面白い傑作対談。博覧強記の知の巨人・佐藤氏が元官僚の矜持で国益をうたい、東京地検刑事部長までつとめた現弁護士の西村氏が元検事の矜持で公益とフェアの大事さをうたい、相反する彼岸ながら、その人格の核となる部分が共鳴することにより、相手への尊重と友情に近い関係性にまで昇華していることが犇々と伝わる。本作を読むにあたり、佐藤氏の「国家の罠」を読んでおくことはマスト。これ以上はないのではと思わせる対談本の極致。。

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    2026年06月09日
  • 佐藤優の特別講義 戦争と有事 ウクライナ戦争、ガザ戦争、台湾危機の深層

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    各国の内在的論理の理解が大切。それが歴史、宗教などから来るので、それらをよく理解して外交政策に反映させ、とにもかくにも戦争に至らない外交政策に知恵を絞ることの大切さが理解できました。

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    2026年06月05日
  • 大世界史 現代を生きぬく最強の教科書

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    イスラム教の考え方。
    ギリシャの成り立ち。
    歴史を、ではなく歴史に学ぶ。
    リベラルアーツの重要性。

    世の中の出来事の背景には何があるのか。背景を知ればまた見えてくるものも変わってくる。視野を広くしないと他者とわかりあうなんて到底叶うはずがない。

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    2026年05月31日
  • 美術は宗教を超えるか

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    数年の積読。
    発売当時は難しくて読めなかったが、今読むととても面白い。
    こんな学識厚く、かつ熱心なキリスト教信者二人が揃い、宗教と美術の歴史について語る企画、と言うのは二度とはないだろう。
    さらにカラヴァッジョをはじめカラーページも多く、充実した内容だ。

    全編にわたって、カトリック・プロテスタント・東方正教の比較が随所に出てくるの
    で、個人的には、
    少なくともマックス・ヴェーバー著『プロ倫(プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神)』は読み終えて、
    カトリックとプロテスタントの違いが頭に入った状態で読んだ方が、理解が早いと思う。

    後半になるにつれて、佐藤優氏からプロテスタントに批判的ととれる発言が見られた。
    彼自身がプロテスタントの信徒らしいので、自省の意味なのだろうか。

    キリスト教史と美術史がすんなり頭に入ってくるので、興味のある方には是非おすすめしたい一冊です。

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    2026年05月17日
  • 見えない戦争の正体――米中露が仕掛ける「認知戦」

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    共著になっているが、本書は苫米地英人氏の仕事・言説が中心で、珍しく佐藤優氏はその言説を歴史的・宗教的観点で、示唆・補足している感じの構成。なので、2・3・4章は佐藤氏上梓本をほぼ読んでいる人にはかなり既知で予想通りの範囲。本書の神髄は1章の認知とは何かの根源的な解説と、その認知に必要不可欠な生成AI、将来のASIについて解説した5章になる。1章の認知戦の学術的説明と5章のAIの予測不可能性と不完全性定理は、まさに啓蒙の内容で、今を生きる人間全員が知っておくべき教科書的内容で非常に勉強になり、面白かった。

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    2026年05月08日
  • 残された時間の使い方

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    著者は仕事のできる人
    本の内容が全体的に分かりやすい何より目次が分かりやすい
    1章〜3章にかけてはビジネス本でよく見ることが書いてあります、4章からは面白い

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    2026年05月08日
  • 一寸先は闇

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    佐藤優氏の数ある対談本の中でも出色の面白さ。常に大衆・庶民視点の「虫の目」五木寛之氏と、歴史的大局視点の「鳥の目」知の巨人・佐藤優氏の縦横無尽の話題と切り口・語り口にページを捲る手が止まらない。特に『「歌」がもたらした一体感』からの数編で、「歌」視点での草の根レベルの一体感醸成を、歴史を俯瞰して分析するあたりは目から鱗。以前に「異端の人間学」をお二人で上梓しておられるのを知り、未読なので読みたい。

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    2026年05月06日
  • 学生を戦地へ送るには―田辺元「悪魔の京大講義」を読む―

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    「わからない」と言える勇気が、自分を戦地に送らないための最後の砦になる

    ■読み始めた動機
    朝井リョウさんが「一冊だけ挙げるなら」と紹介していたことがきっかけ。
    また、ウクライナ侵攻のニュースに触れた際、平和主義を標榜していたはずの自分の中に仮にウクライナ人だったら「義憤に駆られて志願したくなる自分」がいることに驚き、その感情の正体を知りたいと思った。

    ■「正しさ」に流されないための読書体験
    本書で扱われる田辺元の「悪魔の講義(学生を死地へ送るための論理)」は、正直に言って難解だ。しかし、著者の佐藤優氏がゼミ形式で解釈の道筋を立ててくれるため、「どこがわからないのか」を明確にしながら読み進めることができた。
    読んで感じたのは、世論や「正しそうな論理」に飲み込まれないためには、自分の中の小さな違和感を無視しないことがいかに重要か、ということだ。

    ■「恥をかく勇気」が命を救う
    当時の京大生たちは、あまりに賢すぎたがゆえに、論理の飛躍や違和感に対して「わからない」と言えず、無知を晒す恥を回避してしまったのではないか。その「恥」をかけなかったことが、結果として戦地で死ぬことにつながったのではないか――。そう思うと、わからないことを自覚し、それを表明する「恥をかく勇気」こそが、自分の命を守る知性なのだと痛感した。
    今、もし私が当時のウクライナ人だったら、やはり義憤から兵役を選ぼうとするかもしれない。しかし、この本を読んだ後は、その決断が「社会の流れ」や「高揚感」に流されたものではないか、一度立ち止まって判断を保留する粘り強さを持てる気がする。

    ■まとめ:
    この本を読み終えて、私は以下の4つを大切に持ち続けたいと思った。
    1. わからないことを認識できる「賢さ」
    2. わからないことを「わからない」と言える「勇気」
    3. 立ち止まって考え続けるための「知性と根性」
    4. 扇動的な思想が溢れる中で、最後に立ち戻るべき「個人的信念」
    「死」を美化する論理に絡め取られないようにしたい

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    2026年05月03日
  • 残された時間の使い方

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    自分時間を取り戻す

    「円環的な時間感覚を持つ日本人は目的論的思考が弱くなりがち」に全てが詰まっている。目的意識がないから時間泥棒に時間を盗まれる。自分の人生にとって「どうでもいいこと」で時間を消費してしまう。自分の人生を、自分時間を取り戻すためにやるべきことは何か?残された時間を何に使うか?終わりの時に、いい人生だったと思える生き方をしたい人におすすめ。なんのために生きるのか?人生を見つめ直すいい機会だった。

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    2026年04月29日
  • 危ない読書 教養の幅を広げる「悪書」のすすめ

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    魔界への入り口はかくも簡単に開かれてるものか。佐藤氏の解説を読んだだけでもマインドコントロールされそうな著書ばかり。でも知らずにいたら人間力が停滞しそう。正義と悪を相対的に見る別の自分を作り上げる訓練と思えばいいのか。

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    2026年04月25日
  • 猫だけが見える人間法則 (Hanada新書 003)

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    地政学だけでもなし歴史だけでもなし現状分析だけでもなし。当たってそうだし、面白かった。猫じゃなくてもいいのではなかろうかとは思ったが。

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    2026年04月09日
  • 明日への扉 君たちだから伝えたいこと

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    学園生の純粋さに触れられる本。
    自然と池田先生、信心への向き合い方を見つめ合うことができる。創価学会員は創価学会を過小評価している。
    私は学会員だと堂々と語ることができる生き方をしたい。

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    2026年04月09日
  • 明日への扉 君たちだから伝えたいこと

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    現役の高校生のリアルでどこか青臭い声を聞くなかで、昔の自分自身に出会えたような懐かしさを感じた。
    理想に燃えて今この時を必死に生きる若者の意見や質問は、大人が失いかけている鋭さを持つ。
    若者らしい遠慮のない質問に、思わず笑ってしまう場面もあった。
    そんな質問一つひとつに、抽象的な指導ではなく、参考となる書籍や事例、「青春対話」の引用などを提示しながら真剣に向き合っていく佐藤氏。
    この魂と魂での対話は、現代社会に疲れきっている大人としてはやや耳が痛いところもあったが、もはや痛みすら心地よいのでぜひ続編を期待したいところ

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    2026年04月03日
  • サクッとわかる ビジネス教養 世界の紛争

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    ネタバレ

    曖昧になっていた世界の紛争や日中関係への知識を分かりやすい図と文章で理解することが出来た。

    そうだったのかと初めて知る内容も沢山あり、非常に勉強になった。最近のニュースの内容も掲載されており、今読んでいて良かったと思った。

    新帝国主義という、覇権国家の多極化。
    これからはアメリカ、ロシア、中国の三国が世界を経済的・軍事的に支配していくことだろう。

    イラン・イスラエルの紛争も改めてどうしてここは仲が悪いのか、誰が援助しているのかなどを分かりやすく理解できた。アメリカの援助の背景にはイランに高度な核を保有して欲しくないという意見がイスラエルと一致していることが主要な理由であったこと。宗教やテロ組織による関わりが非常に大きいこと。イランとイスラエルでは人口に10倍ほどの大きな差があること(イランが多い)。以上のことなどを学べた。

    ロシア・ウクライナ戦争に関しても、ロシアが戦争をしかけた大きな理由のひとつとして、西側諸国との緩衝地帯(バッファゾーン)になっているウクライナがNATOに加盟し、西側諸国と仲間になることで、ロシアにとって西側諸国との実質、緩衝地帯がなくなってしまうことへの阻止、つまり国家の生存政策だったことが分かり、とても腑に落ちた。

    台湾有事に関しては、高市首相の発言が前政権らのあいまいな言葉を使う路線とは違い、はっきりとした言葉で明確な立場を取ってしまったこと。これがどの程度の悪手であったかどうかは判断できないことであるが、今後の外交に、必ずしも日本ファーストを掲げることが正解ではないことは理解できた。

    核保有国の難しさについては全く知らなかったので、非常に勉強になった。理由として、まず開発する場所がないこと、条約により海中でも開発ができないこと、世界の反日感情が高まること、日本社会の秘密保持能力の低さなどが挙げられており、保有しないのではなく、できないに近いのだなと学べた。


    面白いなと思ったのは、認知戦への進化である。かつては陸、海、空と場所を変えて戦争していた人々は、宇宙(GPS、偵察衛星)、サイバー空間へと場所を変え、遂には第6の戦場として「認知空間」(アルゴリズムの改変)に手を出していることである。ターゲットは人間の脳であり、偽情報やフェイクニュースを大規模に拡散し、印象操作することで、人間の判断能力を鈍らせ、不信感や分断を生むことで社会や国家を混乱させるというなんとも現代的な手法へと移り変わっており、とても興味深い内容であった。


    現代の社会問題を分かりやすく学べる非常に勉強になる本であった。

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    2026年03月29日
  • 現代に生きるファシズム(小学館新書)

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    インフォーマティヴな対談であり、大いに参考になる。
    まだよく理解していないが、ファシズムとナチズムは違うものらしい。
    このことは、山口 定(著)『ファシズム』(有斐閣選書71、1980)にも書いてあったと思う(カン違いかもしれない)。
    正直言って、ご先祖様に申し訳ないが、日本のことは、何だか悲惨過ぎてあまり読む気がしない。
    次のような箇所が目にとまった(引用文は編集した)。

    ~~~~~~~~~~

    佐藤(S):経済が良いときは隠されてきたヨーロッパの地が見え始めてきた。日本ではアメリカとヨーロッパが同じイメージで語られがちだが、文化や習慣はまったく違う。第二次世界大戦後、物流の発達でアメリカの商品がヨーロッパ各国に輸入されるのと同時に、アメリカ型の自由と民主主義も浸透していった。この自由と民主主義は、ヨーロッパ各国の文化に根ざしたものではない。

    片山(K):第二次世界大戦まで自分が食つなぐために互いに侵略を繰り返した国々だから。そして世界中に植民地を広げていった。メッキが剥がれ落ちると、そんな野蛮な地が露わになっても不思議ではない。

    S:1975年に東欧を旅したとき、私はヨーロッパの地を見た気がした。陸路でルーマニア、ハンガリー、チェコ、ポーランドと移動していくと、国境の管理が西側とは比べものにならないくらい厳格である。しかも、ハンガリー人はルーマニアをバカにしているし、ルーマニア人はロシア嫌い。隣国を互いに見下している。
    また、イギリスや東欧では、自分の一族がどんな階級に属していたか大へん気にして、家系図を大切にしている。中産階級の家でも調度品や銀の食器などを代々受け継いでいる。
    ふだんは見えにくいが、階級社会が脈々と根付いている。そこがヨーロッパの本質なのではないかと思った。だから、いまだに差別的な構造が残り、下の階級の人は上昇志向を持ちにくい。

    K:第二次世界大戦の敗戦を受け、深い反省をしたはずのドイツですら、極右政党「ドイツのための選択肢」が野党第一党に躍進した。経済が低迷して国内がおかしくなると、一定数が排外主義的な極右を選択する。『我が闘争』を読んで影響を受けたから排外主義に走るのではなく、経済が行き詰ると、自分の暮らしを守るために自然にそうなってしまう。その延長線上にあるのが侵略だ。フランスもイギリスも、そこは変らない。切羽詰まったら隣国を支配して生き延びようとしてきた歴史があるし、今その地が顕わになりつつある。高邁な近代的政治思想がいかに無力か、その証左だ。

    S:今のご指摘に関係するのがイタリアの作家ウンベルト・エーコが書いた『永遠のファシズム』だ。人間が動物である以上、ファシズムを求めるのは生き物だからどうしようもない。だとしたらマイナスのミニマム化をしていくしかない、とエーコは言う。

    K:人間も縄張り争いをする動物と同じということだ。人文主義の終焉と言えるかもしれない。

    S:そう。私なりにエーコを乱暴に解釈するとこうなる。ファシズムを阻止するのはムリだ。なぜなら人間は、ライオンが肉を食うように、不寛容で、他者を排除する動物だから。あとは教育によってどこまで抑制できるかだ、と。

    K:18世紀くらいまでなら人間には「真善美」があるというカントの言説も成り立った。しかし動物の段階まで退化したら、人間は何をしでかすか分からないということになる。そうすると最低限の秩序を守るためには何をすべきかかんがえなければいけない。虐殺はしない、暴力的な革命は起さない、強制収容所は作らない・・・。

    S:その前提に立ち返っていくしかないのかもしれない。

    ~~~~~~~~~~

    今、TACOが中心になって弱いイランを攻撃し、それをサポートしているEUの、経済が良いときは隠されてきた地(本当の顔)が見え始めてきた。
    あのエプスタイン問題に関係する約800人の中に、日本人ですら60人もいるから、EU上層部はもっといるだろう。
    みんな暴露を恐れて、日々戦々恐々としているだろう。
    他人事ながら、その気持ちはよくわかるつもりだ。
    「ソエジマ」なる自称「狂人」のご説によると、エプスタインの背後にネタ国がいるらしい。
    それが正しければ、TACOもEUもネタ国に弱みを握られている、と勘ぐるのが普通であろう。
    もしそうであるならば、TACO&EUがほとんどネタ国を批判しないのは納得できる。
    こういうバカ話は、1000回テレビを観たって、想像できないだろう――報道するわけがないから。

    いよいよ世界はディストピアに入りつつあるのかもしれない。
    人間が「動物の段階まで退化したら、人間は何をしでかすか分からない」、「経済が行き詰ると、自分の暮らしを守るために自然に極右になってしまう。その延長線上にあるのが侵略」、「ファシズムを阻止するのはムリ」とは、まさにTACOが大暴れしている今のことではないか。
    大々的にTACOがファシズムに突入してしまったようである。
    ウクライナに殴り込んだ「ロシア無頼」プーチンどころの話ではなく、TACO&ネタ国にEUが加わって、「武力による現状変更」つまり「侵略」を始めているではないか。
    「あとは教育によってどこまで抑制できるか」にかかっていると言うが、今更どれだけの効力があるだろうか。
    「大ネタ国」構想から推測すると、イランの次はサウジアラビア、トルコだろうか。

    今後、TACOは何をするだろうのか。
    出たとこ勝負のTACO自身がわかっていないようだから、世界にわかるわけがない。
    TACOが暴走を止めないと、世界は一気にカタストロフィへ突き進み、やがて焼けただれて静かになるかも。
    Herr Wolf(ちょびヒゲ、絨毯嚙み)やDuce(ドゥーチェ)の末路も酷かった。
    杞憂に終われば結構。

    お終い

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    2026年03月05日