佐藤優のレビュー一覧
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没後10年、佐藤優シェフによる米原万里のフルコース。1冊目としてではなく、彼女の本を何冊か読んでから読むべき本。
目玉はやはり、東京外語大の卒論「ネクラーソフの生涯」100ページ。文章や論理展開は生硬だが、その後花開く彼女の萌芽が詰まっているように感じる。ネクラーソフをテーマにしているあたりが、いかにも彼女らしい。そしてなんと、卒論の審査概評も載っている。やや厳しい講評だが、温かさも感じられる(指導教員は飯田規和)。
冒頭で紹介されているエピソードが印象的。佐藤優がチェコの作家クンデラを魅力的だと言ったら、米原万里が色をなして怒ったという。さもありなん、彼女は、計算尽くの人、裏のある人、言行不一致の人が大嫌いだったから。 -
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ネタバレ涙が出ました。
メモ✍️
・王様の耳はロバの耳
思ったことをそのまま吐き出す
・心が変われば態度が変わる
態度が変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば人格が変わる
人格が変われば運命が変わる
運命が変われば人生が変わる
・安全な場所で自分の気持ちを話す
自分はこう思うけど、人はこう思うんだなと感じること
・マインドフルネスをする
・対人関係について障害となりうる4つの信念
①何かが必要であるということは、私がおかしいか、あるいは悪いということだ
②相手が怒ったり、ノーと言ったら、私は耐えられないだろう。
③ノーと言ったり、何かを求めることは、自分のわがままである。
④私がコントロールできるものは何もない。
不運にも自分の欲求がないがしろにされてしまう家庭環境で育った人がいます。そのような環境で育った人々は、まるで自分が悪者であったり、存在するに値しないかのように、また自分の感情や苦痛が取るに足らないものであるかのように感じており、一生を通じて物事を欲求することを恐れている。
・あなたの正当な権利のリスト
①他の人々に物事を欲求する権利がある
②ときには自分自身を最優先させる権利がある
③自分の感情や苦痛を感じ、それを表現する権利がある
④自分の信念の最終的な判断をし、それを正当なものとして受け入れる権利がある
⑤意見や信念を持つ権利がある
⑥たとえそれが他の人と違うものであっても、あなたには自分の経験を持つ権利がある
⑦不快に感じる扱いや批判に対して抗議する権利がある
⑧変化のための交渉をする権利がある
⑨助け、感情的支援、または自分の必要なことはどんなことでも求める権利がある
⑩ノーという権利がある。ノーと言うことで、あなたが悪い人、あるいはわがままであることにはならない。
11)他の人々に対して自分の正当性を説明しない権利がある
12)他人の問題の責任を取らない権利がある
13)ある状況に対応しない権利がある
14)ときには他の人々に迷惑をかけたり、失望させる権利がある
・考え方の癖をしる
・悲しみやイライラのやり過ごし方をしる
・アサーショントレーニング -
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なんとなく敬遠して読まずにいた佐藤さんの本。でも今回改めて当時の経験や現在の話を読み、そこにキリスト教という主軸があることにとても信頼を感じられ、内容を素直に受け入れられた。きっとノンキャリアなのに立ち回りが上手いとか政治家と上手くやってるとか、同僚や先輩後輩の妬み嫉妬、酷かっただろうなあ。それが男性特有とは言わないが、多分相当あったんだと思うし、そういう個人の結びつきで取り回すことへの危機感もあったと思う。組織ってそういうものじゃないよという。
これは第二次トランプ政権誕生前に出ているけれど、印象的だったのはイーロンマスクについての言及。素人にはなぜ企業家が政権に?と思っていたが、彼の持つ情報量という点で語られて面白かった。中東とかに行かないほうがいいという佐藤さんの助言が、世界で最も強い政府に守ってもらう立場になるというところまで予言していたのか、現在の佐藤さんの意見を読んでみたいと思った。
個人的にぐさっとキタのは、全く枝葉な部分だけれどホストクラブ問題と中学受験というところ。おそらく公立高校から霞ヶ関に入った佐藤さんとして、同質均質な人材を作り出す中学受験ビジネスに警鐘を唱えているのはとても理解でき、そして性と教育はビジネスにすべきではないという主張がすっと腑に落ちた。だとすれば、女性客をホストクラブで貶めて性風俗に取り込む人と同等なのは、塾ビジネスで親をあおる人たちなのか、それに乗っかって教育虐待を行う親なのか、はたまたそういう均質な人材を求める霞ヶ関あるいはオリガルキーの人脈思想なのか(古今東西、体育会系の先輩が後輩を引っ張るのは有名だけど、例えば同じ御三家出身の先輩が後輩を引っ張るとか…コレまた嫉妬もありつつ、さもありなんだなあ)。自分はずっとそういう塾ビジネスに嫌悪感を抱いていたはずなのに、親の立場になるとやっぱり不安に絡め取られているし、いやはや自分の来し方や親としての在り方を、ほんの1ページでぐさっと刺してくれる佐藤さん、考えの幅も広いし、安直な感想で申し訳ないがすごいなあ。 -
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「私の考える『悪書』とは、現代人にとって咀嚼しにくいような、『強烈な』個性を放つ〝ざらざらした〟本である」
「なぜあえて悪書をすすめるのか。
それは自分の価値観とは異なる本、生理的に受け容れがたいざらざら感のある本、普段であれば決して手に取らないような本を読むことを通じて、世の中と自分を多面的にとらえる絶好の機会となるからである」(「はじめに」より)
「わが闘争」アドルフ・ヒトラー
「書物主義に反対する」毛沢東
「金正恩著作集」金正恩
「国体の本義」文部省教学局
この本に触れなければ、内容すら知ろうとしなかった本ばかりだ。
「戦争論」クラウセヴィッツ
「プロパガンダ戦史」池田徳眞
「バルタイ」倉橋由美子
暴力の肯定化の論理を学ぶこともなかった。
「カルロス・ゴーン経営を語る」カルロス・ゴーン/フィリップ・リエス
「トランプ自伝 不動産王にビジネスを学ぶ」ドナルド・J・トランプ/トニー・シュウォーツ
「死ぬこと以外かすり傷」箕輪厚介
著者の英知の光に照らされると、見えないものが見えてくる。
「わが闘争・猥褻罪-捜査逮捕歴31回」大坪利夫
「突破車-戦後史の裏を駆け抜けた50年」宮崎学
「カラマーゾフの兄弟」ドストエフスキー
タブーを犯して見えたものに光を当てる凄み。
「『悪書』と向き合うにあたって重要なことは、『そこになにが書かれているか』よりも、『それを読んだ自分がどう感じたかを知ること』である」(「おわりに」より)
読書することは、著者との対話であり、自分自身の発見でもある。 -
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攻撃的な人に対して、言い返す。感情的になる。はNG。
力を背景に攻撃的な態度に出る人と接する時は、まず相手の利害関心や目指している利益は何か見抜くように努める。こちらは絶対感情的にならず、冷徹であることが大事。
組織において、嫉妬から身を守るために言葉遣いには気をつける。
刺激せず、乱暴な言葉遣いをせず、聞き上手になること。おうむ返しがその真髄。
相手の本音を見抜くとは、相手の利害が、どこにあるか突き止めること。
ものごとは事実、認識、評価を分けて考えることが大切。事実が違うならば、その人の話自体が危ないと思ってよい。
最後は人間から直接話を聞かないと真実は分からない。
人の上に立つということ。リーダーシップには深い孤独と強い責任が伴う。責任の負える範囲で独断専行する。
長いものに巻かれろ。が組織で生きるに当たって絶対的な真理。
会食することで信頼関係を築く。
組織の嫉妬をコントロールする。そのために食事は重要なツール。
合法的だが不適切。ということは人としての品位に関わることで、やってはいけないこと。
リーダーは部下の品位を見抜く。
未来が変われば、過去も変わる。
日頃の言動に注意する。これが人を見抜く時の要。
ノート1冊の原則。デジタルデータをゴミ箱にしないよう、入れる情報を精査する。
1日を振り返り記録することは意味がある。振り返りは重要。無駄がなかったかチェックをする。
明日できることは今日やらない。今やるべき緊急の仕事と、明日やっても間に合う仕事の区別が曖昧になるため。
すぐに役立つものはすぐに役立たなくなる。
小説や映画の代理経験は重要。
千房の初代中井社長の長男に向けた手紙は心に刺さる。 -
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やはり、佐藤さんはロシアに詳しい。
ロシアがアフリカに近寄っていることは認識していなかったので学びになった。
中国の一帯一路の安くインフラを作ってやるが、金を返せないなら何かをよこせ、というようなやり方ではなく、上手く投資の形でアフリカに恩を売っている。
アフリカはこれから確実にでてくるグローバルサウスの地域だから、注視していきたい。
イスラエルとハマスの関係についても、新しい視点が得られた。どうも、ニュースやSNSではイスラエルが悪者らしいということしか分からなかったのだけど、そもそも、ハマスがどういう組織なのかを再認識した。(国や自治政府ではなく、あくまでもテロ組織という認識。野戦ネットワークのテロ組織なので、上を叩けば終わりとならず、掃討しなければ繰り返される。ガザ地区の自治政府にもハマスの非戦闘人員が入っているため区別がつけづらい。しかし、非戦闘人員がだとしても、ナチスのシステムと同じで、積極的に行動をしていなくてもシステムの一員としてハマスを支えている、という論理。アーレントのエルサレムのアイヒマンを引用して説明。)
しかしながら、上記の論理を当てはめてみても、システムからの「中立化」をしたいと、南部に逃げろといいつつ、その後結局かなり広範を攻撃しているのは何故か…疑問が残る。
最後はアメリカ大統領について、結局トランプ氏になったけど、この二人からしても、トランプ氏が大統領になったらどうなるかは不明確ということらしい。ただビジネスマンのトランプ氏は平和な方が儲かるから戦争を好まないだろうということで希望を持った。親イスラエルであることがどう影響するか、また、ウクライナからは手を引くということで停戦に及ぶのか…プーチンとの関係は?動向が気になることがたくさんある。
最後に完全に余談だと思うけど、トランプ氏が大統領選に出馬する理由となった一つに「年次記者晩餐会」のオバマ大統領のジョークで恥をかかされたことがあるようだ、というので、就任時期の活動の動機が見えて面白かった。
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購入済み
今の時代に
大変面白いと言っては大変失礼になりますが
興味深かったです。
本著書がなかったら、鈴木議員のことを勘違いしたままでした
先日の某県知事叩きは県策捜査と言ったところでしょうか?
現在ではSNSがそうはさせなかったですが、マスコミの学びのなさ
ロシア、イスラエルの紛争もなかったかも知れない
そんなことも考えさせる一冊でした。
無実の国益のために懸命に尽くされた方々がこの様なことに
なるのはやっぱりイケナイ。 -
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作家、佐藤優氏が『自ら拠って立つ』所となったプロテスタント神学。そこに魅了された同志社大学の神学部ヘ在籍した6年間を綴った思想的自叙伝です。なぜか最近佐藤氏の自叙伝は、西村賢太氏を連想してしまいます。
佐藤優氏の作品を追い続けていると、『国家の罠』にいたるまでの道しるべのような気がするのは僕だけでしょうか?
ここでは佐藤氏の拠って立つ術であろうキリスト教神学、具体的にはプロテスタント神学の中の『組織神学』彼曰く、「キリスト教が他の宗教と比べて以下に優れているかを相手に説得する神学」というものを大学、大学院時代の6年間に渡って学んでいたことや、すでに東京では下火になっていた学生運動が京都では生き残っていて、彼と『国家の罠』で佐藤氏を支援する会を立ち上げた友人たちが大学側を相手にかなり派手に立ち回っていたことが綴られており、佐藤氏の思想的な自叙伝であるとともに、教授たちのゼミや、同じく神学を志した友人たちとの間で交わされる膨大なまでの神学についての議論や、
「自分はいかに生きるか?」
「将来の自分はどうありたいのか?」
という議論も非常に内容が濃く、僕は神学的な知識はまったく持ち合わせていないので、ここで展開されているカール・バルトやヨセフ・ルクル・フロマートカ。
さらにはシュライエルマッハーなどの神学者および彼らの学説は「ふーと、そういうものなんだなぁ」虚心坦懐に聞きつつ、彼が生涯のテーマと決めた『受肉論』とフロマートカのいっていた言葉のうち
『フィールドはこの世界である』
というものが幾度となく繰り返されており、この言葉が佐藤氏の『その後』運命付けたのではないかという気がしてなりません。
やがて、佐藤氏は外交官の専門職となってチェコスロバキア(当時)に留学しようと思い、外交官の試験を受けるようになります。ここにするされていることはこれから外交官試験を受ける人へのみちするべとなるとともに、彼の行っていた勉強法と、修士論文への取り組みが並行して語られているところも実に興味深かったです。
やがて、同志社大学の神学部でであった仲間たちもそれぞれの道を歩むのですが、佐藤氏と指導教授たちとの別れのシーンが本当に印象的で、彼らは教授である前に一人の牧師として彼らに接していたということがよく分かるお話が多く、学生時代にこういう恩師に出会えたということは本当に『幸いなるかな』であるとつくづく思いました。
僕はここまで『濃ゆい』学生生活を送ったことは正直、ありませんが、ここに書かれている彼らの『群像劇』には少なからず『共感』に近い感情を覚えるのです。
※追記
本書は2015年10月15日、光文社より『同志社大学神学部 私はいかに学び、考え、議論したか (光文社新書)』として新書化されました。