佐藤優のレビュー一覧
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『アサヒ芸能』に連載中の佐藤優氏の時事エッセイ『ニッポン有事!』を書籍化第3弾です。国境問題。沖縄。外務省及び外務官僚。永田町。霞ヶ関。政治や外交をテーマに下世話な話も交えつつ鋭く切り込んでいきます。
週刊『アサヒ芸能』にて絶賛連載中の佐藤優氏の時事エッセイ、「ニッポン有事!」著作化第3弾です。相変わらず佐藤先生の筆は冴え渡っているなと再認識しました。
実を言うと僕はこの時事評論と西村賢太氏のエッセイのおかげでいまやアサヒ芸能の熱心な読者になってしまいました。こうなると日々『オッサン街道』を驀進していることにいやおうなく気づかされます。
やはり、掲載している雑誌の性質上、同じ時事を語 -
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新・戦争論
僕らのインテリジェンスの磨き方
著:池上 彰
著:佐藤 優
文春新書 1000
力は、軍事、政治、金融、産業、科学技術、情報というように分散して存在している
日本の政治家が、誤解している、集団的自衛権と個別自衛権の違い
同じ条文についての、公明党と、自民党、共産党らの解釈の相違
池上彰は、現代において、集団的自衛権と、個別的自衛権は、不可分になっていること
日米安保下にて、米軍は、尖閣諸島について、日本実効支配しているからこそ、防衛発動するが、実際には、そのような紛争は起こりにくく、また、米国務省の主流は、中国重視であることを語っています。
本書は、日本国内の安全保障の認識と -
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上智大学神学部でキリスト教を学び、外務省専門職員としてロシア大使館で勤務し、国家への背信罪で逮捕された佐藤優氏が著した、イスラエルとユダヤ人に関する外交論書。現在のガザ地区を巡る国際的な反イスラエルの動きが起こる前の2015年、日本の国益のために偏った反ユダヤ思想やシオニズムへの誤解を捨て、イスラエルと国交を強化することを主張するその論争は、生のイスラエルの人々と肉声で語り合って来た佐藤氏だからこそ提示できるものでであると感じる。今の世界を形作るユダヤのイデオロギーは、作られた仮装敵民族であるユダヤ人というものを意図的に生み出して来た。それは果たして、知的に誠実な姿勢を持って大衆が理解できてい
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日本の歴史は外圧から影響を受けて社会が変化して、古い政権から変化に適応したものが政権を取る繰り返し。
そして適応とは結局のところお金、経済を握る事。
室町後期から戦国時代にかけて、世界は大航海時代。ポルトガルが種子島に鉄砲を伝えたところから南蛮貿易が活発化。この流れに乗ったのが島津氏、毛利氏、そして信長だった。
当時の鉄砲の鉛の70-80%は輸入、火薬の硝石はすべて輸入。外交能力がないと生き残れなかった。
その中で信長は旧来の領土拡大ではなく、通商権を抑えた。つまり港。
信長は律令制の中央集権国家を構想。そして重商主義の志向。武士から土地を引き剥がす事で戦国時代を終わらせて国を安定さ -
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甦るロシア帝国
著:佐藤 優
文春文庫 さ 52 3
大書、いろいろなものがつまっていて、道を見失いそうになる
民族、宗教、習慣、さまざまな観点から、ソ連を分析し、考察している
佐藤氏がモスクワでみたソ連崩壊に関する考察である
皮肉にも、ソ連は、アメリカなどの西側からの攻撃ではなく、内なる原因において自壊をしたのである
ソ連崩壊について
1 経済政策の失敗
2 民族政策の失敗
でもそれだけではない
モスクワ大学のエリート学生たちは、自らの能力を、自己の栄達のためだけではなく、世のため、人のために使いたいという意欲を強くもっていた
ソ連帝国は自壊したが、ロシアがいずれ甦り、怪物のよ -
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913
165P
日本共産党と創価学会ってマーケティング的には同じらしい。ルーツは同じなんだってほぼ
佐藤 優
一九六〇年東京都生まれ。作家、元外務省主任分析官。一九八五年、同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在ロシア日本国大使館勤務などを経て、本省国際情報局分析第一課に配属。主任分析官として対ロシア外交の分野で活躍した。二〇〇五年に著した『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて』で鮮烈なデビューを飾り、翌二〇〇六年の『自壊する帝国』で大宅壮一ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞を受賞。二〇二〇年、菊池寛賞を受賞。『牙を研げ―会社を生き抜くための教養』『佐藤優の挑戦状』(と -
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世界史の大転換
常識が通じない時代の読み方
著:佐藤 優
著:宮家 邦彦
PHP新書 1050
おもしろかった。外交官の対話です。
■包括
・現代は、ポスト冷戦が終わり、世界が再びナショナリズムへ回帰している時代ととらえる
・近代国民国家たる西側諸国に対して、ロシアや中国を前近代的な帝国とみる
・米ソ超大国が対峙する冷戦時代は、各国のナショナリズムを抑えていただけではなく、資本主義の暴走をも抑えていたと説く。それは、資本家階級の利潤を減らしてでも福祉政策や失業対策などに目を向けて、労働者階級に資本を再分配していた時代であったからだ
・冷戦を戦うためには、どうしても、大きな政府、大きな軍 -
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人をつくる読書術
著:佐藤 優
青春新書インテリジェンス
良書 おもしろかった 本を読むための地図を与えてくれる本
何を読むか、で人生は決まるとある
知の領域をいくつかの方向に発散・分散するためのガイドブックを兼ねています。
世界標準の教養を身につけるためには、何を読めばいいかを解説する本です
教養とは、想定外の出来事に対処する力である
拘置所で役に立つのは学歴でも肩書でもない。頼りになるのは自分自身のそれまでの経験と読書などによって蓄積した知識だけで、そこから新たな解と行動を導き出す必要があった。
本書で伝えたいのは、2つある。
よい本を読み、よい友人を持つことだ
気になった -
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無性生殖ではなく、自らの遺伝子を薄めてでも多様性を確保し、あらゆる環境に対して種全体の生存確率が高まる有性生殖を選んだ。こうして人類は、異性を求め、競争しながら共益を考える、利他と利己のアンビバレントな存在になった。そう考えると、田辺元に哲学的な裏付けで誘導されなくても、来るべき時に戦地に赴く内在的理由を我々は有していそうだ。田辺元に関わらずに戦った多くの兵士たちを思えば、悪魔の哲学は、そうした時代の空気感からの産物であり、これが故に自己犠牲に駆り立てたものではない、と言えないか(別に、戦死への因果については佐藤優も触れていない)。つまり、このお話は、あの時代、戦争にどハマりするような哲学があ
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四読目、かな?
やはり今回もサーシャさんの印象が強い。
神通力とでも言うべきか、深い知識と広い視野が基礎としてあれば、ここまで精度の高い未来予測が可能となるのか?
なるほど、確かに「天才」だったのだろう。
あとアルクスニスさん、ポローシンさん、シュベードさん辺りも印象に残ったかな。
まあとはいえ、今作の「視点人物」である佐藤さんだからこそ、この「物語」は描けたのだろう。
ソ連(ロシア)の大使館を拠点に現場で活動する外交官として、まずはモスクワ大学で、自らの専門知識と好奇心だけを携えて舞台を拡大していく。
そういえば、「外交官には好奇心が必要だ」と、いくつかの外交本で読んだ気がする。
そのこと -
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修羅場の極意
著:佐藤 優
中公新書ラクレ 500
敵を作り、嵐に巻き込まれた時の対処方法、「うろたえるな!時を待て」
修羅場とは、継続的に闘争が起きている場所のことをいう
耐えず闘争が続いている状況では、普段は見えるはずのものが見えなくなってしまう
逆に普段、見えないものが見えるようになることもある
気になったのは、以下です
・チームリーダーや部長が無能だと、全体に悪影響が及ぶ、これは国家においてもおなじだ
・マキアベリ 性格がよい人よりも、疑い深く、国民から恐れられるような国王の方が、結果として国民に幸せをもたらすと考えた
・愛されるよりも恐れられるほうが、はるかに安全である