佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
元外交官の佐藤優氏と元東京都知事や元厚生労働大臣の舛添要一氏の対談集です。
この本では舛添要一氏のセリフに興味を覚えました。
都庁職員は霞が関の役人よりも高給をもらっており、勤務時間も短く、都議会で舛添氏が自分の言葉で説明したところ、役人から「どうして台本通りに読まないのですか、そのため5時に終わらなかったじゃありませんか。勝手な答弁はしないでください」と言われたようです。(60P)
また、厚生労働大臣の時代には石破総理が防衛大臣や農林水産大臣であったため、懇意にしており、石破さんの地元鳥取で一緒に蟹を食べていたようです。石破総理は田中角栄の薫陶を受けた方であるため、日本のリーダーに相応しいと書かれています。(103P)しかし(残念ながら)9/7に退陣を表明してしまいました。
この本はこれからの日本の政治を読み解くためのヒントが詰まった本です。政治に興味がある方にはお薦めします。ありがとうございました。 -
Posted by ブクログ
激しい知的興奮を感じたとても刺激的な一冊!
圧倒的な読書量を誇るお二人だけあって、名著にまつわる対話を聞いているだけで教養が身に付いた気がしてしまいます。
特に第三章「ニセものに騙されないために」と第四章「真の教養は解毒剤になる」は面白かった。
興味深いポイントを何点か列記すると…
・日本人に欠けている最大の教養はゲオポリティクス(地政学)であり、これが分からぬゆえ、大戦中に「欧州の天地は複雑怪奇」ということで総理が辞職してしまう。
・人間のダークサイドに関する情報が現代の教養教育に徹底的に欠けている。虚偽とは何か、詭弁とは何かについて学んでおくべき。
・いざ大変なことが起こると、日本の官僚組織では、ただ「うまくやれ」というとんでもない指示が上から来る。最終的に失敗したら、「何できちんと報告しないんだ」と部下に責任を押しつける。
・ニセ科学の破壊力はかつてないほど大きくなっている。検証すべき情報が厖大であると、とりあえず識者が言っていることを事実として受け止めてしまう。テレビのコメンテーターが説明していることを確かだろうと受け入れる。これが怖い。
・教養の定義は「人間活動全般を含むこの世界の全体像についての幅の広い知識」というようなことになる。
などなど…
お二人は200冊ずつ計400冊を本書の中で紹介していますが、単なるブックガイドにとどまらず、読み物としてもとても深い内容の一冊でした。
脳に刺激の欲しい方に強くオススメします。 -
Posted by ブクログ
多分、腎臓の悪い方か移植手術を行った方(またはその家族)以外には、本当の意味で刺さらない内容の本。自身が9年前に生体肝移植のレシピエントで実兄がドナーだった経験からすべてにおいて深い納得感を覚えた。移植手術の実態や色々な立場からの問題点、移植コーディネーターの役割、患者としての心構えである患者学のススメ等、多岐にわたる示唆と提言には感動する。腎臓と肝臓という部位は違うといえ、与えられた命を疎かにはできない気持ちで毎日を過ごさねばならないと改めて実感した。グラセプタとセルセプトを一生涯服用する仲間として、佐藤氏の作品を拝読しつつ応援したい。
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Posted by ブクログ
昔から民主主義とはなんぞやと常々思っていたので、一つの考え方が知れて面白かった。
私は民主主義の罠だと思っていて、例えば民主的と言わざるを得ない手続きを踏んで、独裁的(ポピュリスト的)な政権が生まれる状態を、手続に瑕疵がないばかりに民主的として認めざるを得ない状態を勝手にそう呼んでいた。なるほど権力のサイクルというものもあるし、その国ごとの民主主義というものがあって、アングロサクソン型だけを果たして民主主義と言えるのかという見方もあるとの視点を得て、なるほどなあと思った。非常に短絡的な喩えで言えば、アメリカやイギリス英語が正しい英語であり、インドやフィリピンの英語は「訛っている」という考え方に似ているのかもしれない。それぞれの国で有効に意思疎通手段として成立しているのに、それが正しくないとは言えないのと同じで、おそらくそれはロシアという、今の状況下では外部からみたら独裁?帝国主義?とも見られかねない国の「内在的論理」を知る佐藤さんならではの視点なのだと思う。
しかしそう考えると、私が罠に陥っていると思った国は電子投票を導入していたのだが、その点で民主主義に疑問がつくのではという論点も指摘されており、色々納得。票の秘密ね、そう忘れがち。投票率が高ければいいのかという問題は、どこか忘れたがsns戦略でとんでもない候補が急に勝ち上がった事象をも思い起こし、「大衆」が投票すればよいのかという大衆民主主義についての考察にも繋がるなあと思った。
なお日本がもし大統領制だったらということを想像しておく価値はあるというところで、冗談みたいな位置付けではあるが、なぜヒカキンが人気なのか、自分ならヒカキンのような人格者に票を投じたいという理論だった説明が面白かった。ヒカキンの動画見たことなかったのだが、俄然興味わく(笑) -
Posted by ブクログ
「欲望や意欲というものは自分の中から自然に発生しているように見えて実は他者が起源で他者から供給し続けてもらわないと維持できない」
引きこもりの人が1割くらいいても今の資本主義ならやっていける。引きこもりに寛容になることは、引きこもっていない人にも生きやすい社会になる。
弱者男性と優生論。生まれつきとか努力しても無駄という思想に繋がり、入り口で諦めることにつながる。脳科学という、科学的に仮説レベルの話が横行。優生論と親和性が高い。
酸っぱい葡萄の新解釈。本当に葡萄は酸っぱいのか。自分には必要じゃないものだったと諦めても良いのでは(葡萄を手に入れた人同士、今度はまた出世競争)。
ソフトヤンキー優勢説(笑)
以上が、心に書き留めた、色々気になるキーワードである。つくづく、このお二人の対談を読んでいて、弱い人への視線の優しさにホッとして読み続けられる。それは引きこもりや不登校に向き合ってきた斎藤先生だからであり、物理的に弱い立場=壁の中に押し込められた佐藤さんだからこそだろう。