佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書内で佐藤さんと手嶋さんのどちらかが、世界は「今の日本にはなにも期待をしていないのかもしれませんが」という意味のことを話されていました。
ロシア情勢は大惨事になった3月22日の劇場テロが起こされてしまい、現在緊迫してさらに悪化していきそうな状況です。
まえがき
手嶋龍一
第1章
アメリカはウクライナ戦争の”管理人”
「在庫一掃セール」で潤うアメリカ軍産複合体
第2章
ロシアが侵攻に踏み切った真の理由
クリミア半島はなぜウクライナ領なのか
第3章
ウクライナという国 ゼレンスキーという人物
第4章
プーチン大統領はご乱心なのか
第5章
ロシアが核を使うとき
第6章
ウクライナ戦争と連動する台湾危機
第7章
戦争終結の処方箋 日本のなすべきこと
あとがき
佐藤優 -
匿名
12の対話で知識が深まる
『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』で知られる佐藤優さんがこれまでにやった対談がまとめられている1冊。よくある自己啓発本と違って対談形式なので頭に入って来やすい。ある意味読書が苦手だけど知識を深めたいっていう図々しい人にオススメかも?笑
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古代の価値観から俯瞰する現代
恥ずかしながら本村さんを存じ上げなかったのですが、とても面白い方でした。
著作を見てみると、数々の古代ローマ本の他に、競馬の世界史なんて本もあったりして、とても興味が惹かれます。
今回の対談でも、そんな本村氏と佐藤優氏の対談で、日頃メディアで聴くような現代的価値観から来る言説とは違った方向から切り込む言葉の数々がとても楽しかったです。
個人的には、またこのお二人の対談は見てみたいです。
以下、私が気になった(気に入った)点です。
ー「第1次世界大戦で明らかになった問題(近代的価値観の限界)が解決されずに現代にまた蘇ってきている」という話。最近は、落合陽一さんなんかもよく約100年前にあたる1920年代を再考する機会が増えていると度々仰っています。そういうことなのかなという理解が進みました。
ーかつて「神権」であったものが近代に「人権」になったが、近い将来これがAIに置き換わってしまうかも知れないということが、こういう所でも真面目に話されるようになってきたということに少し驚いています。そして、それが「中世への逆戻り」と表現されているのが面白かった。AIはかつての神に成り代わるのか?
ー「豊かな時代になってからも精神的な気高さみたいなものを維持することに成功した社会は、世界史の中にひとつもない。」と言い切る本村さん。
ー「日本では国会議員の世襲が批判されて「いまは二世や三世が多いからダメなんだ」と言われますけれど、ローマの元老院なんて何世まで続いているかわからないぐらいですよね(笑)」
ー「二分心」の話。「「遠い昔、人間の心は、命令を下す『神』と呼ばれる部分と、それに従う『人間』と呼ばれる部分に二分されていた」というビックリするような仮説」「神々の声が聞こえなくなる過程とアルファベットが普及していく過程が、同じような時期に同じような地域で起きている」
ー「同じ宗教でも、一神教的になったり多神教的になったりする。そういうスペクトラム(連続的な分布)の中で、いまその宗教がどこに位置づけられるのかを見たほうがいいと思います。」「本来は多神教でも、一神教的な要素が高まると通常より攻撃的になるというのはたしかにありますね。」 -
Posted by ブクログ
大川周明が思想家であることは知っていたが、こんなに論理的かつ説得力ある論法で発信していた人だったとは知らなかった。また佐藤優の著書もこれまでに何冊か読んできたが、この本が最も面白いと思った。「米英東亜侵略史」へのフォーカスのしかたも鋭いし、大川周明の考え方への理解、説明もとても解りやすい。それでいて100%賛成という訳でもなく、現時点での日本の取るべき策について語るところは素晴らしい。できることならこういう人に国のリーダーになって欲しいと思う。
3冊続けて同じ系統の本を読んだが、戦勝国史観、東京裁判史観はやはり改訂されるべきだと思う。学校教育がこの論調で行われている限り、日本は善意の人のままだろう。他国がどう言おうと、日本としてはこういう考えなのだ、という主張をしてもいいと思う。 -
Posted by ブクログ
ロシアに関することは佐藤優さんに聞くのが一番信用できると思っている。
ウクライナ戦争については、いろんな人が様々な意見を述べているが、佐藤優さんの意見はメディアでは聞かない。
最近ではマスコミがイスラエル戦争の報道に一斉にシフトしてしまい、ウクライナ情勢は報じられなくなっている。
なぜウクライナ戦争が起こっているのか一度理解を深めようと思っていた。
ロシアとの関係については、日本では北方領土問題が永続的に未解決のままで進展はない。
中国と香港の関係はご存じのとおりだし、中国と台湾の関係はロシアとクリミア半島の関係に似ていると感じていた。
だが、本書を読んで、日本とロシアの北方領土問題、中国と台湾の関係は、ロシアとクリミア半島(ウクライナの南東部)の関係とは全く違うことがわかった。
これまで「ロシアの論理は危険」と決めつけ、「ロシアは悪」と何でも否定していた態度を一度改めて、ロシアに対する理解を深めることは大事だ。
プーチンだけでなくロシアの人達の思想を知らずに非難ばかりしていても解決に至らない。
これまでの歴史を見直すと、ウクライナにも相当の卑劣な行為があり、ロシアを怒らす原因を作っている。
プーチン・ロシアが一方的に悪く、ウクライナが可哀そうという(設定に固執した)日本のマスメディアの報道姿勢も問題だ。
日本の有識者のコメントや、報道内容に嘘も多いことがわかった。
西側諸国の都合や倫理観による、事実にもとづかない誤った情報が真実のように伝えられている。
本書を読む前は、現在ロシアが支配しているウクライナ領土を全て奪回せずに戦争終結はないと思っていた。
米独を中心とする西側諸国がもっと援助して、ウクライナからロシア兵を早く追い出せと思っていた。
しかし本書を読み終わった今は、早く終戦(停戦?)合意をするのが良いだろうという考えに変った。
とはいえ現実には、停戦に導く指導者は何処にもいない。
ロシアに停戦の提案をしたイスラエルが内戦をはじめちゃったし、人災以外の天災も多いし、地球はいい状態じゃないね。 -
Posted by ブクログ
1012
佐藤優
元外交官で文筆家。ロシア情報収集・解析のエキスパート。魚住昭/ジャーナリスト。ノンフィクションに著作多数。青木理/ジャーナリスト。元共同通信記者。『日本の公安警察』『絞首刑』など著作多数。植草一秀/経済学者。日本経済、金融論が専門。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 誰が日本を支配するのか!?政治とメディアの巻
こういうときに重要なのは、歴史に学ぶことだ。日本は過去に何度か存亡の危機に直面した。このときわれわれの先人が危機から脱することを試み、それに成功した。この事実から学ぶのだ。
世界との交通が比較的開けていたインドは、やすやすとヨーロッパの欲望の 餌食 にされました。インカ帝国とモンテスマの平和な国が、世界からどんな目にあわされたか、おわかりでしょう。私どもの鎖国が非難されていますが、もし門を開けたなら、大勢のクライヴとコルテスが、勝手に押し寄せてくるでしょう。凶器を持った強盗どもは、戸締まり厳重な家に押し入ろうとしたときには同じ非難をするに違いありません〉(前掲書)
トーマシュ・ガリッグ・マサリク(1850~1937年) は、チェコの社会学者、哲学者、政治家で、チェコスロバキア共和国初代大統領になった。父親はスロバキア人で母親はチェコ人だ。 マサリク自身はチェコ人とスロバキア人の複合アイデンティティを持っていた。あえてどちらか1つを選べと言われたならば、マサリクはチェコ人を選んだであろう。 歴史的、宗教的、文化的にチェコ人とスロバキア人は背景を異にする。この2つの民族が単一の国家を形成することによって、マサリクは複合アイデンティティの問題に悩まされずに済むようになった。
党中央が決定したことに、下部党員は無条件に従わなくてはならない。ブラック企業の論理に似ている。末端の共産党員が「しんぶん赤旗」の配達や集金で苦労している姿を見ると実に哀れになってくる。 さらに共産党員には私生活がないと宮本氏は強調する。
一般論として、禁止事項は当該行為に及ぶ人が少なからずいるから設けられる。宮本氏が、飲酒、遊興、性的堕落、浪費、金銭上のルーズさについて指摘するのは、それが共産党員の弱点だからだろう。共産党内部に協力者を獲得する際には、金銭の提供、飲酒やギャンブル、セックスなどが有効な手段になるということだ。
共産党のような党が「他に存在しない」というのは小池氏の指摘の通りだ。革命に命をかけた献身的な党員によって支えられる共産党は「普通の政党」ではない。
〈④ 暗い神々。ナショナリズムは、先祖の血や土の力が再出現したものである。これは、ナショナリズムを愛する者と嫌悪する者との両方がしばしば共有する見方である。前者は、こういった暗い力を生命を躍動させるものと考え、後者は、それを野蛮だと考える。実際には、ナショナリズムの時代に生きる人間が、他の時代の人間に比べてより好ましい、あるいはより不快だなどという事実はない。おそらくより好ましいであろうという若干の証拠はある。彼の犯罪は、他の時代の犯罪と同等である。それらの犯罪が目立って見えるのは、まさに、犯罪がより衝撃的なものとなり、より強力な技術的手段によって実行されるからにすぎ
具体的には、日本共産党が破壊活動防止法の調査対象になっている。情報の力で国民を守ることが公安調査庁の任務である。
「仕事の性質上、公安調査庁のことを好ましく思っていない勢力が存在するのは事実ですので、自らの勤務先や仕事の内容をあまり積極的にオープンにしないようにしている職員もいます」 身分を明かすか否かは、各人の自由な意思に委ねている。そんな書きぶりだが、身の安全を 鑑みて身分は明かすべきでない──組織は 狡猾 にもそう示唆していたのである。自分が何者であるか、公にできない職業。その代償として報酬が上乗せされているの
梶壮太は、両親を除いて、祖母にも親しい友にも公安調査官になったことを話していない。広島に赴任した同期は、公安調査庁に就職が決まったと明かすと、地元に住む祖父母の表情がこわばり、「おまえ、特高じゃの、中野学校じゃの、よう知らんが、そがぁな秘密組織入ってどうするんなら。やめとけ」と 諫 められたという。
佐藤 私は「ニュークリア・シェアリング」という核軍拡につながりかねない議論には反対です。いまの日本には2種類の平和ボケが蔓延している。1つは憲法9条があるから大丈夫という平和ボケ。もう1つが血なまぐさい戦場の現実も知らずに、核共有や核武装などについて勇ましく語る政治家やコメンテーターの平和ボケ。 片山 対極に位置するように見えますが、戦後平和主義がもたらしたという意味では根っこは同じかもしれませんね。
佐藤 日本の核共有の議論には、ねじれがあります。亡くなった安倍さんは、一見すると核共有の議論に前向きでした。しかし安倍さんは、核共有は不可能だと十分に分かっていた。一方で核共有や核開発は右派を引きつける強い切り札になると理解していた。だから自分たちのクライアントの支持を得るために核共有の議論を持ち出した。
たくさんの人が貧しくなって疲弊してしまっている。その文脈で注目しているのが、臨床心理学者の東畑開人さんが書いた『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』(* 14) です。新自由主義の時代には、大きな船がない。みんなそれぞれ小舟に乗って進もうとするんだけど、個々の力には限界があってボロボロに疲れ果ててしまう……。彼の小舟論を読んで、これは心の逆襲だなと感じました。 心を見つめようという動きは日本では 70 年代の終わりからはじまりました。ユング心理学が広まり、文学では村上春樹が読まれた。その反動がオウム真理教です。 片山 心とは何か。突き詰めた結果、カルトに向かっていったわけですよね。ただ当初は狂気や攻撃性に気づいている人は少なかった。一般的には神秘主義的でオカルト、超能力をウリにする平和的な団体という認識だった。その影響もあり、事件の反動が大きかったとも言えますね。 佐藤 だからオウム事件後、心に代わり、脳科学が一気に優勢になっていったんです。心の動きは脳の作用で起こるという理屈です。ただソビエト心理学を想起するから、私はどうしても脳科学に対する違和感が拭えない。ソビエト心理学では、脳を操作することで、人間の行動や社会そのものを変えるでしょう?
イギリスでは『ボブという名のストリート・キャット』(* 15) というノンフィクションがベストセラーになり、映画化されました。日本も近い状態なのではないかと思うんです。青年が路上生活に落ち、誰ともコミュニケーションがとれなくなってしまう。ある日、猫を世話しはじめたら、人とのコミュニケーションも回復し、薬物治療もうまくいくようになる。あの物語は猫を描いているようで、実はイギリスの……いえ日本も含めた先進諸国が直面した社会的な問題を突きつけてくるんです。人はホームレスは相手にしないけど、猫ならかわいがる。猫を媒介にして最低限の暮らしから這い上がる。猫を肩に乗せるだけで稼ぎが3倍になるそうです。 -
Posted by ブクログ
ウクライナ戦争を侵略者ロシアから民主主義を守るウクライナという単純な時点で見る事への警鐘が具体的に書かれた対談本。
ウクライナとロシアとの歴史を遡って今を見れば、今の西側メディアの視野の狭さ、思慮の浅さが絶望的に見える。
この戦争はアメリカがウクライナを使ってロシアを弱体化させるというアメリカによって管理された戦争と言う。
この本の出版当時はその通りであったはずだが、イスラエルでも戦争が起こって、アメリカが今後の明確な戦略を持っているのか疑わしい。
19世紀くらいから続いた西洋普遍主義、戦後のアメリカ一極体制が今まさに変わろうとしていると感じる。
その意味でプーチンの見立ては正しい。
日本がすべき事は国際政治で基軸となる3つ、価値の体系は守りつつ、利益の体系と力の体系を見てしたたかに日本の立場を守る。台湾危機を発生させない事が一番大切。