佐藤優のレビュー一覧

  • 国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―

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    【これは国策捜査なんだから】(文中より引用)

    日本中が騒然とした「鈴木宗男事件」とはいったい何だったのか。「外務省のラスプーチン」と呼ばれ、自らも逮捕された人物が語る「国策捜査」の内幕とは......。著者は、本書で毎日出版文化賞特別賞を受賞した佐藤優。

    本当に久しぶりに再読したのですが、国家権力というものを知る上でここまで優れた著作にはそうそう出会えないのではないかと思います。驚くべき情報量だけでなく、その一つひとつが濃密であることに驚かされるばかり。また何年かしたら戻ってきたい作品です。

    行間から匂い立つものが凄まじい☆5つ

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    2019年12月09日
  • 人に強くなる極意

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    いま何かしらうまく物事が進まない事に悩んでいるならば、手に取ってみたい良書。
    例えば「びびらない」の項。ビビっているのは対象のことをよく知らない恐怖心から生まれて来る感情。必要以上にびびらないようにするには相手を知ること。その相手のことを類推できるようになれば随分楽になる。本や映画にふれて代理経験しておけば冷静に客観的になれる。
    著者自身、鈴木宗男事件で拘置所に500日を超えて閉じ込められた経験があり、内容はすごくリアルである。

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    2019年11月25日
  • 僕ならこう読む

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    小説を読んで著者の考えが書かれている。現代社会の悩みや組織の歪んでいる部分などを取り上げていて、非常に勉強になった。ビジネスパーソンは読むと参考になる。

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    2019年11月10日
  • 佐藤優の挑戦状 地頭を鍛える60題

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    ネタバレ

    公務員試験ゆえ難問であっても奇問はないはずと信じて絶対回答できるはずと時間をかけて取り組みました。
    様々な分野、様々な攻略法(正攻法で行くもの消去法で行くもの、または一般教養に属し一見して即解できるもの)がバランスよくまとまっています。
    初見で半分解けるかどうかってくらいでした。
    大学で所属していた学部の分野の問題ならおそらく「その分野では常識」な問題なので簡単だと思いますが、数学パズルみたいなのは場数を踏むかそういう思考の才能のあるひとでないと難しいですね。

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    2019年10月23日
  • 野中広務 差別と権力

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    ネタバレ

    10年前に買ったのを、今になって読む気になりました。野中さん、すごい人だった。
    大物政治家がバンバン出てきて政治史を知る上でも面白いし、被差別部落史としても興味深いし、野中さんかっけー。田中角栄なんて「悪の権化」みたいな印象持たされてたけど、地元の人や民衆にとってはありがたい政策をやってきた人なんだね。金のある時代だからできた政治手腕だろうとは思うけど。

    あとがきに「彼の引退は(中略)平和と繁栄を志向してきた戦後の終焉を象徴する出来事だった。新たな時代には平等と平和の四文字はない。」とあり、文庫が出て10年後の今、確かにそんな世の中になっていてゾッとする。

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    2019年10月23日
  • 友情について 僕と豊島昭彦君の44年

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    毎日小学生新聞の連載で
    佐藤優がこの「豊島君」について語っていて
    読みたいなあとずっと思っていた本。

    ①カイロス(timing)ある出来事が起きる前と後では、事柄の質が変わるような時間。
    ex:記念日
    神学を勉強して有益だったのは、カイロスに敏感になったことだ。(p42)
    「今、豊島君は何をしているのだろうか」このような感情は相互的なので、豊島君も私について考えたことがあると思う。

    夢に出てくるとかありますが、それはそうなのかなあ。

    ②佐藤優の父の教え
    大学教育は受けろ、適正があれば大学院まで進め、高等教育を受けると、国家が国民に嘘をついているときも、それを見抜くことができる。口に出すこ

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    2019年10月22日
  • 友情について 僕と豊島昭彦君の44年

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    佐藤優さんの高校の同級生・豊島君が、すい臓ガンで余命幾ばくもないことがわかった。佐藤優さんはそのことを聞いて豊島君に「2人の自伝を書かないか?」と提案する。

    すい臓ガンは怖いガンだ。気がついた時は既に遅く、ある事情で私も他人事ではないと感じている。しかも、この2人とはほとんど同世代ということがわかった。私と違い、優秀な成績で社会に出た後に98年の日債銀経営破綻で人生がガワリと変わった豊島君は、しかし同世代だけに遠い世界ではない。

    「それで豊島君は何がしたい」あえてビジネスライクに佐藤優さんが聴くと
    「自分がこの世に生きた証を遺したい」
    で、2人の自伝を提案すると、豊島君は怯む。佐藤優さんは

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    2019年10月12日
  • 人をつくる読書術

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    ★4.8(3.62) 2019年2月発行。「何を読むかで人生が決まる」まさにその通り。著者の本は何冊か読んだが、読むほどに、まさに現代の知の巨匠ということを実感する。外交官を辞めて正解だったと。それにしても著者の読書量は半端ない。また読み方も精読・熟読、速読、超速読の3種類を駆使し、精読・熟読では3回も読みこむと。著者の宗教、哲学、文学の知見は現代人の誰をも凌駕するのではないかと。ブルーバックスシリーズの通俗本は読んでみたくなりましたね。それり論理学。多くの読むべき本の紹介はこれらか読んでいきたいですね。

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    2019年09月16日
  • 大日本史

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    黒船来航から、太平洋戦争、天皇人間宣言まで6章、山内昌之氏と佐藤優氏が対談で博覧強記、分析詳細しかも的確な語りを披露している。私には、目から鱗のことが多かった。
    例えば、ペリーの後にやってきたロシアのプチャーチン提督が徹底した対話による外交を展開したこと。明治政府のシステムが初めから薩長を中心とした合議制で、2年近くにも及ぶそれが旧幕府も含めた超藩的な岩倉使節を可能にしたこと。サラエボで暗殺されたオーストリア=ハンガリー帝国のフランツ・フェルナント皇太子が、スラブに対して宥和的な考えを持っていたこと。日露戦争の後、日米戦争に向かわせてしまった政治家、外交官、論客、軍人などをたくさん挙げ、詳細に

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    2019年09月13日
  • 大世界史 現代を生きぬく最強の教科書

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    ①なぜ、いま、大世界史か
    歴史は現代と関連づけて理解することで、初めて生きた知になる。読書や歴史を学ぶことで得た代理経験は、いわば世の中の理不尽さを経験すること。だからこそ社会や他人を理解し、共に生きるための感覚を養ってくれる。例えば「今は新帝国主義の時代である」というキーワードによって世界の動きがかなりはっきり見えてくる。それだけで説明できないものも残る。
    ②中東こそ大転換の震源地
    これまでアラブ人といえばスンニ派だった。しかし、イラクの現政権を実効支配しているのは「シーア派アラブ人」であり、新しい民族が生まれつつある。こういう混乱した状況になると、最終的には思想が人を動かす。だから過去にど

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    2019年08月21日
  • サバイバル組織術

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    「第六章 昭和史に学ぶ」はぜひ読むべし。こんなに端的に、敗戦につながる日本の歩みのどこがいけなかったのかを簡潔にまとめて書かれている文章は他にない。

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    2019年07月30日
  • 友情について 僕と豊島昭彦君の44年

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    ★4.7(4.33) 2019年4月発行。膵臓癌のステージ4と診断された高校1年時の同級生である豊島昭彦氏の生きた証として、同氏の半生について、手記を交えて執筆。「十五の夏」にも出てきた豊島氏。まさか膵臓癌と診断されてから1年も経たずに亡くなってしまうとは。(6月に亡くなったようですね。)ご冥福をお祈りします。僕にも30代の若さで同じ膵臓癌で亡くなった後輩がいたが、検査で分かってから3ヶ月も経たずに亡くなった。豊島氏の人生を意味あるものにするため、手記の執筆を勧めた佐藤氏の友情には頭が下がりますね。

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    2019年07月22日
  • ロシアを知る。(東京堂出版)

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    ロシア専門家の佐藤氏の独壇場。池上氏との対談形式なのでいつもより非常にわかりやく丁寧に書かれていて、あまりよくわからないロシアの新たな面をいくつも見せてくれます。日本のバブル以降が丁度ソ連からロシアへの過渡期で、今後の日本の将来を暗示する、または参考になるロシアの姿がわかりやすく解説してあり、とても面白かった。

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    2019年07月19日
  • 調べる技術 書く技術 誰でも本物の教養が身につく知的アウトプットの極意

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    ネタバレ

    【感想】
    佐藤優氏の書籍を読むたびに感じる事だが、この人の知識量とその深さは本当に頭が上がらないものがある。
    まぁ、それでメシを食っていると言えばそれまでだけども、、、
    元々の博識さやスペックの高さもさることながら、しっかりとしたエビデンスに基づいた資料に拘って膨大な量をインプットし続け、同時にアウトプットもし続けているからこその佐藤優の凄さなんだなと納得できる。

    自分に何か佐藤優を模倣できる点があるとするなら、インプットとアウトプットをしっかりと意識して数々の書籍や書類と向き合う事だろう。
    読んではいるが、頭で理解しきっていない事も多々あるのだから。
    特にアウトプットできる程に落とし込むこ

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    2019年07月16日
  • 友情について 僕と豊島昭彦君の44年

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    「友情」を考える上でこれ以上の本があるだろうか。高校一年生の一年間を濃密に過ごした著者二人のそれからの人生を顧みて、勿論それぞれの人生があったわけだが、都度都度関わることがなくても、いざという時に一番親身になって精神的なヘルプをしてくれる親友という存在。
    自分の身で振り返って、3年前に三途の川が朧気に見えた時期があった際に、やはり親友家族にとても言葉で表せない勇気をもらったことがあり、幸いなことにまだ生かしてもらっているが、その時の記憶を呼び覚ましながら読ませてもらいました。
    お互いのことを尊敬し合える友達同士の友情は本当に素晴らしい。最後の伊豆弓ヶ浜への二人旅行の場面は涙無しに読むことができ

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    2019年07月10日
  • 君たちが忘れてはいけないこと―未来のエリートとの対話―

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    現代の日本の知の巨人・佐藤氏の灘中高生との対話の第2弾。私のような凡才には佐藤氏の普通に書かれている本は理解困難なことも多いので、エリート予備軍中高生に平易に(内容は全く平易じゃないけど)語られている本作は非常に読み易く、ある程度理解しやすい。佐藤氏が後輩者育成というか教育分野を重視されていることは、日本にとって素晴らしいことだと思います。このようなテキストを今後も上梓されることを切に願います。

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    2019年07月06日
  • 大日本史

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    歴史は勝者によって作られる。ただ、後世の我々は残された史料を、角度を変えて読み解くことにより、必ずしも「勝者の歴史」通りではないストーリーを発見することができる。

    これは本書で語られている一節。まさにその通りで、例えば幕末史。司馬遼太郎の「竜馬がゆく」「燃えよ剣」は今や幕末の定説感さえ漂わしている。膨大な資料を渉猟し、書かれたとはいえ、あくまでも幕末を舞台にした「小説」。ゆえに、著書の主人公に対する肩入れから来る「作り事」も多く含まれている。黒船来航から明治維新までを概観する上においては格好の書ではあるけど、倒幕派=義 佐幕派=不義 という単純な見方で眺めるのはあまりにも短絡的過ぎる。「フィ

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    2019年06月21日
  • 現代に生きるファシズム(小学館新書)

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    p160の「念力主義」は、確かにねぇ、と笑ってしまった。

    頭が足りない奴に限って、他人に向かって「気合いが足りん」とか言うんだよな…
    そこで一言、「だったらお前がやって見せろ」は、未完のファシズムでは最大の禁句だ、と…

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    2019年06月20日
  • 新・リーダー論 大格差時代のインテリジェンス

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    池上さん+佐藤優さんの本って初めて読んだけど、出版から2年半をしてこの迫力。ただのトレンド本ではない。すごいわ。何冊も読みたい本が登場したので、今後読んでいくの楽しみ。
    「思考の一貫性の欠如」「知的凡庸さ」「攻撃性」「金銭の魅惑への屈伏」「愛情関係の不安定」(エマニュエル・トッド「デモクラシー以後」)。なるほど。これは国家のリーダーのみならず、企業のリーダーにも当てはまるのかな?それとも「アトム化」を防ぐ疑似宗教的な企業体のトップは、リーダー的要素においては国家のリーダーを既に超えたのだろうか??

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    2019年06月16日
  • 大世界史 現代を生きぬく最強の教科書

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    世界と日本という視点で繰り広げられるが、非常に面白い。この2人の知識量とそこに至るポリシーと示唆が興味深い。
    現代の問題は歴史のなかで既に上がっている部分も多いと感じる。
    歴史を含めたリベラルアーツは大事だと再認識。

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    2019年06月12日