佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
プライドは邪魔なので持たない。
悪かった、悪かった、運が悪かった。
国民の雰囲気が罪を決める。
内容は言うまでもなく面白い。こんなすごい作家が元官僚で、しかもノンキャリアだったことに日本の官僚は凄いと思ったものだが、国策捜査の恐ろしさ、検察の取り調べ、留置所の生活を冷静な視点で描いているところも斬新であったし、ロシアとの北方領土問題についてもこんなに詳しく書かれたものは読んだことが無かった。それもそうで、条約交渉は外交機密のため、下手な事を書くと国益を毀損する恐れがあるので、ほとんどの人が書く事ができないのだ。著者によると情報(インテリジェンス)関係者から許しを得て詳しく書けない部分はあり -
Posted by ブクログ
「読書術」と一言でくくられていますが、内容は
佐藤氏の生き様と本がどう関わってきたか、を
語る人生論に近いです。
しかし「なぜ本を読むべきなのか」「読書がどう
人生形成に関わるのか」など、佐藤氏の主張、
考えが散りばめられており、「もっともっと読ま
なくては」と刺激を受けるのと同時に、「もっと
もっと本を読みたくなる」一冊です。
佐藤氏は現代の小説も積極的に読むべしと主張
します。
その理由は、ビジネス社会で生きていると、
競争原理の中で視野狭窄に陥り頭が固くなりがち。
仕事に追われるうちに、話すことと言ったら
ビジネスと健康のことだけというような寂しい
人間になるな。と警鐘を鳴らします -
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Posted by ブクログ
ネタバレ毎回、このお二人の対談は身が引きしまる。勉強しようと思う。佐藤さんの言葉を池上さんが分かりやすく嚙み砕く感じが、今までの本と少し違うところかなと思った。だからより読みやすい。
今後も二人の出版物は出ると思うが、自分の頭で考えることと、本を読んで「わかったつもり」にならないことだ。下の引用もあくまでもメモ程度で。これが瞬時に出るようになるまで、常に勉強だと思う。
・自分がこの一年で何をやってきたか、そういう棚卸しが必要。
・自分の限界を知ることと、何を諦めて、何を伸ばすかを見切ることはすごく大事。
・医療保険、介護保険、特養、税金、年金、高額医療費の補助制度の仕組みを知る。また厚生労働省の「一 -
Posted by ブクログ
☆☆☆2020年3月☆☆☆
「いま生きる資本論」に続いて、刺激的な作品だ。
「資本主義とは何か」を、階級論を使って解き明かしていく。ここでそれを僕が語れるわけではない。
もっとも大事なのは、「労働力の商品化」という概念だと思う。個人個人が切り離され、「自らの労働力」しか売るものを持たない大多数の人々。それが「格差」を生み出す根源。それを知るだけで生き方が違ってくる。
僕は「資本主義に依存しない」生き方ができるのではないかと思う。直接の人間関係を大切にし、お金に頼らずとも生きていける環境を少しでも手に入れること、少しでも実践したいものだ。
印象に残った内容の一つはピケティ批判。
格差が -
Posted by ブクログ
ファシズム=悪という、単純化した先入観を改めさせてくれる。先ず、我々がファシズムをナチズムと混同している事に気付かねばならない。その上で、本著はファシズムの開祖的な存在でもあるイタリア、ムッソリーニの思想を教示してくれる。ムッソリーニと言うと、世界史を学校でしか学んでいない人間からすれば、どうしてもヒトラーの二番煎じ的存在として、尚且つ、第二次世界大戦でも早々と降伏し、またはチャップリンに揶揄された、中途半端な存在として認識してしまっている。先ず、この見方が変わる。その視点の切り替えから広がり、合理的であるが故に、人間を機械の一部とした資本主義や共産主義の問題点を説き、ファシズムの危険な魅力に