あらすじ
2020年度、教育現場には「新学習指導要領」が導入され、新たな「大学入学共通テスト」の実施が始まる。なぜいま教育は大改革を迫られるのか。文科省が目指す「主体的・対話的で深い学び」とはなにか。自ら教壇に立ち、教育問題を取材し続ける池上氏と、「主体的な学び」を体現する佐藤氏が、日本の教育の問題点と新たな教育改革の意味を解き明かす。巻末には大学入試センターの山本廣基理事長も登場。入試改革の真の狙いを語りつくした。
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何かと話題の新テストですが、このお二人が論じると一味違います。オウムの話まで出てくるとは思いませんでした。新テスト導入が教育改革の一環であるならば、そもそも教育がどうあるべきか、そして教育は何のために必要なのか、という議論が必要なはずです。ある意味、本質を突いていると思います。一読をおすすめします。また、この2人との対談に応じた大学入試センターの理事長さんに拍手。
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新しい大学入試制度や学習指導要領についての情報があるかと思ったら、一般的な教育問題についての、二人の対談が多くを占める。
でも、大学入試センターの理事長さんなどが出てきて、しっかりと原典に当たることの重要性を再確認する。
個人的には、佐藤さんが同志社で実践している指導方法が面白いと思った。
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2020年度以降大学受験をするお子さんがいる方や、新しい指導要領での教育を経験するご家庭の方は、是非読んだ方がいいでしょう。
教育改革、なんだかよくわからないけど、そのまま放っておくことが一番子どもによくないと思いました。
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2019/5/19
大学入試のあり方や教育の今後のあり方についての池上さんと佐藤さんの対談形式の本。
対談形式だったのでとても読みやすかったです。
内容に関してはというと、2020年の大学入試改革や、学習指導要領の変化に関して、今の日本の教育に関しての構造上の問題点を指摘しています。特に大学入試に関しては高校の段階で文系理系を早くから選別し特定の科目しか学ばせなないことで大学に入れることだだけを目的とした自称進学校、この本では受験刑務所と表現していましたが、そうしたことの問題点を考え直し、今後の日本の教育について新制度のもとにどのように変化して行ったらよいのかを考えさせられました。
大学と受験産業の切っても切れないつながりやら、高校と大学の接続をめぐる問題やら、子どもの現象にかかる大学の謎の増加やら考えるとたくさんのことがあります。
大学入試が変わるということは高校入試が変わり、高校入試が変わるということは中学での教える内容も変わり…どう変化に対応していくべきなのか考えて対応する力をつけていかないといけないなと思いました。
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日本の教育の問題点や2020年からの教育改革の意義や必要性などが語られた対談本。
教育は国の基本。教育のあり方が変わる2020年からの教育改革は全ての国民が知っておくべきことだと思います。本書を読むことで2020年から教育がどう変わるのかを知ることができます。また、教育とは何かという本質もわかります。
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2019/4/27 ジュンク堂神戸住吉店にて購入。
2019/5/9〜5/11
池上・佐藤コンビが教育改革について対談。お二人の現状の捉え方に賛同。受験エリートが上級国家公務員になってからの日本の政治・行政はひどいものになったと思う。点を取れるエリートよりも、自分で考えて行動できるエリートを養成できるようなシステムが望ましいと思う(難しいだろうが)大学入試センター理事長との鼎談もあって、面白かった。
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先の予測が難しい現代において、どういった人材を育てるか。高い思考力を持った人材に育てるために、大学と高校が連携して、まずは大学入試から変えていく。
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大学の職員として、高校が何を教えているのかということにもっと関心を持たなくてはならないと思った。それを知った上でないと、有効な入試やカリキュラムは構築できないなと感じた。
また、それだけでなく一般人としても親としても、共通テストの問題を解いて、どんな学びが求められているか、国が求めているのか、ということに敏感にならないとと思った。
あと、宗教についての理解を深めることも大切だなと思った。
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さすがの池上本。今日の教育界に対する警鐘や提言は鋭いのだけれど、対談の形にすることで、刺々しさのない、読みやすい一冊になっている。さらっと1日で読めた。
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泣く子も黙る、知識と言葉を巧みに扱う両巨頭!
2020年の教育改革を柱にこれまでの経緯や反省、そしてこれから期待することを対談形式で進められていく。なぜ私大が台頭したのか等知らないことがたくさんあった。教育で得た知識は正しい方向で活用されることが必要で、そこを間違えるとオウムのようになりかねない。これからはAI時代、暗記より思考を問う試験に変わっていくようだ。AIだって道具の一つ、それを使いこなせる、人間にしかできない知識が不可欠だ。
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200622教育激変 池上彰 佐藤優
教育は誰もが一家言を持ち、語れるテーマ
両名の教育論は真摯さと水準の高さを感じるが
他方、オーソドックスでもある
現代における教育改革のプライオリティは何か?
偏差値至上主義教育の弊害
東大問題 知識 人物
単なるヒエラルキー 上には上がいる
読解力>記憶力・計算力 新井紀子
養成すべき「真のエリート」
ノブレス・オブリージュ
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池上氏と佐藤氏が2020年大学改革を巡り、『高校』『大学受験』『大学』といったテーマについて、対談する一冊。最終章は山本廣基大学入試センター理事長を交えた対談となっている。
本書は2019年4月に出版された本であり、記述式の導入・四技能の測定の見送り・延期の決定前の話である。
両者が倒れた今、高大接続改革はとん挫したかのように見える。
しかしながら、池上氏・佐藤氏、そして山本理事長の三者のコメントから、今回の決断がその結果が予期されていたこと、そして改革は決して終了していないことがわかる。
文部科学省が実行しようとした『上からの改革』は急進的過ぎて失敗した。
ただし、改革の背景に存在する、偏差値教育が行われる高校教育の弊害,全入時代にあっての大学の存在意義,即戦力・高度人材が求められる社会への対応は決して看過してよいものではない。
教育関係者、受験生の親御さんだけでなく、様々な人びとに読んでほしい。
そうして与えられるのではなく、自ら求める学習を漸進的に実行し、高校・入試・大学を変革してほしい。こうした『下からの改革』が重要なのではないか。
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今とこれからの教育についての池上彰氏と佐藤優氏の討論が書かれている。
所謂「いい大学」を目指した受験刑務所の話は面白かったし、現代の子育て世代の風潮を的確に表していると思った。いい高校に入って、いい大学を出て、いいところに勤めるというレールに上手く乗ると将来が約束されるようなものだ。しかし、最近ニュースになる官僚達の誰がみてもアウトの行為を見ると、道徳性や倫理感の欠如が見受けられる。生きる上で習得しなければならないものが教育されていない。上へ上へと目指すのはいいが、根本のゴールを設定していないのに東大に入るケースも増えているらしい。
自分の目的を持った学習が必要だし、それを設定することで、やる気が出てくる。学習は目的を達成するための手段である。これからの教育はどうなるのだろう
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対談形式でサクッと読めた。
池上さんと佐藤さんの対談本は、客観的な視点から問題提起ができている印象がある。本書でも教育に対して、複数の問題提起がされていてどれも納得できたし、どうにかしないといけないと思った。
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2020年の大学入試と学習指導要領の改革、特にアクティブ・ラーニングと「エリート」教育の部分が気になって手にとった。
アクティブ・ラーニングの究極は「ハーバード白熱教室」だと思うとイメージしやすい。
池上さんは語る。白熱のかげに下準備あり。十数人のスタッフが、学生達に課題図書を与え、アリストテレスなりソクラテスなりを読み込ませ、集めるという。
これは小中学校でアクティブ・ラーニングを進める際の大きなヒントになっている。かたちだけ討論を取り入れても深まらないし、分からない子、内気ない子をおいてきぼりにしかねないからである。
面白いのは、アメリカの「反転授業」。先生が作った授業VTRを予め見て、知識を入れてから討論をすすめる。
基礎的な知識を身につける工夫をいかにさせるか。
いかに全員を巻き込むような討論にするか。
それがあって初めてアクティブ・ラーニングが有効なのでは?そんなことを考えながら、この本を読んだ。
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池上彰、佐藤優による大学入試に関する対談。
自分が大学入試を経験したのが40年前。それ以降、学校教育にはほとんど関心が無かったので、これまでの大学入試と学習指導要領がどうなっているのか全く知らなかった。当時(共通一次の時代)と共通しているのは、教育についての議論はずっと続いているという事。いろいろ入試の制度が変わったが、その都度問題が発生している事。正直、これまでの問題点を知らなかったので、対談の内容がよく理解できていないけれど、二人とも今回の改革の新テストを支持しているという事だけは判りました。でもこんな議論は、大学入試というものがある限り、永遠に続いて行くのだろうなと思いながら読みました。
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これまた”身になる読書術”から。同書からは、かれこれ結構読んだな。この二人の対談、特に最近は多く触れていることもあり、だいぶすんなりと主張が入ってくるようになってきた。それにしてもセンター試験、そんなにバランスが取れた良いものだったんですね。確かに言われてみれば、受験人数からして桁が違う訳だし、携わる人間もその分多いはずだしってことになると、質が上がるのも必然とは思えてくるけど。そして、センター試験が良い入門編になるってのも納得。ここで取り上げられたセンター試験哲学の新書を、ちょっと読んでみようかな、と。
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読みやすい対談本でした。さすがだなという感じです。大学教育のあり方、高校教育のあり方、社会全体における教育のあり方など、根本的なところから考えさせられる内容でした。教えることや学ぶことに正解はないでしょうが、本来、どちらも知的で楽しい行為だと思うので、最初に出てくる「受験刑務所」という言葉は、わかりやすく現状を言い表していると感じるだけに、じんわり恐怖を覚えました。
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世の中に求められる教育の質について書いてある本でした。本当に社会的要請があるのはこういう人材を育成することだという一つの例が提示してありました。
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大学入試制度の改革。
国語は資料の読み取りから、読み取る力、要約する力、選択する力、表現する力という総合的な能力が試される。これはAIにはできない複雑、かつ総合的な動きではある。
ホモデウスによれば、石器時代の人間のAIよりも、トラック運転手のAIを作る方が簡単であるとのこと。つまり、高度に専門化された職はAIに取って代わられてしまう。現代人は高度に専門化することで、自らAIに近づいている。
複雑かつ総合的な力は、様々な環境要因を照らし合わせて自分なりに思考して組み立てる力だ。それができて視点ができる。
それが必要と提示した点で、国語における大学入試制度の変更は良いと思う。池上さんと同じく。
テロリストを美化する文化の日本。また、宗教教育の禁止から、オウムなどを教えるのを避ける中高教育。
大学の質の低下。財政難で安定して研究できる環境が消えている。
苦学して国立大学、のパターンが不可に。経済格差と、教育格差問題。また、受験刑務所、というパンチライン。ゆがんだエリートの画一化。
また、多様性を打ち出し始めた大学の話。
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教育の問題と時事をからめて論じてくれる。つまり、教育とは今はある社会問題の根底にあるものだし、それを解決するためにも教育が大きな意味を持っている、と感じられるんだよね。大学の入試改革とかAI、シンギュラリティ、アクティブ・ラーニング。そういった教育のトピックスと、財務次官のセクハラ事件とか格差の問題をつなげて考える。その姿勢は、本来あるべきものなんだろう。いろいろ考えさせられた。
この二人の共著、加速度的に増えている気がするけど、それだけ売れるのだろうな。実際、確かに一定の面白さは保証してくれるし。
Posted by ブクログ
まあ、対談の中に出てくるのは概ね同意。しかし、日本の教育界隈は、大変だなあと当たらためて実感。本当に新指導要領実施ってどうなっていくんだろうね。