【感想・ネタバレ】友情について 僕と豊島昭彦君の44年のレビュー

あらすじ

高校時代の親友が膵臓癌に。余命の中央値は291日――。「豊島、一緒に本を作ろう。君の体験という財産を、後の人たちのために遺すんだ」「でも僕はたいした人生を送っていない。大学を卒業して一般企業に入社し、結婚して子どもが2人できて、2度の転職をしたけれどごく普通のサラリーマン生活を送ってきたに過ぎない。人様に誇れるようなことは何一つしてきていないし、そんな私の人生を本にしたって誰も興味を持って読んでくれる人などいないだろう」「そんなことはない。豊島君が生きた時代、それはぼくも生きた同じ時代だけれど、この時代は高度経済成長のバブルがはじけて日本経済が衝撃的な打撃を受けた時代だった。豊島君だって当時最も安定した業種とされていた銀行に就職したのにその銀行が潰れて、その後に外資系のファンド会社に買収されて苦労しただろう。そういうことを書けばいいんだよ。あの激動の時代を記録に遺し、君が窮地に陥ったときの苦労や困難をいかに乗り越えてきたかを語っておくことには、きっと大きな意味があるはずだ」会社の破綻、上司との軋轢、リストラや出世、転職、家族、友人、病……。親友が激動の半生を赤裸々に綴り、作家・佐藤優が生きる極意を語っていく。人生とは何か。余命を意識したとき、人は何を思うのか――。前代未聞の出版プロジェクトが始まった。本書から導き出される「人生の極意」の数々闘病中は2つのことに気をつけたほうがいい危機的状況では、人間は楽観論に走る窮地に陥ったら戦線を広げるんだ事実と真実は違うときがある生き残る人と生き残れない人を分けるのは、インテリジェンス能力と歴史観の有無だ外見の強そうな男がメンタルも強いとは限らないすべてはタイミングの問題なのだ人生の岐路はほんの些細なことで変わってしまう嫌な上司を攻略したいときは……上から捻るんだよストレスや不安とは心の中でうまくつきあうといい

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Posted by ブクログ

十五の夏、先生と私に続いて読んだ。十五の夏にも登場する高校時代の親友 豊島さんは本当に人格的に素晴らしい人だということがわかる。がんに罹患し余命宣告を受けた豊島さんの生きた証を残すために作成された作品。豊島さんの人生を、佐藤優の人生とも重ねながら、生誕から幼少・学生・社会人としての時代を家族、会社の同僚・上司などとの関係などをこと細かく描かれている。激動の日本を生き抜いた同年代の人なら共感を持つ内容ばかりだ。自分の身に置き換えながら感情移入しながら読み進めた。いろいろと考えさせられる素晴らしい作品だった。

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2021年03月29日

Posted by ブクログ

毎日小学生新聞の連載で
佐藤優がこの「豊島君」について語っていて
読みたいなあとずっと思っていた本。

①カイロス(timing)ある出来事が起きる前と後では、事柄の質が変わるような時間。
ex:記念日
神学を勉強して有益だったのは、カイロスに敏感になったことだ。(p42)
「今、豊島君は何をしているのだろうか」このような感情は相互的なので、豊島君も私について考えたことがあると思う。

夢に出てくるとかありますが、それはそうなのかなあ。

②佐藤優の父の教え
大学教育は受けろ、適正があれば大学院まで進め、高等教育を受けると、国家が国民に嘘をついているときも、それを見抜くことができる。口に出すことができなくても、戦争に負けるということが分かっているといざというときに判断を間違えない。

佐藤優の父もまた、すごい方だったのだろう。
こういう、本質を伝えられる親になりたい。
母もまた、沖縄の防空壕で手投げ弾のピンを抜こうとして、となりにいた兵士から
「国際法で女性と子どもは守られる」
「死ぬのは捕虜になってからでもできる」
と耳打ちされ、命を取り留めた経験を持つ人だった。

③植民地経営→地政学が重要。
日本は島国→ネットワーク重視の海洋国家
半島国家→地政学的に半分海洋国家、半分は大陸国家のハイブリッド
大陸国家の基本戦略は自国の領地を増やして効率的に統治すること→マネジメント能力

人々をまとめていくにはやはりノウハウが必要なのだ。
まだまだ学ぶことは多い。
雑多になっている。
経験だけでものをいうのではなく、論理も同時に構築したい。

④逮捕されてからは、日記と手帳がとても重要になる。特捜は手帳に書いていることを物証にするので、それで実際と違う話を作られてしまう危険性がある(p151)

どこも面白いが、ここの話もかなり興味深かった。要するに、もう違う話ができないくらい細かくログをとっているのだ。佐藤優のノート、日経Womenかなにかで見たことあるが、時間と何をしたのか細かく書かれていた。
さらに唸ったのは、ATMで入金は絶対にしないという話。引き出しておいて、多かったからといってあとで入金すると、これが記録になる。どこに送金したんだ、と。そこから勝手に話がつくられていく。
結局、payだってポイントだってTカードだって同じなんだよね。管理したいという国家の戦略なのでは、と浅はかな私は思ってしまう。

⑤生きていく上で特に重要と思う事柄(8項目)
1 こんなもんだと思うこと。
仕事が厳しいのは当たり前。

2 仕事以外に自分の生きる目標を作る。
好きなこと、やりたいことを見つける。

自分だったらなんだろう。
家族、書道、お花・・お茶も興味あるなあ。

3 いい経験をしている、と思うこと。
置かれた環境を楽しむくらいの余裕。

4 人的ネットワークを作ること。

苦手分野だ、たぶん。
当面は、会ったときに笑顔で話す。
はがきを書く、を続けていこう。

5 目標となる人を作ること。
自分もそういう人になれるよう努力する。

今まで、人には恵まれてきたと思う。
特に大学、仕事を始めてから。
どんな人と一緒にいるか、の影響は極めて大きい。
学ぼう。

6 チャレンジ精神をもつこと。
できるかどうかわからないことをやってみる。

あー、これできてるかな。
毎日がどちらかというとできるかどうかわからないことばっかりなんだけどなあ。

7 自分の座標軸を見失わないこと。
これだけは譲れないもの。
その軸から今の自分が外れていないか常に意識しておく。

ここから逸脱すると、きっと精神がおかしくなるんだろう。

8 一喜一憂しないこと。
小さなことで一喜一憂しない。

人生には波がある。
うまくいく日もあればうまくいかない日も。
うまくいかない時期もある。
長いスパンでみる。

人生は短い。

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2019年10月22日

Posted by ブクログ

佐藤優さんの高校の同級生・豊島君が、すい臓ガンで余命幾ばくもないことがわかった。佐藤優さんはそのことを聞いて豊島君に「2人の自伝を書かないか?」と提案する。

すい臓ガンは怖いガンだ。気がついた時は既に遅く、ある事情で私も他人事ではないと感じている。しかも、この2人とはほとんど同世代ということがわかった。私と違い、優秀な成績で社会に出た後に98年の日債銀経営破綻で人生がガワリと変わった豊島君は、しかし同世代だけに遠い世界ではない。

「それで豊島君は何がしたい」あえてビジネスライクに佐藤優さんが聴くと
「自分がこの世に生きた証を遺したい」
で、2人の自伝を提案すると、豊島君は怯む。佐藤優さんは畳み掛ける。バブルがはじけた時代を語ることは意味があるはずだと。
「でもそれは、あの時代に特有だった特殊な事例であって、今の時代には通用しないのでは」
「そんなことはない。時代は繰り返す」
豊島君の想いは、とてもよく理解できる。佐藤優さんの判断も正確だ。とても理性的だけど、限りなく情に溢れている。これが「友情」というものなのかもしれない。

2人の高校生活を見ると、2人を合わせて1/3にしたようなのが私の大学生活だったと思う。私の3ー4歳先を既に歩いていたのである。なるほど、これが秀才の歩く道なのだ。

90年バブル破綻、97年北海道拓殖銀行破綻、豊島君は、悪循環に落ち入る日債銀の中にいて「一度マスコミに対して弱みを見せるとマスコミは一気呵成に徹底してその弱みを追求してくる」と強く感じた。「結局誰か犠牲を作らないとこの攻撃は終わらないのだ」。この構造は20年経っても1ミリも変わらない。

「外見の強そうな男がメンタルも強いとは限らない。(略)普段は温厚で柔和だが一度決めたことはブレない意志の強さ、そして地頭の良さを兼ね備えた豊島君のような人間こそが、どんな修羅場も毅然と乗り越えられるタイプであることを私は経験的に知っている」(163p)

会社が経営破綻して、外から外国人上司がやってきたときに、いち会社員としてどのように接したかということは書いてあるが、当然だがバブル崩壊そのものの全体像は描かれていない。平成会社員「史」としては興味深かった。上司との付き合い方には普遍性がある。差し障りがあるので詳しい事は書けないが、私は頗る共感した。

数年前に豊島君は両親と死別した。似たような経験を私もしている。また、最後の人生8訓も、私は頗る共感する。やはり、同世代なのだ。

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2019年10月12日

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★4.7(4.33) 2019年4月発行。膵臓癌のステージ4と診断された高校1年時の同級生である豊島昭彦氏の生きた証として、同氏の半生について、手記を交えて執筆。「十五の夏」にも出てきた豊島氏。まさか膵臓癌と診断されてから1年も経たずに亡くなってしまうとは。(6月に亡くなったようですね。)ご冥福をお祈りします。僕にも30代の若さで同じ膵臓癌で亡くなった後輩がいたが、検査で分かってから3ヶ月も経たずに亡くなった。豊島氏の人生を意味あるものにするため、手記の執筆を勧めた佐藤氏の友情には頭が下がりますね。

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2019年07月22日

Posted by ブクログ

「友情」を考える上でこれ以上の本があるだろうか。高校一年生の一年間を濃密に過ごした著者二人のそれからの人生を顧みて、勿論それぞれの人生があったわけだが、都度都度関わることがなくても、いざという時に一番親身になって精神的なヘルプをしてくれる親友という存在。
自分の身で振り返って、3年前に三途の川が朧気に見えた時期があった際に、やはり親友家族にとても言葉で表せない勇気をもらったことがあり、幸いなことにまだ生かしてもらっているが、その時の記憶を呼び覚ましながら読ませてもらいました。
お互いのことを尊敬し合える友達同士の友情は本当に素晴らしい。最後の伊豆弓ヶ浜への二人旅行の場面は涙無しに読むことができませんでした。

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2019年07月10日

Posted by ブクログ

高校時代の友人と40年ぶりに再開した後、癌であるとわかったため、2人の子供に自分の痕跡を残すために書いた本。

友情は、たった1年同じクラスに所属して、その後何十年も会わなくても、お互いを信頼し思いやっていれば、決して消えることはないという事が再確認出来た。

人生を最後まで生き抜く極意
1.こんなもんだと思う事。
2.仕事以外に自分の生きる目標を作る。好きな事、やりたい事を見つける事。
3.いい経験をしていると思う事。
4.人的ネットワークを作る事。
5.目標となる人を作る事。
6.チャレンジ精神をもつ事。
7.自分の座標軸を見失わない事。
8.一喜一憂しない事。

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2023年08月01日

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佐藤優の埼玉浦和高校時代の同級生である豊島昭彦という方が亡くなった。数年来、対面できていなかった二人。片や外交官、片や銀行マン、それぞれの紆余曲折を経た人生。邂逅し、親友であった当時を語らうも、豊島昭彦は余命宣告を受けていた。

友人なんて、少なくて良い。毎日会わなくて良いし、寧ろ、高頻度で会うのは、何かしらの利害関係や依存関係にあるから、友情とは質の異なるもの。数年に一度会う位の関係が親友だと考えている。これは、ただの私自身の価値観に過ぎない。しかし、佐藤優と豊島昭彦が別々に過ごした年月、それを一気に取り戻す二人の関係性を見ながら、この考え方は、そんなにおかしくないだろうという気持ちを深めた。

二人の記憶が交錯しながら話は進む。別々に仕事をしながら、ふと相手を思い出す。そうした想像は、相互性があるのだと言う。経験的に確かにそう思う。一方で、記憶は印象によって相互に異なり、非対称性だと。こうした対比は、まさにその通りだ。非対称な記憶や認知を相互補完する所作にフィリアが生まれる。

フィリア。エロスでもアガペーとも異なる友情の概念。ギリシア語で愛を表現する3つの言葉。フィロソフィーという言葉もここから。ソフィア、つまり知に対するフィリアなのだと。検察官の起訴便宜主義による可罰的違法性の判断の話も勉強になった。カイロスとクロノスの話は何度目か。この辺の知識提供が佐藤優の著書に期待されるものであり、佐藤優はこうした読者の期待を理解しながらも、無名に近い友人との関係性を記述していく。私的な作業にも思えるが、金では無く、本当に大事な事は、彼の意思を残す事。そのために自らを役立てる事。生きた意味を繋ぐ仕事の手伝いという、最上の友情をここに見た気がした。

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2022年06月12日

Posted by ブクログ

 編者の浦和高校1年次のクラスメート豊島氏の伝記ならびに編者自身のエピソードを同時並行に並べたタイムラインという構成。
 豊島氏が銀行入行後、初めて債券先物ディーリングを担当した際の上司の行動が秀逸。慣れぬ同氏と同額の反対ポジションをとることによって、損失発生を回避していたのだった。
 この様な二人三脚的な伝記物?は自分には極めて珍しく、二人の信頼の深さにも感じ入るが、豊島氏の伝記だけでは市販本として成り立つことは無かったと思料した次第。

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2022年02月02日

Posted by ブクログ

佐藤優による友情の物語。同志社大学神学部で描かれた大学生時代の物語を更に前後に広げた時間軸での物語。1975年4月から浦和高校1年9組で1年間隣り合った豊島昭彦君の視点(人生)も絡み、改めて知る、1960年前後に生まれた、彼ら二人のクロニクル(リアル年代記)でもあります。時代の流れの中で外資に翻弄される日債銀、そして民営化されても意識は官営(お役所感覚)という`ゆうちょ銀行`等の悩ましい実情も垣間見えます。オススメです。★四つであります。

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2020年01月19日

Posted by ブクログ

知らない中年男性の人生語りが胸を打つというのはこの歳になったからでしょうか。いや、誰も物語を持っていて、語るべき場所さえあれば皆人生の主人公なんだと思います。それが無ければ小説も存在しませんしね。

佐藤優さんといえばギョロ目の達磨のような強面の風貌でおなじみですが、僕は全然興味が無かったので一冊も著書を読んでいません。
しかし何故かこの本には惹かれてしまいました。数十年ぶりに有ったかけがえのない親友。彼がすい臓がんで1年足らずの余命と診断され、彼と共にその足跡を一冊の本に纏めようと考えた。この時点でジンとしてしまいますが、よく考えたらこの友人の豊島さんは有名人でもなんでもない人です。かなりの秀才だった為経歴は物凄いですがなんだかんだ普通の人の範疇にいる人です。
佐藤君、豊島君が44年前に育んだ友情と、疎遠になった後のお互いの人生を照らし合わせて、戦後高度経済成長からバブル経済の終焉、長期に渡る不況と金融機関の統廃合に伴う大量のリストラ。
当時子どもだった僕にはとんとわからない話でしたが、実際にその渦中にいた人の経験談はとても興味深いです。ニュースや解説だけでは分からない事が沢山ありました。
誰もが皆、産まれて死んでいく事に意味なんてないけれど、一つ一つ意味と名前を付けていく作業こそが人生なのかなと読んでいて思いました。
何十年経っても、会っていなくても大事な友達っていますよね。友達が少ない僕にもいます。向うはどう思っているかは分からないですけどね。
彼らのように時間を一瞬で埋めてまた何かを始める事が出来るって、とってもとっても素晴らしい事。これこそが産まれてきた意味の一つだと思います。

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2020年01月06日

Posted by ブクログ

本書は「青春」という誰しもが体験する人生の一時期も濃密に描いている。著者とその友人の青春時代を読む事で、小生もまた若かった恥多き日々を思い出してしまった。
ノスタルジーの日々は限りなく甘くそして苦い。「15の夏」も面白かったが本書はさらに興味深い。
本書には「感動」がある。リアルの力なのか、著者の作家としての力量なのか、おそらく双方相まってのものなのだろう。友人への暖かい心と、作家としての力量もうかがえる作品である。
二人が生きてきた時代は小生も通り過ぎてきている。闘病の生き様も我が事のように心を揺るがした。やはり著者の本は優れていると評価したい。

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2019年10月28日

Posted by ブクログ

冒頭、豊島氏が「自分の人生の本など誰も興味を持たない」と発しそれを佐藤氏が制する場面があったけど、自分も豊島氏と同じ考えで読み物として成立するの?と思ってた。
けど蓋を開けてみるとかなり良質なノンフィクションだった。
佐藤氏の文章の巧みさもあると思うけど豊島氏の生き様も、人生ひとそれぞれなんだなと考えさせられるところがあった。
エリートコースを歩んでも、誰しも順風満帆というわけでは無いんだね。

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2019年08月23日

Posted by ブクログ

高学歴の会社員の世界観が興味深い。豊島さんはテストで満点を取ることに必死になっていた延長で、仕事も満点になるように必死にがんばってきたのかな。

でも、仕事は一人では成果は出せないからね。上司や部下や取引先などなど色々絡んだ結果だから、いつもすごい成果をだせるわけではない。むしろ、こんなに努力してるのになんで結果?みたいな理不尽なこともたくさんある。

彼に家族との幸せな時間がもっとあれば、そんな日々ももっと楽しく過ごせたのかもしれない。私たちが学ぶべきところは、そんなところ。

いい人生とは何か、いい仕事とは何か、一言で語れるとかっこいいけれど、一言では語れない人生の複雑さを表現している。

佐藤優がたまに、響く言葉を言う。

P162 生き残る人と生き残れない人を分けるのは、結局のところインテリジェンス能力と歴史観。

豊島さんの残された日々が、穏やかであるよう、祈ります。

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2019年07月05日

Posted by ブクログ

高校時代の同級生 豊島さんの半生が書かれた手記。
余命幾ばくもない豊島さんの為に著者が何かできないかと考えた結果がこの本なのかなと思った。

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2020年10月28日

Posted by ブクログ

銀行勤めの方の人生が面白く読めたのは、読みながら頭の片隅で自分はこのときどうだったろう、とさまざまな像が浮かんだからかもしれない。考えちゃうよね。そうさせるのが筆力か。

ほとんどが豊島氏という佐藤氏の友人の半生についてのエピソードだった。国策捜査でつかまった佐藤氏とちがい、銀行勤めの会社員であり、特段ドラマチックというものでもないはずだけど、妙にひきこまれた。普通の人生もまた、ドラマチックということか。どんな人でもアップダウンあり、良いときもあれば、つらいときもあるということかもしれない。気がついたとき、末期のがんだったというのも、案外めずらしい話ではないのかもしれない。今ある日常が、それほどに大切なものだということを教えてくれたということかな。

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2019年12月01日

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