あらすじ
【月300冊以上を読破し続ける“知の巨人”・佐藤優が厳選!】
【教養の幅が広がる、危険で刺激的な「悪書」20冊】
本書では、ヒトラーや金正恩などの独裁者の自伝や、革マル派リーダーの獄中記、
元銀行員による経済犯罪の記録など、20冊の「悪書」を紹介する。
いずれも日本における社会的常識や倫理観に反する危険な本である。
このような自分の価値観とは異なる本、生理的に受け容れがたい本、
普段であれば決して手に取らないような本を読んでこそ、
深い教養と高い視座が手に入る。
国家の裏側と人間の闇を知り尽くす佐藤優が案内する、善悪を超えた知的読書の世界とは。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「私の考える『悪書』とは、現代人にとって咀嚼しにくいような、『強烈な』個性を放つ〝ざらざらした〟本である」
「なぜあえて悪書をすすめるのか。
それは自分の価値観とは異なる本、生理的に受け容れがたいざらざら感のある本、普段であれば決して手に取らないような本を読むことを通じて、世の中と自分を多面的にとらえる絶好の機会となるからである」(「はじめに」より)
「わが闘争」アドルフ・ヒトラー
「書物主義に反対する」毛沢東
「金正恩著作集」金正恩
「国体の本義」文部省教学局
この本に触れなければ、内容すら知ろうとしなかった本ばかりだ。
「戦争論」クラウセヴィッツ
「プロパガンダ戦史」池田徳眞
「バルタイ」倉橋由美子
暴力の肯定化の論理を学ぶこともなかった。
「カルロス・ゴーン経営を語る」カルロス・ゴーン/フィリップ・リエス
「トランプ自伝 不動産王にビジネスを学ぶ」ドナルド・J・トランプ/トニー・シュウォーツ
「死ぬこと以外かすり傷」箕輪厚介
著者の英知の光に照らされると、見えないものが見えてくる。
「わが闘争・猥褻罪-捜査逮捕歴31回」大坪利夫
「突破車-戦後史の裏を駆け抜けた50年」宮崎学
「カラマーゾフの兄弟」ドストエフスキー
タブーを犯して見えたものに光を当てる凄み。
「『悪書』と向き合うにあたって重要なことは、『そこになにが書かれているか』よりも、『それを読んだ自分がどう感じたかを知ること』である」(「おわりに」より)
読書することは、著者との対話であり、自分自身の発見でもある。
ガイドとして、読み物として
独裁者から巷を騒がせる有名人まで幅広い人物の作品が並ぶ
書籍としては名は知ってるが内容はわからない本のダイジェストとしても良かったし、読書術としての著者の視点は大変参考になるものだった
Posted by ブクログ
これは最高!なんか、これまて自分を気持ち良くしてくれて、理解してくれて、応援してくれるような本ばかりを読んできたけれど、踊り場感があったんだ。だけど、それは自分の世界の限界、ってことだったのだろう。
「自分の価値観とは異なる本、生理的に受け入れがたいザラザラ感のある本、普段であれば決して手にとらないような本を読むことを通じて、世の中と自分を多面的に捉える絶好の機会となる」
読むべき本がここに列挙されている。すべてを読み終わった時、わたしは新たな知見と感性を得てもっと成長しているのではないかと期待が膨らんでいる。
Posted by ブクログ
好き嫌いや良い悪いで本や人を見てしまっていたことに気付かされた。
無意識にヒトラーやレーニン、金正恩など悪人として有名な人たちの本なんて読む価値がないと決めつけていた。
どんな思想や価値観からでも学ぶべきポイントはあり、むしろ悪名高い人だからこそ優れている部分も持っている。
そうした多様な価値観に触れて自分の視野を広げたり、新たな学びにつなげていきたいと思った。
まずは地球星人を読もう
Posted by ブクログ
危ない読書
教養の幅を広げる「悪書」のすすめ
著:佐藤 優
紙版
SB新書554
佐藤氏より、「悪書」自分の価値観とは異なる本、生理的に受け容れがたいざらざら感のある本のススメです。
独裁者の哲学:彼らはいかにして人を操ったのか?
過激派の知略:彼らはなぜ暴力を用いたのか?
成功者の本性:彼らは何のために富を得たのか?
異端者の独白:彼らはタブーを犯して何をみたのか?
社会が閉塞感でおおわれる今、牧場で囲われている羊では、世界の狼には勝てない。価値観の転換が必要なのかもしれません。
20冊のオススメ本のうち、気になった本を2冊
・国体の本義 文部省教学局
・クーデターの技術 クルツィア・マラパルテ
目次
はじめに
第1章 独裁者の哲学 彼らはいかにして人を操ったのか?
『わが闘争』アドルフ・ヒトラー
『レーニン主義の基礎』スターリン
『書物主義に反対する』毛沢東
『金正恩著作集』金正恩
『国体の本義』文部省教学局
■第2章 過激派の知略 彼らはなぜ暴力を用いたのか?
『戦争論』クラウゼヴィッツ
『クーデターの技術』クルツィオ・マラパルテ
『プロパガンダ戦史』池田徳眞
『読書のしかた』黒田寛一
『パルタイ』倉橋由美子
■第3章 成功者の本性 彼らは何のために富を得たのか?
『カルロス・ゴーン 経営を語る』カルロス・ゴーン/フィリップ・リエス
『トランプ自伝 不動産王にビジネスを学ぶ』ドナルド・J・トランプ/トニー・シュウォーツ
『告白』井口俊英
『ゼロ』堀江貴文
『死ぬこと以外かすり傷』箕輪厚介
■第4章 異端者の独白 彼らはタブーを犯して何を見たのか?
『わが闘争・猥褻罪―捜索逮捕歴31回』大坪利夫
『突破者―戦後史の陰を駆け抜けた50年』宮崎学
『邪宗門』高橋和巳
『カラマーゾフの兄弟』
ドストエフスキー
『地球星人』村田沙耶香
おわりに
ISBN:9784815606572
出版社:SBクリエイティブ
判型:新書
ページ数:240ページ
定価:900円(本体)
2021年09月15日初版第1刷
2021年09月28日初版第2刷
Posted by ブクログ
危ない読書
2025.05.17
危ない読書というタイトルに惹かれて読んでみた。
読書のデメリットについて書いた本なのかと思いきや、「悪書」と定義された一風変わった本やタブーについての本などザラザラしているが読む価値のある本について引用をたくさん使って語られていた。
「パルタイ」という本に一番興味を持った。
大学の講義で社会を変えるにはというテーマで学生運動や社会運動について考察したが、引用部分を読み、別の視点から社会運動を捉えることができた。
あなたの目がひどい斜視であることに気づいた
組織に動かされる盲目的な人々を描くとともに違和感を抱いてそこから離れる一連のリアリティがどんな分野にも言えることなのではないかと感じ納得した。
Posted by ブクログ
ヒトラーやスターリン、毛沢東から始まって革マルリーダーの黒田寛一、カルロスゴーン、堀江貴文などが書いた本について、悪書の表題にも関わらず良書の面もきちんと評価しており、佐藤優らしい。
最後の方で何故かドストエフスキーのカラマゾフの兄弟が載っていた。最高の名著だが難しく5巻全てを読み切るのは難しいと。読み切った自分に少し嬉しくなった。読み切るのが難しいと理由に、相反する考えが並べられてることとの指摘があった。なるほどと思う。だが、同一人物に2つの全く違った呼び名、フルネームの記載。登場人物が皆んな過激な思想の持ち主であること、現実と夢想が入り混じって書かれていること、ロシア正教の神の姿が人それぞれ異なることなどがこの小説を難しくしていると自分は思っている。
Posted by ブクログ
本好きなのだが、分厚い本を読みには気合いが必要だ。白状すると、そうした書物を容量たっぷりで幸せ、とは思えないのが正直な所。しかし、覚悟をもって読み終えると、確実に達成感があり、人生観が多少なりと変わる。分かっているのだ。分かっているが、簡単ではない。岡田斗司夫や茂木健一郎が、読書はネット閲覧に対して、ジムトレーニングに近いと表現していたが、まさにそれだ。分厚く、内容が詰まった読書は、フルマラソンへの挑戦である。
佐藤優が今回解説する20冊は、そのような本だ。自分の価値観とは異なり、普段ならば手に取らない、生理的にも受け容れ難い本。ざらざら感のある本。読むのに勇気がいる本だ。紹介されるのが、『レーニン主義の基礎』『わが闘争』『金正恩著作集』『国体の本義』などなど。こう並べると、言わんとする事が伝わるだろうか、まさに、劇物である。
本の読み方を変えてみようか。
本に何を期待するのか、という観点もそうだが、読後の自らの変化ぶりを期待して読む読書だ。世界の真実とは言わずとも、知らない方が良い事柄を除いてしまう事で、脳裏にこびり付いて価値観が変わるような読書。リアルでも時々ある。例えば、親の性行為を見てしまうとか、信頼していた人の裏切りとか。危険な読書にも、その側面があるのは承知。匂いながら、食さなかった分野へ手を伸ばそう。
Posted by ブクログ
1.タイトルに惹かれただけです。
2.世界にはさまざまな思想の持ち主がいます。本書では、世間では変わった人扱いされる人を取り上げ、出版している本の紹介をしています。というのは、本書の目的は、世間で広まっているニュースでは触れていない情報を紹介し、その人の思考について考えることを目的としています。本書を読むことで、「集団的同質化」から脱却し、真の意味で個性的な考えを見出すきっかけになります。たんなる犯罪者という見方ではなく、犯罪者として祭り上げられた人もいるため、そのような集団の犠牲になった人の心情や国民感情による圧力と向き合った結果も書かれております。
3.個性的な人を尊重するといいつつも世の中は思うほど変わっていないことに気づきました。そして、その原因は「集団」であることもわかりました。例えば、個人的に話す分には好きなのに、会社で考えると異端児扱いされ、除け者にされてしまうという話をよく聞きます。この理由について自分なりに考えた結果、「保身したい人」の考えに負けてしまうことが原因だと思いました。保身を考える人は組織内で大勢います。その圧力によって、個性的な意見は簡単につぶされます。だから組織の改革がなかなか進まないのだと感じました。改革を進めるには個性的な人をトップに置くだけではダメで、周りの人たちがどれだけアクティブなのかを見定める必要があります。環境を作ることで、未来も変わっていくのだと気づかされた本でした。
Posted by ブクログ
20冊「いずれも社会的常識や倫理観に反する危険な本」かつて人を騙した、あるいは誤用され悲劇をもたらした「悪書」を時代背景とともに精読する/ヒトラーは出獄再出発以来「本音を隠していなかった=民主的指導者だった」し、スターリンは「法を超えて暴力で共産主義体制を維持する」と宣言したし、金正恩は兄殺害を予告していた/現代人の課題としてグローバリゼーションに抵抗するのが正しいのか?/家畜化を拒み、生殖も、それを読んで気持ち悪くなる「自分」は「正常」なのか?例えば「理性的」「健康」「衛生的」は絶対に価値のあるものか?
Posted by ブクログ
ナチズムやスターリニズム、中国共産主義など一般人が見たら読むのもはばかれるであろう過激でかつ危険な思想を扱った書物を敢えて多角的な視点で見解して読み解いていて再評価していこうとする本である
その過激な思想の裏には人間としての普遍的なテーマや思想性などが意外と散りばめられていてビジネス書や自己啓発書としての役割も果たす事が出来るようである
例えば毛沢東の書籍にも優れたアイデアを作り出すにはそれを作り出す調査が必要でその調査を錬って熟す事ではじめて優れたアイデアが生まれる事やマニュアルより現場を大事にしてかならず各種職業の人間を調査会に呼ぶなどのビジネス観点から見てもかなり実践的な面で勉強になれる記載がある
ただし著書のタイトルからして毒書という事もあり、知識や情報に偏りがある人間が読めば実生活でかなりの悪影響を及ぼす懸念もある